前回の飛行機耳ネタに触れた際、「な~んかたまに耳がくぐもって、しゃべる時に自分の声が響いて変な感じになること、あるんすよねぇ」などということを書いており、その原因と思われる「耳管の機能障害」について見て行く予定でしたが、その前段階としてそもそも耳管とは何ぞやという、耳管に関する単独記事も目に付きました。
…まぁ正直、「耳の中の管」で、それ以上でもそれ以下でもないと言いますか、知った所で何の意味もない情報に思えて、まさに記事の水増し以外の何物でもなくて恐縮ではありますけど(笑)、まずは「異常」についてではなく、そもそも耳管が何なのかを見て行こうと思います。
漢字ならあまりにも明らかですが、英語の場合、「ear tube」みたいな単純な表現ではなく解剖学的な専門用語があり、上記リンクカードにもあります通り、Eustachian tubeと呼ばれる形ですね。
読み方は「ユー・ステイキアン」という感じで、全く耳っぽくない名前だと思ったら、どうやらこの部位を初めて見出した、16世紀のイタリアの解剖学者・Bartolomeo Eustachiさんの名前にちなんでつけられたものだということで、ただの人名由来の用語ということになるようです(参考:Wikipedia↓)。
それでは、短めにまとまっていた耳管記事に、時間もないので(クソウマギャグ(笑))早速参りましょう。
耳管(Eustachian Tubes)
耳管は、中耳を咽頭へとつないでいます。耳管は中耳から体液を排出し、耳の中の気圧のバランスをとる手助けをしています。アレルギー、風邪、または感染症により、耳管機能障害が引き起こされる可能性があります。耳管機能障害とは、耳管が本来あるべき機能を発揮できない状態を指す、幅広い用語です。
概要
耳管とは何?
耳管(Eustachian=you-STAY-shee-unと発音)(※となっていますが、これを読む前にGoogle検索したら「yoo·stay·kee·uhn」となっていましたし、後半は「シー・アン」「キィアン」の方がより一般的な気がします)とは、中耳から鼻と喉の奥の方まで通っている、骨と軟骨でできた管です。医療従事者はこれを、聴覚(聴力)管または咽頭鼓室(喉から鼓膜)管と呼ぶこともあるかもしれません。耳管は、中耳と鼻や喉がどうつながっているのかを発見した医師、バルトロメオ・エウスタキにちなんで名付けられました(※発音も由来も記事本文中に出てきたので、最初の前置きは完全に不要でしたね(笑))。
耳管は、聴力に影響を与える問題から中耳を守っています。アレルギー、風邪、または感染症は、耳管機能障害(ETD)を引き起こす可能性があります。
(※ほぼ本題とは関係ないですが、図で挙げられている他の用語は、Semicircular canals=三半規管、Cochlea=蝸牛、あとOuter ear=外耳、Inner ear=内耳は挙げるまでもない感じですね。)
機能
耳管は何をしているの?
耳管には3つの主要な働きがあります:
- 中耳から液体を排出する: これにより、耳の感染症のリスクを減らします。
- 中耳内の気圧を均等にする: 耳管は、飲み込んだり、あくびをしたりするときに開くことでこれを行っています。これにより少量の空気が送り込まれ、中耳と環境の気圧が一致し、鼓膜が本来の働きをすることが可能となります。
- 中耳を守る: 嚥下やあくびをしていないときは管が閉じており、これによりウイルスや細菌などの侵入者から中耳が守られています。
解剖学的知見
耳管はどこに位置するの?
耳管は顔の片側に1本ずつの合計2本あり、長さは12ミリメートル(mm、0.5 インチ)、幅は2~3 mm(1/8インチ)です。
耳管には2つのセクションがあります。ひとつは中耳の近くで、長さは12ミリあり、骨でできています。第2セクションは鼻と喉に近い部分で、長さは24mm(ちょうど1インチ弱)あり、軟骨でできています。
症状と疾患
どんな症状が耳管に影響を与えるの?
最も一般的な問題は耳管機能障害で、これは耳管が腫れると発症することがあり得るものです。これは以下のような場合に起こり得ます:
- アレルギー
- 気圧外傷
- 風邪
- 耳の腫瘍
- GERD
- 副鼻腔炎
こういった疾患は、以下の症状を引き起こすことがあるかもしれません:
- 耳詰まり感
- こもった音や歪んだ聴覚
- 破裂音やクリック感
- 耳炎のように感じられるかもしれない、片側または両側の耳の痛み
- 耳鳴り
- 平衡感覚障害
- ふらつき
- (回転性)めまい
- 耳の中の「くすぐったい」感覚
こういった症状は自然に治まることもあります。しかし、症状が2週間以上続く場合は、医療機関に連絡した方が良いでしょう。
耳管の症状はどう診断されるの?
医療従事者が、鼓膜に病気や損傷がないか調べることになります。バルサルバ手技、または以下の手順で耳管を開くように指示されることがあるかもしれません:
- 口を閉じる。
- 鼻の穴をつまんで閉じる。
- 思いっきり息を吐く。
耳管の開閉が正常かどうか検査されることもあり得ます。耳管は、あくびをしたり、咀嚼したり、飲み込んだりするときにだけ開くはずのものです。
耳管の詰まりを開放する家庭療法は何?
耳管マッサージが、家庭療法のひとつです。これをするためには、以下を行います:
- 指を使って、耳たぶの後ろにある骨のこぶを探す。
- 耳たぶと顎の間に溝を感じるまで指を下へと滑らせる。
- しっかりと安定した圧力で、首から鎖骨に向かって溝をなぞる。
- この作業を頭のそれぞれの側で3回繰り返すことを、1日3回行う。
その他の家庭療法には以下があります:
家庭療法が効かない場合は、かかりつけの家庭医が、詳しい検査や治療のために耳鼻咽喉科医(耳、鼻、のどの専門医、略してENT)を紹介してくれるかもしれません。耳管の治療には以下が含まれます:
- 鼓膜切開術(換気チューブ): 担当の外科医が鼓膜に換気チューブを挿入し、鼓膜切開を行います。
- 耳管形成術(耳管バルーン拡張術): この治療法では、耳管をバルーンで拡張します。
クリーブランド・クリニックからのメモ
耳鳴りや耳詰まり感のような症状があるのは、必ずしも耳のせいとは限りません。時に、耳管がその原因となっていることもあるのです。耳管は、中耳を健康に保つ働きをしています。アレルギー、風邪、または感染症が、耳管とその機能に影響を与える可能性があります。
ほとんどの場合、耳管の問題は自然に治るか、ガムを噛む、あるいはあくびをするなどの家庭療法で消え去ります。しかし、症状が2週間以上続くようであれば、医療機関を受診するべきだといえましょう。
あっさりめの記事で助かりました。
挙げられていた耳管マッサージ、やっぱり僕は耳管から喉にかけて弱いのか、ちょっとやってみたら咳き込む感じがしたといいますか(ずっと前に書いたことのあった、耳かきをしたら咳が出るというのと似た感じ)、くすぐったいというか変な感触を覚えて、しかもその後鈍痛が残るのですが、逆に言えば何らかの影響がありそうにも思えるため、例の「声が響く・くぐもる感じになった時」にはもしかしたら効くかもしれないので、今度症状が出たらやってみようと思います。
(でもまぁ、喋ってるときは他人と一緒にいるときなので、話しながらおもむろに顔の横をグリグリしたかと思ったらゲホゲホし出したら、「何やこいつ」の極みで奇妙すぎるかもしれませんけどね(笑)(でもまぁ、アホほど力を入れて押したのが原因かもしれず、言うほどそこまで咳き込みませんが(笑)))
今回の記事にも面白そうなネタがありましたけど、とりあえず次回は、耳管の変調について見てみようと思います。