それでは前回の過酸化ベンゾイルに続き、天下のクリーブランド・クリニックが「最高のニキビ対策」と認めるサリチル酸についてのHEALTH LIBRARY記事も見ていこうと思います。
しかし、似たような薬効の似たような物質だからか、記事構成含めほぼ完全に前回と同じような内容で、正直ぶっちゃけまとめる意味も最早ないレベルだったかもしれません(笑)。
そんなわけで、画像もないのでまたWikipediaからサリチル酸の分子構造とともに、関連ネタを語ってみようとも思ったのですが…
…ずーっと前、このブログ最初期の脱線ネタであった「楽しい有機化学講座」の1記事(↓)で、まぁ触れたことは覚えていましたけど、脱線として触れようと思っていたサリチル酸の誘導物質・サロメチールとアスピリンにまつわるチョイネタまで、もう完全に書いてしまっていましたね…
まぁアイキャッチにはサリチル酸の構造式を使っていなかったので今回アイキャッチには使ってみますが(別にアイキャッチ画像が被ろうが被らまいが、そもそもあろうがなかろうがどっちでもいいんですけどね(笑))、脱線ネタについては、一応補足して追加できそうな話があったのでそちらを書いてお茶を濁すといたしましょう。
とりあえずサリチル酸のHEALTH LIBRARY記事を、マジでほぼ前回と似たようなものですが、サクッと終わらせておこうと思います。
サリチル酸入りの外用ジェル、クリーム、ローション、溶液(Salicylic Acid topical gel, cream, lotion, solution)
サリチル酸は外用ジェル、クリーム、ローション、または溶液で使われる薬用物質です。イボ、乾癬、タコ、鶏眼(ウオノメ)のような他の皮膚疾患と並んで、ニキビを治療し、予防する作用を持ちます。サリチル酸は、厚い皮膚の層を破壊することによって作用します。
この薬はどんなもの?
SALICYLIC ACID(SAL i SIL ik AS id(サル・ィ・シル・ィク・アス・ィド)と発音します)は、厚い皮膚の層を破壊する作用を有します。尋常性および足底疣贅(ゆうぜい、イボのこと)、乾癬、タコ、およびウオノメを治療するものです。また、ニキビも治療または予防します。
この薬は、他の目的で使用されることもあります; ご質問がある場合は、かかりつけの医療従事者または薬剤師にお尋ね下さい。
一般的なブランド名(※改めて、これはアメリカでの商標なので、英語表記をそのままベタ貼りしておきます。一応、クレアラシルなんかは日本でもおなじみですね):Akurza, Clear Away Liquid, Clearasil Total Control, Clearasil Ultra Scrub, Compound W, Corn/Callus Remover, DermacinRx Atrix, Dermarest Psoriasis Moisturizer, Dermarest Psoriasis Overnight Treatment, Dermarest Psoriasis Scalp Treatment, Dermarest Psoriasis Skin Treatment, Dr.Scholl's Dual Action FREEZE AWAY, DuoFilm Wart Remover, Freezone, Gold Bond Psoriasis Relief, Gordofilm, Hydrisalic, Keralyt, Keralyt 5, MOSCO Callus & Corn Remover, Neutrogena Acne Wash, Occlusal-HP, RE SA, SalAC, Salactic Film, Salacyn, Salex, Salimez, Salimez Forte, Salisol, Salisol Forte, Salitech, Salitech Forte, Salitop, Scalpicin 2 in 1 Anti-Dandruff, UltraSal-ER, VIRASAL, Wart-Off, XALIX
この薬を使用する前に、担当の医療ケアチームに何を伝えるべき?
担当医は、患者さんが以下のような状態にあるかどうかを知る必要があります:
- 水疱瘡、インフルエンザ、その他のウイルス感染症のお子様がいるか
- 腎臓疾患
- 肝臓疾患
- サリチル酸、他の薬、食品、染料、または防腐剤に対する異常反応またはアレルギー反応
- 妊娠中または妊娠しようとしている
- 授乳中
この薬はどう使うべき?
この薬は外用のみです。ラベルの指示に従ってください。皮の向けた生肌や炎症を起こしている部位に塗ってはいけません。目、唇、鼻、口、または他の敏感な部分に薬が入らないようにしてください。この薬は、一定の間隔を置いて使用するようにしてください。指示以上の頻度で使用してはいけません。
小児へのこの薬の使用については、かかりつけの小児科医に相談してください。特別な注意が必要な場合があります。この薬は、2歳未満の子供への使用は承認されていません。
過剰投与: この薬を過剰に使用してしまったと思われる場合は、直ちに毒物管理センターまたは緊急治療室に連絡してください。
注意:この薬はご本人専用です。この薬を他の人と共有してはいけません。
塗り忘れたらどうする?
塗り忘れた場合は、できるだけ早く使用してください。次の使用時間が迫っている場合は、その分だけ使用してください。二重投与や過剰量投与をしてはいけません。
この薬と相互作用する可能性のあるものは何?
- 塩化アンモニウム、炭酸水素ナトリウムなど、尿のpHを変化させる薬
- ワルファリン(商品名ワーファリン)のような、血栓を治療または予防する薬
- メトトレキサート(※関節リウマチ薬)
- ピラジナミド(※結核治療薬)
- 一部の糖尿病治療薬
- 一部の痛風薬
- プレドニンやコルチゾンなどのステロイド薬
このリストは、可能性のある相互作用の全てを記載しているわけではありません。かかりつけの医療従事者に、ご使用になっている全ての薬、ハーブ、非処方薬、栄養補助食品のリストを渡すようにしてください。また、喫煙、飲酒、違法薬物の使用についても伝えましょう。中には薬と相互作用するものがあるかもしれません
この薬の使用中は、何に気をつけるべき?
症状が良くならない場合、または悪化した場合は、担当医にお伝えください。
この薬の使用で、日光により敏感になる可能性があります。日光に当たらないようにしましょう。日光を避けられない場合は、保護服を着用し、日焼け止めを塗ってください。サンランプ(※紫外線を出す医療用の太陽灯)や日焼けベッド/ブースを使用してはいけません。
12歳未満の子供、または腎臓や肝臓に疾患のある患者にこの薬を使用すると、重篤な副作用のリスクが高まる可能性があります。こういった患者の方々は、皮膚の広い範囲にこの薬を使用するべきではありません。吐き気、嘔吐、めまい、難聴、耳鳴り、異常な脱力感や疲労感、呼吸の促拍や苦しさ、下痢、または錯乱などの症状が現れた場合は、この薬の使用を中止し、かかりつけの医師または医療専門家にご連絡ください。
この薬を服用することで、どんな副作用の可能性がある?
できるだけ早くかかりつけの医師または医療専門家に報告すべき副作用は以下の通りです:
- 皮膚の発疹、かゆみもしくはじんましん、または顔、唇、舌の腫れのようなアレルギー反応
通常は医師の診察を必要としない副作用は以下の通りです(症状が続いたり、煩わしい場合は担当のケアチームに報告してください):
- 皮膚の炎症
このリストは、起こり得る全ての副作用を記載しているわけではありません。副作用に関する医療上のアドバイスについては、担当医にご連絡ください。FDA(アメリカ国内用電話番号: 1-800-FDA-1088)に副作用を報告することも可能です。
どこに薬を保管すべき?
子供の手の届かない所に保管してください。
摂氏15~30度(華氏59~86度)の室温で保管してください。凍らせてはいけません。有効期限を過ぎた未使用の薬は捨ててください。
注意:本シートは要約です。全ての情報を網羅していない可能性があります。この薬について質問をお持ちの場合は、かかりつけの医師、薬剤師、または医療提供者に相談するようにしてください。
前回の過酸化ベンゾイル同様、外用塗布のみで、経口服用はされない薬ですね。
とはいえ、最初に画像を借りたWikipediaにも書いてあった通り、鎮痛・消炎作用が本当に強いことから、昔は飲み薬としても使われていたわけですが、非常に反応性が高いため胃を荒らしてしまう(最悪胃に穴が開いてしまう)など、副作用も大きい(あくまでも、飲んだ場合ですね)ため、昔の偉い人が何とかサリチル酸を安全に飲めないだろうか…として作ったのが、-OH基をアセチル基に置換したアセチルサリチル酸、かの有名な、世界で一番使われている薬と言っても過言ではない、いわゆるアスピリンなわけですね!
(…と思って検索してみたら、処方薬消費世界ランキングでは36位だったので、「世界一」は過言でした(笑)。あぁでも、処方薬ではなく市販薬も入れたら、また全然変わってくるのかもしれませんね。)
バファリンの優しさ以外の主成分といえるこのアスピリンに関して、バファリン=頭痛生理痛などの痛み止めというイメージが強いですが、実は血液を本当にサラサラにするという、素晴らしい心臓に優しい効果も認められており、
「アメリカのお医者さんは、みんなこっそり毎日飲んでますよ」
…という、僕が大学時代、生命科学の講義で聞いて強く印象に残っている話を書こうと思ったわけですが、最初に貼った昔の記事で既にしていました。
しかし、どうやら最近の知見では、70歳以上の高齢者の場合、毎日アスピリンを飲むのはほぼ無意味なばかりか、逆に腹部内出血が認められることがあるなど、非推奨…という報告もされているみたいですね!(参考:以下のBBCニュースなど)
まぁ僕は心臓・血管・血液には全く問題がないと自負しているのでアスピリンを飲んだりはそもそもしてませんけど、良薬も、高齢になり体が弱ってきたら害にもなりかねない…という例なのかもしれませんね。
とはいえやっぱりサリチル酸・アスピリンはとても有能な、太古の昔から人類を救ってきた偉大な分子だと思います。
他にも、ウオノメなんかの話も触れようと思いましたが、意外と長くなりましたし大したことないネタので、また何か機会があったらにさせていただきましょう。
改めて、ニキビでお悩みの場合は、前回のベピオ入りのクリームを使い、洗顔料はサリチル酸入りのもので、良くないバイ菌をしっかりと退治するのが肝心だと言える感じですね…!