植物も単純なようで捻じれている…?

生物の分類という、正直これっぱかしも面白くも何ともない話ではあるものの数だけはやたら多いためネタには事欠かない内容でお茶を濁し続けている昨今ですが、前回は微生物(…とはいえ単細胞の「原生生物界」はともかく、「菌界」は、酵母とかカビなんかは微生物の一種にも思えますけど、キノコなんかもいますし一概に微生物とはいえないものの)の門(phyrus)一覧を見ていました。

 

まぁ「見る」といっても英語版のリストを訳しただけでしたけど(笑)、微生物の分類とか世界で一番どうでもいいことのひとつなのであれはあれとしてこれ以上広げるネタもないのですが、せっかくなのでもうちょいおなじみといえる、我らが動植物の門についてちょっくら見ていくといたしましょう。

 

前回は微生物を見ていたので、進化的に下等…というと地球の王者植物に怒られるかもしれませんけど、より我々とは離れている方=植物から見ていきますと、植物の門は案外簡潔にして分かりやすい、大変スッキリしたものでした。

 

今回は、ウィ記事から直接スクショ画像をお借りさせていただきますと…

 

ja.wikipedia.org

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/門_(分類学)#植物界より


まぁ一部よぉ分からんものもありますが、見覚えのあるものも沢山いますね……そう、植物の門は、中学理科で覚えさせられた「藻類」「コケ植物」「シダ植物」「種子植物→被子・裸子」という、あいつらのステージだったんですね!

 

以前書いていたように、同じく中学理科で学んだ記憶のある「哺乳類」などは「門」の1つ下の「綱」という分類区分だったわけですが、植物のおなじみ名称は「門」レベルのグループだったようです。

 

…しかし、よく見ると「門(従来版)」とあるように、何気にこれは英語でPhyrusと呼ばれる正式な門とは少し違い、現在の主流の「門」は表左側半分の呼び名が用いられることが多いようで、どうやらこの従来用いられていた門は最早主流ではないと言いますか、英語でいうと「部門(division)」とでも呼ぶっぽい微妙に違うカテゴライズであり、若干古臭いグループ分けとなってしまっているみたいですねぇ…。

 

まぁ似たようなことを毎回書いている話ではありますが、こんな分類なんて人間が勝手に決めてるだけの、言うなれば流動的で確たる根拠があるものではないですから変わっていくのも仕方ないとはいえ、コケとかシダとか覚えさせられたのは一体何だったんだ…という気が若干するかもしれません。

 

イチョウやマツが裸子植物とか、他にも広葉樹・針葉樹とか双子葉類・単子葉類とか植物に関しては色々覚えさせられて、まぁ教養は深まったといえるかもしれないものの、実際テストで点を取る以外に「植物の分類、知っててよかった~」ってなる場面は人生でこれまでもそして恐らくこれからもない気がするのが、正直本音といった所でしょうか(笑)。

 

…ま、そんなこと言ったらぶっちゃけ学校の勉強はほとんど全てがそうですし、植物なんかは僕の専門から多少ズレているとはいえ一応生命科学に携わる人がそんなこと言うのも良くないんですけど、個人的にはやっぱり、「試験管の色が変わることを覚えて、それで人生の何がどう良くなるというの?」みたいなよく聞く話、これは僕が高校生の頃に好きな歌手が言ってたのを見て「…ま、一理ありますな」とファンの鑑のように同調していたんですが、実際そう思う人に強制する程の魅力やメリットはないよなぁ……と常々感じるといいますか…

……まぁ僕は幸い学校も楽しかったし何よりテストの類が尋常じゃなく得意だったのでそういう無味乾燥な覚えゲーみたいなのにもポジティブでいられたわけですけれども、単なる理解者気取りの上から目線でウザいだけかもしれないものの、「つまんないと思う人には本当に辛いだろうから、学校教育や学校というシステムそのものも、上手く改善していけたらいいけどなぁ…」なんて思えてなりません。

 

とまぁ別に対案があるわけでもないのに、天下国家を語るフリしてえぇカッコしいなだけというか、相変わらず「勉強は得意でしたサーセン(笑)」みたいな単なる自慢といいますか(笑)、そういう鼻につく感じだったかもしれませんけれども、実際は単純にあんまりネタが膨らまなかったので記事水増しでダラダラ語っただけだったのですがそれはともかく、植物の分類はそんな感じで、これまた特にあんまり広がりようも……


…いや、従来の分類には見覚えがありましたけど、現在主流の分類はそういえば全く初見レベルでしたね。

 

現在主流の分け方ですと、植物界の門はわずか4つで、それも、一部の藻類より進化的に上位に位置する、中学で習った例の様々な植物全てのグループがまさかのひとつの門に組み込まれるという、「何つうザックリした分け方だ(笑)」と思えるものになっており…

そんな「もうそれ以外全部ザコの、これだけでいいパターンじゃん」と思える植物界を代表する門がこちら…!

 

ja.wikipedia.org

 

…ストレプト植物門……聞いたことないっすねぇ~。

 

馴染みのある似たような言葉としては、「ストレプトマイシン」という偉大な抗生物質がありますけど、例によって語源を調べてみますと、語源事典と言えばこちら、何度もお世話になっているEtymonlineの記事によると、Strepto-は「twisted(ねじれた)」という意味のようで、そこに「-mycin」という「菌」を意味する語尾を足すことで「菌をねじって破壊する」的な、実に薬に相応しい名前だったようですけど、ストレプト植物という名前とは全然関係ない気がしますね…。

 

と、普通に↑のウィ記事の途中に日本語で説明がありました、ストレプト植物のストレプトは、まさに同じ語源で「ねじれた」「らせん」を意味する言葉のようで……まぁ詳しい説明は直接引用コピペさせていただくと、

ストレプト(strepto-, strepsis)はギリシア語で「らせん」を意味し、シャジクモ類 (狭義) と陸上植物 (コケ植物など) の精子がらせん状にねじれていることに由来する。当初はシャジクモ類 (狭義) と陸上植物からなる系統群に対する名称として提唱された。その後、陸上植物に近縁なシャジクモ類以外の緑藻 (接合藻など) も含む意味で使われるようになった。

…だそうで、どうやら一部の植物の精子、いわば花粉を顕微鏡で見たらラセン状にねじれており、それが由来で名付けられたという話……あまりにもしょうもない由来で、こんなのが植物の圧倒的大多数を含む名前として代表面してるとか、植物可哀想すぎワロタ(笑)。

 

とはいえよく考えたら、動物の方も、例えば子供がいわゆる「動物」と聞いてパッと思い浮かぶものは全て「脊椎動物門」といえ、これも正直初見時は「背骨かよ(笑)」と思えた記憶しかなく(まぁ実際神経が通っている背骨ほど大切な部位もないわけですが)、名前なんてのは往々にして適当なことも多いかもしれないですし、そもそも「『門』という大きな分類は、まだそれぐらいざっくりした分け方のものなのだ」と考える方が自然なのかもしれませんね。

 

なお、他の3門は「紅色」「灰色」「緑藻」と、前二者は「藻」という言葉がないものの中身を見たら全部水の中にいる藻類のようで、全ての陸生植物は「ねじれ部門」に所属するって感じのようです。

 

ちなみにこれに関して、確か中学の頃にもそんなような話を先生から聞いていた気もしますけど(流石に中学の頃はそこまで細かい話はなく、高校生物でだったかもしれませんが)、ズバリ、「藻類は、植物に含めるかは極めて微妙」って話を目にした記憶も大いにあります。

 

実際、↓の啓林館のQ&Aサイトでは…

 

www.shinko-keirin.co.jp

 

Q6. 藻類は植物ではないのですか?

 

A. 平成24年度用教科書から五界説の考え方に基づき,藻類を植物のなかまに分類しておりません。五界説では,造卵器をもち,内部に胚を形成する有胚植物(陸上植物)を植物界に分類しております。なお,藻類は五界説では原生生物界に分類されます。

 

…とのことで、平成24年というのは意外と最近ですけど、やっぱり今の学校教育では、特徴的にかなり微妙すぎる藻類は植物ではなく、より原始的な原生生物に含めると教えている感じなんですねぇ。

 

…が、WikiP記事だと普通に藻類は植物界の門として挙げられているけれど…?

 

これも結局、前回見ていた原生生物界には大量の「門」メンバーがいたように、一概に藻類と言ってもどうやらあいつらも一枚岩ではないようで、以下の「藻類」ウィ記事によると…

 

ja.wikipedia.org

 

かつては下等な植物として単系統を成すものとされてきたが、現在では多系統と考えられている。従って「藻類」という呼称は光合成を行うという共通点を持つだけの多様な分類群の総称であり、それ以上の意味を持たない。

 

…とのことで、より正確に言えば、「植物とみなせる藻類もいるし、そうではない藻類もいる」というのが最も現実に即した形のようで、ま、やはり原始的な生物に近づけば近づくほど、分類学の限界というか判断に難しい対象が増えるというパターンといえそうですね。

 

……正直、「ねじれ植物門」より、それ以外の藻類の方がよっぽど捻じれまくっててワロタ、って気もしますけど(笑)、それだけ奥が深いとも言えるのかもしれません。

全然掘り下げたくない「奥」なのが玉に瑕ですが…(笑)。

 

しかし、ひときわ目に付いた「灰色植物門」、特に下位の記述もなく、「植物なのに灰色?そんなのあり?」と思ってクリックしてみたら、何とも美しい生き物じゃあないですか!

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/灰色藻より

これまた語源を辿ると、

「灰色」と名付けられてはいるが、細胞の色は藍藻と同様に深い青緑色である(写真を参照)。そもそも灰色植物門「Glaucophyta」の語源であるギリシア語のγλαυκός (glaukós)は地中海の色(sea-green)を表現する言葉であったが、これが英語のglaucous(淡い青緑色、青味がかった灰白色)を経て和訳された際に、単なる灰色になってしまったという経緯がある。

…ってことなんですね、本体は大変美しい色合いなのに、これまた可哀想な名前といえましょう(日本語のみの悲劇ではあるようですが)。

 

といった所で、大変浅い、ウィ記事をなぞるだけの内容となってしまいましたが、植物も意外とねじれていて面白かったです。

次回は動物界を軽く見てみようかなと予定しています。

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