似通った英単語に注意しよう(その23:コントラクト他)

それでは今度こそ「紛らわしい英単語に注意しよう」シリーズ最終回、最終項目ですね。

早速参りましょう。

26. コントラクト (Contract)

最後はこちら、全然カタカナ語として馴染みがあるわけでも、紛らわしい語があるわけでもない微妙な単語なのですが、こないだ書いていた通り、「ちょっと紛らわしい意味もあるから注意が必要だね」というエピソードが一つあったので、最後オマケとして触れてみた形です。


どんな話だったかといいますと、まずこのコントラクトという語は「契約」みたいな意味合いがあるのですが、それ以外にもいくつか意味がありまして、ちょうど、研究科の事務員の人に……

(ちなみに、「That's it. や All set.」の話でも出していた、特別な試薬の注文とか、その他会計処理とかをしてくれる事務の方、和製英語でいう所のOLさんですね。
…ってまぁその語も死語というか、今どきだと性差のある良くない表現なのかもしれないものの、やはりオフィスには実際圧倒的に女性が多いわけですが(今までで男性はたった一人で、しかも割とすぐいなくなっていた印象です)、まぁアメリカだけに、今まで入れ替わった歴代の事務員さん含め、九割以上がバーバパパ体型の巨大な方が多かったです(笑)。

 とはいえ今回の話の方は、研究科のピクニックみたいなののレクリエーションでキックボールとかサッカーとかをみんなでやるイベントがある(あった)んですけど(コロナ禍前まで……ちょうど新入生歓迎を兼ねて、今の時期ですね)、そこで、ビックリするほど機敏な動きをされていたスポーティーバーバパパで、まさしくアメリカの強い女性だなぁ、なんて思った記憶もあります(ちゃきちゃき動くアメリカ女性はみんなそうですけど、めっちゃ早口ですし、仕事も早いですし、そもそもアウトドアっぽい人だな、とはずっと思っていましたが)。
…と、ネタに全然関係ない見た目の話をして恐縮ですが、バカにしているわけではなく本当に頼れる人であり(ちなみにスタッフの入れ替わりは当然ありますが、この方は割と長く、今でもうちの研究科オフィスに所属しています)、なんとなく触れておきたかった話でした。)

……と脱線が長くなりましたが、研究科の事務員の人とのやり取りで生まれたエピソードでして、具体的な話の流れというか注文内容なんかは忘れましたけど、何かまた一つ特別な試薬だかサービスだか(遺伝子合成とか、抗体合成とか)を注文したかった際に、研究資金で買うものは基本的に承認された販売店を通して行わなければならず、そうじゃない場合はまず大学の承認を得なくてはいけないので、それに関して連絡を取った際の話になります。

その業者とは以前に別口の注文契約を交わしたことがあったはずで、「(この販売店とは)我々はもう契約しているはずで…」みたいなメッセージを、その注文・会計係の事務員さんにメールで、contarctという単語を使って送った形だったはずです。


でようやく本題ですが、恐らくcontractを自動詞的に使ってしまって、文脈的に違う意味になってしまったのか、その後廊下でその事務員さんとたまたますれ違った際、「あ、さっきの注文の件、すぐにできそう?」みたいに尋ねてみた所、「以前の記録を見たら大丈夫そうだから、すぐに注文処理をするよ」と本題はOKだったものの、続けて同時に、かなり訝し気な表情を作って(表情や会話のトーンを変えるのは、アメリカ人お得意のやつですね)、「でも、途中contractって単語がいきなり目に入ってきて、『んん?contractした?Konsukeが妊娠でもしたってこと…?』みたいに思っちゃった(笑)」と笑われたのですが、この単語には「筋の収縮」みたいな意味があるのは僕も知っていたので、「あぁ、あのメッセージの文脈だと、『子宮筋が縮まる』みたいな意味になってしまうのか!これは注意しないといけない単語だなぁ」と思い、それ以後、contractって単語を使うのが何だか怖くなってしまい(笑)(まぁ別に「怖い」ってこたぁないですしミスして笑い話になればそれもいいんですけど、契約なんて割と重要な話なことも多いですし、誤解がないのに越したことはないですしね)、例えば「ネット回線の契約を更新しに行く」みたいな話をシェアメイトに伝える際なんかは、念のため誤解のないよう「change the name(名義を変える)」みたいに、あえてcontractという語の使用は徹底して避けて、別のフレーズを使っている感じです(笑)。

(ちなみに全然関係ないですが、アメリカのネット回線は新規顧客には1年間、かなりお得なプロモーション価格が適用されることが多く、我々は4人でシェアしている(かつ入れ替わりも多い)ため、毎年プロモーション価格を維持するべく、1年経つごとに契約名義を変えて安いプロモ価格で使い続けている形です。
 結局名義本人は同じ家にい続けることが多いですし、ずーっといる僕なんかは「2年ぶりにまた契約復帰」みたいなことにもなりがちで、それでも新規客としてプロモ価格を受けられるため、「そんなんでいいのか?」とも思えるものの、幸い、今の所そんなんでも大丈夫な感じですね(笑))

 

…って、話は戻ってコントラクトですが、今念のため「contract」という単語を調べてみたら、ぶっちゃけそんなに直接的に妊娠どうこうの意味はない気もしますね……(「筋が収縮する」という意味は間違いなくあるものの)。

例のその会話で、間違いなく「Are you pregnant?(妊娠してるの?)」みたいなことを(冗談っぽくですが)言われたのは強烈に印象に残っているので、妊娠してると思われたのは間違いないはずなんですけど、やっぱり文脈的にたまたまそうなっちゃってただけなのかなぁ……と思ったら、あぁーっと!!

 

それっぽい言葉を足して検索してみたら、ズバリ、「contraction」というちょっと違う単語に、「陣痛・子宮収縮」って意味がありますね…!

https://eow.alc.co.jp/search?q=contractionより

(こちらの意味を参照させていただいた英辞郎も、僕が学生の頃は例文豊富で断トツ優れた辞書であった印象で、最強の辞書のイメージだったのですが、いつの頃からか全部見るには会員登録が必要…みたいになってしまったこともあり、何となく、いつの間にかあんまり使わなくなってしまった(単に、あまり英和辞書を引くこともなくなっただけかもしれないものの)…のみならず、検索しても別のWeblioとかの辞書の方が常にトップに来ますし、辞書としては本当に有能なイメージは今でもあるものの、こないだ話に出していたESLPODしかり、登録制というのはやはり無料で好き放題使いまくりたい僕のような貧乏性の乞食が離れていってしまうのか(笑)、ちょっと勢いが落ちちゃうイメージがどうしてもありますねぇ…。
 ビジネスとしてはどちらが正解なのか、僕には分かりませんが…。)

それはともかく、なんと、ずーっと「『contract』は文脈次第ではあらぬ意味にも取られてしまうので要注意だ。誤解されても敵わんし、別の言い方を心がけよう」とか思っていたのに、恐らく単にあのメールで、僕は「contract」ではなく、間違えて「contraction」と書いてしまっていたという、単純にそれだけの話だったんですね…!!

いやぁ~、紛らわしい単語でも何でもなく、ただの自分のミスだったとは、こりゃ一本取られましたよハハハ!

 

…ってなわけで、今回のこちらは本当に別に全く、「ややこしい二語」ではないどころか、「紛らわしい意味をもつ単語」でも何でもなかったんですけど、逆に個人的には、長い間「そんな変な文脈でもなかったはずなのに、なんでいきなり全然違う風に取られちゃったんだろ?これは本当に怖い単語だなぁ」という誤解をしてしまい、なるべく使わないように避けてすらいたのが特に意味のないことだったと無事に判明してくれた感じで、本当に何よりでした。

取り上げてみて良かったです。

 

とはいえ、コントラクトコントラクションって紛らわしくない…?他にもコンラクとかコンストラクションとかあるわけで、生命科学では新しい遺伝子を持たせたDNAプラスミドなんかのことを「New construction」とか言うしさぁ、「工事中」が「Under construction」ってのも結構おなじみの表現だし、全然違う語ではあるけれど、よく使う「コンストラクション」につられて、「契約」のつもりが「contraction」って書いちゃうってのも、こりゃあ間違えても仕方ないぐらいのややこしさはあると言えっべ…??

……と、しょうもないミスをした自分を正当化しておくといたしましょう(笑)。

(実際、このエピソードはかなり昔の話ですけど、英語に慣れない内はこういうミスもしがちという点で、実際言い訳ではなく、本当にある種のややこしさはあるといえる気もしますね。

 なお、先ほどの英辞郎の結果にもあった通り(あれは一部抜粋でしたが)、contractionという単語に「契約」の意味はありません。)


ついでに、コントラクトで関連してもう一つ脱線すると、むか~し僕が小学生の頃、ビートたけしさんと逸見政孝さんの「平成教育委員会」という、めちゃんこ面白いクイズ番組がありまして…

(基本的に私立中学校やたまに小学校・幼稚園の入試問題なんかをみんなで解いて、基本的な教養を身につけましょう、というコンセプトの番組ですね。言うまでもなく小学生には難しすぎるものもありましたけど、だからこそ僕みたいな知らないことを知れることにワクワクするタイプの子供には、とても面白かったものです。

 一応、今でもたまに特番は放送されてるんですかね…?)

…確か国語か、もしかしたら社会の授業で、

「『ゼネコン』は何の略か、答えなさい」

という問題が出て、当然小学生には想像もつきませんでしたけど(そもそもゼネコンすら意味不明ですしね)、これの答がズバリ「ゼネラル・コントラクター」で、まさに今回のcontract(契約・請け負う)的な意味合いから(例の、こないだも見ていた「~する人」を作る接尾辞、この場合は「-or」を付ける感じですね)、直訳すると「総合請負業者」という意味になるわけですけど(実際は「総合建設業者」という意味に限られるわけですが)、響き的にカッコ良かったので、これはなぜだか幼いながらに呪文のように覚えてしまいましたねぇ~。

あとは同じコーナーで、「『ボディコン』は何の略か、答えなさい」もあったはずですが(ボディコンもゼネコンも、あの当時、社会的にブームだった言葉に思います)、確か真面目だけどボケもかましてくれる回答者のどなたかが「ボディ・コンプレックス」と書いて、たけし先生が「バカヤロウ!」とスタジオが笑いに包まれたのも記憶にありますけど(しかし、小学生にはよく笑い所が分からず……むしろ、お題がお題だけに、「下ネタかな?」と思えた記憶がありますが、別に下ネタってこたぁなかったですね)、これもこのコーナーで覚えちゃいましたが、こいつは「ボディ・コンシャス」の略なんですね~。

ja.wikipedia.org


まぁ、ボディコン自体もう死語な気もしますけどね(笑)。

かように「〇〇コン」という略語は多いですが、今回のコントラクトも、ゼネコンという単語で一応メジャー所ではある、という感じでしょうか。

 

ちなみに最後もうちょい単語自体を深掘りすると、このcontractという単語は、こないだトラックのオマケで触れていたtractorで出てきた「tract」と、語源・根となる語を同一とする言葉なんですね。

ズバリ、「con-」という接頭辞が「共に」という意味で、「tract」は「引く」という意味でしたから、「共に引っ張る」で「契約する」みたいな意味(…から、さらに「収縮する」という意味にも広がりますし、例によってかなり強引な展開にも思えますが(笑))になる形といえましょう。

先ほど触れていたややこしい「construct」(構成する・工事する)と区別する上では、使えるポイントといえそうですね。

 

あと最後の最後、これまたあんまり関係ないネタですが、事務員さんの話をしたおまけとして触れておきたかった話をもう一つ……

事務には会計の他にも(当然ですが)移民・雇用関連の専門事務員の方がいて、一番最初、アメリカに来る前からこの事務のおばちゃんとコンタクトを取っていたわけですが、ある時、こっちに来て4-5年目ですかね、ちょうど日本を発って半分というか、今から同じぐらい前にあたる頃のことだったと思いますけど、ビザ関連で必要があって事務室に向かい話をしていたら、最後、「あなた、劇的に英語が良くなったわね」と言われたことがありました。

しかしこないだも何度か書いていた通り、個人的にはマジで伸びた自覚が1ミリもなかったので、

「いや、たまたま今の会話が言い慣れてた内容だっただけっすよ。未だに日本語で考えてるし、発音は変わらないまんまだしで、自分では良くなってる印象は本っ当に全くないっすね。まぁ、『こういう場面では、英語なら普通はこう言う』というのは少しは身についた気がするので、良くなったと感じるのであれば、変な、日本語につられた表現が圧倒的に少なくなったからじゃないっすか?」

…ということを言いたかったんですけど当然そんな話がスラスラ出てくることもなく、「Meh...I don't think so...」だけ返して終わった気がしますけど(笑)、実際そう否定した後も「いや、本当に、最初に比べたら信じられないぐらいに良くなってるから」と強調されて、まぁ逆に最初が酷すぎただけの可能性もありますけど(笑)、やっぱり、意識はしていなくても、多少は改善しているというのはあるのかもしれませんね。


例の、こないだ書いていた「英語力は直線的には伸びず、階段状に伸びる」という話で、(ちなみにそのとき書こうと思って忘れていた話ですが、これは例えるならちょうど、「自転車に乗る」のに近いような気がしますね。最初「自転車に乗れない」状態がしばらく続くわけですけど、ある瞬間に、「こうすればいいのか!」ということに気付いて、その瞬間から完全に世界が変わる、つまり自転車に乗れるようになるという「0か1か」の全く違うステップにレベルアップするということですが、英会話もそれに近いものがある感じですね)、僕は今でもそれは正しいように思えますし、多分、あるとき突然、「あ、英語、音の仕組みが理解できた!」と思えるような瞬間が訪れ、かなりネイティブに近い(少なくともカタカナ的ではない)発音を身に着け、ネイティブの会話も音として理解できるようになる(そして僕はまだその状態になっていない)…と思うのですが、そうはいってもやはり、階段は完全に平らではなく、少しは傾斜があって、少なからず色々と努力なり勉強なりをしていれば、「全く1ミリも何も成長がない」ってことはきっとないのかもしれませんね、という希望のようなものも、本当は最初にこの話に触れた後すぐ書いておきたかったのに記事が分かれてしまいましたが、雇用係のおばちゃんからの激励の言葉でそんなことも感じたものでした…ということを最後改めて書いておきたかった次第です。

(でもやっぱり、(今さっきも書いたばかりでくどいですが)「ある日突然、劇的に世界が変わる」は、語学習得では多分間違いなくあることだと思うので、「別に英語は好きじゃない」とか強がりながらも少なからず英語に触れて仕事でも使っている立場である以上、早くその階段を上がるレベルアップイベントが訪れて欲しいものですね…!)

 

ということで、マギ単(紛らわしい英単語)シリーズはこの辺で一区切りといたしましょう。

とはいえ、こないだも書いていた通り、各回で毎度おなじみアンさんからとても興味深い&面白いコメントをいただいていたので、その中から話が広がりそうなものをピックアップして、補足としていくつかまたちょっとずつ振り返っていく回を設けようかと思っています。

 

アイキャッチ画像は、全然最後に相応しくないですが、補足記事も続くしよく考えたら別に最後ってわけでもないので気にしないとして(笑)、契約のコントラクトと勘違いしていたコントラクション=陣痛のいらすとを使わせていただきましょう。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村