それでは引き続き、ここ最近のクリーブランド・クリニックによる栄養・健康関連記事の中でリンクが張られていた、面白そうなネタを見ていこうと思います。
正直どの記事で挙げられていたかは最早定かではないものの(ただ、リンクタブの開かれていた位置的に、ごく最近の記事のはずですが)、一番興味深そうな内容に思えたこちら(↓)、睡眠衛生についての記事を今回はピックしてみました。
「Hygiene(ハイジーン)」というのは、一般的な清潔・健康・病気予防を意味する、いわゆる「衛生」という語で、医療分野では極めてよく聞く超メジャー単語ですが、「Sleep」と結び付いた「Sleep Hygiene」…?「睡眠衛生」ってこと…??…と思ったら、普通にれっきとした専門用語として存在しているようですね。
まぁ例によって、このウィ記事を見れば多分クリ・クリ記事よりも分かりやすく噛み砕いたものがあると思われるためそれで十分な気もしますけど(笑)、とはいえ世界を代表する医療機関のまとめも、信頼性という意味ではそれ以上のものがないとも言えますから、今回も上記health essentials記事の方を参照させていただくといたしましょう。
睡眠衛生:よりよい就寝時ルーティンのための7つのポイント(Sleep Hygiene: 7 Tips for a Better Bedtime Routine)
寝る前のリラックスが、より良い睡眠のキーなのです
一晩ぐっすり眠った後の感覚をご存知でしょうか?少々エナジードリンクを飲み過ぎた超活動的なリスのように、元気いっぱいに目覚めて一日に取り組む準備ができたときはどうですか?
ああ…身に覚えがないですって?
あなただけではありません。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の推計によると、アメリカでは3人に1人が決まった形での必要な睡眠が取れていないとのことです。つまり、成人の33%が睡眠不足を抱えながら生活しているわけです。
そしてそれは、単にぐずぐずした朝を迎えるというだけではなく、もっと深刻な問題となっています。睡眠不足は、心身全体に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
「睡眠は健康とウェルネスの本質部分です」と、睡眠医学の専門家であるナンシー・フォールドバリー=シェーファーDO/MS(オステオパシー医師(※従来の西洋医学ではなく、整体療法に特化した医学を修了した医師のこと)/修士)がおっしゃいます。「十分な睡眠を取り、質の良い睡眠を取ることが、心臓血管の健康、代謝の健康、そしてさらには脳の健康にさえも必要であることが分かっています。」
では、質の高い睡眠を取るための秘訣とは何でしょうか?それは、健康的な睡眠を促す、一貫した就寝習慣と睡眠環境―専門家が睡眠衛生と呼んでいるもの―になります。多くの専門家が、赤ちゃんや子供の睡眠習慣の重要性をよく説いています。しかし、大人にもこうした儀式は必要なのです。なぜなら、良い睡眠を促す習慣は、より良いウェル・ビーイングへの入り口だからです。
どうすれば睡眠衛生を改善し、すっきりと目覚めることができるのでしょうか?フォールドバリー=シェーファー医師がアドバイスをくださいます。
睡眠衛生とは何?
(※ここにはポッドキャスト動画が挿入され、ナンシー医師が20分ほど解説をしてくださっていましたが、例によって恐らく記事本文と同じ内容だと思われますし、YouTube以外の動画は埋め込みが難しいため、省略します。)
「睡眠衛生」とは、快適な睡眠を得る手助けとなり得る、健康的な習慣、行動、および環境要因を指す言葉です。
「睡眠衛生とは要するに、睡眠を守り、ぐっすり眠るために実行可能な準備作業のことなんです」とフォールドバリー=シェーファー医師が説明しています。
なぜ睡眠衛生が重要なのか
睡眠不足を自慢する方も中にはいらっしゃいますが、ほとんどの成人は毎晩7~9時間のしっかりとした睡眠が必要というのが確固とした事実なのです。
以下を考慮してみてください: 最近の研究では、十分な睡眠が取れないと脳に毒素が蓄積し、アルツハイマー病の原因となることが示されているのです。また、慢性的な睡眠障害のある方は、以下のような症状を発症しやすいと示した別の研究結果もあります:
- 高血圧
- 心臓不整脈(心臓のリズム異常)
- 肥満
- 糖尿病
ですから、質の高い睡眠を十分に取ることは重要なのです。物凄くです。
そして、健康的な睡眠衛生習慣で安眠のムードを作ることは、体が必要とする休息を確実に得るためのひとつの方法となっています。
「どなたも、健康的な食事と運動について話すばかりで、睡眠もその重要な一部であることを忘れています」とフォールドバリー=シェーファー医師が比べています。「多くの方は、質の良い睡眠を取ることを妨げてしまう、質の悪い睡眠衛生習慣を選んでしまっているんです。」
より良い睡眠衛生のためのポイント
フォールドバリー=シェーファー医師によると、快眠の秘訣は枕に頭をつけるずっと前から始まっているとのことです。より良い睡眠衛生のために、以下の戦略をお試しください:
1. 睡眠時間と起床時間を一定にする
確かに、週末に遅くまで寝続けるのは至福の時間に聞こえるかもしれませんが、体が本当に渇望しているのは一貫性なのです。
「私たちが推進しているのは、標準化された就寝時間と起床時間です。この2つの内、実際により重要なのは、起床時間を一定にすることです」とフォールドヴァリー=シェーファー医師がアドバイスしています。
起床時間を一定にすることで、サーカディアンリズム―自然に備わった体内時計―を本質的に訓練し、適切な時間に就寝・起床できるようになっていくわけです。
体が同じ時間に寝て起きることに慣れれば、より早く眠りにつき、よりすっきりと目覚めることができるようになります。ゴロゴロと寝返りを続けることはもうありません。スヌーズボタンを押すこともなくなります。
2. 就寝時刻の1時間前には眠る準備をしていく
誰にとっても完璧な就寝時間というものは存在しません。シンデレラではないのです。午前0時を刻んだ瞬間にベッドに入っていなければ、車がカボチャに変わってしまうような時計はありません。
その代わり、各自のベストな就寝時間は、必要な睡眠時間(7~9時間が一般的であることを覚えておいてください)と、そこからの逆算によって決まるのです。
簡単に計算してみましょう:
例えば、8時間の睡眠が必要だとします。仕事の準備のために朝7時に起きる必要がある場合、就寝時刻は午後11時になるはずです。しかし、これは午後11時に歯を磨いているということを意味しているわけではありません。11時には目を閉じているということですね。
良い睡眠衛生はその前から始まっています。ですから、就寝時間からもう1時間引いて、落ち着ける就寝ルーティンに従うようにしましょう。
その1時間は重要な時間です。この時間は、身体と心に、そろそろ眠りにつく時間だと告げる時間なのです。ということで、その時間は長い一日の疲れを癒す時間として、きちんと確保するようにすべきものだと言えます。
その時間に何をするのでしょうか?
- 読書、日記を書く、あるいはぬるめのお風呂やシャワーを浴びるなど、心を落ち着かせる活動に徹する。
- フロス、歯磨き、肌の手入れなど、就寝までの標準的なステップを踏む。毎晩、同じパターンを同じ順番で行いましょう。
- 照明は薄暗くし、テレビやスマホなどの画面は避ける。
3. 部屋を快適にする
寝室は自分の隠れ家―快適で、ちょっとしたR&R(Rest and Relaxation=休養やくつろぎのこと)のための、安全な場所―であるべきです。
「睡眠衛生上、ベッドは睡眠と親密な関係(※性行為)のためにあるものです」とフォールドバリー=シェーファー医師が言及しています。「ノートパソコンを使ったり、映画を見たり、長話をしたりする場所ではありません。そういったことは、最終的に睡眠衛生を杜撰にし、睡眠の質と量を低下させることにつながってしまいます。」
ベッドと寝室を、睡眠を促す場所にすることに集中しましょう。どうやってでしょうか?
- スマホ、タブレット、パソコンやその他画面があるものを寝室に置かない。
- サポート力のあるマットレスや快適な枕で、できるだけ眠りに誘ってくれるベッドにする。
- 照明は最小限にし、窓には遮光カーテンの設置を検討する。
- 室温は低めに保つ。華氏60~67度(摂氏15~19度)くらいにすることを勧める専門家もいらっしゃいます。
4. 就寝前の飲酒と間食を控える
体が睡眠に向かってリラックスしていくにつれて、消化器系も同じようになっていきます。そのため、深夜の飲食は大きな負担になり得ます。就寝前の3時間は何も食べないようにしましょう。
「夜遅くに食事をするのは健康的ではありませんし、人によっては逆流を起こすことや、夜遅くに食事をすると不快になることもあり得ます」とフォールドバリー=シェーファー医師が付け加えている通りです。
そして、日が遅くなってからのカフェインやアルコールの摂取にも注意しましょう。
「アルコールは睡眠を促進するために使われる最も一般的な薬物ですが、それは鎮静・催眠効果があるからです。しかし、アルコールは代謝が早く、睡眠の質、特にレム睡眠に本当に悪影響を及ぼしてしまうのです」とフォールドバリー=シェーファー医師が警鐘を鳴らしています。
5. 心を落ち着かせる
やり方はご存じでしょう。ベッドにもぐりこみます。体は疲れ切っています。しかし、心は別のプランを持っているものです。
(※日本語フォントにはイタリック(斜字)がないことが多いので、イタリックは下線で表すのが基本ですが、特に今回は何か変な気もしますけど(笑)、原文ではイタリックとなっていた以下の部分は「脳内の台詞」ってことですね。)
- 明日の会議の準備は十分だろうか?
- 朝、子供たちのお弁当に何を入れよう?
- 雨は降るかな?
- 水道料金は払ったっけ?
- 高校時代の恥ずかしいことを蒸し返そう。もう、一回、だけ。
心を休ませることは、良い睡眠衛生の鍵と言えます。フォールドバリー=シェーファー医師が、高鳴る心を落ち着かせ、より早く眠りにつくための方法をいくつか提案しています:
- 瞑想
- 穏やかなヨガのストレッチ
- プログレッシブ(漸進的)筋弛緩法
- 日中に日記を書く。そうすることで、心配事を吐き出したり、ベッドに持ち込むことなく翌日の計画を立てたりすることが可能となります。
6. 寝る前の運動は避ける
十分な運動は健康のために重要です。そして、良い睡眠衛生を保つためにも重要なことです。しかし、タイミングが重要となります。
「運動は体内の刺激ホルモンを活性化させます。運動することは大切ですが、午後か夕方にしましょう」とフォールドバリー=シェーファー医師が推奨しています。「就寝前の1~2時間以内に運動すると、不眠症や入眠困難を引き起こしてしまう可能性があります。」
7. もっと助けが必要な場合は、専門家に相談する
途切れ途切れで浅い睡眠は、自分ひとりで対処しなければならないことではありません。色々試してみたけれど、それでも必要な睡眠が得られない場合は、かかりつけの家庭医や睡眠医学の専門家など、医療従事者に相談することで違いが生み出せる可能性があります。
「睡眠障害が少なくとも3ヶ月以上続いていると、診断可能な睡眠障害になります」とフォールドバリー=シェーファー医師が付記している通りです。「診断が早ければ早いほど治療もより早くなり、ご自身の気分もより良くなり、そして睡眠が健康をより守ってくれるようになりますよ。」
良い夢を!
まぁ、僕自身は睡眠以上に大切なものはないと思ってる睡眠信者ですけど、とはいえこういった「秘訣」は、正直「逆のことが正しい」と思ってる人なんて一人もいるわけがない、何と言いますか当たり前すぎる話で、正直あんまり情報量はないなぁ、なんて思えてしまうかもしれません。
これを見て「知らなかった!部屋を快適にして、心を落ち着かせればいいんだね!」と思う人は、多分その認識力だと睡眠よりもっと改善しなきゃいけないことがあるよと思えるといいますか(笑)、まぁそんな人は流石にいるわけないと思いますけど、むしろ、睡眠に悩んでいる方は、
「んなこたぁ言われなくても知ってるよ、『分かっちゃいるけどそうできねぇ』のが問題なのであって、こんなの解決策になるわけないじゃん」
としか思えないのではないか、って気がしてしまいますねぇ…。
まぁだからこそラスト7番の、「専門家の力を借りよう」があるとも言えるわけですけど、野球の大谷選手や将棋の藤井七冠が「めちゃくちゃ寝ます」「しっかり寝ます」としばしば公言していることから、最近は睡眠の評価もきちんとされるようになってきた気がしますけど…
(まぁ古すぎますが、僕の子供の頃に流行っていた「♪24時間、戦~えますか」とか狂気の沙汰すぎて、「総仕事量考えたら絶対寝た方がいいから。24時間戦い続けて、勝手に死んでどーぞ(笑)」としか思えないですね(笑))
…とにかく睡眠を軽視しないことが明るく楽しく生きるコツだと思います、と、明るく楽しく生きてる人間からの(当たり前すぎるかもしれない)話で〆とさせていただきましょう。