地球全体をクーラーで冷やせば温暖化問題は解決じゃん

ここ最近の低温シリーズから、前回は膨張気化による冷却サイクル……要はエアコンや冷蔵庫の仕組みについてごく簡単に触れてみていました。

 

con-cats.hatenablog.com

前回画像も引用した(↑のリンクカードでは一部しか見えていないものの…)、アルバック社の解説記事はエアコンのものだったわけですけど、冷蔵庫も基本原理は全く同じですね。


気体を圧縮することで液体にし、その液体を膨張させる&蒸発させることで冷気をゲットするわけですが、その圧縮や液化のステップでは(冷気が得られる膨張と蒸発の真逆だから当然ですけど)熱が発生するわけですけど、その熱は、エアコンだと当然室外機から、冷蔵庫だと背面から放出されている感じで、どちらも「装置そのものは熱くなっている部分もある」という共通点からも、両者はまさに同じ仕組みで動いていることが明らかといえましょう。

 

なお、こないだから書いているその、「気体を圧縮して液体にした後、膨張して気化させてやる…というサイクルを繰り返せば、モノはいくらでも冷やすことができ、液体窒素もこうやって作っているんですね」という点、これは正直、そう聞きますと…

「『膨張させて気化させれば延々と冷やせる』ってんなら、それを世界中でし続ければ温暖化なんて解決やん!」

…などと思えるかもしれませんが、当たり前ですけどそうは問屋がおろさず、これは結局「地球規模でクーラーかければいいじゃん」という小学生並の発想と同じ、荒唐無稽な形になっているんですね(笑)。

 

当然ですが、例えば気体の窒素を冷やすことでこいつ自身は液体にしてやれるんですけど、その過程ではそこで奪って下げることに成功した熱以上のエネルギー消費・発熱が発生するわけで、トータルで見たら発生させる熱の方が大きくなっているわけです。

 

まぁ常識的に考えて、そりゃそうでしょうな、とは思えるんですが、この辺は考えると意外と難しく、厳密に論じるためには例によって例のごとくエントロピーとかが絡んでくる熱力学の話になる感じで、僕も門外漢であるため噛み砕いた説明は中々できないんですけど、「エントロピーは必ず増大する」といういわゆる熱力学の第二法則というものに基づき…

ja.wikipedia.org

 

永久機関の存在が否定されている、ということに通じる話になっているはずだと思います。

 

ja.wikipedia.org

まぁ冷静に考えたら「熱を100%の効率で仕事に変換することが不可能」という第二種永久機関の否定とはちょっと違ったかもしれないものの、広い視点で見れば、「高温のものから低温のものへと熱を移動する」という仕事をする際には、その移動させた分の熱の持つエネルギー以上のものが必要になることは熱力学第二法則から明らかですから、やはり間接的には第二法則=永久機関の否定で、「(温度を下げた対象物質だけではなく)系全体の温度を下げ続ける」ことが不可能なのは明らかだといえそうですね。


(もちろん、例えばもっと単純な、「叩いたらいきなり冷たくなる『瞬間冷却パック』みたいなやつ、あれはどう考えても、そのパックという「系全体」が冷えてる気がするけど?あいつは代わりに何か熱くなってるものなんてあるか…?」という気がするかもしれないんですけど、これももっと広い視点に立つ必要がある話で……

 その「瞬間冷却パック」は一般的に硝酸アンモニウムが混ざることで吸熱反応が起きるという仕組みのようですけど(以前見ていたジェットボックスの逆バージョンですね)、その硝酸アンモニウムという化合物を合成する際に、硝酸とアンモニアを反応させることで大量の中和熱が発生しますし、さらに言えばその硝酸やアンモニアを窒素原子と水素原子と酸素原子とから合成する際にも凄まじいエネルギーが必要となる話になっているわけで…

…大元を辿ると、結局どこかで誰かが何らかの「仕事」をしなければその冷却パックは誕生しておらず、冷却パックという物質の存在といいますか成り立ちまでトータルで考えると、やっぱりどこかでエネルギーを消費して無駄な熱を発生させており、その一瞬の温度低下で得られる「冷やし」が、そのパックを作るのに費やしたエネルギーを超えることはない……ってことに他ならないわけですね。

 他にも例えば冷蔵庫の中はずーっと低温状態が保たれていますけど、その「低温」を作り出すためには、その下がった温度分の熱以上のエネルギーが必要なわけで、そのエネルギーは冷蔵庫なら電気で供給されるわけですが、その電気は火力なり水力なりでタービンを高速で回して発生させる必要があり、その装置を作製・稼動する際には極めて大きな熱が放出されているものであり……と辿っていくと、結局はどんな冷却物質でも、それを作る系全体としては、発生させる熱の方が多い形になっているといえましょう。)

 

…って、長々と書いた割に、「何かそれ、発熱とエネルギー収支がごっちゃになってない?」という気もしてきたのですが、やはり専門外のことを語ると微妙にトンチンカンな流れになってしまうことも否めず、例によって時間が本当に不足していることもあり、せっかく書いたのを消すことが不可能な状態に追いやられているため、「まぁでも何となく言いたいことは伝わってくれるのではないかと…」と逃げるしかないぐらいで恐縮なのですが(笑)……

(本当は↑の話からさらに……

 その装置を作った人間が動いて生命活動できるのは食べ物を食べて熱を生み出しているおかげですし、その「食べ物」は、動物であれば草なんかを食べて熱を得ていますが、その植物は光合成することでエネルギーを得ているといえ、究極的には全てが「太陽の熱・エネルギー」が生んだものに帰着するんですね。

 宇宙規模で見れば、全ては太陽が生んだ熱を形を変えて色々な形で広げているだけなんだといえましょう……

…みたいなことにつなげようと思ったのですが、何か途中から話がズレてることに気付きました(笑))


…(数段落↑の話の続き)…そこまで「物質の成り立ち」みたいな話まで辿ることはなくとも、単純に「室外機を完全に部屋の中に入れた状態で、クーラーを起動させて両者を戦わせたら、部屋はより暑くなるだけ」ってのは間違いなく言えると思います。


圧縮や膨張というメカニカルな仕事をさせるとエネルギーの一部が「熱」として逃げてしまうのは熱力学の絶対法則ですから、やっぱり「ものを温める」のは冷やすのよりも遥かに楽で、人類の知恵で「室外機を使って熱を外に逃がす」といった賢いやり方をしないと、低温というものは中々簡単には得られないということですね。


そんなわけで、「地球全体をクーラーで冷やせばいいじゃん」ってのは、残念ながら土台無理な話だといえましょう。

(もっとも、「巨大エアコンの巨大室外機から発生する熱を、宇宙に逃がしてやれば地球の温度は下げられるのでは?」という気もするものの、まぁ空想実験ではできるかもしれないものの、これはちょうど「長さが、光が1秒で伝わる距離である30万kmの棒を押せば、光の速さより早く情報を伝えることは可能?」という命題みたいなもので、そんな室外機を製造・設置することは現実的には無理でしょう、って話ですね。

※参考:Quoraの関連質問など↓)

jp.quora.com

jp.quora.com


まぁその辺の宇宙規模にまで話を広げた複雑な話はともかく、何となく…

「え?でも冷蔵庫の中身は冷えるけど、部屋が熱くまではならないじゃん、やっぱり差し引き『冷やすだけ』もできるんちゃいますのん?」

…という気がするかもしれないものの、これはちょうど、「冷蔵庫は24時間365日稼動し続けているのに、ずーっと付けるわけではないエアコンの方が電気代を食うのはなぜ?」(※前回見ていた通り、年間電気代はやはり冷蔵庫がNo. 1なわけですけど、同じ時間動かしたら、流石にエアコンの方が圧倒的に高くつく感じですね)というのと全く同じ話で、

「冷蔵庫は、庫内の限られた密閉空間を冷やしているだけだから」


…というのがその理由ですね。


冷蔵庫が発する熱は部屋全体に放たれるわけですけど、部屋と比べると圧倒的に小さい冷蔵庫を冷やす程度のパワーで出される熱は、部屋全体を温めるレベルには遠く及ばない、という感じですし…

…エアコンの方が電気代を食うというのも、単純に「規模の差」によるもので、エアコンからしてみたら、「こっちは冷蔵庫の何十倍の体積の部屋を冷やしてやってると思ってるのよ」って話に過ぎないわけですね。


とはいえまさに前回触れていた通り、最近のエアコンは本当に優秀で、24時間つけっぱなしにしてももしかしたら冷蔵庫の電気代より安く済むまであるのかもしれません。


ちなみにこれまた何かのまとめサイト有識者のバズツイートだかで見た「インターネッツ・浅い知識」的な話でしかないのですが、実は「家」も、近年凄まじい発展を遂げているようで、最近の家の気密性は本当に凄いレベルだと聞きますね。

 

昔の家と最近の家は、耐震性とか見た目のキレイさとかより何より、「気密性」が本当に圧倒的に、天と地ほども違うそうで、一度気密性の高い家を経験してしまうと、その快適さからもう二度と昔の隙間だらけの家で生活することは不可能になるレベルだ…なんて話を聞いたことがあります。

 

正直、完全気密って「何か息苦しそう…」って気もしますし、「湿度もこもりそうだけど、カビとか大丈夫なの?」って気もしますが、そんな素人の浅知恵が人類の知識の結晶である次世代ハウスで考えられていないわけがなく、気密性と空調のどちらもが完璧で、人間が暮らす上で本当に快適な環境が保たれている、という話ですね。

エアコンのランニングコストが圧倒的に下がるばかりか、下手したら熱が逃げないので多少の寒さでは暖房が不要なぐらい、言葉で表せないぐらいの快適さに感動すら覚えると見ましたし(まぁ、不動産関係の方の、セールストークなのかもしれませんが(笑))、僕が今いるシェアハウスは、入る直前にリノベーションされてかなりキレイではあるものの、アメリカの家だけあって極めて古いもので、普通に隙間風ビュービューなので実に羨ましい限りです(笑)。

 

…と、またしても「いや一体何の話だったんだ…?」って感じになってしまいましたが、また時間切れになったため強引にまとめ…というかまとめるほどの内容でもなかったので(笑)、せめてアイキャッチ画像用のネタを最後考えてみますと、途中で出していた「パンチしてヒンヤリ」パック、僕は子供の頃あれが大好きだったのですが……

「あれって名前何だったっけ?アイスノン…は普通に冷凍庫で冷やす氷枕の代替みたいなやつで、パンチして冷えるやつとは違った気もするけど…」

…と思ったら、一応「使い捨てアイスノン」がそれを指す感じではあるみたいなものの、何かもうちょいピンと来るものがあったような…と思い調べてみたら、あぁ、ヒヤロンだ!

 

https://www.lotte.co.jp/products/brand/hiyaron/より

お~、記憶にあった、涼しげなシロクマくんのイラストも未だに健在なんですね。


僕は最初の家族の転勤で、北国からかなり暑い地域へと引っ越したのですが、移動したのが真夏で、初めて体験する日本の本気の夏に、

「え、これ、人が生きていい気温なのか…?もしかして:死」

…とか思って本当に命の危険を感じたのを昨日のことのように覚えていますけど(初めて体感したのが、クーラーの効いた車の中から窓を開けて手を出した瞬間だったこともあり、あの衝撃は生涯忘れられないと思います)、そんな子供にヒヤロンは本当に嬉しいアイテムでしたねぇ~。


…と、そんな所で、またもうちょいだけ関連話の脱線駄ネタを次回も続けさせていただこうかと思います。

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