どのように生まれ変わるのか…?

最近それしか言ってませんが(笑)、あまりにも時間がなさすぎる日が続いているため、今回も適当に取ってつけたようなネタ、例の「アミノ酸が糖に生まれ変わる反応」こと糖新生について、各アミノ酸個別の具体的な経路をペタッと貼り、一言二言それっぽいことを語ることで記事を見繕わせていただこうかと思います。

 

(まぁ別に「時間がない」というか、前回、「次回はそのネタで行こうと思っとります」とか書いていた予定通りの話ではありますが…。)

 

糖新生は必ずしもアミノ酸が起点ってわけでもないわけですけど、血糖値不足のときには使える糖がないからこそ緊急で糖を作る必要があることが多いともいえるわけで、三大栄養素の片割れであるタンパク質を分解して生じる20種類のアミノ酸が使われることが大変多い…って感じですね。

(他にも、脂肪酸の一種であるプロピオン酸なんかも関わってきます。)

 

というわけで、改めて、その「アミノ酸の変換経路」をまとめてくれているごちゃっとした画像と……

https://ja.wikipedia.org/wiki/糖原性アミノ酸より

 


…そして、前々回お借りしていた、ロイシンの変換経路の画像も、せっかく既に貼り付けていたものですし、他とは違う特徴的なもの、かつ(他よりも)簡単な経路であることからも、こちらを再掲して、まずはここから始めてみようかと思います。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/アミノ酸の代謝分解#ロイシンより

 

…まぁ本当に、この画像に掲載されていること以上の話は何もなく、

「このような反応が順番に生体内(細胞内)で起こることで、ロイシンというアミノ酸は、最終的にアセチルCoA(およびアセト酢酸)に生まれ変わるんですね」

…としか言えないんですが、まぁポイントを挙げると……

 

まず、当たり前っちゃ当たり前ですが、各分子の変換は、専用の酵素が存在しており、「各酵素の力で反応が促進されて速やかに分子の変換が行われる」という形になっています。

 

前回、「自由エネルギー変化がマイナスなら、自発的に起こる反応である」と書いていましたけど、「自発的に」といっても、変換速度が極めて遅い反応というのもありますし、あるいは、生体反応の流れとして、「自由エネルギー変化がプラスになる反応を起こしたい」ということも非常に多くあるんですね。

 

結局、そういうときに役に立つのが「酵素」であり、自発的には起こらない反応を無理やり(どう無理やり行うかというと、多くの場合、「ATPの持つエネルギーを使う」形であり、だからこそ生体反応を起こすために=生きるために、ATPというのはとても大事なんですね)……あるいは自発的には起こるけれど、ただ漫然と待ってるだけでは何日経ってもちっとも進まないようなのろまな反応を速やかに進めてくれるというお役立ち装置が酵素であり、結局酵素ってのは「化学反応をスピードアップしてくれる物質」だと、そう考えて問題ないように思います。

 

ちなみに酵素はタンパク質からできており、タンパク質はどうやってできるのかというと、遺伝子という情報として、A/C/G/Tの4塩基の並びで「レシピ」のようにDNAに刻まれた情報をもとに、自分の細胞の中でアミノ酸を1つずつ繋げることで合成されるものになっている…という話でした。

 

話を戻すと、上図には、8つの分子と、それが関与する6つの反応が描かれていますけど、この6つの反応には6つの酵素が機能することで、ある分子を1つ隣の別の分子に変換してくれているということで……

酵素というのは特定の物質に働きかけて特定の物質に変換するというのが基本機能であり(時々1つの酵素が複数の役割をもつこともあれど)、これを酵素の「特異性」というわけですが、まぁそういう用語はともかく、ロイシンはまず最初、「(1) - 分枝鎖アミノ酸トランスアミナーゼ」という酵素の力で、2-オキソイソカプロン酸という分子に変換される形になっています。

 

…まぁ、「なっています」とかしたり顔で書いてますけど、流石にここまで細かい各アミノ酸代謝経路は、「覚えていない」を通り越して、一部のメジャーな部分以外、専門分野に近いといえる僕でさえ人生で覚えた経験すらないあまりにも細かすぎる話になっていますが、とはいえここは結構重要なポイントで……


ここで働く酵素は「アミナーゼ」という名前だったわけですけど、基本的に(違うことも多いですけど)「物質名+アーゼ」の場合、「その物質を分解する酵素」という意味になっていることが多い…なんてことはずっと前の酵素シリーズの最初の方で書いていた話ですが……

この場合もそうで、「アミナーゼ」というのは「アミノ基を分解」(まぁ「分解」というとバラバラに壊しそうな気もしますし、「分解」ってより「脱離」とかの方が近いですけどね)という意味であり、要は「アミノ酸の特徴である、アミノ基 -NH2を外す」機能を持つ酵素になっています。

 

実際は「トランスアミナーゼ」で、「トランス」ってのは「移動・乗り換え」的な意味の接頭辞ですから、「アミノ基を別の分子に移す」酵素という方がより正確になりますけど、いずれにせよポイントとしては、糖新生ではアミノ酸が「解糖系・クエン酸回路」という糖代謝経路に入っていくわけですけど、糖というのは別名が「炭水化物」というのから分かる通り、窒素を含まない分子なんですね。

(まぁ、炭素と水素と、あと酸素もあるので、よぉ考えたら「炭水化物」って「酸素」をハブにしている失礼な名前な気もしますけど(笑)、いずれにせよ、炭水化物=糖には(さらに、脂肪にも)窒素は含まれません。)

 

なので、アミノ酸糖新生経路に乗る場合、基本的にまずは(まぁ必ずしも「反応経路の一番最初」ではないにせよ)アミノ基転移酵素系の機能で、必ずアミノ基が外れる反応がかまされる感じになっているわけです。

 

ちなみに、この反応で取られたアミノ基はどこへ移されるかというと、画像にある通り、「2-オキソグルタル酸」に渡されて「グルタミン酸」に変化するという形なのですが、実は「2-オキソグルタル酸」というのは何てこたぁない、クエン酸回路で出てきたα-ケトグルタル酸と全く同じ、単なる別名でしかないので、実はケトルグルタル酸にアミノ基が渡されてグルタミン酸になるという反応なわけですけど……

 

最初に貼った「アミノ酸糖新生」の図を見ると分かる通り、グルタミン酸は、アミノ基が取れてα-ケトグルタル酸に変換されるという形で糖新生に入っていくので、何気に、その逆反応が行われているに過ぎなかった、って形になっています。

 

ということで、ロイシンは20種類あるアミノ酸の内わずか2つしかない、糖新生経路には乗らず、ケトン体・脂肪酸代謝に移行するアミノ酸(ケト原性)だったわけですけれども、「ロイシンのアミノ基」というわずか一部ではあるものの、外れたアミノ基に着目すれば、これはケトグルタル酸にくっついてグルタミン酸になり、そのグルタミン酸が、糖新生の招集がかかって再度ケトグルタル酸に変換されれば、一応「ロイシン(のごく一部)から、糖が合成できる」と言えなくもない……とはいえる気もするんですけどね。

 

とはいえロイシンの大部分、アミノ基以外の本体はそのまま反応が進んで最終的にアセチルCoAという、脂肪酸代謝経路の代表格分子になりますから、まぁこれはやっぱり「糖の合成には参加しない」分子だと一般的には分類されるものだといえましょう。

 

…といったところで、まさかの最初の1反応を見ただけで時間切れになってしまいましたが、正直重要ポイントはその2つ(専用の酵素が反応を触媒する・アミノ基が外れる)のみなので、後はもう、マジで各分子に馴染みも一切ありませんし、パパァッと流す感じで他のアミノ酸も一気に終わらせる感じでいこうかな、と思っています。

 

今回も画像候補が全くありませんでしたが、上で話に出していたアミノ酸転移を触媒する酵素、先ほど貼ったロイシン経路の画像で赤字のリンクになっていたことから分かる通り、日本語記事はなぜか存在しなかったのですが、何気に重要な「アミノ基を外す反応」を任されている酵素ですし、あまりにも他に何もなかったため、英語版ウィ記事からこちらさんの結晶構造リボンモデルを示した、例の画像をお借りさせていただきました。

https://en.wikipedia.org/wiki/Branched-chain_amino_acid_aminotransferaseより

…まぁ、こんなの見ても例によって何も分からないんですけどね(笑)、見映えは悪くないし、にぎやかし要員としては便利なやつだといえましょう(笑)。

次回はこの酵素からまた再開する予定です。

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