凄いぜっ!アメリカの健康診断!

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最近の記事(この辺から:ここが変だよ日本人→それは偏見だよアメリカ人…?)で何度か「日本人像」的な、アメリカ人から見た日本の変なところ凄いところ不思議なところなどなどについて見ていましたが、じゃあ日本人から見てアメリカの変なところ凄いところ不思議なところは何かないだろうか、と考えてみたわけですが……。

ぶっちゃけ、家と研究室を往復するだけのしょうもない毎日を過ごしているので、これといって特に取り立てて目ぼしいこと、まるでナシ…!


まぁあんまりこだわりとかがない僕の目からすると、

「別にどこも一緒だわ、人間も社会も日本だろうとアメリカだろうと、概ね似たようなもんよ」

…と思える感じで、言葉が違う以外、そんな変わんないような気がするなぁ、って印象ですね。


とはいえまぁ全く同じってわけでもないし、何もナシでは話が広がらないので1つ無理くり捻り出してみると、ズバリ、上記漫画に書きましたアメリカの健康診断の話、これが驚きのシステムで、初めて聞いたときはたまげました!(というか今でも「マジき?」と思えますけど)


まぁもう漫画内でネタばらしはしてしまっていますが、大学が提供してくれる年1とかの定期健康診断、これがなんと125ドルなんですが、まさかの、受診に125ドルかかるのではなく、健康診断を受けて色々測定した上、信じられないことに125ドル=現在の為替で約1万4448円もらえるという、「んなバカな(笑)」と思えるシステムになっているのです…!


いやそんなわけなくね?…とは思えるんですが、実際僕は毎年健康診断を受けて毎年125ドルをもらい続けているので、マジなのです。

念のため証拠に、普段全く見ないpaycheck(給与明細)の、昨年健診を受けた後に来ていたやつのスクショを撮っておきましょう。

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去年のpaycheckより抜粋

特別支給・時間給的な欄に、125.00ドルがしっかり記録されていました。

PHAは、Personal Health Assesmentで、まさに健康診断のことですね。
(あとYTDは、Year-To-Dateで、「年初来」の意味ですね。)

そう、明細に記述されているということからも明らかな通り、健康診断を受けたらその場で現金プレゼントというわけではなく、後ほど自分の口座に振り込まれるという形なので、これはどうも大学で働く人限定の特典みたいなもののようなのです。
(関連した話も、後ほどちょっと触れましょう。)


もちろん気になるのは「なぜ?!何のお金??」ということだと思うのですが、未だに信じられないので、僕ももう何度も測定のお姉さんに聞いてみています。

当然誰に聞いても答は同じでしたが、結局の所、アメリカではあまりにも肥満や不健康な食生活などが社会問題化しており、国民の健康維持・健康意識促進に、政府主導(なのか州なのか、それとも保険会社なのかはよく分かりませんが)で、年1回の定期健康診断をどうにかして国民に受けてもらうべくして生まれたインセンティブ(動機付け・報酬)みたいなもので、

「125ドルを受け取れるのに、それでもなお一切健康診断を受けにすら来ない層が多いぐらいに、アメ公さん達の健康意識が低すぎる」

「お上(あるいは保険会社)からしたら、125ドルを支払ってでも国民の健康意識を上げてやることが、将来的には十分ペイできるぐらいに、不健康な生活から生じる生活習慣病などによる医療費や健康人口の減少が逼迫・社会問題化している」

…というのが、事のカラクリのようですね。


もちろん、確か一項目でも警告レベルを超えた危険レベルの数値があると、報酬の125ドルはもらえないだか聞いたことがありますが、その際も、その項目に応じたカウンセリングを受講することで、125ドルが支給されることになっています。

実際、僕は基本全項目基準値内で、健康そのものなのですが、一度だけ、例のめちゃくちゃ仲良くしていた中国人の同僚がいたとき、毎晩自分用にも大量の主に中華料理をもってきてくれて、日々油っこい肉やら炒め物やらをふんだんに食べさせてもらっていたんですけど、ずーっと例のかなり健康的な(偏ってる?(笑))同じ食生活を続けていた僕(参考→ちょっと珍しい食生活)にはいきなり刺激が強すぎたのか、そのときの健康診断だけ、コレステロール値が基準値をごくわずかですが超えて「警告」レベルになったことがあったのです。
(もちろん、「危険」レベルではないので、その場合は健康診断受診の125ドルは普通にもらえた記憶がありますが。)


その警告を食らったため、オススメカウンセリングとして、「コレステロールを抑えましょう」という、3回ぐらいの面談講座みたいなやつの受講を勧められて、1回20-30分ぐらいの対面講義を受けてきましたけど(とはいえ、僕はその辺の知識も普通にあるので、「あ、最近同僚にオイリーなチャイニーズフードをたくさん食べさせてもらってるのが原因なので、今回コレステロールが高くなった原因は明らかなのです。『食物繊維をとる』とか、『多く含まれる食品』とか、そういうのはちゃんと知っとるよ」という感じで、むしろ僕がカウンセラーのお姉さんに「納豆というジャパニーズパーフェクトフードがあるから、ご存知なければぜひ試してみんしゃい」とオススメを教えるぐらいでしたが(笑))、そのちょっとしたカウンセリングを受講したおかげで、さらに125ドルの報酬を受け取れましたからね。

翌年はその同僚ももう異動してしまっており、僕の食生活も再び質素なものに戻り、コレステロール値は正常値にあっさり戻りましたが、健診のアンケート項目に「今までにコレステロールが高いと診断されたことがある」というのがありまして、以後僕は毎回これにチェックをしなければいけないのですが、むしろ逆にこれにチェックをする結果、毎年「コレステロールを抑えましょう」のカウンセリングがオススメに出て来まして、希望すれば毎年受講でき、毎年2-3回しょうもない話を聞きにいくだけで125ドルゲットできるんですけど、実際に念のため翌年も受けて(やっぱり、原因は明らかだったとはいえ、「コレステロールが高い!」と出たのは、健康マンの僕にはショックだったので)、似たような話を聞いて125ドル受け取った記憶がありますけど、ぶっちゃけ時間の方が大事ですし、以後逆にコレステロール値が低すぎるぐらいにまで落ち着いていることもあり、それ以降はもう受けてない感じです。


カウンセリングにはそれ以外にもメンタルケアや運動講座みたいなものもあり、「抑うつで不安がある」とか「運動不足が心配」とか、さらには「DVを受けている」みたいな項目まで(確か)あって、それにチェックをするとそのカウンセリング講座がオススメされ(特に運動とかは個人面談ではなく、グループワークだと思いますが)、これまた受講して全部参加すると125ドルずつゲットできるというとんでもない仕組みになってるんですけど(もしかしたら受給の上限はあるのかもしれませんけどね。僕は未経験なので不明ですが、その中国人の同僚は、メンタル講座とヨガ講座を受けて、確かどちらも皆勤参加で125ドルもらえた、っていっていた気がします)、まぁそれだけアメリカ人の不健康さはヤバいことになっていることの裏返しなのかもしれません。


ちなみに、研究室に仮配属された大学院に入りたての学生に、ちょうど僕が年1の健診を受け終えたときに「あ、探してたよ。どこ行ってたの?」と聞いてきたので、「健康診断。受けたら125ドルもらえるよ?」と教えてあげたら「マジで?!知らなかった!欲しい!!」といって早速予約して受けにいっていたんですけど、残念ながらこのインセンティブは大学の雇用者のみの特典のようで、学生は(まだ若いから?)この制度の対象じゃないらしく、「スタッフだけなんだって…」と無駄にガッカリさせてしまったこともあったのですが、逆に、大学で働いていれば、自分の家族も対象であったような記憶があります。

近所(同じフロア)の研究室に、日本人の研究者の方もいまして、特に僕より1-2年ぐらいちょっと先に来た先輩的な感じの、色々お世話になってるめちゃくちゃ良い方がいるんですけど、その辺の話をしていたときに、「家族ももらえますよ、めっちゃありがたい(笑)」っていっていたような気もします。


とにかく、国民の健康意識改善に大盤振る舞いのアメリカですが、元々健康意識は割と高い非国民である僕も、その恩恵にちゃっかり与らせてもらってます、という、自慢話みたいな感じでした(笑)。


ただ、ネットを検索してもこの「健康診断を受けたらお金がもらえる」という情報は全然見当たりませんでしたし、上の方でも書いた通り、これは「アメリカの特徴」というより、たまたまうちの大学(というか提携している保険会社?)がそういう制度を取ってくれているだけで、全米全部がそうではない(大学内でも、学生は対象外でしたし)、とは思うんですけどね。

正直、「健康意識が低い層は、このインセンティブについてそもそも知らないのでは…?健康診断を受ける層は元々意識が高いだろうし、このばら撒き政策、本当に上手くいってるのかな??」と余計なお世話でちょっと心配になるものの、もうずーっとこのシステムは続いていますし、アメリカほど合理的な判断をする国も他にないといわれていますから、間違いなく意味はあるのでしょう。

健康診断を受けるのが楽しみになりますし、いつまでも続いて欲しい良い制度だと思います。

 

…と、僕が前回受けたのはちょうどほぼ1年ぐらい前なんですけど、その健康診断結果をぜひブログで記事にしてみようと思いつつ、全くその機会もないまま他のしょうもない雑談記事ばかりで1年近く経っちゃったんですが、ネタもないし自己紹介も兼ねて、次回はその健康診断の数字を大公開してみようかと思っています。

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