おっ、男性用の不貞遺伝子検査キットも!そしてDNA検査といえばやはり……

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前回ラストに触れていた女性用不貞遺伝子検査キットですが、せっかくだしもうちょい詳しく見ておこうと思って、記事アップ後に改めてちょっくら垣間見ていたのですが……


まず、検査方法は、

・綿棒で口の中の粘膜を軽く掻き取る

→DNA付きの綿棒を、付属の返信用封筒で会社へ郵送する

→会社が分析して、オンラインで結果報告

…という流れのようなので、妊娠検査薬のような、家庭で即自己診断が可能な仕組みではなかったんですね。


流石に1塩基の違いを家庭で即バシッとチェックは難しくねぇかな?と思ってましたが(というか今の技術では不可能)、企業に送って現場で分析するなら文句の付けようもないですね。

実験室で送られてきた口の細胞からDNAを採取して、PCRをかけて該当の不貞遺伝子を増幅し、恐らくシークエンスで配列をチェックするのかな、と思われます。


なので、結果自体はほぼ100%確実に正確で、このキットを使えば「自分の不貞遺伝子5箇所が、少数派の『不貞行為をしやすい』ものかどうか」は間違いなくハッキリと判明するという感じですね。


ただ前回も書きましたが、その結果が、本当にその人が不貞するかしないかまでは、ぶっちゃけ断言はできないでしょう。

「統計的に、不貞しやすい」までは譲歩して断言できても、前回の論文のデータを見ても、不貞遺伝子もちの女性の半分以上が、別にこの遺伝子をもっていても不貞行為に手を染めていないという結果になっているわけで、正直、「で?っていう…」という診断だといえるように感じます。


ってことで、このキット、誰が何のために何を知りたいんだ…?と思える、正直ジョークグッズとすら思えるレベルですけど、しかしこの製品ページの関連リンクを見ていたら、まさかの!

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https://www.genexdiagnostics.com/product/male-pair-bonding-gene-avpr1a-test/より

同じAVPR1A遺伝子の中で、こないだ見ていた男性特有の方は、いわば「嫌婚遺伝子」などと勝手に呼んでいましたが、こいつの検査キットも販売されてるじゃあないですか!

まったく商魂たくましい会社ですねぇ!!

おさらいしておくと、こちらはAVPR1A遺伝子にあるRS3という繰り返し配列の内、334タイプと呼ばれる配列をもつ男性は、特定のパートナーに縛られることを嫌うということが示されているもので、このテストキットを使えば、自分が遺伝子タイプ334保有か否か(もちろん、1つ保有か2つ保有かまで判別可能です)が明白に分かる…という形ですね。


もちろん、これらは前者が女性専用・後者が男性専用とはなっていますが、それはデータ的に「違う性の人は、その不倫遺伝子をもっていても別に何の影響もない」というだけ、つまり検査する意味があまりないというだけで(まぁこんなの、対象の性の人でも、検査する意味はあまりないと思いますけど(笑))、もちろん男女とも遺伝子の有無をチェックすることは普通に可能ですね。


更にいえば、全く何の意味もないかというとそんなこともなく、例えば男性に影響のある334タイプ遺伝子の有無を女性が調べたら、自分の子供がどのぐらいの確率で334タイプ遺伝子もちになるかが計算できるという形になります。

 

表:子供に遺伝する確率(女性=母、男性=父)
334遺伝子  女性・もたない 女性1つもち  女性2つもち 
男性・もたない 100%絶対
もたない
50%ずつの確率で
0か1つもち
100%絶対
1つもち
男性1つもち 50%ずつの確率で
0か1つもち
50%の確率で
1つもち、
25%ずつの
確率で
0か2つもち

50%ずつの確率で
1か2つもち

男性2つもち 100%絶対
1つもち
50%ずつの確率で
1か2つもち
100%絶対
2つもち 


両親の遺伝子保有状況が分かれば、子供にその遺伝子がどの程度の確率で伝わるかが分かるというわけで……

まぁ中学理科でやった話ですが、334アリ遺伝子をA、334ナシ遺伝子をaとすると、AAとAaの両親からはAAかAaの子が等しい確率で生まれる、というそれだけですね。


それにつけてもこのGenex Diagnosticsという会社、2020年にできたばかりの新しい企業のようですけど、う~ん、面白いっちゃ面白い商品だけどさぁ、果たしてこんなの売れるのかな…?

本人がこんなもん知りたいとも思えませんし、パートナーに検査させる…?

そんな不貞遺伝子の有無を調べるとか、何かそれだけでもう信頼関係がないような……って気がして、マジで「誰もやりたがらんだろ」と思えますから、正直大丈夫なのか心配になりますね。


とはいえこの会社は別にこれだけを売って生計を立てているわけではなく、他にも色々なDNA・遺伝子検査キットを販売しているようですね。


メイン商品と思われるのが、これ!

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関係性テスト商品一覧・最初の3つ(https://www.genexdiagnostics.com/relationship-testingより)

ズバリ、関係性テスト、つまり、親子鑑定に始まり、兄弟鑑定とか親戚鑑定とか色々ありますが、要は血縁チェックですね!

なるほど、これは、必ず需要もあるし、間違いなく意味や意義のある診断ですね~。


一番最初にある、最安99ドルからの、恐らく一番需要が多いであろうと思われるこちらは…

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https://www.genexdiagnostics.com/dna-paternity-test/より

DNA Paternity Test、すなわち父子鑑定ですね。

親子のDNA鑑定については、また細かい分子レベルの話も見てみようかと一瞬思ったものの、ぶっちゃけ面白くないにも程がある気がしてきたので、やめておきましょう。


ざっくり簡単にいえば、これも「繰り返し配列」というのがキーでして、人間のもつ遺伝子DNAの中には繰り返しの数が個人によって大きく異なる部位がいくつも知られており、当然、その数は親から受け継ぐことになります。

例えば親子鑑定のWikipediaページによると、よく使われるDNA領域にD11S554(11番染色体の、554番と名付けられた繰り返し領域)というのがあるようですが、この領域には24種類の繰り返し配列があるようで、それぞれ複数のパターンがあることから、地球上の人間はおよそ300タイプの配列もちに分かれるらしいです。

そして、本当の親子であれば、子供の半分は父親と、もう半分は母親と一致するので(もちろん、親自身も2種類の遺伝子をもちますから、「親の半分と一致」ですけどね)、この領域のDNA塩基の繰り返しの数=長さを比較することで、検査した親子が赤の他人なのか本当の血縁関係があるのかが絞れるわけです。


無論いうまでもなく、偶然DNAの長さが一致してしまう可能性もあり得ます。

ですが、複数の遺伝子で比較を繰り返すことで、偶然全てが一致する可能性は極めて、圧倒的に小さくなっていき、先ほどの商品紹介ページにある通り、本当の親子であれば、最終的に「あなたが父親であると思われる」という結論は、99.999%の確率で断言できるわけですね。

(もっとも、世界人口77億人の中には、検査したDNAの長さが偶然すべて一致する人がもしかしたらいるという可能性は否定できないので、決して100%とは言い切れません。

 一方、「あなたは父親ではない」の判別の方は、子供と全く違う長さのDNA繰り返し配列が検出された時点で確定できるので、こちらは100%断言できることになります。
 商品紹介ページに、100% for exclusions(=「除外可能性は100%」。一方、父親特定確率=inclusionsの方は、上述の通り99.999%と、決して100%にはなりません。信じられないぐらい小さい確率でも、偶然たまたま検査したDNAの長さが全て一致するという可能性は、0ではないので)とある通りですね。)


…と、結局長々と解説(という程でもない、浅い説明)を入れてしまいましたが、この辺の話で僕が印象的なのは、やっぱり、よくまとめサイトで取り上げられている、アメリカのTV番組(『Maury Show』が代表的)、「親子鑑定の結果を報告し、父親容疑者の男性が結果に一喜一憂する」という、クッソ低俗すぎてヤバイやつですね。


検索したら、GIFアニメを掲載してくれているまとめサイトがいくつもヒットしてきました。

1つ紹介させていただきましょう。

matomemura.com
最初の4つが「君は、父親ではない!」で、責任取らなくていい男性が狂喜乱舞のダンスを披露していますが、最後の1つは「君が父親だ!」で、依頼主の女性が「オラ見たことか!」という狂喜乱舞のおちょくりダンスを見せてますけど(笑)、いやぁ~、クソみたいな番組ですね(笑)。


マジでよくこんなのが許されてるなぁ…と、僕個人的にはこの番組は全く面白いと思えませんけど、こんなのが許されてて観客も大興奮してるというその事実は、かなり面白いと思えます(笑)。


とはいえ依頼主達のリアクションは結構突き抜けてて、やっぱりネタとしては笑えるっちゃ笑えるかもしれません(笑)。

やはり音声付きの動画の方が臨場感はある感じでしょうか。

www.youtube.com
こちらは23秒の動画ですが、このアラブ人と思しき男性の盛り上がりよう…!クズ過ぎる…!
依頼人の女性は涙…)


他にもいくつか名場面をまとめた動画(関連動画に出てきたこれとか↓)は、400万回再生以上と、やはりこの手のネタは言葉の壁を越えて多くの人々に人気のようですが…

www.youtube.com
いやでもこれマジでさぁ、(先ほどのまとめサイトの本文にもありましたが)子供の写真もバッチリ映しちゃって、大丈夫なの?

っていうか、「NOT THE FATHER」の諸兄、ガッツポーズしてるけどさ、全国ネットでこんな女性に疑われるような場面をガンガン流されて、仮に父親じゃなかった所で、いうほどガッツポーズか…??

…とか色々思えますけど(笑)、まぁ自由の国アメリカならではなのかもしれませんね。

(どうも、流石にあまりに低俗すぎたからか、もうこの番組の人気も下火になっているという情報も目につきましたが、いずれにせよ僕はこの番組は「ふーん、興味ないね」という姿勢を貫きたい限りですね……むしろ、子供が欲しい僕としては、「いや父親であることを喜べよ!」と思えてしまう節まであるかもしれません。

…ただ、そのパターンも実際あるようで、↓のまとめサイトによると、「自分の子だと思う。自分の子だったら結婚して欲しい」という男性が2人登場するシーンなんかもあったみたいですね。

carboofa.com

記事真ん中の、青服と赤服の男性のやつですが、「ヤラセちゃう?」と思えるぐらいの面白い結末なので、気になった方は記事をご覧になってみることをオススメします(笑))


…といった所で今回もあらぬ方に話が逸れてしまいましたが(結局何だかんだ、自分もその手のネタ楽しんでんじゃん、って感じだったかもですね(笑))、本来予定していた、遺伝子改変うんぬんの話は、また次回にまわそうかと思います(っても、これも正直あんまり面白くなりそうにないですけどね…)。

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