それでは順番に、紹介だけして触れずじまいになっているご質問の方に参りましょう。
アンさんからいただいていたコメントの再掲からですね。
allは複数扱いっていうのも、まぁ言われたらそうだよねって感じですが、、
例えば、日本語でも言うオールナイトはなぜall night?って思ったら、これはall-nightだからまた違うんですかね?ハイフォンで繋がない場合は、ちゃんとall nightsになる感じですか?これ、every nightと、all nightsは意味が違いますよねぇ?
every dayとall daysもそうですが…
そう思って考えると、単数、複数の違いもわからなくもないような…?結局、英語も日本語もややこしいですね笑
⇒大学生あたりからやたら使われるようになる気がする「オールする」という表現でおなじみ、「一晩中」を意味する「オールナイト」ですが、まず言うまでもなく、「オールする」は完全なる和製英語(カタカナ語)で、「I did all.」とか、「2日もオールしてるぜ!」のつもりで「I've alled for 2 days!」とか言っても、絶対に1ミリも通じないので注意が必要といえましょう。
(allに動詞としての用法などないので、そもそもall-edなんて言い方はありませんしね。
…というかまぁ、どう考えてもこれがそのまんま英語で通じると思う人なんて誰もいないとは思いますが(笑)。)
「徹夜する」を英語で言いたい場合は、「stay up all night」とか「be up all night」とか、もっと単純に「I didn't sleep last night.(昨晩寝てないんだ。)」とか言うのが普通という感じでしょうか。
とはいえご質問は徹夜うんぬんではなく、「all night」の表記方法についてですね。
上でも既にちょっと使っていましたが、基本的にはこないだ見ていた通り、allは数えられる名詞の複数形のみならず、数えられない名詞(不可算名詞)も従えることができるというのがポイントかもしれません。
なので、ここは普通にall nightで問題ないわけですが(漠然とした「夜」というもの全部を指して「一晩中」という感じで、不可算名詞のnightがつながっていると考えれば、allの後に単数形が続いているのでも違和感はなさそうです)、しかし、コメントにあった通り、ハイフンが入ったall-nightってのも、そういえば見る気がしますね。
この辺の違い、僕にはイマイチハッキリとは分からなかったので、また集合知に頼ってみることにしましょう。
検索したら、またまたStackExchange(SE)フォーラムの方にドンピシャの質問が見つかりました。
こちら(↓)を参考にさせてもらおうと思います。
Writer1(質問者):「all night」と「all-night」はどちらが正しいのか、またその理由は?(質問スコア1点)
文としては、「...we've been up-all-night writing reports...」なんだけどね。
all nightなのかall-nightなのか、またその理由を誰か説明していただけないかな?
(※まずは質問文についていたコメント(5件)から触れていきましょう。質問者からの「ありがとう」のみのコメントは省略しています。)
Ceramicmrno0b:最初の方が正しいと思うけど、確証はないなぁ。英語と用法についてのSEフォーラムの方がこの種の質問についてはより詳しいんじゃないかと思えるよ。ライティングについてのSEフォーラムから外れている理由もないとは思うけどね。
(※注:恐らく最初はSEの内、「英語用法」ではなく「ライティング」のフォーラムに立った質問だったようですね(その後、英語用法フォーラムの方に移動されて、今はそちらのスレッド扱いになっているようですが)。)
DWKraus:コメントスコア2点
「I had to stay up all night.」という形になるんじゃないかなぁと思うけど、「It was an all-night party. so we pulled an all-nighter.(オールナイトのパーティーだった。だから、僕らは徹夜した)」(※注「pull an all-nighter」も、「徹夜する」でよく使われるイディオムですね。カジュアルな表現なので、日本語の「オールする」にはこれが一番近い感じでしょうか)ともなるだろうね。前者では機能的に別々の単語だけど、後者では機能的に1つの単語・フレーズになっているんだね。私は英語を専攻しているわけではないけれど。英語のSEで聞いてみては?
GEdgar(今年上位0.46%に位置している超優良回答者):コメントスコア1点
Where were you all night? At an all-night study session.(夜中ずっとどこにいたの?オールナイトの学習セッションだよ)だね。
Hot Licks(上位0.63%に位置している超優良回答者):
We were up all night at an all-night party.(オールナイトのパーティーで、徹夜をした)だね。
Ram Pillai(上位27%に位置している優良回答者):
We have an all-night canteen in our campus.(我々のキャンパスには、オールナイト営業の食堂がある)だね。
(以下、回答として投稿されていたコメントです)
JonStonecash(上位93%に位置している回答者):回答スコア2点
私は文法学者ではないけれど、以下が私の答えだよ。
2つの単語の間にあるダッシュ記号は、その後に続くものに適用される単位として捉える、ということを示しているね。例えば、I met Salena at an all-night diner.(私はサレーナにオールナイト営業のダイナー(食堂)で出会った)のように。それはどんな食堂だったのか?allとnightの両方があるdinerではなく、all-night dinerってことだね。
ダッシュは、文法的用法に違反するような酷い、良くない類のものとまではいかないけれど、私は、I stayed up all-night fixing the broken database よりも I stayed up all night fixing the broken database(壊れたデータベースを徹夜で直した)の方がいいと思えるかな。個人的には、前者の形式は「missing step(欠落したものがある)」(あるいは、お好みなら、missng-step)的な反応を引き起こすね;all-nightという使い方だと、その後に続く何かを修飾していると思えるけど、合理的なターゲットとなるようなものはその後に何もないということだ。
しかし、君の対象としている聴衆がこの回答を読んだら笑い転げるような場合は、当該の人たちが期待する方法で述べる必要があることには注意すべき所だね。
H98:回答スコア2点
答としては「we've been up all night writing reports」であるべきだね。
単語と単語の間にハイフンを使うのは、複数の単語が1つの単語として動作することになっているときだけなんだ。
例えば、「We have an all-night party.(オールナイトのパーティーをする)」と言うことは可能だね。「All-night」は「party」を修飾する1つの形容詞として機能しているから、ハイフンが入っているわけだ。
別の例としては、「I attended an eight-year-old boy's birthday party.(8歳の男の子の誕生日パーティーに参加した)」とかだね。「eight-year」は「boy」を修飾する1つの形容詞として振る舞っているので、ハイフンが入っているんだね。
三つ目の例は、「There are many moss-covered rocks in the forest.(森には苔で覆われた岩が沢山ある)」とかかな。これも「Moss-covered」は「rocks」を修飾する1つの形容詞として振る舞っているから、ハイフンでつながっているよ。
(この最後の回答についていたコメント)Donald Hosek(今年上位56%に位置している回答者):
より正確には、複合形容詞にはハイフンを使うが、複合名詞にはハイフンを使わないという公式だね。つまり、fire trucks(消防車、名詞)はしばしば、fire-truck red(消防車用の赤)と描かれるわけだ。とはいえ、adverb-adjective pair(副詞と形容詞のペア)、例えばnewly-minted words(新造語)なんかでは、ハイフンを入れる作家と入れない作家がいるなど、ボーダーライン上にあるケースもあるけどね。
…ということで、基本的には、ハイフンでつないで一語化した「all-night」は、形容詞として、何かを修飾する場合(「夜間営業のレストラン」とか、「夜通しで開かれてたパーティー」とか)のみに使うもので、そうではない他の場合は二語の「all night」の方が標準的な使い方だといえそうです。
一方、コメントにあった他のご質問、all nightsという複数形のナイツが続いている表現(や、それとevery nightとの違い)に関しては、まず、複数形のnightsをつなげた場合は、「一晩中」ではなく、「複数ある夜の全て」で、いわゆる大学生のオール的な意味とは違って、「色んな日の、全ての夜」という意味合いが強い表現に思えますね。
しかし、言葉の組み合わせとして「all nights」より「all night」という表現の方が圧倒的に強いため(実際意味としてそっちの「一晩中」の方を使う場面の方が断然多いからでしょう)、これはあんまり聞かない言い方かな……とは思えるものの、まぁ意味的にはあり得なくはない感じでしょう。
ただ、「全ての夜」を言いたいならやっぱり「every night」の方が自然かなと思えるので(日本語でもまさに「毎夜」って感じですね)、その意味でもあまり見ない表現なのかもしれません。
(なお、その意味での「all nights」であれば、「every night」とほとんど同じ意味だと思えます。)
all nightsって使ってる実際の例はないかなぁ、と思ったのですが、ちょうど関連して検索してみた「every nightとeach nightの違い」について質問されていたQuoraの記事で、ズバリ登場していました!
せっかくなので、all nightsの実用例含め、そちらの回答だけ、抜粋させていただきましょう。
質問:この2つの文章はどちらが正しい、あるいはより学術的?「studying each night」と「studying every night」
Hal Mickelson(元企業内弁護士;AB(歴史学学士)、JD(法務博士)):回答スコア3点
注意:これらは文章ではない。どちらの三語表現も、正しい文脈の中で使われれば正しい表現にはなり得るけどね。どちらも基本的に同じことを意味しているよ。もしも I’m busy all nights, without exception(全ての夜で忙しい、例外なしに)ということを強調したいのであれば、私なら「I'm studying every night(毎夜勉強をしている)」と恐らく言うだろうね。もしも各昼過ぎではなく各夜であることを強調したい場合、あるいは特定の夜が暇でないことを強調したい場合は、「I'm studying each night(夜はどの日も勉強している)」と言う可能性が高いであろう。私の知る限りでは、ほとんどの人がこの2つの表現を区別なく使っているようには思うが。
そんなわけで、all nightsとevery nightは意味がほぼ同じ(=every nightの説明のためにall nightsが使われていました)ばかりか、さらにはeach nightまでほぼ同じ意味だという感じのようですね。
一応、「毎夜」と「各夜」に微妙な差があるように、every/each nightとさらにはall nightsにも微妙な差異はあるのかもしれませんが、非ネイティブが感じ取れる(使い分けられる)ほどの違いではない気がします。
ただ、これ以外にも、前回も少し触れていた「冠詞のあるなし」 の差も気になったのでちょろっと調べてみた所、そこでも結構面白い情報が目につきました。
早速こちらも……と思ったのですが、そんなに長い記事ではないものの、ちょっと今回また時間切れになってしまったため、無駄に引っ張って恐縮ですが、そちらはまた次回見ていくといたしましょう。
短いフォーラム記事なので、まだ残っているコメント残りのご質問も一気に次回終えられちゃいそうですね。
アイキャッチ画像は、「オール」ネタということで、「徹夜」で検索したら時期的にピッタリなサッカーの応援による寝不足のいらすとが見つかったので、今回はこちらをお借りしましょう。
オール(徹夜)についても雑談ネタとして適当に語ってみようかと思いましたが、その時間もなかったのでまたの機会があればにしようかと思います。
個人的には、睡眠ほど大事なものはこの世の中にないと思ってるので、(記事タイトルにもした通り)オールはしない方がいいと思います派です、ってことだけ書いておこうと思いますが、まぁサッカーを見たいとかどうしても仕事などの追い込みがあるとかならたまには仕方ないかもね、でもその分どこかで睡眠借金を返しましょう派…という、やや中立・日和見的な立場であることも主張して終わろうと思います(笑)。