コメ返信や補足その1-35:俺の中では真理なんだよ(笑)

途中状態だったコメントの続きに参りましょう(とはいえ内容的には全くつながりはなく独立したものなので、特に続いているネタというわけでもありませんが)。

こないだの記事で紹介していたドチャクソよく使う表現(というか単語)、appreciateについてですね。

 

あと、

「I'd appreciate it if ...」ですが、appreciateは知っていて、「I appreciate it.」とかは普通に耳にしたこともあります。(使ったことはないかも笑)

で、最初この記事を読んだ時に、「I'd」がI hadだと勝手に思っていて、『wouldが仮定法の一種』と言われてもピンとこなかったっていうのは置いといて笑…

「I'd appreciate it if you send me the manuscript.(原稿を送っていただければ幸いです)」

ですが、これが仮定法なら、ifの後は過去形にしないといけないんじゃなかったでしたっけ?(やっぱりわかってないのかもですが…)あり得ない仮定ではないし、そういうことでもないんですかね??


ちなみに、

『「Thank you.」ではなく「I appreciate it.(感謝します)」という人も沢山いる…』

ということでしたが、あなたに感謝したい場合でも「I appreciate you.」とは言わない感じですか?

(どっちで記憶していたか曖昧なくらいです。)

 

⇒アプリシエイトは本当に、日本人的には全く、サンキューとは天と地レベルでマイナー単語なイメージですけど、感謝の意を示す言葉だから当然かもしれませんが、実際の英語では極めてよく使われる言葉かな、って思えます。


「I'dが何の略か」は、これもマジでややこしいにも程がありますけど、一応、hadなら続く動詞は過去分詞になるので、原形が続いている以上、「I would appreciate」に確定する(hadなら「I had appreciated」にならないとダメ)というポイントは、一見紛らわしすぎてどうしようもないものでありながら、一抹の優しさがある感じでしょうか(笑)。

(例えば「He's」なんかは、動詞が続いても、He isだろうとHe hasだろうとどちらも過去分詞がつながる場合があるため、マジで区別が一切つかないこともあるという、ゴミみたいな省略形になってますからね。)


…とそれは脱線ポイントなので置いておくとして、あぁーっと!!

ご指摘いただいた、元ネタの記事で書いていた例文、「I'd appreciate it if you send me the manuscript.」のsendは、普通に、sentのミスでしたね…!!

コメントをいただいた後、特に注記を残すこともなく、記事の該当の部分はシレッと直させていただきましたが(笑)、いかに日本語につられて英文を書いてしまっているかが浮き彫りになる形だったとともに、色々と余計な疑問を抱かせてしまったようで誠に申し訳ない限りです。


「I'd appreciate it if…は、呪文のように、マジで使いまくってます」って言っててミスするとか、どういうことだよ(笑)とも思えますが、実は(記事中ではより正式な形で書こうと思っていたので、記事内の記述は本当に単純なちょいミスだったわけですが)、実際にこの英文を書く際なんかは、割と現在形で通してしまうこともあると言える感じかもしれません。

I'dの時点で仮定法=丁寧なニュアンスになっているため、if節=条件というかお願いの部分の方は、過去形=仮定法にして「お時間なかったら大丈夫なんですが、もし万一お時間ちょうだいできて、ご送付いただけましたら…」みたいなニュアンスもぶっちゃけ下手に出すぎというか、ほぼもうやってもらうことが確定していることに仮定法を使うのも大げさすぎない?という気持ちがあるゆえの、「あえて」現在形のまま通すこともあるという感じなんですけど、とはいえもちろん、極めてフォーマルであったり、かなり唐突なお願いだったりすれば、きちんとifの方も過去形にしている感じではありますが……。


ちょうど似たような話で、時制の一致という文法項目もありますけど、割と関連ネタにも思えたので、ちょっとそちらに脱線してみましょう。

これは、主節の時間軸を動かしたら、従属節(that節)の中の動詞の時制もそれと一緒に動かすようにする、というものですね。

  • He says that his son plays baseball.
    (彼は、息子さんが野球をしていると言っている。)
  • He said that his son played baseball.
    (彼は、息子さんが野球をしていると言っていた。)

(「息子が野球をしている」のは、その発言時点では現在の話だったけれど、主節が過去形になった場合、つられて一緒にplayも過去形にしなければいけない。)


しかし、「時制の一致の例外」として、「現在もそのまま続いていること」や「不変の事実」なんかの場合、主節が過去形になってもthat節の中はそのまま現在形で良いというルールがありまして、正直日本語の感覚だと、話の中身の時制を主節に合わせて一緒にズラすのは何か違和感があって面倒くさいので(上の日本語文が、過去形の文でも「野球をしている」のままなのが、まさに英語と違う点ですね)、僕なんかはこのルールを拡大解釈して、「あ、中身の方を過去形にすんの忘れた。まぁ、これは不変の事実ってことで(笑)」みたいに、現在形のままゴリ押すことが多いかもしれません。

(例えば上の例文の場合でも「まぁ息子は今でもプレイしてるってことにしておこう」と、「He said that his son plays baseball.」と、勝手に押し通すこともままある感じですね(笑)。

 もちろん実際に今はもうプレイしていなかったら不適な文になりますが、まぁこの例文はその辺がハッキリしている可能性も高いのでともかく、話によっては今どうなのかは曖昧な文であることも多いですし、基本的には「自分の中では、その従属節の話は今でもそうだから…」とか、「俺の中ではもうそれは普遍の真理なんだよ(笑)」みたいなジョージ・ルーカス理論を振りかざすことで、時制を一致させるのが面倒くさい、あるいは単に一致させ忘れただけなのを棚に上げつつ、「現在形でも問題ないよ?だって時制の一致の例外だからね…!」と、口笛ピ―プ―吹きながらスッとぼけるという裏技を多用させてもろてる形です(裏技でもなんでもなく、単なる開き直りのことも多いですが(笑))。)


…と、無駄に長い脱線になりましたが、時制の一致なんかも(仮に「例外」ではなくても(笑))現在形まんまでゴリ押すことが多いように、I'd appreciate it if...も、自分ルールで「まぁ、実際やってもらうことは確定しているんだし、ここは素直にそのまま現在形でいいっしょ」とすることも多い(こないだの記事中の例文のように、単に変え忘れているだけのことも多い(笑))、というお話でした。

 

しかし、時制の一致は一応「現在もそう」「現在どころか未来永劫変わらずそう」という内容であればわざわざ過去形にする必要がないのは正式なルールですけど、appreciateの方、これは完全にマイルールなので、果たしてその辺どうなっているのか、またちょっとインターネッツを調べてみました。


今回は、The Free Dictionaryの言語フォーラムにそれっぽいのがヒットしてきたので、こちら(↓)を紹介させていただきましょう。

forum.thefreedictionary.com

Koh Elaine(質問者):I would appreciate it if you gave/could give me an answer.

I would appreciate it if you gave me an answer.(回答いただけましたら幸いです)という文……

gaveは正しい?could giveってすべきなのかなぁ?

サンクス。

 

Ashwin Joshi(インド・パンジャーブ州ジャンディアラ・グル在住):

やあKohさん、

まだ答えを期待しているんだから、「give」の過去形は使えないよ。


1行目は「I appreciate you gave me an answer」と書くべき/書くことができるね。(過去形)


「I would appreciate if you could give an answer」は、ただすい(※注:「正しい」correctのミスタイプ)ね。(未来形)(個人的な意見だけど)

 

You know who I am(ブラジル・ペルナンブーコ州オリンダ在住):

(Kohさんの質問レスに返信)

どちらも実際大丈夫だよ。

I would appreciate it if you gave me an answer.

I would appreciate it if you give me an answer.


そいからあとこれも: I would appreciate it if you would give me an answer.

以前は、「if you would give me...」は使えないと思っていたんだけど、このフォーラムのメンバーに訂正してもらって、この形も使えることに気が付いたよ。

 

tunaafiチェコ共和国プラハ・カルリーン在住):

(2レス目の、Ashwinさんによる回答最初の文「まだ答えを期待しているんだから、『give』の過去形は使えないよ。」を引用しながら)

使えるよ。原文は、第二条件文として表現された丁寧な依頼文だね。

 

Ash_Linguaアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ在住):

この形式には、「it」という語が必要だよ―「I would appreciate it if...」

 

ΡΗθξΝΙΧアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ在住):

Ashwinさん

君の、このフォーラムおよびその他全てのフォーラムのサブトピックへの参加はありがたい(※注:まさに「is appreciated」という語が使われていました)。しかしながら、君が広めている文法は、時々正しくないことがあるね。

 

Wilmar (USA) 1Mアメリカ・アイオワ州リスボン在住):

この文はおかしい: I would appreciate it if you give me an answer.

 

tunaafiチェコ共和国プラハ・カルリーン在住):

少々の疑義があるようだね。はっきりさせてみよう。以下は全て、イギリス英語では全く問題がないね(北米英語は分からないけれど):

I would appreciate it ...

if you would give me an answer.
if you could give me an answer.
if you gave me an answer.


I would appreciate it if you give me an answer
は、許容はできるかな。

 

Харбин Хэйлунцзян 1(ロシア・モスコフスカヤ・ジェルジンスキー在住):

(1つ上のtunaafiさんのレス、「現在形も許容できる」という最後の文を引用して)

もしも「I will appreciate it」であるならば分かるんだけど、この「I would ... if you give」は、私には変な感じに聞こえるね(※注:前半の原文は「I would understand it if it were...」という、まさにお手本のような仮定法の表現ですね(笑))。

どなたかイギリス英語を話す方で確認できる方はいないかな?

 

Drag0nspeaker(イギリス・スコットランドリヴィングストン在住):

はい。

I would appreciate it ...

if you would give me an answer.
if you could give me an answer.
if you gave me an answer.
if you give me an answer.

これらは全て、それぞれの意味で、全く問題ないね。


条件付きの「if」の文では、「結果節」の動詞は通常、仮定(条件)法(※注:この「法」は、改めて、英語では「mood」ですね)になる―「would」や「could」、あるいは類似の助動詞で形成されるものだね。

If the paint were dry, we would be able to walk on it.

If the paint were dry, we could walk on it.
(もしもペンキが乾いているとするならば、その上を歩くことができるだろう。)


「if」節自体も類似のムード(※注:ここでの「ムード」は、文法用語でいう「法」の方がよりピタリかもですね)であることが多いが、常にそうとは限らない。

法助動詞(何かを求めるときにもう少し丁寧に聞こえる)が使われ得るね:

If you would give me an answer, I would appreciate it.

I would appreciate it if you could give me an answer.
(もしもあなたが私に答えを下さるならば、私はそれを感謝いたします。)


動詞の「仮定法形」も使われ得る。

if you gave me an answer
if you were to give me an answer
if the paint were dry
(「gave」と「were」は、動詞「to give」と「to be」の仮定(および条件)形式)


さらに、通常の現在時制や未来時制にすることも可能だ―もしその文が時間特異的なものであるならば。

If the paint is dry, we could walk on it.
If the paint dries, we should be able to walk on it.
(もしペンキが乾いてるなら、その上を歩くことができる/できるはずだ。)

I would appreciate it if you give me an answer.
I would appreciate it if you were to give me an answer.
(もしあなたが私に答えをくれるなら/くれることがあれば、私はそれを感謝いたします。)


**************
現在の英語では、仮定法や条件法の法形式は段々と使われなくなってきているので、条件ムードのない「if」の文を、しばしばよく耳にすることだろうね。

I'll appreciate it if you give me an answer.」のように。

 

Харбин Хэйлунцзян 1(ロシア・モスコフスカヤ・ジェルジンスキー在住):

(1つ上のDrag0nspeakerさんへ)

サンキューベリーマッチ。

 

Ashwin Joshi(インド・パンジャーブ州ジャンディアラ・グル在住):

(Ashwinさんを叱責していたΡΗθξΝΙΧさんのレスへ向けて)

おぉ…私は教師ではなく、学習者だということを忘れていたよ。訂正してくれて、どうもありがとう。

 

…ということで、結局、現在形はやはりおかしいという意見が……ってあれ、パッと見でそう思っていたんですけど、最後、「現在形でも大丈夫、全く問題ない」というお墨付きも、イギリス英語話者の方からいただけていましたね…!

ただやっぱり、「I'd appreciate it if you give me...」というコンビネーションはおかしい、という方も散見されました。

そういうネイティブがいる以上、個人的にはやっぱり、主節が仮定法である以上、if節は「このお願いに、そんな仮定のニュアンスはあんまないしなぁ」みたいな勝手な気分で現在形にはせず、過去形で主節と同じく仮定法を表しておく方が安全なのかな、って気がしますね。

まぁ意図的にというより、ついつい手癖で変え忘れることもあるので、気をつけていても現在形にしてしまうことがあるわけですけど、一応、「そう書いてしまっても、大丈夫だよ」というネイティブもいるという安心材料もあるということで、知っておけて大変良かった話でした。


結論としては、ルーカス理論でゴリ押ししても、意外とオッケー?と思える感じだったわけですが(笑)、まぁやっぱり、特に丁寧な依頼を心がけたい場合なんかは、if節も忘れずに仮定法にしておくのが間違いなく良さそうだ……というのが最終結論かなとは思います。

 

…と、貼り付けたコメントは全部終わらせるつもりだったんですけど、意外と長くなったので、後半部はまた次回触れていきましょう。

アイキャッチ画像は、ルーカス理論の「音の出る宇宙」のイラストは流石にありませんでしたが(笑)、他にないので、またまた全然関係ないにも程がありますけど一応それにちなんで、宇宙船のいらすとを貼ってごまかしておこうと思います(笑)。

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