こんな街に住みてぇ~と思える、海の街!

…の漫画!

 

ということで、前回の吉田基已さんに続いて大好きな漫画シリーズ、今回は「吉田さん」つながりでこの方…

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吉田秋生(あきみ)さんです!


キャリアも長く、超有名作品も多数執筆されているのでご存知の方も多いことでしょう。

もちろん非常に多くの傑作を残されていますが、僕が個人的に一番好きなのが、上にも挙げました、吉田さん一番最近の連載作品『海街diary』(全9巻)です。

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海街diary」最終巻表紙より

…といっても、本当の最新作は『詩歌川百景』なんですけど、こちらは、海街diaryに登場するキャラの話(海街最終巻の最終話で、既に番外編としてそのキャラがフィーチャーされていたのですが)なので、これは僕にとって海街diary2みたいな、まぁ実際は舞台も違いますし続編というわけではなくスピンオフというかそんな感じではありますけど、ほとんど同じ作品とみなしている感じなのです。


まぁ実際タイトルも主要登場人物も全く違うし、同じではないんですけど(笑)、やはり詩歌川百景は連載中ですし、今回は特に海街diaryの方を取り上げてみた次第です。
(でも、海街が好きだった人は確定でそのまま全力でハマれる、同じ空気が流れている感じですね。)


海街diaryのストーリーというか基本骨格としては、とある事情(というか両親の離婚)により離れて暮らしていた四姉妹(末っ子のみが、4人共通の父親と、再々婚の新しい母と一緒に、別の場所で生活)が物語の主人公なんですけど…

(まぁやはり、主役は末っ子のすずちゃんですかね。要は、端的にいえば「末っ子の成長ストーリー」という形なわけですが、毎回僕の好きな作品はほぼ必ずそうなんですけど、全員が血の通った生きているキャラで、全員が本当に魅力的!
 物語の核は末っ子とはいえ、みんなにほぼ均等にスポットライトが当たる感じになっています。)

…その父親が亡くなったため、葬儀でその末妹と上の三姉妹とが初めて対面する所から始まるのですが……

いやぁ~、もうこれも、何か下手な感想を書くだけ野暮というか、僕の筆ではこの物語の良さを表しきれないので、どうかお手に取ってご覧いただくしかないといえる感じですねぇ~。


無料お試し読みは、コミックシーモアでは太っ腹の49ページ(今回はAmazonも同じ公開範囲でした)もありましたが…

www.cmoa.jp
…ぬわーん、もうすぐめっちゃいい場面もあるんだし、もうちょい、せめて1話の終わりまで見せてくれてもえぇんちゃいます?!と思えるものの、まぁお試しとしては十分ですね。

改めて見たら結構セリフが多くてビックリしましたが、僕としてはその分読み応えがあって嬉しいとしか思えませんけど、まぁ気分転換に軽く読むタイプの作品ではなく、じっくりと腰を据えて深く味わって読むのが合っている、芸術タイプの逸品に思えます。


一言でいって、ズバリ「大人の物語」でしょうか。

もちろん登場人物には、主役である末っ子が中学生であることからも明らかな通り、子供も沢山いるんですけど、基本的には大人の視点からの、成熟して落ち着いたアダルティーなお話といえましょう。

特別な、ドラマチックな展開のハラハラドキドキ大スペクタクルな事件なんかが起こるわけでは決してないんですけど、普通の日常を一生懸命生きている人々の生活模様とでもいいますか、キャラクターそれぞれが非常に丁寧に描かれた、まさに極上の人間ドラマという感じですね。

結局、僕は一応幅広く色んなジャンルの作品を楽しんではいるんですけど、僕の好みとしてはそういったヒューマンドラマが一番好きなのかもしれません。

子供の頃に読んだら、もしかしたらちょっと退屈に感じたのかもしれないなぁ、とも思えるかもしれませんけど(いやでも、この海街diaryレベルなら、小さい頃に読んでも「素晴らしすぎる…」と思えたように思いますが…)、大人になって、やっぱりジャンプ系バトル系などよりも、どちらかといえばそういう上質なドラマを求めるようになった気もしますね。

(でも未だに、バトルものでも面白そうなのには手も出すし、いいものはしっかり楽しめますが…!)


なお、舞台は鎌倉です。

僕は何度か書いたことがあった気もしますが、住んでる所を気にするとか、帰属意識をもつとか愛着を覚えるってことがほとんどないんですけど(結構転勤族だったこともあり、特定の生まれ故郷をもたない(もちろん本籍地とかはありますけど、「どこが地元?」と聞かれても困るぐらい、「この場所で一番育てられた」という場所がない、って感じですね)ってのも大きいのかもしれません)、もちろん土地ごとの違いや魅力というのは当然感じられまして、鎌倉とか本当に素晴らしい場所に思えてなりません。

この作品でも、鎌倉の良さが存分に発揮されていますね!
(あぁ、こないだの志村貴子さんの「青い花」も鎌倉が舞台で、そちらももうとにかく素晴らしいの一言でした。)


僕は、鎌倉は…一度も行ったことないと思いますけど(通過ぐらいはしたことがあるにせよ)、いつか訪れてみたいですね。

聖地巡礼系も実はあんまり興味がないんですが、そういうの抜きに、本当に温かくて情緒も人情もある、「暮らしてみたいな」と思える街に感じます。

…まぁ、ぶっちゃけ日本に「冷たくて暗そうな住みたくない街」なんてそもそもあんまない気もしちゃいますが(笑)。「住めば都」ですね)

 

キャラについてはそうですねぇ、一応曲がりなりにも婚活用の自己紹介ブログなので、どの女性キャラが一番好きかについては絶対に語る必要性があると認識していまして、これはオタトークではなく、半ば義務感から語らざるを得ない話になっているわけですが(笑)…

(…って、そんなこといっておきながら「誰でも大好き」「答えは沈黙」など、これまでただの一度もハッキリさせたことがなかったですけど(笑)。
 あぁでも、最初「愛すべき娘たち」だけは、莢子さんが本当にイイ!…とズバリ書いてましたか(笑))

…結局…

…これもやっぱり……

全員、最高~!

…としかいえません(笑)。


本当に魅力的なキャラばかりなのです。

でもまぁやっぱ、あえていうなら、長女のシャチ姉みたいな人が、一番相性が良さそうかな、って気がしますかねぇ~。


一方、男性キャラは、正直、個人的にあんまり…!

あぁ、銀行のあんちゃん(末っ子すずちゃんの同級生の兄でもある……登場人物が密につながってるのも面白いです)は、めちゃくちゃ好きですねぇ~。

吉田作品にしては珍しく、この物語には完璧な美形天才少年みたいなのがいない感じですけど(まぁ、この作品は日常人間ドラマですしね)、「全てがめっちゃカッコいい」男キャラがいないだけで、全員それぞれに温かな魅力があるのは間違いありません。

 

あぁちなみに、この作品は、数年前に映画化もされていましたね!

例によって僕は原作漫画派なのでそちらは未視聴で、広瀬すずさんが末っ子の「すず」役をやるという面白い偶然があったこと、それからまとめサイトで取り上げられていたときに、女優さんの毛穴・産毛まで見えるぐらいの、信じられないぐらいに超絶高解像度の写真が貼られていたのが非常に印象的だった…というしょうもないイメージぐらいしかないのですが(笑)、結構評判は良かったように覚えています。

(先ほども貼ったAmazon 1巻のレビューでも、「原作より映画がオススメ」というとんでもない方もいらっしゃいましたが(基本的に、これに限らずなんでも、最初に見たものが自分にとってのオリジナルになる、って感じも強い気がしますね)、たまに地雷も発生する漫画原作の実写映画化ですけど、こちらは悪くはなさそうで何よりです。)

 

一方、他の作品でいえば、やはり吉田秋生さんといえば、最大の代表作は『BANANA FISH』でしょうか。

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BANANA FISH」最終巻表紙より

こちらは、僕は結構幼い頃(といっても、小中学生ほどの幼さではないですけど、本格的に漫画を大量に読むようになるより前のことです)に読んだんですが、まぁあんまりネガティブなことをいうのもあれなんですけれども、好きな漫画作品紹介というより自己紹介ブログなので正直に書くと、これは、僕にとっては、ちょっと期待はずれでした。

…といっても、いうまでもなく非っ常~に面白かったし、(そういえば、初めて自分で全巻一気にまとめ買いした作品だった気もします。僕が手にしたのは文庫版でしたが)間違いなく通して10回以上は繰り返し読んでますけど…

・「漫画史上最高傑作」みたいな評判を色々な所で見たため、期待値が青天井無限大にまで膨れ上がってしまっていたこと…

それから

・鉄砲パンパンやマフィアの抗争みたいなハードボイルドが、何度か書いてますが男にしては珍しく全く合わないので、テーマ全体が自分にはあんまりドンピシャではなかった(というか、難しすぎて理解できなかった)こと…

あとは

・例によって、全く抵抗はないけど、特に好んで見たいというわけでもないBL要素が大きなテーマとしてあったこと…

…などといった点などの複合で、面白いか面白くないかでいったら確実に面白かったし、繰り返しですが割とハマれるレベルで何度も何度も読んだんですけど、期待していたほどの「漫画史上最高傑作」では、自分の中ではなかったかな、って感じだった形ですね。


絵も、まさにこの作品の途中から完全に今の吉田秋生さんとほぼ同じな洗練された感じになった過渡期の作品に思うんですが、言い換えると、最初期は個人的にちょっと今ひとつに思える感じだった、って点もやや難のポイントとしてありますかね。
(ただ、色々見てると、「初期の絵の方が断然良かった」っていう方が思いのほか多いんですよね。どう考えても途中以降の方が完璧に完成されて、魅力的に思えますが、思い出補正などもあるのでしょうか。)

(なので、繰り返し読んだ回数は、アッシュがただのナスビから一気に美しくなった((笑) シーモアのレビュー記事から拝借した表現ですが(笑))後半のみの方が圧倒的に多い感じです。話も、後半の方が自分好みかな、って感じです。)


いやホントくどいですけど、アッシュの天才描写やその他カッコいいシーン・番外編最後の美しいシーンなど、めっちゃんこ好きで楽しめた作品ではあったんですけどね。

僕は、割と相当な数の漫画に触れてきた結果、

「自分の目がもう肥えすぎていて、楽しめなかった。もっと小さい頃に見ていれば、もしかしたら楽しめたかもしれないね」

と思える作品に出会うことが多いんですけど、これに関しては、

「この作品を鑑賞するには自分が幼すぎて、完璧には楽しめなかった」

という、個人的に珍しい真逆のパターンだったといえましょう。


…と、自分の中の評価は最高レベルとまではいかなかったまでも、原作終了から24年もの歳月を経て、数年前にアニメ化されていたのも記憶に新しいですし、今なお愛される、ハードボイルド系少女漫画の最高傑作には間違いない感じですね。


(なお、先ほど書いたパターンとは逆なんですが、BANANA FISHの数年後に始まった、同じタイプの中編作品『YASHA』について…
…こちらはもう完全に大人になって、様々な漫画を読みまくって目が肥えてから読んだんですけど、こちらも素晴らしい作品ではありましたが、こちらはDNAやら遺伝子やらのバイオ系の話も絡んでくる内容で、既に大学院も出て完全に専門であった立場としては、あくまで物語だし「おかしい」とか思うことは一切なかったんですけど、専門外の方が読んで「凄い!何かカッコいい!!」と感じるであろうほどの感動まではなかったかな…という感じでした。
(あと、「この説明で、専門外の人が理解可能なのか…?」と心配になったことも多々あり。余計なお世話過ぎますが…(笑))

 結局、BANANA FISHは早すぎた・YASHAはやや遅すぎたという感じで、ちょっと読むタイミングが良くなかったかな、って感じなのですが、その点、大人物語の海街diaryはタイミング的にも完璧に楽しめましたし、そういうこともあって、個人的No.1は海街かな、って感じなのかもしれませんね。)


その他、海街登場キャラも出てくる『ラヴァーズ・キス』(もちろんこっちが先なので、正確には「海街diaryに、ラヴァーズのキャラが出てくる」ですが)や、吉田さんが初めて漫画賞を受賞された『河よりも長くゆるやかに』や『吉祥天女』など、硬派な物語から繊細な物語まで(共通するのは、どれも「大人な物語」ってことですね!)、非常に多くの傑作のある吉田秋生さん、文句なしにオススメです、ってお話でした。

(やはり、個人的には、海街をまず最初にオススメしたいかな、って気はしますが…)

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