こんな馴れ初めに憧れるぜ…!

今回は、こないだ吉田秋生さんの『BANANA FISH』について触れていたときに、「女性作家で本当に凄まじい才能があると思える方って、BLを扱われることも多い気がするなぁ」ということを思っていた所から、ネタを広げてみましょう。


もちろん吉田さんは決してBL作家さんという括りではないわけですけど、それなりに男性同性愛を好意的に美しく描かれる方には違いないように思えます。

他にこれまで取り上げた方の中でも、一番最初に触れたよしながふみさんは代表的なBL畑出身の方でありますし、志村貴子さんも、割合的にはむしろBLより百合の方が多いぐらいとはいえ、BL作品をお持ちの作家さんですしね。


あとは、いつか改めて触れるかもしれない羽海野チカさんとかヤマシタトモコさんとかも有名なBL出身の作家さんで、それからこちらはちょっと違いますが、「あさりちゃん」でどなた様もおなじみ室山まゆみさん(ご存じない方も多そうですが、ご姉妹のユニットですね)なんかも、まぁたまたまいくつか「やおい」や「腐女子」を取り上げたエピソードがあるだけですけど「あぁ、室山さんもBLがお好きなんだろうなぁ」と思える感じで、非常に勝手なイメージですけど、やはり売れっ子の方・才能がある方・センスを感じる方は、BLに惹きつけられる何かがあるのだろうか…と思えてやまないのです。

(ちなみに、BLとかやおいとかのハッキリした定義については、僕は全然把握できていないため、めちゃくちゃ適当な「男性同性愛が出てくる」程度の感じで使わせてもらってます。
 この辺は、よしながふみさんの素晴らしい対談本「あのひととここだけのおしゃべり」という書籍でじっくりと語られていたテーマでもありますけど(よしながさんと志村さんの対談が見たすぎて、僕も当然のごとく手に取りましたが)、それでもちゃんとした理解には至れていない感じ(「適当に使ってはいけない」ということだけは理解した感じ(笑))ですねぇ。)


ちなみに僕が一番使っている電子書籍配信サイト・コミックシーモアは、元々女性向け・BL専門(専門ではないかもですが)のサイトとして発達してきた歴史があるようで、いつもめっちゃんこBLが推されているんですが(BL作品30%割引クーポンとか、常にあるイメージです)、その辺からも分かるように、BLはやっぱり多くの女性を惹きつけてやまない、一大マーケットであるように感じます。


もちろん、吉田基已さんとか森つぶみさんとか、少なくとも作品からはBL臭が1ミリも、一切微塵も感じられない女性作家さんも、大勢いらっしゃるんですけどね。

しかし、やっぱりこれだけ多くの女性がドハマリされているBLというジャンル、これの良さに開眼できていないのは、むしろもったいない気がするぞ……ということで、ちょっとBLの良さを知るために、オススメを募集したりBL談義でもしてみようかと思ったのですが、それはまぁまたいつか、もうちょいネタが切れて打つ手がなくなってからにしようかなと思います。

とりあえずは、好きな漫画について延々と語り、同じようなご趣味を持つ方に向けての自己紹介を続けさせていただきましょう。

 

…ということで話が逸れましたが、今回は、「BLを書かれている作家さん、他にもいたよな…」と考えてすぐに浮かんだこちら、羅川真里茂さんです!

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しかし、羅川さんも吉田秋生さん同様、特に「元々BL同人などを出して育ってきた」作家さんというわけではなく、BLがテーマの作品(こちらは、作者さんご本人が明確に「BLではないです」と否定されてらっしゃるので、それは語弊がありそうですが、「ゲイについて非常に真面目に取り扱った」感じですね)を出版されたことがある(『ニューヨーク・ニューヨーク』という名作)…ってだけなんですけどね。

その「NYNY」は、これもまさにBANANA FISHとほぼ全く同じ感じで、大層な傑作であるのは間違いないんですが、ちょっとハードボイルドな感じで、漫画をどっぷり読み始めた最初期に読んだということもあり、「ちょっと難しかったかな…」という感想が来てしまうのが正直な所なんですけれど、間違いなく素晴らしい名作には感じたので、僕自身が読み手としてのレベルも上がった今、また再読しておきたいと常々思っとります。


そう、NYNYのみならず、羅川さんの作品に触れたのは、まだまだそこまでの数の漫画には触れていなかった時代・僕が中学生の頃だったんですが(まぁNYNYは一人暮らしを始めてからだったんですけど)、姉の持っていたコミックスをこっそり読んだのが最初のきっかけなのです。

(初めて読んだ少女漫画は、これかなぁ……と思ったけど、あぁ、同じく姉が購読していた、その辺に転がってた「りぼん」を小学生の頃からこれまたこっそり読んでたので(笑)、羅川作品が初少女漫画ってわけではないですね。)


僕にとって初めての羅川さん作品は、中3の頃のテスト勉強とか受験勉強とかで、多少夜遅くまで起きてて家族が寝静まった頃、「もう飽きたし漫画でも読んだろ」と本棚にあった漫画の中に、ふと見つけたこの作品……そう、羅川さんの初期代表作、『赤ちゃんと僕』(全18巻)!

もちろん1巻から全部読破済みですけど、確か、一番最初に手に取ったのは、何の運命のいたずらか(前の巻は、姉がどっか別の部屋に持っていっていたのか、ぐちゃぐちゃに戻してあってたまたま見つからなかったのか(笑)、とにかくなぜかこの巻が最初に手に取ったものだったはず…)、(上の漫画画像内でももう触れていましたけど)この13巻だったように記憶しているのです。

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赤ちゃんと僕」13巻表紙より

(コミックシーモアには、赤僕は文庫版しかなかったので、画像はAmazonより……文庫版は、巻ごとの話の区切りが当然違うので、各巻の冒頭エピソードがオリジナルコミックスと一致せず、以下取り上げる該当部分のお試し読みは残念ながら1ページもなかったですね…!古い作品のためか、Amazonにもお試し読みはナシです。)


このコミックス13巻は、冒頭から番外編という感じで、キャラやストーリーにについて全く知らなくてもほぼ問題ない形になっていまして、この巻のお話はズバリ、主人公拓也くんの父親である春美パパと由加子ママの出会いについてほぼ1冊丸々使って語られる形なのですが……

いやぁ、中学生の僕は、この物語にいたく感動しましたねぇ~!

マ~ジで、「ぐおぉ~、こんな出会いと馴れ初め、憧れすぎるぜ…!クッソ、同じシチュエーションになるために、うちの両親も事故らねぇかな…」(って、最後のはいうまでもなく、ネタで書いただけの真っ赤な冗談(実際はそんなこと全く思ってません)ですが(笑))と思えてやまないほど、本っ当~に、中学生の紺助少年は、不覚にも涙を流して感動してしまったものですよ。


ちなみにめっちゃ面白いことに、高校に入ってできた一番の親友である(何度かブログ記事で登場している)バイオくん、彼も姉持ちだからか、なぜか赤僕を全巻持ってまして(でも、彼は自分用に買って持ってたので、たまたま家にある花ゆめの雑誌だかで見かけて、自分で買ったんですかね…?少女漫画趣味は1ミリもない人なので、意外です)、彼も「赤僕13巻が、マジで理想」と声高に叫び続けていたぐらい、妙に同じ意見の持ち主であったのもとても印象深い出来事です。


もちろん赤僕は全巻普通にめっちゃ面白いですけど、やっぱりこの13巻が個人的には思い出も相まってズバ抜けて好きで、あとは最終回までに到る数話=最終18巻も、同じぐらいドチャクソ好き好き丸ですねぇ~。


手持ちの電子にももちろんあるので、いつでも再読できますが、あまりにも中高生の頃読みまくりすぎたこともあり、大人になってからはそういえば再読していませんが……

まぁ、大人になった今初めて読んだとしても、ぶっちぎりで気に入れるのは確定しているぐらい、大人の鑑賞にも堪える素晴らしいクオリティの話に間違いありません。


ただ、羅川さんの作品は、当然のごとく僕は今でも全て追わせてもらっていますけど、今まで紹介した漫画家さんの作品より、ちょっとだけご都合主義・ご都合キャラも目につく気もしてしまうといいますか、かなり大人になって目が肥えてから読んだ形の、その後の作品『しゃにむにGO』や『ましろのおと』は、(くどいですが今でも全巻欠かさず手にしているぐらいに好きですけど)、中学生の頃に読んだ赤僕13巻で感じた圧倒的な感動と衝撃には至っていないかな……というのが正直な所かもしれません。

(いや、「最近のは微妙」という風にも読み取れてかなり失礼な物言いですが、普通にそういうわけではなく、マジでしつこいですけど、長編テニス漫画・しゃにGOも、連載中のましろのおとも、めっちゃくちゃ面白いです!
 多少ご都合であっても、ここぞのシーンでバッチリしっかり魅せてくれる、ドラマチックなストーリーテリングをされるのが羅川さん、って感じですね。

…要は結局、最近の作品も当然最高ですけど、いわば、まだ感性が若かった中坊の頃に読んだ、このパパママ馴れ初めの大人ストーリーのインパクトが、それだけ永久に超えられないぐらいに途轍もなく大きかった、ってだけの話ですね。)


…おっ!

素晴らしいタイミングで、最新作ましろのおとが、何と今月末まで、1-3巻の3冊も無料キャンペーン中!

www.cmoa.jp
あぁ、シーモアだけじゃなく、AmazonでもKindle版無料キャンペーンなんですね!

いうまでもなくこちらも素晴らしい作品なので、既に連載12年目に突入&既刊29巻と、全32巻のしゃにむにGOを超えそうな、羅川さん最長の大作になりそうですが、お手に取っていただく価値は十分にあるといえましょう。
(まぁ、僕はちょっと積ん読状態になってるんですけど…。最近の忙しさで、この作品に限らず、かなり放置状態の作品が多いのです。)


他、最近の作品以外にも、そういえば『いつでもお天気気分』も当時の家の本棚にあったので、赤僕の後はこちらもこっそり読んでみましたけど、むっちゃんこいいですよぉ~。

僕が一人暮らしする前は、まだ2冊しか出ていませんでしたが、「不定期連載らしいけど、流石にもう続きはないのかな…?」と思っていたら、2004年に7年ぶりに3巻が出て、その後更に10年をかけて最終7巻まで出たという、とても長い間楽しませていただけた作品ですが、本当に良かったですねぇ。

作中あとがきでも触れられていたはずですが、3人のメインキャラが、暴れん坊の赤馬くんは「俺」、可愛い系の進之介くんは「おれ」、ガタイのいい秀ちゃんは「オレ」と、その一人称の使い分けなんかも、「確かにイメージ通りだね!」と納得のいく感じで、面白いなぁ~と思えました。


最後恒例の女性キャラ、僕はやっぱり、可愛らしいしっかり者(いや、ドジっ子の面もありましたっけ…?)の栗子姉ちゃんか、誇り高い真っ直ぐさを持ったひなこちゃんか、ピュアで一生懸命な桜ちゃんか……いやいや、やはり由加子ママが羅川キャラではNo. 1、これはもう揺るぎないですね…!

…といった所で、赤僕よりキャラの年齢が上の学園ものである「いつ天」、社会派の「NYNY」、スポーツものである「しゃにGO」、音楽ものである「ましろ」と、歴史に残る傑作「赤僕」以外にも様々なジャンルで素晴らしい作品を残しておられる羅川さんも、本当にオススメです、というお話でした。

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