魚はヘルシーだけど、水銀にはご注意

それでは予告通り、代表的な「良い脂肪」であるオメガスリー脂肪酸関連の記事から、前回の「ベストなオメガ3の摂取限は、魚」という記事およびそれ以外にもどこかで触れられていた、魚に関する唯一の注意点・懸念点といえる、水銀についての記事(↓)を見ていこうと思います。

 

health.clevelandclinic.org

 

↑のリンクカードのランニングタイトルはなぜか本文と違うもので表記されていませんでしたが、本文のタイトルは「水銀の少ない魚の選び方」的なもので、「水銀」は英語で「Mercury」ですね。

 

マーキュリーといえば、僕世代だとやはり生まれて最初に耳にしたのは、水星の保護を得たセーラーマーキュリーこと水野亜美ちゃんなんかが浮かびますけど…

(何でそこまで詳しいねん、って話ですが、姉が亜美ちゃん好きだったのです(笑)。ちなみに僕は、セーラームーンは、「フン、女児向けアニメなんて興味ないね」みたいなカッコつけとかじゃなく本当に、そないそこまで面白いと思えませんでしたが、毎週土曜19時はTVで姉が見ていましたし、大人気覇権アニメだったのは間違いないですね)

…まぁ「マーキュリー」自体はローマ神話の商売の神のことで(ちなみに、ギリシャ神話でいうと「ヘルメス(エルメス)」に当たるそうです)、あんまり水銀や水星との関連も分かりませんが、水銀の元素記号のHg、これもパッと見では意味が分からないものの、これは語源を辿るとギリシャ語のhydrargyrumに由来するもので、これは英語で言えば「liquid silver」、まさにズバリそのまんま「水銀」という意味なため、むしろ元素記号の方が覚えやすいまであるのかもしれませんね(銀の元素記号はAgですし、それの「ハイドロ=水版」と考えたら、Hgであるのも納得です)。

 

と、語源はともかく、そもそも水産大国日本ではそんな水銀なんてあんまり意識しないような気がしますけど、一応、どう注意するのがいいのか、早速health essentials記事の方に参りましょう。

 

オメガ3が豊富で、水銀の少ない魚の選び方(How To Pick Fish High in Omega-3 and Low in Mercury)

サーモンとニシンは最高の選択肢のひとつです

 

 

健康医学の専門家は、心臓の健康のために、毎週少なくとも2皿の魚を食べることを長い間推奨し続けています。この理由は、魚には必須栄養素であるオメガ3脂肪酸が含まれているからというものであり、オメガ3脂肪酸とは、体中の細胞を最高の状態に保つために、それはそれは重要な栄養素です。オメガ3脂肪酸はまた、エネルギーを供給すること、それから心臓の健康やホルモン系のサポートもしています。

要するに、オメガ3系脂肪酸は、体を健康に保つために本当に重要なものなのです。

魚は、健康的なオメガ3系をたくさん摂取するための最適解です。しかし、海(湖、池、大洋、小川は言うに及ばず)には極めて多くの魚がおり、魚の種類によって健康への影響は大きく異なります。

登録栄養士のジュリア・ズンパノRD/LD(登録栄養士/管理栄養士)が、フィッシーな栄養(※fishyという語は、「生臭い」から転じて「胡散臭い」といったネガティブな意味を持ちますが、ここでは単に「魚」とかけただけの、「沢山あってややこしい」みたいな意味かと思います)の海原をナビゲートし、食事に取り入れるのに最適な魚を見つける手助けをしてくださいます。オメガ3が多く含まれ、水銀が少ない魚について知るには、本記事をお読み進めください。

 

魚を食べることのメリット

オメガ3脂肪酸は、人間が生きていく上で必要なため、必須脂肪酸と呼ばれています。厄介なことに、人間の体内ではオメガ3脂肪酸を自力で合成することができないのです。

そこで魚の出番となります。

「魚はオメガ3脂肪酸の、ナンバーワンの供給源です」と語るのはズンパノ栄養士。「魚はEPADHAと呼ばれる、人間の体に必要な2種類のオメガ3脂肪酸をもたらしてくれるんですよ。」

EPAはエイコサペンタエン酸、DHAはドコサヘキサエン酸の略です。植物性食品の中には、オメガ3脂肪酸であるALA(α-リノレン酸)を含むものもあります。これらについてはまた後ほど少し触れましょう。

「オメガ3は毎日1~4グラム摂取することで、心臓血管の健康を改善してくれます」とズンパノ栄養士がおっしゃいます。「オメガ3は、心血管系疾患や心臓のリズムに異常のある方々の死亡リスクも低下させてくれるんです。」

オメガ3は、以下のようにして死亡リスクを低下させます:

  • 血栓のリスクを減らす
  • 動脈にプラークが形成されるのを防ぐ
  • 血中のトリグリセリド(中性脂肪)濃度を低下させる
  • 血圧をわずかに下げる
  • 体内で炎症を引き起こす物質の産生を遅らせる

魚をどれくらい食べるべきかについては、心臓病も関係してきます。心臓病の既往歴がない方の場合は、少なくとも週に6~8オンス(※約170~227グラム)を食べるようにしましょう、これは約2皿分に相当します。アメリカ食品医薬品局FDA)のガイドラインでは、健康な成人は毎週12オンス(約340グラム)まで魚を食べてもよいとされています。

心臓病を患っている方の場合は、1日1グラム程度のオメガ3を摂り続けましょう。かかりつけの医師からサプリメントを勧められることもあるかもしれませんが、病状によって異なりますので、どの程度食べるべきか、必ず担当医に相談するようにしてください。

 

水銀にご注意

魚を食べることによる水銀中毒の危険性について耳にされたことがあるかもしれません。水銀中毒は、脳や神経系、およびその他の生体システムにダメージを与える可能性があるものです。

魚からの水銀のリスクは、年齢や健康状態によって異なります。アメリカ心臓協会によると、ほとんどの健康な成人は、魚を食べるメリットはリスクを上回るとのことです。

「魚の中には、より高いレベルの水銀や環境毒素を含むものもあります」とズンパノ栄養士が但し書きを加えています。

水銀を避ける最善の方法は、老齢の魚や、大きな魚(特に小さな魚を捕食する種類の魚)の摂取を避けることです。これにはサメ、メカジキ、キングサバ、アマダイ、オレンジラフィー(ヒウチダイ)などが含まれます。

FDAは、水銀レベルによって魚を「ベスト・チョイス」、「グッド・チョイス」、「避けるべきチョイス」に分類しています。FDAの推奨リストはこちらで参照可能です。

水銀含有量の多い魚を選ぶ場合、調理前に皮と表面の脂肪を取り除くことで、毒素にさらされるリスクを下げることが可能です、とズンパノ栄養士が提案しています。

 

妊娠中または授乳中の水銀

妊娠中や授乳中の方は、水銀を多く含む魚を食べるのを避けるべきです。水銀にさらされると、成長中の胎児に脳障害や発育遅延を引き起こす可能性がある、というのがその理由になります。

妊娠中または授乳中の方は、週に2~3皿の「ベスト・チョイス」の魚、または1皿の「グッド・チョイス」の魚を目安にするよう、FDAが勧告しています。

子供は、「ベスト・チョイス」リストの魚だけを食べるようにしましょう。

 

図表:オメガ3にベストな魚

ズンパノ栄養士が、食事に最適な魚は、オメガ3を多く含み、水銀の少ない魚だと語っています。

以下の表は、オメガ3を最も多く含む魚の一部、そしてその水銀レベルに関する、FDAからのアドバイスが示されています。オメガ3の数値は、アメリカ農務省による、3オンス(約85g)の給餌量に基づいています。オメガ3の含有量は、生食か加熱調理かによって違ってくるのでご注意ください。

 

*注釈: ホワイトツナの缶詰は、典型的にはビンナガマグロです。「チャンク・ライト」と呼ばれるツナ缶は通常カツオです。チャンク・ライトのツナ缶は、オメガ3の含有量が少ないです(3オンスあたり0.23グラム)。カツオの缶詰は、FDAの水銀含有量で「ベスト・チョイス」に指定されています。

 

その他のオメガ3摂取源

誰もが魚を好むわけではありません。また、中にはベジタリアンやビーガン食の方、あるいはアレルギー体質の方など、魚を食べられない方もいらっしゃいます。

しかし、そんな方はラッキーです。アメリ国立衛生研究所によると、オメガ3脂肪酸(ALAの一種)を含む植物性食品は様々なバラエティに富んでいます。それらは魚由来のものほどオメガ3が豊富ではありませんが、それでもやはり有益なものです。水銀汚染のリスクもありません。

 

 

体内でALA由来の栄養素を利用するためには、まずEPA、次いでDHAに変換する必要があります。これはあまり効率的なシステムではありません。そのため、可能であれば魚から直接EPADHAを摂取することが望ましいのです。

 

フィッシュ・オイルのサプリメントはどう?

フィッシュオイルサプリメントは、基本的にオメガ3を錠剤にしたものです。

ただし、フィッシュオイルサプリメントの効能に関する研究は…フィッシー(怪しい)です。いくつかの研究では有効性が示されていましたが、最近ではその結果に疑義が呈されています。2021年の研究では、高用量のフィッシュオイルを摂取しても、心筋梗塞のリスクが高い方々の主要心血管イベント(※各種心臓病関連の良くないことや死亡例)を減少させる効果はないという結果さえ出ています。最近では、多くの心臓専門医はフィッシュオイルサプリメントを処方していませんし、市販のものは(もしあったとしても)効果があまり証明されていません。

ズンパノ栄養士によれば、フィッシュオイルサプリメントに関する論争は、魚のようなホールフーズ(※そのもの全部を食べられる、天然食品)を通してオメガ3を摂取する必要性を強調しているとのことです。「食品から栄養素を摂取することは、サプリメントに頼るよりも常により良い方法になっています。」

 

結局、水銀懸念に関して「ベスト」と「グッド」と「避けるべき」の違いが生まれる理由というか体系的な判別法については分からなかったものの、数字込みでまとまっていた分かりやすい記事でした。

 

ちなみに、水銀含量が多く、避けるべき魚としては、記事で例示されていた5種(サメなんて食わねぇよ、としか思えませんが(笑))以外に、FDAのリストにはあと2つ、カジキ(メカジキではなく、いわゆる「マーリン」ですね)と、あとはこれが一番日本でも良く目にする気がする、メバチマグロ(Tuna, bigeye)が挙げられていましたね。

僕は魚はあまり食べないので特に気にはなりませんが、寿司のマグロにはこれが使われていることが多いとのことですし、お寿司が好きな方は気を付けた方がいいのかもしれませんね(まぁ正直、「水銀なんてイマドキ大丈夫くない?」って気もするものの、目に見えないし味でも分からない微量元素はやはり危険ですから、気を付けるに越したことはないと言えましょう)。

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