アツいとカタくなるの…?

前回は身近な硬いもの代表、あずきバーを引き合いに出して、アイスの硬さについて論じていました。

 

まぁ「論じる」というか単にタングステンとプラチナという金属とあずきバー・シンカンセンスゴイカタイアイスの硬さが大体同じぐらいのようです…ということを見ていただけでしたが、当然のこととして、あずきバーもカタイアイスも、冷凍庫から取り出して時間をおいて温度が上がれば、即座に軟らかくなって食べやすくなるというのは、赤ちゃんでも知っている話だといえましょう。

 

つまり、常識的に温度が上がると物質というのは柔軟になるのは当たり前で、逆に、業務用冷凍庫である-80℃で凍らせたあずきバーは、より、信じられないぐらいにカチコチになって、もしかしたらガセネタとされていた「あずきバーのモース硬度9」というのは、-80℃とか、あぁもしかしたら液体窒素で凍らせたものならそのぐらいいくのかもしれませんね。

 

液体窒素で凍らせたバナナは釘も打てるというのはおなじみすぎる話ですし、いずれにせよ低温になるとモノは硬くなるというのは常識なわけですけど、温度が下がれば分子の運動は抑えられるので、分子の集合体である物質は動きが鈍くなる=硬くなるというのは、仕組みを考えても大変受け入れやすい話になっているわけです。

 

しかし、実は「熱を加えると硬くなる」というモノも、この世には存在するんですね…!

 

まぁ記事タイトルにした書き方だと、何となく下ネタが浮かぶわけですけど(笑)、男のそれの場合は熱くなるというより単に血液が充填されて膨張するというのが仕組みで、まぁ血液は体表よりも温かいですから、熱くなるっちゃなるわけですけど、それはまぁ全然関係ない話になりますし、公共の場で下ネタ苦手マンとしては、恥ずかしいのでこの話はやめさせていただきたく存じます(じゃあ初めっから書くなよ(笑))。

 

人体ではなく、熱が加わって硬くなるというのは金属加工的な話でよく聞くものですね。

 

こないだの記事で既に話には出していたわけですが、「金属の焼き入れ」とかで、鋼を硬くするというのはどなたも何となく聞いたことがあるように思うのですが、僕もパッとそれが浮かんだものの、そういえばどういう仕組みになっているのかは全然知りませんでした。

 

そんなわけで早速検索してみたら、我らがキーエンスの、大変に分かりやすい解説記事がヒットしてきましたよ。

 

流石は「ホームページを開いただけで電話がかかってくる」「呼び出したら1時間以内に必ず営業が飛んでくる」「公道最速は、フェラーリでもポルシェでもなく、キーエンスプロボックス」とまことしやかに囁かれる、平均年収日本ナンバーワンの神企業・キーエンスですね!

 

(…って、僕はキーエンスのお世話になったことがなく、↑は全部ネット上での噂で真贋は不明ですし、バカにしているわけでは決してないのですが、又聞き程度であれば「あそこは本当にすごい」という話は実際耳にしたことがある、本当に強い企業だと思います。)

 

…と、前置きはともかく、こちらの「熱処理入門」記事(↓)が、大変分かりやすくまとめてくれていましたが……

 

www.keyence.co.jp

 

……なるほど分からん(笑)。

 

まぁ「分からん」ってこたぁないですけど、専門外の話は難しいですね。


いずれにせよ、仕組みについてはそこまで詳しく書かれていなかったものの、800℃超まで加熱して急冷することで、原子の並びが整えられて(ページ最下部のイメージ図は大変分かりやすいものでした)、硬度が増す(ただし、硬くなるとその分「脆く」もなるため、焼きもどし、さらには焼きならしという工程も踏んで(加工するために柔軟性を持たせるものには、焼きなましというステップも))…という感じで多くの丈夫な鉄鋼製品は出来上がっていると、そういう話のようです。

 

具体的な仕組みまではやや不明なものの、経験に基づくこういう工業ステップは、やはり大変面白いものです。


実際にどのぐらい硬くなるかについてのデータは、検索したら、こないだ金属の比重(密度)データでお世話になったEngineers Edgeのサイトでまた見つかりました。


ズバリ、こんな感じのようですね(↓)。

 

https://www.engineersedge.com/materials/heat_treatment_hardness_vs_temperature_13255.htmより

 

横軸が温度(ファーレンハイトとかいう、クソみたいな華氏温度ですが)で、縦軸が前回もチラッと出てきました、ひっかき強度であるモース硬度ではなく、圧迫硬度とでもいうべきロックウェル硬度のようで、まぁ何気にこれは焼き入れというわけではなく、純粋に温度を上げたときにどのぐらいの硬さになるかを示したグラフだと思うんですけど、最大で、ちょうど温度200 F(およそ93℃)あたりで、Rockwell C度数=66程度の値が得られるようです。

 

ちなみに曲線グラフは複数並んでいますが、鉄鋼というのは鉄に炭素を混ぜたものであり、このバリエーションは炭素の割合のようですね。


どうやら炭素割合が高ければ高いほど硬質なハガネになるようで、比率は不明なものの、炭素含量が一番下の0.10-0.20から、一番上の0.70-1.10まで上げるごとに、普通に硬度は上がり続けていることが窺えます。

 

また、「66ぐらいのRockwell C」って言ってもどのぐらいだよ、って話ですが、軽く調べた限り、こちらのサイトのデータをお借りすると、純粋な鉄のRockwell Cは、平均して30程度のようで、ズバリ、炭素を混ぜて加熱することで、元の鉄の2倍の硬さが実現できるってことですから、これは偉大な技術ですね。

(とはいえ、基本的には温度を上げるとやっぱり硬度は落ちているように見えますけど、最高炭素含量のやつは、200 Fに行くまでは若干上がっているようにも見受けられますし、ある程度熱で硬くなる要素はあるように思えます。)

 

…と、何気に今回またしても尋常じゃないレベルで時間がなく、ほぼキーエンスとエンジニアサイトのデータを貼って終わりというしょうもない記事になってしまいましたが、実は、「アツいとカタく」は、他にも有名所があったことにハタと気付きました。

 

まさに、こないだも書いていた「卵は、熱を加えると固まる」という話に通じるもの、すなわち有機物になるのですが、例によって僕はマテリアル系の知識はないので正直全く話が広がる気はしないものの、時間のない日々のネタ増しという感じで、次回はそちらの話に脱線して何とか1記事見繕ってみようかな、などと考えています。

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