本当に釣り合ってるのかよ?!

前回は非常に一般的な高速遠心機である24ウェルローターで、チューブをバランスよく配置する(=遠心力が完全に打ち消し合う形になって、安全に回せる)パターンを見ていました。

 

結構意外なことに、24ウェルローターというのは、2と3を約数にもつ数字の強みで、1本のみ、あるいは1穴だけ空きの23本以外の全ての本数で、上手いことバランスよく配置可能なパターンが存在するという話でした。

 

これに関して、前回まとめ画像をお借りした掲示板サイトRedditの他のスレッドに、「My lab hobby(研究室での遊び):見た目はメチャクチャだけど、実はバランスの取れた遠心機の構成を作ること。これが最高傑作の1つ!」というタイトルで、ローターにチューブを配置したナイスな写真が紹介されていました。

 

ちょうど「実際の24ウェルローターの遠心機がどういうものなのか」ということを示すのにも打ってつけですし、遠心機ネタのラストとして、この「パッと見、どう考えても釣り合いなんて取れていないのに、実はバランスが取れている」という面白い例を紹介してみようと思った次第です。

 

まぁ前回のまとめイラストでも若干「これでバランス取れてるの?」と思えるものもありった気がしますけど、現物を見るのが一番分かりやすいといえましょう、ズバリ、レディッターの最高傑作は、こちらとのことです!

https://www.reddit.com/r/biology/comments/imvpe/my_lab_hobby_making_messed_up_looking_yet_still/より

この、13本のチューブを配置したローター、どこを対称軸としても左右のバランスは取れていませんし、一見めちゃくちゃに入っているように思われます。

 

しかし、これはバッチリバランスが取れていて、全く問題なく安定的な回転をさせることが可能なんですねぇ~。

 

最初にレスを付けたclessaさんが、「イケテルね」というコメントとともに種明かし画像を貼ってくれていましたが…

clessaさんの考え

そう、(この数字だとウェル番号は見にくいですが)「6-14-22」「8-16-24」「2-10-18」という正三角形トリオが各々バランスを取っており、残り4本、「1-13」「9-21」が対角線上のペアとしてバランスを取っているという、中々に美しい形でバランスが取れている感じなわけです。

 

しかし、投稿者のLouKosovoさんは元々違うバランスの取り方(捉え方)を考えていたようで…

LouKosovoさんの考え

分かりにくい三角形トリオは「8-16-24」のみで、後は「1-13」「2-14」「6-18」「9-21」「10-22」が対角線ペアとなっている…という捉え方で、まぁどちらも当然結果は「全体でバランスが取れている」といえるわけですけど、いわば異なる組み合わせが相棒となっているとも考えられるという話だという感じですね!

 

「Lab hobby」なんてタイトルにされていましたけど、中途半端な奇数本を配置するのは結構楽しい遊びでして、今回は僕が各奇数本チューブをどのように配置しているのか、ズバリ特別に大公開してみようかなと思います(世界一どうでもいい情報の極みですが(笑))。

 

適当に24個丸を並べて、番号も振ってみました。

24ウェルローター、全部空

まぁ2本入れるときは対角線上ですけど、これはどこということもなく、一番入れやすい、その時一番奥に位置している穴にまず入れて、相棒は(これは対角線上ですから、別に見た目で分かりますけど)「+12」すればOKですね。

 

例えば7番が一番奥(まぁ奥に限らず、適当にその時のフィーリングで入れるだけですが)にあったら、7番に入れた後、相棒は19番にセットする、あるいはもし最初22番に入れたら、この場合は「-12」して、10番ウェルにセットする…と、まぁこれは常識でしょう。

 

で、3本の場合は、これも最初どこに入れるかで相棒のウェルは変わるだけで…


…当たり前すぎますけど、3本の場合、相棒は「+/-8」すればOKですね。

3本の場合

画像のような「1-9-17」の3ウェルとか、他にも「4-12-20」とか、全部で8パターンある感じですね。

 

まぁ最初21番とかから始めてしまうと、「29…じゃなくて引き算かよメンドクセェ」と一瞬腹立ちますけど(笑)、その場合は「21-13-5」って感じになるわけです。

 

とまぁそんなのも常識として、5本の場合、僕ならどう入れるか…ですが、これはもちろん、考え方としては上の画像のように三角形にまず入れて、後は残りの空いてる穴の対角線に入れるだけですけど、分かりやすいというかチューブの出し入れがしやすいのでそもそも「2本並び」で入れることが多く(一回の動作で一気に2本まとめて動かせるため…まぁ、前回触れていた通り、本当は分散させた方がいいので、「なるべく離す」方がいいんですけどね)…

…僕なら多くの場合、1-2番を同時に入れて、残りは頭の中で「1基準に8足しの1-9-17」と「2からは12足しの14」と、基本そうやって入れてる気がしますねぇ。

5本の場合

…と、ハッキリ言ってこの配置、正直下の方の空いてる穴は2つと4つでアンバランスですし、上の方は2本並んでるしで、ぶっちゃけパッと見でバランスよく配置されているなんて全く思えないですよね(笑)。

 

実際、学生の頃、そういう考えを持ったことがない(奇数本の場合、常にバランスチューブを足して回していた)後輩の学生が、僕がまさにこの5本配置で回そうとしている瞬間(セットして、フタを閉じる瞬間)を見て、

「ちょっと紺助さん、そんなめちゃくちゃな並べ方じゃ遠心機壊れちゃいますよ!」

…と慌てて止めてきたことがあったんですけど、僕は得意げに、「ふっふっふ、まぁ見てなさいな」と意に介さずスタートし、遠心機は無事に静かに安定して回って後輩が驚く…という場面もありました。

 

ちなみに「本当にバランスが取れているかどうか」は実際に回転させればすぐに分かる話で、もしバランスが取れていない配置の場合、マジで凄まじい異音が発生してすぐに「あ、これはヤバい!」と分かるので、物理学は嘘つかないとでも言いますか、「バランスが取れているのかいないのか」は、本当に明白なのです。

 

話を戻しますと、一方、7本の場合は、先ほどの5本配置にまた2本対角線のを追加すればいいだけで…

7本の場合

…あぁ、この配置、実際の運用でもめっちゃ目にしますが(というか「僕がよくする配置の仕方」の紹介なので当たり前ですけど…でも、別に必ずこうするわけじゃなく、違うパターンになることも普通にありますけどね)、何度見ても、未だにこいつがバランス取れてるのなんて不思議でなりません。

…こんなん、どう見ても絶対歪な配置ですよね(笑)。

 

続いて9本の場合は、これは確実に「3-3-3」の三角形分配にしますが…

9本の場合

…まぁ、「なるべく分散」の原則にのっとり、3本連続ではなく、1とか2ウェル空けることもありますけど、どうせ完全均等にはならないので、まぁ3-3-3でいくことがやっぱ多いですね。

 

続いて11本を回したい場合はそうですね…まぁこれも当たり前ですが、「9本配置」に新しく対角線に2本追加する感じ(先ほどの画像からの場合、4-16)で…

 

11本の場合

…こうなる感じですね。

そしてここからが面白い部分で(あんま面白くもないですけど(笑))、13本の場合、さらに1本追加しようと5番の穴に入れようと思っても、相棒の17番はもう埋まっちゃってるんですね!

 

なのでこの場合、僕ならまぁ(別に対角線を見て空いてる所ならどこでもいいんですけど)、5, 6, 7は何気にもうダメなので、次の8番を使って、「8-20」と入れる感じですね。

13本の場合

最初に貼ったRedditの画像よりは安定していそうですが、よく見ると4本-4本-5本という分配なので、これも冷静に考えたら「本当に釣り合ってるのかよ?!」と疑問に思えるパターンかもしれません。

(まぁでも空いてる穴の数も差がありますから、まぁバランスは取れてそうですね(実際取れてるから当たり前ですが(笑))。)

 

そして、15本はまぁ例の三角形で5本-5本-5本とすればいいわけですけど(ちょうど、上の図にさらに12-24に入れたらそうなりますね)、しかし、17本入れようと思った場合、実はもうそこから「対角線が空いている」番号は存在しないんですね!!

 

なので、17本は少し戦略を変える必要がありまして、まぁぶっちゃけこんなことごちゃごちゃ考えるぐらいなら、流石にこの本数になったら1本足して分かりやすい偶数の18本にする気もしますけど(笑)、そう、最初の3本の場合から始めて、三角形ではなく、対角線で使えるのを片っ端から埋めていくという方法を取るのが、無駄な策を弄するより一番早くて確実といえましょう。

 

つまり、3本をスタートとし…

3本の場合

 

ここから「2-14」「3-15」「4-16」と加えていって…

 

6本加えた状態

「17」は既に三角形で埋まっているので飛ばし、「6-18」「7-19」「8-20」と対角線が空いているペアを埋めていくと…

 

さらに6本加えた状態

 

…気付けば残りはもう2本ですが、まだ空いている「10-22」を埋めた時点で合計17本が配置完了となるわけですね。

(もちろん↑の途中状態も、これらはこれらで「9本」「15本」の配置としてバランスが取れています。)

 

17本の場合

17本でバランスが取れていますが、これまたこれで、22番の浮き島の違和感がパネェですし、釣り合っているのが不思議な状態といえましょう(笑)。

…と、ものすごく中途半端ですが、時間切れとなったので、続きは次回とさせていただこうと思います…。

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