前回は、デカい昆虫を見ていました。
幸いにして、写真を見るのすら躊躇われる閲覧注意なレベルのやつはおらず……
…と、まぁダイオウグソクなんちゃらというのは、拡大したら相当「これはヤバいか…?」と思えるレベルでしたけど、まぁアレは海の生物ですし、ちょうどエビの腹側を冷静に見たら「これ、下手したらヤバくない…?」と思えるのと同じで(っていうか、最近何度も「エビカニの類って、冷静に考えると結構ヤベっすよね」とか、「言わなけりゃ気付かなかったことを言うなよ」って話かもしれず誠に恐縮ですが、まぁでもエビは冷静に考えてもそこそこ可愛いのでセーフでしょう(笑))、海の幸(ダイオウグソクは幸でもなんでもないですけど(笑))は生活していたらいきなりエンカウントするってわけではないので、あんなのは気にせず生きていきましょう。
他にもヘビー級のバググループとして…(ちなみに昆虫を英語でいうとinsectですが、これは学術的な単語であり、もっと日常的に虫や虫っぽいもの全般を指す語はbugですね。コンピューターの「バグ」は、「コンピューターの中に虫が入り込んだかのような挙動を示す」という流れで使われ出した語だと思います。また、全然関係ないですが、insectとincestという単語が非常に似ていて(というかsとcが入れ替わっただけ=インセクトとインセスト)、後者はまずいことに「近親相姦」というとんでもない意味になりますから、これは間違えるとちょっと恥ずかしい感じになってしまうんですよね。まぁ、そもそもinsectなんて英語で言う場面がほぼないですし、必要ならbugって言えば事足りますから正直僕は未だにしっかりとは区別しておらず、insectと書く場合、「頼む、虫の方であってくれ~」と丁半博打・神頼みで書くことが多いですね(笑)。いやまぁ「インセクト」の方が英単語として耳馴染みがあるので幸いにして間違えることはないですけど、全然違う意味なのにあまりにも似すぎてて腹立つのりって感じだといえましょう(笑))…
…と、余談が長くなりすぎたので仕切り直すと、ヘビーバグとして、本当に重量級のカブトムシや、縦横にヒョロ長いだけで重量級とは全然違うものの、純粋な体長としては最大級といえるドラゴンフライことトンボなんかに触れていたのが前回でしたが……
まぁでも前回は「こいつらは虫の中では全然イイ方でしょう」とか強がってましたけど、僕ぐらい虫嫌いのシティボーイになりますと、ぶっちゃけカブトムシもトンボも、結構怖いんですけどね(笑)。
Gブリ大先生と比べて、なぜカブトやクワガタはあれだけ男の子たちの宝石扱いされているのか、正直言って僕は少年の頃からずっと疑問で、「いや普通に虫じゃん」と思えましたけれども…
…例えば記憶にある話で、小学校低学年の頃、ラジオ体操の通り道にもなっていた近所の家の、ちょうど歩道に面している庭先に、夏休みのある日、誰かが埋めようとしたのか、かなり大きなカブトムシがしかも数匹、裏返った状態で並んで放置されていたんですけど、たまたま一人で歩いてた僕はそれを見て飛び上がるぐらい驚きまして、まぁ絶対動かないことが分かっているのに「うわ、怖い…!!」と思え、体操後の帰りはその小道のできる限り反対側の方を震えながら(なるべく見ずに…と行きたいものの、まだいるか&動いてこないかが気になるので、どうしても見ながら)ダッシュで駆け抜けたというのをよく覚えています。
しかも数日そのまんま放置されていたので、毎朝ラジオ体操に行くのに、「もうあそこ通るのやーやーなの!」と思えるぐらいに憂鬱でしたねぇ~。
なぜその家の人は片付けてくれなかったのか(まぁ飼ってた子があえてそこに供養の意味で置いてたんだとは思いますが)、そして真夏なのにそのまんま数日の間その場に転がり続けてたのも不思議ですが、他の人は女の子とかでも全然気にしてない風だったのに、僕は一人でこっそりあのデカカブトの死体に本当に怯えていたのを鮮明に記憶しています。
(まぁ虫自体の気持ち悪さもあったものの、やっぱり幼い子供に特有な、「命が失われてもう動かないという状況・死」というものに対する畏怖というか恐れも感じていたように思えますねぇ。
別に死を意識したのはそれが最初ではなかったものの、そういえば食べ物以外の「死体」はあまり見たことがなかったし、とにかく小道の反対側を通るのすら恐怖を覚える、大きな衝撃&怖さでした。)
…って、こんな長々と語る話でもなかったですが、それぐらいに虫は苦手で、まぁ動きは遅いし、カブトやクワガタを飼うボーイがいるのは理解できなくはないものの、僕はカブクワの類は全然要らなかったですねぇ~。
あと「巨大な虫」といえば、しばしば目にする話として、
「漫画などのSFの世界では、人間どころかゾウより大きな昆虫タイプの生物が襲ってくることがある。でもあれは絶対に無理だよ、なぜなら虫の外骨格は、人間より大きなサイズになったら、自重でつぶれるから」
…ってのがあるんですけど、まぁもちろん巨大な虫なんてこの世にいなくていいですし、そうであってくれた方がむしろありがたいとは言えるものの、これは正直、「そうなん?何で…?」って思える気がしてしまいます。
別にそういった材料工学とか物性の知識はないですけど、「虫はあの小さなサイズ感だから成り立つ」と言われても、何というか、
「虫の骨格を貼り合わせるというかつなぎ合わせたら別にいくらでも大きくすることは不可能ではなくない…?いきなりつぶれて動けなくなるなんて、そんなことありんす…??」
…と思えるといいますか、まぁ実際世の中にあるとんでもなくデカいサイズの物体は金属が基盤であることが多いですし、生物でも確かに大型のものは柔らかい肉のようなものが自重を支えていることがほとんどな気はしますけれども、プラスチックだって有機化合物の重合体で、結構大きいプラスチックだってある気がしますし、まぁ昆虫の外骨格であるキチン質とプラスチックは違うものの、同じく硬質のタンパク質である髪の毛とかだってどれだけでも長く出来ますし、「どういう理屈で無理なんだ…?」と、常々疑問には思っていたものの、まぁそこまで気にならないし巨大な虫なんていない方がいいから無視しよう……と放置していたため、今回はちょっとその秘密に迫ってみるとしましょう。
…と、話は意外とあっさり解決…というか意外な内容が判明しました、↓の、ビジネストークの和訳記事などがよくまとめられておりますログミー記事でまさに気になる点がズバリ解説されていました、まぁ既に日本語にされていますし「こちらをお読みください」とリンクを貼るだけになりますが…
…なんと、「外骨格の重さが理由と言われることが多いが、それは関係ないと思われます」という専門家のスピーチがあり、僕の違和感はまさに正しかったことが判明した形でした!
また「体に対する外骨格の比率は大小どちらの昆虫も同じなので、外骨格が理由ではない」という説明も、まさに僕がうっすら感じていた、「別にそのまんまスケールアップすればいいだけでは…?拡大したらつぶれるとか、道理に適ってるか…??」という点にピタリの説明で、やっぱりそうですよねぇ……
(ただ、これに関しては、「体長が大きくなると、体積は3乗になる一方、体表面積は2乗でしか大きくならない」という話があるっちゃありますし、その関係で「まぁ大きくなったら、単純に拡大コピーでそのまま成立するとは限らないのかな…」みたいなことも思っていましたけど、やはり昆虫の場合はそれは関係ないといえそうです。
…ちなみに↑の体積と表面積との関係が生物の体の大きさに関わってくる話は、「ベルクマンの法則」として知られているものになります…(↓)
…上記ウィ記事にある通り、身体が大きければ大きいほど「熱の保持」に有利になるので(体積はサイズの3乗で大きくなるけど、熱が逃げる表面積は2乗でしか大きくならないので、大型化すればするほど熱効率がよくなるため)、クマやシカといった例が顕著ですけど、同じ種なら、基本的に北に棲息するものほど大型化する(ホッキョクグマやエゾシカなど)…って話になってるんですね。)
では虫が大きくなれないのは何が原因かというと、ズバリ、肺呼吸ではなく気門呼吸という効率の悪いことをやっている虫カスは、身体が大きくなりすぎると酸素が全身に行き渡らず生きることができないと、そういう理由が最も大きいものだと現在の学説では考えられているということだったんですねぇ~。
よく聞く話として、太古の地球は今よりもっと酸素濃度が大きかったので、昔はメガネウラなどの巨大昆虫も生息可能であった…ってのもありますが、まさにそれを鑑みても非常に的を射た説明になっているといえましょう。
ちなみに、Quoraの類似質問への回答を見ても、やはり酸素の問題を挙げているものばかりが目に付きました(いくつか回答リンク↓)。
2つ目の回答は、デカイ昆虫が写真付きで載っているのでやや閲覧注意かもしれませんが、前回も登場していたエレファスゾウカブトなんかが腕に引っ付いている様子もあり、サイズ感を知る上では良い写真かな…と思えました(でもやっぱりデカ虫なので、虫が苦手な方は見ないほうがいいかもしれません(笑))。
とはいえ、「酸素ではなく虫同士の競争ではないか」という面白い説を投げる方もいらして(↓)…
…まぁ回答も面白かったですが、ちょうどリンクカードのサムネ画像にも出ています「ヤシガニ」が、こうして見るとマジでデカイですね!
「タカアシガニ」がヒョロ長い脚のおかげで、特に近海にこいつが棲息する日本語情報では「最長の節足動物」となっていましたけど、これを見ると確かに「最大の節足動物は?」という問には、英語での検索結果が示していた通り、「ヤシガニ」と答えたくなるのも道理だったかもしれません。
…ってな所で、まぁこの手の話は絶対的な1つの結論で言えるものではなく、色々な要因があるのでハッキリした答はないものの、まぁやはり酸素運搬の効率というのが一つ大きくありそうで、外骨格自体は、↑の、ヒトの上半身はありそうなヤシガニが活動できている以上、やっぱりあんまり制限要因ではない気もしますね、という話でした。
いい加減虫ネタは終わりで、次回はまた別の門に行こうかな、と思っています(前回もそんなこと書いてた気がしますが(笑))。
…あ、アイキャッチ画像がなかったので、逆に最小の虫は何じゃらほい?…と検索したら出てきました、↓の農林水産・食品産業技術振興協会の記事によると、寄生バチの類が小数点以下ミリのサイズで一番小さいとのことですね。
ミニサイズだけあってそこまで嫌悪感はないですし、こちらを貼っておしまいとさせていただきましょう。