この機に一気にスッキリさせちゃおう!

ここ何度かのDNAやらRNAやらその辺の補足説明で、「あとちょいでつかめそうなのに、どうもモヤ~っとした感じが晴れん…」とおっしゃられていた、毎度大変ご丁寧なコメントを下さる、この分野は全くの初心者・非専門家でいらっしゃるアンさんから、「ん?何となく、つかめてきた気がするぞ!こういうことなんけ?」という感じのコメを前回の記事の後にいただいていました。

それが明らかに壁を一つ越えられたぐらいの理解度に届いていたように見受けられたため、せっかくなので細々(こまごま)した点の確認とともに、「いいですねぇ~、素晴らしい!」という意味も込めて、一つ一つ改変引用しながらまた触れさせていただきましょう。

分からなかったことが分かり始めた瞬間って、外から見てても本っ当~にいいものというか、嬉しくなっちゃいますね。

以下、各引用部が、適宜表現等に改変を加えた形の、アンさんからいただいていたコメントです。

 

 とりあえず、『タンパク質がポリメラーゼやリプレッサーになる』って言われて、あぁ、それはタンパク質なのか…ってなった笑

⇒そう、結局、この辺の「話がモヤる原因」は、顔と名前が一致しないことに尽きるんですよね。
ぶっちゃけマジで単純なことしかいってないので(毎度書いてますけど、概念の理解自体が困難を極める数学や理論物理学とは違い、生命科学は現実に起こる現象を描写したに過ぎないので、話の難解さが雲泥の差)、用語の整理というか、名前と意味や機能や実態との対応関係をもたせられたら、案外スッと霧は晴れてくれるのでは、なんて気がします。


ちょうど、それに関して似たような話を思い出したので、また完全なる脱線ですが、自戒の意味も込めて、ちょっと触れておきましょう。

何かの生命科学系の解説本(分かりやすいと評判で、割と人気も高い本だった気がします)についていたレビュー(トップレビューで、やや辛口だけど最も「参考になった」の数が多い、有能レビューですね)で見た話ですが、

「この分野の話で初学者が詰まるのは、説明が難解であるからではなく、むしろ専門用語の理解が追っつかない、というのが理由であることがほとんどといえる。
 その意味で、この本は、ある程度理解している人にはよくまとまっていて分かりやすいとはいえそうだが、全くの初学者には向いていないのではないか」
…という感じで、例えとして(詳しくは覚えてませんが)、確かこんな感じ(↓)の例文が載せられていたのが印象に残っていますねぇ~。

その説得力のあった例文、自分なりに再現させていただきましょう。


大抵の教科書に載っているのは…

「初速62.1371mph終速55.9234mphにて射出された1BJBL60100を、2TL71560を用いて左回りに0.75π/sの角速度で反射角π/6となるように仕事を加えた結果、射出物が一度もいかなるものとも接触することのないまま、LFおよびRFに打ち付けられた柱に向けて引かれた白線と緑壁との交差地点の間を通過し、同一平面区画の外部へと着地したため、89.997ft間隔で設置された四角形あるいは五角形の白質の固形物質に順に4回接触する権利が与えられた結果、自らのRBIが2上昇し、一方それに伴い射出を行った者のERAも0.5上昇したが、これは認められている27回の反復試行の内の27回目であったため、結果、局面を覆す形でのwalk-offとなったことから、ここで目的を一にする個体群からDHMOを浴びせられたことで、交感神経系優位の状態から副交感神経系優位の状態への転換が起こり、Regio buccalisにおける各種線維の弛緩が確認されたと同時にBulbus oculiからは約1.5%に及ぶ種々のmonovalent ion等を含むlacrimal fluidが不随意に滴下された」

…というクソみたいな説明文であることが多いわけだけれど、「誰でも分かる」と謳っているその解説書では…

「初速100km/h終速90km/hにて投げられた1BJBL60100を、2TL71560で左回りに秒速135°の角速度で反射角30°となるように打ち返した結果、1BJBL60100は、左翼から右翼にかけて立てられている柵を越えたため、27.431m間隔で設置された白板を4回踏み、自分のRBIは2増えて、投手のERAは0.5悪化した。
 これは失敗したら終わりとなる最終局面における出来事だっため、逆転でのwalk-offとなり、ここで同一軍の他の選手たちからDHMOを浴びせられたことで、セロトニンが分泌されてアドレナリンが制御され、buccal部のオトガイ筋周辺が緩みながらもBulbus oculiから約1.5%の一価イオンなどが複数含まれるlacrimal液が無意識にこぼれ落ちた」

…ぐらいの分かりやすさにはなっているものの、結局これではまだ初学者には分かりにくいと思われる。

専門用語を使うのではなく、まさに、

「100キロで投げられたボールを金属バットで上手く打ち返したら、そのまま外野フェンスを越えて、ホームランが打てた!
 ベースを一周して、僕は一気に2打点!(相手ピッチャーの防御率は0.5悪化した)。ちなみに9回裏最終回・1点差負けの状況だったので、試合は逆転サヨナラとなった。
 チームメイトたちからは水をかけられたけど、そのおかげで緊張と興奮も徐々にとけ、リラックス状態になって自然と笑顔がこぼれながらも改めて喜びがあふれてきて、目からは自然と涙がこぼれ落ちた。」

…と、できる限り専門用語の使用を控える・分かりやすい言葉に置き換えて説明するか、意味の分かる補足を併記するのが、初学者向けを謳うのであれば重要なのではあるまいか……という話ですね。

これは本当にそうで、結局マジでややこしい用語の乱発が全ての元凶というか、モヤモヤ・イライラ・ストレスの原因になっていると思えてやみません。


(…って、まぁ上の例文は、野球を全く知らない方にはこれでもほとんど分からないでしょうし、2つ目の例文も正直生命科学系の解説の良くなさを上手く表せてはいなかったので(元ネタはその辺が短く簡潔で上手だった覚えがありますが)、あんまりいい例ではなかったかもしれませんね(笑)。

ちなみに、1BJBL60100とかは、ミズノのボールやバットの商品コード・品番です。

一応、これ(↓)が1BJBL60100で…

products.mizuno.jp

これ(↓)が2TL71560…

www.mizunoshop.net
…野球の解説で、いちいちこういう呼び方(各選手の使ってるバットを、わざわざモデル名呼び(笑))をする解説者がいたら張っ倒したくなるというか、そんな人は二度と解説に呼ばれないことでしょう(笑)。)


結局、「ボール」と「バット」といえばいいのに、やれpromoterだのprimerだのpolymeraaseだのrepressorだのoperatorだのというから、初学者はやる気をなくすわけですね。

ただやっぱり、生命科学の場合は、いくらなんでもボールやバットほど単純明快で分かりやすい代替用語がない場面が多いので、ある程度専門用語を使っていかざるを得ない、というジレンマもあるわけですが…。

逆に、「プロモーター」や「ポリメラーゼ」と書かずに「遺伝子スイッチ」とかで呼び続けるのも、それはそれで正しくないというか何か独りよがりの解説になってるというか、きっかけとしては良くても次のステップへの理解が深まらないともいえますし、難しい所といえますね。


…と、説明がイマイチ誰にでも完璧に分かりやすいものではなかったことへの言い訳に、クッソ長々と駄文を垂れ流してしまいました。

いずれにせよ改めて、分かりにくい用語が出てきた最初の内は、なるべくしつこいぐらいに「そいつが何物なのか・どんな役割があるのか」を、具体的に明示することが大事ってことに気づけた次第です。


本題の、いただいたコメントの続きへと参りましょう。

20個のアミノ酸の配列でタンパク質が決まるってことでしょ?そのアミノ酸は、DNAの塩基配列(コドン)で決まるんだったよね?

ってことは、、結局大事なのは(全てを決めるのは…?)DNAってことでえぇんかい?

⇒まさにそうで、だから、生き物を形作るもの・遺伝子の本体はDNA、っていわれてる感じですね。

もちろん、実際の、モノとしての生き物を形成しているのはタンパク質がメインですけど、タンパク質はDNAの指示通りに忠実に作られるから、監督・脚本DNA、舞台スタッフRNA、演者タンパク質とでもいえる感じでしょうかね。

DNAっていうのはレシピ本って言っても(4つのアルファベットは)分子として存在してるんだよね?それをコピーしたRNAは…それも分子で、、それがアミノ酸になって、タンパク質になる…いや、なるんじゃなくって、作る、合成する(RNAは消えない)ってことだったっけ?

その辺りの、アミノ酸からの流れ…考えたら何も思い出せなくてまた一気にモヤったけど、、それって細かい流れはこれからの話でいんだっけか?

⇒DNAが、4つのアルファベットが大っ量~に並んだ(ものによっては、数億文字がつながってる)巨大分子というのはその通りですね。

それをコピーしたRNAも同じくひとつながりの分子ですが、基本的にDNAの一部(プロモーターを起点とする、1つの遺伝子=1つのタンパク質であることが多い)がRNAになるので、RNAはDNAよりは断然短い分子が多いといえますね。

最後、RNA→タンパク質のステップの詳細はその通りで、この話はまだ触れておらず、「細かい流れはまたいずれ…」のまま結構な時間が経っている感じです。

ちなみに1対1の対応関係にあるDNA→RNAと違って、64(3塩基の集まり=コドン)→20(アミノ酸は20種)という反応になってるので当たり前ですが、ポリメラーゼが1塩基ずつDNA→RNAへとコピーしていく転写と違い、次のRNA→タンパク質合成ステップ(翻訳)は、尋常じゃなく、桁違いにズバ抜けて圧倒的にヤバいレベルで複雑なので、正直、入門編で触れるのは中々難しそうなんですが、まぁエッセンスだけを取り出して、ごく単純化してまとめてみたいですね。

(転写反応は鋳型DNAと酵素RNAポリメラーゼ)を混ぜるだけでチューブの中で余裕で実行できるけど、翻訳反応を、純品の物質だけを混ぜ混ぜすることで実行することは、今の技術では難しい……という以前チラッとだけ書いたことのある内容にもつながる話といえましょう。)


なお、途中書かれていた「RNAは消えない」という点について……こちらは、「遺伝子なんだから消えないよ」と書いていた、安定した巨大二本鎖であり、しかも核と呼ばれる場所に格納されて安全な場所でのうのうとしているDNAとは違い、RNAというものは割とすぐに分解されやすい分子となっています。

でも、分解されても、またすぐにポリメラーゼによってDNAから新しいRNA分子が合成されるので、問題ない感じなわけです。

その辺はまぁ…ひとまず別に意識しなくてもいいポイントかな、と思いますが、全体の流れをおさらいするときにまた触れてみてもいいかもしれませんね。

 

コドンも、タンパク質合成装置(巨大分子)に3塩基ずつ読まれて、そのコドンで指定されるアミノ酸を運んでくる『分子』がコドンの順番通りにアミノ酸をつないでいく…

この『分子』っていうのは、何なんじゃい?タンパク質?決まったもの?

アミノ酸を運んでくる『分子』については、こちらも記事では未登場で近く話に出てくる予定ですが、これは珍しくタンパク質ではなく、RNAの方が主役として働いている感じです(でも、タンパク質も反応の手助けはしている)。

まさにこれも、「タンパク質を指定するRNA(コドンが並んだRNA分子)」ではなく、全く別の機能をもった「アミノ酸を運ぶ機能に特化したRNA分子」という感じですから、これはちょうど、同じ4塩基の並びでしかないくせして「タンパク質指定部位(ORF)」「ポリメラーゼ結合部位(プロモーター)」「リプレッサー結合部位(オペレーター)」などという全く異なる機能のあったDNAと似たような形になっているわけですね。

またいずれ詳しく見ていく予定の話です。


ちなみに、もうバッチリ理解されていると思いますが、その「読まれるコドン」は、DNAではなく、RNA分子のコドン(TがUになった以外、DNAの完コピなので、配列はもちろん同じ)であることも忘れてはいけないポイントですね。
(つまり、タンパク質合成ステップでは、「RNA分子(コドンが並んでるタイプ)」を、「RNA分子(アミノ酸を運んでくるのに特化したタイプ)」が認識している、という状況なわけですね。
 なおちなみに、前者をmRNA、後者をtRNAという特別な名前で呼んでおり、今までほとんど出したことがありませんでしたが、高校の分子生物学でも一番最初に習うぐらいの、超絶クッソ重要な名前といえましょう。)

 

DNAは他の生体分子に認識、結合される対象ってことじゃんね。

…って、いや、たった今、記事を読んでてパッと見えたんだけど…オペレーターとプロモーターはDNAの一部で、リプレッサーとポリメラーゼと、ついでにラクトースはタンパク質(分子)?!?

いや、図を見たらそうっぽいんだけど、毎度毎度その同じ図で表されてるわけじゃあなかったじゃん?(言葉だけの時もあり、プラスミドの丸っこいのに入り込んでる時もあり…)

ややこしすぎるけど、これはやっぱり改めて、モヤが何なのかを理解する上で、大きな発見かもしれませんぜ笑

⇒それぞれの名前と、物質というか実際それが何者か・何たるかみたいな点が、無事かなり、大分有機的につながったように見受けられて実にナイスですが、ラクトースだけはちょっと違う感じですね。

ラクトースはタンパク質ではなく糖で、同じパターンの、前回出てきたtrpオペロンのトリプトファンは、アミノ酸になります。

f:id:hit-us_con-cats:20211026060900p:plain

https://ja.wikipedia.org/wiki/トリプトファンより

ラクトースは、以前糖の話の記事で構造も貼っていましたが、再掲しておきましょう。

f:id:hit-us_con-cats:20210712061212p:plain

https://ja.wikipedia.org/wiki/ラクトースより

ガラクトースグルコースが手をつないでできた、二糖ってやつでした。)

こいつらはDNAの1文字分よりも小さい、まさに小分子ですが(というかトリプトファンは、タンパク質構成20種類のアミノ酸のまさに一員ですしね)、あくまでも1つの塊として特有の性質をもって存在する物質であり、一応同じ炭素や水素・酸素がつながった、例の構造で示される有機物には違いありません。

結局以前出てきた生体分子が、こういう所でいきなり顔を出してくることもある、って感じですね。

図によってはリプレッサーやポリメラーゼとほぼ同じ大きさで示すような不届きな描写もあった気もしますが、実際は圧倒的に大きさが違うので、ラクトーストリプトファンも、「小分子」って認識した方がいいものといえますね。

 

ちなみに、オペレーターやプロモーター、リプレッサーもポリメラーゼも(ラクトースは置いといて)、決まったものではないよね?

グループ名であって、個人名でない、みたいな…いや、個人名は無いかもしれないので、、中身が違うっていうか、あー、塩基配列が違うっていうか、分子構造が違うっていうか、、いろいろ種類があるっていうか…

え?同じなのかな??

RNAポリメラーゼとは」ってざっくり聞かれたら、分子構造は1つだけなんかね?

プロモーターも、どのプラスミドにも同じ塩基配列のものがあるん?いや、T7とか言うくらいだから、違うはずだよね…。

⇒そう、結局、「それがグループ名(総称)を意味するものなのか、個人名(固有名)の物質なのか」も、ややこしくて理解を滞らせるクセモノ要因なんですよね。

「DNA」や「タンパク質」は最大グループの、様々な分子を含む大きな総称ですが、オペレーターやプロモーター、リプレッサーやポリメラーゼは、その次のレベルに位置するグループ名という認識でOKです。

つまり…

【DNAグループ】

[↑大きな集団]
DNA
------
オペレーター・プロモーター・ORFなどなど(DNAの要素の一般名)
------
lacオペレーター(固有の配列)・T7プロモーター(固有の配列)・ソーマチン遺伝子のORF(固有の配列)などなど…
[↓個別物質]


【タンパク質グループ】

[↑大きな集団]
タンパク質
------

リプレッサー・RNAポリメラーゼ・DNAポリメラーゼなどなど(酵素の一般名)
------
lacI(固有の配列をもつ、lacオペレーターに結合する特定のタンパク質分子。リプレッサーグループの一員)・T7 RNAポリメラーゼ(これはT7オペレーターに結合する、同上)・ソーマチン(めっちゃ甘いタンパク質分子、もちろん同じく固有の配列をもつ物質)などなど、あり得ないぐらいバラエティに富むグループ
[↓個別物質]

…というグループ分けというか階層構造がある感じですね。


つまり、RNAポリメラーゼは、T7もあれば大腸菌のものもあればヒトのもの(大まかに、I型~III型まである)もあるので、「RNAポリメラーゼはどういう配列&構造?」と聞かれても、「どのポリメラーゼだよ!」としかいえない形になっているし、プロモーターも、遺伝子によって種々異なる(もちろん、同じものを共有している場合もありますが)という解釈で間違いありません。

(なお、ラクトースの方も、


-----
単糖・二糖・多糖・糖アルコールなど
-----
ラクトース(分子構造をバシッと表示できる、固有の分子)・グルコースキシリトールなどなど…

…というグループ階層化が可能ですね。)

 

あ、あと、オペロンのお話で…

「チューブの中では、自動じゃない」っていうのは、ラクトースを足したり引いたりして量を調整するってことかえ?それとも、そもそもラクトースが結合するとか関係なくスイッチOFF(ON)にできる感じなんかな?


あぁ、、記事を見たら、オペロンの登場人物は遺伝子によって異なり…って書いてあるねぇ。お!リプレッサーもオペレーター領域の配列もそれぞれ異なるって書いてあるじゃあないっすか!

なるほどね。やっぱりそーいうことなんね。

…って、あぁぁぁ、なるほどー!!このリボンみたいなのが今回のリプレッサー(トリプトファン)で、前のラクトースの時とは違うってことなのか…いや、このリボン見ても何にもわかんねっすけど笑

しかし、このオペロンはON OFF逆とは…素人泣かせだねぇ。っていうか、合成酵素だから逆って仕組みは面白いけど、なぜ分解酵素じゃないの?って単純に思えてまうのぅ。

⇒「チューブの中で、自動じゃない」も、まさに次のネタがその「スイッチの話」の予定ですが、これは、ある程度菌を増やしたらあとは全力で作ってもらうだけなので、「足したり引いたり」というより、一回こっきり、いざスイッチを入れたら、あとはもう大腸菌くんには死ぬまで全力でタンパク質合成を頑張っていただく、って感じですね(笑)。


最後の「trpオペロンのON/OFF逆な話で、なぜ分解酵素じゃないの?」は、因果関係が逆というか、

「遺伝子のON/OFFを調節する上手い仕組みが進化の過程でできあがった。分解酵素のOFFスイッチは、分解される分子(今の例ならラクトース)が減ることで押されるような形が、そして合成酵素のOFFスイッチは、その逆で、合成されるものが増えていくことで押されるという形が、遺伝子調節ではそれぞれ望ましいといえる(そうすれば、一方向に進んでいくわけではない、上手いこと行ったり来たりぐるぐると反応が制御される回路が完成するから)。
 なので、『なぜ分解酵素じゃないの?』は、『なぜ?』と問う話というより、分解酵素じゃなく合成酵素の調節をするための仕組みだったからこそ、必然的に逆のものができあがったといえるにすぎないのだ」

…って話になる感じ…ですかね。

(ややこしいですが、「逆のパターンの制御はなぜ分解酵素じゃないの?」という流れで考えるのではなく、「分解酵素じゃないものを制御するためには、逆向きの制御方法になるのが当然」(合成酵素ラクトースオペロンと同じ方法で制御されていたら、調節にならない=仮に合成酵素が増えて、トリプトファンの量も増えたときに遺伝子発現OFFスイッチがOFFされる仕組みだったら、トリプトファンが増えるに従って更にガンガン合成酵素が増産され続けることになり、制御不能の暴走状態になる。逆も然りで、分解酵素を逆パターンの制御でコントロールしようと思ったら、ラクトースが分解されるほど分解酵素が増産され続けるという、何の制御にもなっていない、無駄の極みとなる)という流れの考え方をした方が自然、ってことですね)。

 

…といった所で、挙げていただいた各物質の解釈についてはほぼバッチリなレベルになってるように見受けられるので、後はまだ話に出してない点や、一部誤解のあった点の登場人物のイメージを、改めてもうちょい自分の中で咀嚼して自分のものにできれば、もう完璧、「分子生物学、完全に理解した」といえるレベルになるように思います。

といってもまぁあくまで入門レベルの知識とはいえてしまうかもしれませんが、モヤモヤが晴れない状態だとそれ以上先に進むことは不可能ですし、何よりそれだと楽しくないので、「分かった!気がする!!」と思えていただけていたら、それだけでこれ以上嬉しいことはない感じですね。

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