着るクーラーを着てみたい

前回の記事では、冷媒ガスを全く使わない、比較的新しい、電気の力だけで冷たさを産み出すペルチェ素子なるものに触れていました。


(…「比較的新しい」と言っても、「2つの金属片の間に電流を流すと、熱の移動が生じる」というペルチェ効果を発見したペルチェさん自体は1785年生まれで、一方、「refrigerator(冷蔵庫)」の名前が誕生したのは1803年とのことで(電気冷蔵庫の登場はもっとずっと後、20世紀になりますし)、そない新しい技術ってわけでもないかもしれませんが…)


前回はあまりにも時間がなく、「そういうのがあります」程度で終わってしまっていた話でしたが、より身近な、最近よく目にする気もする製品への使用例としては、「着るクーラー」なんてのがありますね!

 

ちょうど、着るクーラーと絡めてペルチェ素子の簡単な説明をしてくれている「着るクーラー比較サイト」の記事(↓)が見つかりました。

 

wearablecooler.net


前回貼ったWikipedia記事よりも分かりやすくまとめられている大変ナイスな記事でしたが、着るクーラーに入る前にまず上の記事でも書かれていたペルチェ素子の特徴をおさらいしておくと……

「小型」「フロンガスを使わないので環境に優しい」というメリットの他に、デメリットとして「冷却効率が低い」「単なる熱の移動なので、冷やすのと逆側は発熱する」「耐久性が低い」「価格が高い」などなど挙げられていましたけれども、デメリットの方はまさに、今後の課題といえそうですね。


特に耐久性に関しては、前回紹介していたPCRマシーンなんかを毎日長時間色んな人が使っていると、実際数年ぐらいでペルチェ素子がダメになってしまい、温度が正確じゃなくなったり、全く加熱・冷却ができなくなったりしてしまうなんてことも、実際僕自身何度か経験しています。


前回も画像を貼っていた、生命科学機器世界最大手の一角・Bio-RadのT-100なんかは僕も使ってますけど、10年ぐらい前に買ったやつは数年前にエラーが頻発するようになり、Bio-Radの方に問い合わせてみた所、

「修理費は…1900ドルになりま~す」

…と言われ、「うっそーん、新品を買ったのは2700ドルぐらいだったっつうのに、そらないべ(笑)」と、高杉晋作すぎて流石に修理には出さず、結局その後新しいのを1台追加したこともありましたが(エラーが出ても、再起動したら走ることも多いので)…

……まぁ耐久性と価格については、素晴らしい機能を誇る高度な技術の結晶ですし高価なのは仕方ないとはいえ、もっと改善していってくれるとユーザーとしてはありがたい限りですね。

 

そんな訳で本題の着るクーラーですが、先ほどの仕組み解説記事でも現物がチラッと紹介されていたものの、より詳しい使用レポートが、価格.comマガジンなんかで見当たりました。

 

2023年8月の、令和最新版といえるレポート記事(↓)を参考にさせていただきましょう。

 

kakakumag.com

「着るクーラー」で一番有名所はソニーのREON POCKET(最新が4)のようですが、「着るクーラー」という字面で想像していたのは何というかジャケットみたいな感じで、まさにクーラー内蔵の服を着て「ヒンヤリ気持ちいぃ~」なんてのが頭に浮かんでいたんですけど、実際は↑のリンクカードサムネイル画像にあるような、スマホぐらいの大きさの小さなデバイスのようで、これを首の後ろなんかに装着する形みたいですね。


…正直、「これじゃ『着る』じゃなくて、ただの『貼る・付ける』クーラーじゃねぇか!」と思えてしまったものの、まさに先ほど「ペルチェ素子のデメリット」でも挙げられていた通り、この仕組みの場合、熱というものはあくまで「移動」するだけであり、冷えた分、必ず反対側は同じだけ熱くなることは避けられませんから、そんなペル子がベタベタ使われまくったジャケットなんぞ着たら「余計暑くなるだけだわい(笑)」としか言えないのかもしれませんね。


(ちなみにエアコンなんかでも室外機の方で放熱をするわけですが、しかしそちらの方は、「冷却部分(冷媒を気化させる装置の部位ですね)のみ」に着目した場合、熱くなる部分というのは存在せず、純粋に温度が下がっていることになります。

 それはなぜかというと、「液体が気体になる」という状態変化が起きているからでして、いわば「熱が奪われて、状態変化に使われた」ということになりますから、局所的にその部分だけに着目すれば、単に熱が移動しただけのペルチェ素子による冷却とは違い、この世から熱が消えてなくなっている(純粋に冷気のみが発生している)ともいえる感じですね。

…とはいえもちろん、エアコンという装置全体で見たら、その「気体になった冷媒」をまたもう一度液化して冷やす用途で使うために、大量の電気エネルギーおよび熱が発生するので、系全体では温度が高くなる方に傾いており、「クーラーを使って地球温暖化を解決」というのは夢物語なのです…なんてことはこないだも見ていた話でした。)

 

ソニーの着るクーラーに話を戻しますと、そんなわけでペルチェ素子を使ったこの手の製品は、どうしても冷やしたのと同じだけの発熱があるわけですけど、当然、熱の方は恐らくファンなどで上手く身体に当たらないように放熱される仕組みになっており、人間には冷えた部分だけの恩恵が得られる形になっているのでしょう……結構ナイスな製品ですね。


まぁ「着てみたい」と記事タイトルにしただけあって、僕は使ったことがないので何とも言えませんが、上記価格コムマグの記事では「気持ちいいです」と評判も上々ですし、これはぜひ一度試してみたい限りですねぇ~。

(そんなこんな言ってたら、もう夏も流石に終盤を迎えつつあり、季節はずれになってしまっていますが…)

 

ちなみに、「アメリカにも着るクーラーはあるのだろうか?技術大国アメリカなら、もしかしたら全身クーラースーツが開発されていたり…?」とか思ったんですけど……

 

Amazon.com「portable cooling device」での検索結果(ベストセラー順)より

 

「portable cooling device」(携帯冷却デバイス)で検索したら、↑のAmazonスクショにある通り、単に首につけてファンが風を送ってくれるという、しょうもねぇやつしかありませんでした(笑)。


Amazonに限らず、どのテックサイトでも、このJISULIFEの製品がNo.1で、その他も類似製品ばかりでした)

 

…やっぱり「便利で気の利いたデバイス」は、日本がダントツナンバーワン!

 

……と思ったんですけど、もしかしたら「ペルチェ素子を使ったもの」で検索したら、もっと高級なものがヒットしたり…?と思って「peltier cooler wearable」で検索してみたら、あぁーっと!!

 

https://peltiernyc.com/products/solaki-short-sleeved-air-conditioned-refrigerated-clothing-cool-vest-occupational-health-safety-productspersonal-protective-equipment-protective-workwear-safety-apparel-coverallsより


…まさかの、当初頭の中で思い描いていた「着るクーラー」に近い、ペルチェ素子内蔵のシャツが売られとるぅ~!

 

おあつらえ向けに「Peltier社」が製造販売しているということで、これは……どんなもんなのか、ぜひ着てみたいですねぇ~。

 

正直、少なくとも僕のセンスからするとお世辞にもオシャレとは言えないですし(笑)、かつ、138.99ドルと、単なるダサシャツにしては結構なお値段ではあるものの(笑)、まぁそこはグッと我慢で、(覚えていたら)次の夏にはぜひ試してみたい気もします…!


(なお、やはりデザインが改善されない限りそこまで欲しいとも思えないので、「覚えていたら」という但し書きを追加することで、次の夏までに忘れていることにしたい模様(笑)。

…いや、言う程そこまでクソダサではないですけどね、実際…!)

 

(ちなみに、この他にも、ソニーのREON POCKET(米国版)や、ペルチェ素子を使って単なる風ではなく冷風を送ってくれる類似品もヒットしてきていました。

 高いからあんまり売れ線ではないだけで、アメリカにも似たようなものはあるみたいですね。)

 

…と、そんな所で、実際の体験談・レビューではなく、単に「こういうのがあるんですねぇ~、ちょっとダサいっすけど(笑)」とかディスりを入れるだけのクソ記事の極みで申し訳ない限りですが、もうちょい追加ネタがあったもののまた完全時間切れとなってしまったので、次回、「着るクーラー」の追加補足からまた始めさせていただこうと思います。

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