サイフォン、完全に理解した…

大言壮語な物言いの記事タイトルで恐縮ですが、これはズバリ、インターネットミーム的なネタの1つで、エンジニアが「Python、完全に理解した」と言いつつその10分後には謎のバグに直面して「Python、なにもわからない…」になる…みたいなのが恐らく発祥の、いわばお決まりのギャグみたいなものでして…

(例えば英会話スクールに通って、1つ知らないフレーズを学んで聞き取れる&使えるようになったら即「英語、完全に理解した…」と言うみたいな、誇張表現のユーモラスさもある感じですね。

 まぁ本当の発祥は、ダニング=クルーガー効果(参考:ウィキP記事↓……よく見る「馬鹿の山」のあの曲線図は、この記事にはないのが残念ですが(笑))を自虐的に風刺した話が由来なのかな、とも思いますが(=チュートリアルを終えたばかりの初心者ほど「この言語、完全に理解した」と言いがち…的な)、今はもう誇張ギャグとして使われることが多いと思います)

ja.wikipedia.org

…相変わらず補足脱線が長くなりましたが、まぁ、「完全に理解した」=「まるで理解していない」につながるネタ振りみたいな感じということですね(笑)。

(実際、理解できたのは最初の方に貼られていた図=ベルヌーイの定理を用いた「圧力評価」の部分のみで、全体的にはまだまだ全然理解が及んでいません(笑)。

 とはいえ理解の取っ掛かりの部分にはつながる所だと思うので、中途半端ではありますが、ちょっとまとめてみた次第です。)

 

そんなわけで、前回の記事で触れていた、サイフォンの原理を非常に明瞭簡潔に説明してくださっていたあらきけいすけさんのブログ記事(改めてリンクおよび結論部を再掲させていただきます↓)について……

 

arakik10.hatenadiary.org

サイフォンの原理とは

  1. 液面に高低差のある二つの液体の容器を、液体を満たしたパイプで強制的につなぐと、パイプの内部の液体は静水圧平衡による静止状態を保てない;
  2. 管の両端には ρ g H (ρは液体の密度, gは重力加速度, Hは両側の容器の液面の高低差)の圧力差が生じる;

…(中略)…ということである。

 

…前回は「流体力学の素養がないと、圧力がなぜそう表記されるのか、理解は厳しいですね…」とか書いていたんですけれども、ちょっと腰を据えて「5分考えて分からなかったら、もうちょい時間があるときにまた考えよう」と少しだけしっかり読んでみたら、流体力学の素養なんて全然必要ない、中学物理の力のつりあいさえ分かれば十分な、めちゃんこ単純な話しかされていなくてワロてしまいました。

 

とはいえ初読時に「んん?何でそうなるんだ…?」と思っていたのは事実ですし、ある意味、「物理が苦手な人は、こういう誤解・読み違いをしてドツボにはまりがちなのです」ということをお伝えするのもそれなりに意味がありそうですし、今回は参照記事前半の、文字式を用いて圧力を評価する部分について、自分なりの「理解が及ばない人への補足」を加えていこうかと思います。


なお、繰り返しですが僕は物理学に関しては完全なるモグリですし、各記述には厳密さに欠ける部分が高い可能性であることにご留意いただければと思います。


また、この記事は僕が勝手に書いているだけなので、(これまでアンさん以外に質問を受けたことがないので、ほぼ100%ないとは思いますが)ここで記述した素人説明に関して、参照元・本業プロの理工学教授である荒木さんに質問を投げるのはお控えいただければ、とも思います。


この記事の記述で分からない点がありましたら、僕の方にご質問いただければ、なるべく分かりやすく、自分の分かる範囲でまた説明してみようと思います。

素人同士で、あれやこれや一緒に考えていきましょう(笑)。

 

では、元記事の、サイフォン管の圧力評価をベルヌーイの定理を用いて行っている部分について、説明のために図だけお借りさせていただこうと思います。


(以下の図は全て、荒木さんの記事からの引用で、説明のために一部配置換えや加筆もさせていただいている形です。)

https://arakik10.hatenadiary.org/entry/20140101/p1より

早速この、「管の一端を指で止めた際にかかる圧力を上流側と下流側で評価してみよう、という部分ですが……


まず前提知識として、(参照記事本文内にも詳細な説明がありますけれども)ベルヌーイという昔の偉い人が、密度一定の流体(この場合水ですね)では、

  • ρv2/2 + p + ρgz を計算すると、液体のどの部分を見ても、必ず一定の値となる
    vは流体の速度、pは圧力、ρ(ロー)は密度、gは重力加速度で、zは鉛直方向の座標=高さ)

…という定理を提唱しました。


まぁこれに限らず物理学の定理は数学の「公理」や「定理」と違って、僕の知る限り全てが「実際に計測してみたら、そうなっていた」という経験則に過ぎないため、これに「なぜそうなるの?」という問を投げるのは無意味で、そう聞かれても、

「世の中はそういう風にできているから。昔の偉い人が、見事にそういう関係性を見出してくれたんだ」

としかいえない感じですね。

 

それを踏まえて、今、指で水の流れを止めた際の、上で書いた必ず一定値を取るこの「ベルヌーイ値」(正確な用語ではなく、今勝手に名付けただけですが(笑)。以下「ベル値」)を考えます。


指で流れを止めた状態なので、最初の「ρv2/2」の項は、速度0なので消えるため、「p + ρgz」のみを考えればいいことになりますね。


で、まず「圧力」の項ですが、これまたすぐ別の記事で触れようと思っていた「パスカルの原理」を知っていなければいけないんですけれども、この原理は、以下のWikiP記事の説明を借りると……

ja.wikipedia.org

「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える」

…と、一見ややこしく思えるかもしれませんが、何てことはない、「水に加わった力は、水中のあらゆる部分に同時に伝わる」ということを言ってくれているんですね。

よくいわれる例えとして、「水風船の一部を指で押すと、水風船全体の形が変わる」的な、まぁまぁ、ある意味「そらそうでしょうね」という話にすぎないといえましょう。


とはいえこの例のように複雑な容器が絡んでくる場合は案外直感では分かりにくいんですけど(その辺もまた次のネタで触れたい話です)、いずれにせよ今考えている図の水には当然、容器の上面が大気と接していますから、大気圧がかかっています。


これは、パスカルの原理に従い、この容器内の水のあらゆる部分に同じ圧力がかかっていると言えますから、高い容器の中だろうと、低い容器の中だろうと、U字管の中だろうと、全ての部分の水に大気圧patmがかかっていることになります。

(なので当然、指を水に突っ込んだ場合、その指にも、「この水から大気圧分の圧力がかかる」わけですね。)

 

あと、ここが僕の最初につっかかった部分だったんですけど、「水の深さに応じてかかる水圧は考えなくていいのかな?」と思ったのですが……

…というのも、当初、この図で議論されている「上流側にかかる圧力」と「下流側にかかる圧力」というのが、上流はまぁ当然指にU字管の入口側からかかる圧力なのはいいとして、ここでいう「下流」が、「U字管の出口の圧力」を意味していると勘違いしていたんですね…!


その場合、考えるべき高さというか水位が違いますし、次に見る「ρgz」の項も、「むむーん、何でそうなるん?」と初見時はワケが分かんなくなっていたのですが、実は冷静に考えると、全然そうじゃなかったのです。


ここでいう「下流」は「指の(図でいう)すぐ上側」のことであり、指を挟んで全く同じ場所にかかる圧力のことを考えているに過ぎなかったと、そういうことに気付くのに3分ぐらいかかったという感じでした(笑)。


なので、この場合は(まぁ指の厚さは当然無視するとして)全く同じ位置の話を考えていることになるため、水位のみで生まれる「水圧」は考慮する必要がない(同じに決まっているので)という話だったわけです!


ということで、圧力は「大気圧」がかかると考えればよく、「ベル値」のpはpatmで表せばOKといえまして……残るポイントは、流体である水が産み出す「ρgz」という力がどうなるか、ってことですね。


まず「z」ですが、これまた僕は当初、完全に「鉛直方向の座標」と思い込んでしまっており、画像にある「z= H - D1」というのが、「んん~、なぜ??」と思えて初読時は完全にマゴマゴしてしまったのですが、ズバリ、図の少し上の方に、

z=0 を低液面側の液面高にとり…

という記述があるのを完全に見落としていました…!

 

これはまさに物理の苦手な子あるあるで、ちゃんと設定を読まず、勝手に自己流解釈をして意味分からん状況に陥り混乱するという、お手本のようなおっちょこちょいっぷりを示してしまい、気付いたときには「そういうことかよ!」と脱力したものです。


全て、最初から記事に説明されている話なんですけどね、物理苦手民は、大抵こうして勝手に罠にはまってもがき苦しむものなのです(笑)。


そんなわけで結局、この図における「z」というのは、こうなってるんですね。

 


これで、ベル式に出てくる一般概念である「z」を、図の中の値(=具体的な文字;結局文字なので、文字苦手民の目からするとあまり変わってないかもしれませんが、こちらは意味のある具体的なものですね)で表すことに成功しました。


で、ここからがちょっと天下り的にも感じられてしまい、実際、そもそものポイントとして、荒木さんも「ベルヌーイの定理で説明するならこうなるが…」と書いているだけであり、この解釈がサイフォンの原理の原理(っていうのも変ですが(笑)、駆動のメカニズムを流体力学的に表す、って意味ですね)を余す所なく説明できているわけではない、というのが主張の肝だと思うんですけれども、とりあえず、僕の理解では……

指で止めている上流側(図でいうと指の下からかかる力)は、我々はこの形のサイフォンにおいて、水がU字管に高低容器の液面の差に応じた力で流れ込むことを知っているため、一般式の「ρgz」の部分は、液面の高低差Hを用いて「ρgH」と表すことができ…

一方、下流側(図でいうと指の上側にかかる力)は、水の流れは指がせき止めていることから特に流体から生まれる力がそちら側にかかることはないといえ、ここはゼロといえる……


ということで、元の図の中にも式が表されていますけれども、左辺が一般的なベルヌーイの定理を表す数式、右辺が実際に指にかかる力を表したものとして…

  • 上流:p + ρgz = patm + ρgH
  • 下流:p + ρgz = patm

という関係式で示すことができ、zに先ほど考えていた「z= H - D1」を代入し、左辺を圧力pのみにする形で移項して整理すると、参照記事本文にある通り…

 

上流側にかかる圧力が p = patm + ρg D1, 下流側にかかる圧力が p = patm + ρg ( - H + D1 )


…で、実際にこのU字管入口における上流・下流の圧力pのギャップはρgHになっている、といえるんですね…!

 

(…って、やっぱり5分で考えただけあって、改めて自分で書き下してみると、なんか微妙におかしな論理展開の説明になってしまっている気もしますが……とはいえ結論としてはそれで問題ないといえましょう。)

 

これを、U字管の出口、そしてU字管の真ん中でも同じように、それぞれの位置の「z」を考えて代入してやっても、差は必ずρgHになっている、というのが元記事続きの図を用いた解説になっているように思うのですが、僕なんかはこの説明を見て、

「然るに、サイフォン管のどの部分でも圧力ギャップρgHが発生しており、圧力差に応じて水の流れが生まれるのである」


…という結論、実に納得がいったのですが、改めて荒木さんの主張のポイントは全くそこではなく、むしろこの説明では、管以外の部分の流線でのベルヌーイ値が想定できていないため、説明として不十分である、と話が続いていくんですね…!

 

とりあえず現状、5分で自分の勘違い(「下流」の意味や「z」の座標など)が解消できた時点で大いに満足し、勢い余って説明を始めてしまったわけですが、以降の考察についてはまだ全然読めていません。

やっぱり、お決まりネタの流れにのっとり、「サイフォン、さっぱり分からない…」となってる感じでしたね (ガッカリ) (笑)。

 

いやぁ~、元記事で主張されているメインポイントに全然辿り着いていないばかりか、今回長々と書いたこれ、正直、

「たまたま僕と同じおっちょこちょい勘違いをした、たまたま僕と同じぐらいの物理学的思考力がある人だけが納得する話」

…に過ぎず、そもそも理解されている側の方に無意味な解説なのは当然言うまでもなく、ぶっちゃけ、この手の文字列&数式表記に全く親しくないレベルの方がこれを読んで「そういうことだったのか!」ってなるわけではなさそうすぎて、今回もまたとんでもない無意味な記事となってしまいました……。

 

とりあえず、もう少し読み進めてみましたが、現在自分が気になってるポイントを自分用の備忘録としてまとめておくと……

 

【記事を読んでいて気になった(or 分からないので考え中の)部分】


・ダブルクォートで表示されている、

[2]その流線上で B:=

…の部分、Bとイコールの間のコロンはTypoでしょうか…?

 

・先ほども引用していた、図のすぐ後に書かれていた本文の記述、

指の上流側にかかる圧力が p = patm + ρg D1, 下流側にかかる圧力が p = patm + ρg ( - H + D1

…というのは、もしかしたら先ほど僕が書いていた説明の流れではなく、元々何か別の考え方を使って計算した結果得られる「圧力+重力」の値が、そもそもこう求まる形になっている…?

 

・この図の少し前から登場している「u」が、初出時から特に定義されないままいきなり登場してきてやや戸惑ったものの……

 一応かなり上の方で、ベルヌーイ関数のvをuで代入している式があったので(また、後半の方ではちゃんと「流速」と明記されている部分もありましたし)、速度なのは問題ないのですが…

 何度か出てくる、

サイフォン管から十分に離れた部分では u が十分に小さくなる

…という記述が、サイフォンで下る水面の速度は場所に関わらず一定に思えるため、この主張につながるロジックが、イマイチ掴みきれない……

 

…などといった疑問点を抱えたままなんですけれども、この辺からまた、時間が出来次第、じっくり自分なりに楽しく考えていこうと思っている次第にございます。

 

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一方、前回紹介していた「15メートルサイフォン」の論文ですが……

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

こちらもまだ5分ぐらいしか読んでいないんですけれども、どうやら単に「水に界面活性剤を加えたら、10.33メートルの壁を超えられた」ということが報告されている形のようで……

(詳しく読んだら書いてあるのかもしれないものの)その原理については特に説明や考察もなかった気がしたため、「こんな高校生の実験レポートみたいなのが論文…?」と一瞬思えたものの、まぁそれは多分読み込みが足りないだけなのでいいとして、界面活性剤を加えたら表面張力が小さくなるといえるため(1円玉が浮いてるコップの水に、洗剤を垂らしたら1円玉が沈むというよく見る科学実験のアレですね)、その辺が何かキーとなってるんですかね…?

 

こちらも何の解説も加えられず申し訳ないですが、また時間があるときに、両記事とももうちょい考察を深めてみたいなぁ、と思っています。


…と、何度もクドイですが今ちょっとあまりにも時間がないので、次回の記事は恐らく別の、より基本的な圧力の話を進めていく感じになりますが、また時間ができ次第、上記の話については改めて追って触れていきたいな、と思っております。

 

では今回も中途半端にも程がありますがこの辺で……

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