アレルギーとはちょっと違う、不耐症とは?

ここ最近の記事では、ダイエット(食事療法)の話から腸の話に広がり、IBDIBSといった深刻なお腹の問題についても見ていましたが、一連の話で何度か出てきていた気になる関連ワードについて、今回もまたちょっと脱線してみようかなと思います。

 

まずは、「フード・イントレランス」、日本語で食物不耐症と言われるものについて見てみるといたしましょう。

 

my.clevelandclinic.org

 

まぁこれは似たような症例の総称なわけですけど、この内一番有名なのが乳糖不耐症というもので、これは、別に乳製品にアレルギー反応を示すわけではないけれど、上手く消化できずに下痢やら各種諸症状となって表れてしまう…というものであり、多分それ以上のものでもないといいますか、例によって無駄にしつこいだけの説明が続くだけの気もしますけど(勝手に引用しといて酷い言い草ですが(笑))、せっかくなので医学的にどういうものなのか、今回もクリーブランド・クリニックの上記記事を参考にさせていただこうと思います。

 

食物不耐症(Food Intolerance)

食物不耐症は、消化器系に影響を与えるものです。不耐症、またの名を過敏症というこの症状に苦しむ方は、特定の食品を分解することができません。この症状では、ガスや下痢やその他の問題が発生します。不耐症や食物過敏症は、不便ではありますが、生命を脅かすものではありません。

 

概要

食物不耐症とは何?

食物不耐症とは、体の中の消化器系が、食べ物を消化(分解)するのに苦労することを意味しています。食物不耐症の別の言葉は、食物過敏症です。

食物不耐症とは、腸が特定の食物に過敏に反応し、それを許容することができないことを意味しています。この類の食品を食べると、ガス、下痢、腹痛のような不快な症状に見舞われることがあるかもしれません。

 

食物不耐症と食物アレルギーの違いは何?

食物不耐症または食物過敏症は、食物アレルギーと同じものではありません。

食物不耐症は、以下のようなものです:

  • 消化器系に影響を及ぼす。
  • 消化器系が特定の食品を分解できない場合に起こる。
  • 命にかかわるわけではない、胃のむかつきのような症状を引き起こす。
  • 食後数時間以内に、食べたものが消化管を通過する際に症状が現れる。
  • 少量の食物であれば症状が出ないこともある。

食物アレルギーは、以下のようなものです:

  • 免疫系に影響を及ぼす。
  • 免疫系が食物に含まれるタンパク質やその他の成分を敵だと勘違いしてしまった場合に起こる。免疫系はその敵と戦うため、免疫グロブリンE(IgE)と呼ばれる抗体(タンパク質)を放出します。
  • じんましんや腫れ、息切れまたは喘鳴といったアレルギー反応を引き起こす。
  • アレルギーを誘発する食物を少量でも摂取すると、数分以内に症状が現れる。
  • アナフィラキシーと呼ばれる、生命を脅かす可能性のある重篤な反応を引き起こす可能性がある。エピネフリンによる治療がなければ、この反応は致死的となります。

 

食物不耐症の最も一般的なタイプは何?

一般的な食物過敏症には以下が含まれます:

  • 乳糖乳糖不耐症の方の体では、ミルクや乳製品に含まれる糖分である乳糖を分解するラクターゼという酵素が十分に作られません。この食物不耐症が、最も一般的なものになります。
  • ヒスタミンヒスタミンは、チーズ、パイナップル、バナナ、アボカド、チョコレートといった食品に含まれる、天然に産み出される化学物質です。赤ワインや一部の白ワインにもヒスタミンが含まれます。ヒスタミン不耐症の方の体内では、この化学物質を分解するジアミン酸化酵素が十分に作られません。
  • グルテングルテンは小麦、ライ麦、大麦に含まれるタンパク質です。グルテン過敏症は、自己免疫疾患の一種であるセリアック病とは異なります。セリアック病になると、グルテンが小腸を傷つけます。セリアック病でないグルテン過敏症は、グルテンを消化しにくい体質です。

 

症状と原因

食物不耐症の原因は何?

食物不耐症の方の体内では、消化器系が特定の食物や成分を分解するのに必要な特定の酵素が十分に作られないことが多いです。なぜ一部の方が食物不耐症を発症してしまうのかは、専門家にもよくわかっていません。

特定の胃腸の症状を持っていることにより、食物過敏症になりやすくなることはあるかもしれません。そういった疾患には以下が含まれます:

 

食物不耐症の症状は何?

食物不耐症の症状には以下が含まれます:

  • 腹痛
  • 下痢
  • ガスや腹部膨満感
  • 頭痛または片頭痛
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 胃の不調

 

診断と検査

食物不耐症はどう診断されるの?

水素呼気試験で乳糖不耐症を検出することが可能です。この検査では、乳糖を含む液体を飲むことになります。その後、風船のような容器に、30分毎に合計数時間、息を吹き込みます。乳糖不耐症の場合、未消化の乳糖が呼気中に高濃度の水素を発生させます。また、その乳糖液を飲むことで症状が出ることもあるかもしれません。

グルテン過敏症やヒスタミン不耐症の検査は存在しません。アレルギー検査では、食物アレルギーは検出できますが、食物不耐症は検出できないのです。かかりつけの医療従事者から、食事と症状を記録するために、食事日記をつけるように言われることがあるかもしれません。

また、2~6週間、特定の食品を取り除く除外食を試すこともできましょう。この期間中に症状が治まり―そして再びその食品を食べ始めると症状が再発するならば―食物不耐症である可能性があります。

 

管理と治療

食物不耐症はどう対処あるいは治療するの?

問題のある食品を制限したり除去したりするために、食生活を変える必要があるかもしれません。食物不耐症を患っている多くの方は、少量の食物摂取であれば、もしあったとしても小さな症状しか出ないことに気が付くでしょう。症状が出た場合は、制酸剤や下痢止め剤のような市販薬が有効です。

乳糖不耐症の方でも、乳糖を含まないミルクおよび乳製品は摂取することが可能です。ドラッグストアでラクターゼ酵素を購入することもできます。乳製品を摂取する前にラクターゼの錠剤を飲んだり、ミルクに直接ラクターゼを滴下して乳糖を分解することが可能となるわけです。

 

食物不耐症の合併症は何?

乳糖不耐症をお持ちの方は、乳製品を完全に断ってしまうとカルシウムやビタミンDが不足する可能性があります。サプリメントを摂取したり、市販のラクターゼ酵素を使用することで、お腹を壊すことなく乳製品を摂取することが可能です。

グルテンを含む製品を減らしている方は、新鮮な野菜、果物、およびグルテンフリーの全粒穀物などを積極的に摂り、食物繊維やビタミンB群など、健康に大切な栄養素を十分に摂るように心がけましょう。

 

見通し/予後

食物不耐症の人の予後(見通し)は?

食物不耐症は、生涯ずっと続く傾向があります。ほとんどの方は、消化器系に問題を起こす食品を減らすか絶つことで、症状を抑えることが可能です。食物不耐症は不便(そして不快な症状)かもしれませんが、食物アレルギーのように生命を脅かす問題ではありません。

 

受け入れる

いつ医師に連絡すべき?

以下のような症状がみられた場合は、かかりつけの医療機関に連絡してください:

  • 極度の腹痛や下痢
  • 食べ物に対する激しい反応
  • 原因不明の体重減少

 

医師にどんな質問をすべき?

以下のようなことを、担当医にお尋ねすると良いでしょう:

  • 私はどのタイプの食物不耐症ですか?
  • どのような食品や食材を避けるべきですか?
  • 他の問題へのリスクはありますか?
  • 合併症の徴候に気をつけるべきですか?

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

食物不耐症は、特定の食べ物や飲み物を摂取した後に、胃もたれなどの消化器系の問題を引き起こす可能性があるものです。食物不耐症は、食物アレルギーとは異なります。食物アレルギーは、生命を脅かすほどの免疫系反応を引き起こすものです。食物不耐症の方のうち大多数は、少量の食物であれば、苦痛を伴う症状なしに食べることが可能です。食物日記と除外食は、ご自身が食物不耐症であるかどうかを判断するのに役立つことでしょう。

 

予想通り単純…というとアレですが、非常に分かりやすく簡潔なまとめでした。

 

画像がなかった上、特にこれといって食物不耐症ならではの画像も思いつかなかったので、代表的な乳糖不耐症のウィ記事から、乳糖不耐症である人の割合の世界分布図をお借りさせていただきましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/乳糖不耐症より

言うまでもなく、アジア人は乳糖を分解できない人が多い感じで(四国の一部だけ少し消化可能な人の割合が高いのかと思ったら、小さすぎて枠線同士が重なって見えているだけで、拡大したら見事に全域ほぼ白い状態でした(笑))、むしろ逆にヨーロッパの一部の人々以外は世界的に乳糖を分解できない人の方が多く、「分解できなくて当たり前」とも言えることから、ウィ記事には、

大半の人間にとって乳糖不耐症は自然なことであり、決して病気ではないため、日本語では「乳糖不耐症」ではなく「乳糖不耐」と表記すべきとの考えもある

…なんてことが書かれていましたね。

 

まぁその辺の言葉尻をやいのやいの言うのはあんまり意味があることとも思えないので、好きな方を使えばいいんじゃないかな、と思えるものの、誰しも最初はミルクで育つのに、大人になるにつれて「牛乳でお腹ゴロゴロ」になってしまうのはある意味当然のことなのかもしれません。

何気に乳糖不耐症のHEALTH LIBRARY記事もあり、むしろ今回の食物不耐症全体記事よりも長めだったんですが、多分大したことも書かれていないものの(笑)、ネタはいくらでもあっていいので、次回はそちらを参考にさせていただこうかな、と予定しています。

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