ブレーキに油って、ヌルヌルしないの?

パスカルの原理から、サイズの異なるシリンジを連結して押し合う際に、大小どちら側が勝つか?…という面白い話をしていたのが前回でしたが……


正直、「あんな注射器がつながった装置なんて見たこともないし知らんがな、何のための装置なんだよあれは(笑)」…って話になっていたので(実際パスカルの原理の説明以外に何の用途もないゴミですね(笑))、今回は水増し脱線ネタとして、実世界での応用例を見て参りましょう。

 

とはいえ既に名前も挙げていたし、普通に前回画像もお借りした「わかりやすい高校物理の部屋」の記事(↓)末尾に紹介されていたわけですが……

 

wakariyasui.sakura.ne.jp

…改めて、分かりやすい応用例として、油圧ポンプというのが挙げられる感じですね。

 

しかし、一口に「油圧ポンプ」といってもどうやら様々なものがあるようで、Wikipediaの方には今見てみたいタイプのものが全くありませんでした。

 

まぁ「わかりやすい高校物理の部屋」の末尾にあったイラストの通りでもある…どころか、結局は前回の二連注射器とほぼ同じなわけですけど…

この場合はもちろん、一方(小さい方)が実際に押す側で、他方は押されることに特化した、要は何か別の部品がつながって機能するようなものでして、説明するまでもなく、要は「小さな力で大きな力を生み出せる」という形になっているのが油圧式ポンプの仕組みですね。

 

「油圧ポンプを使った、実際の応用例」で僕が一番に浮かぶのはやっぱり「油圧ブレーキ」ですけど、ブレーキに油が使われているというのは、免許を取ったことがある人なら(↓で触れる注意点を教習所で教わると思うので)どなたもご存知のことではないかと思います。

 

もちろん実際の仕組みはもっと極めて複雑なのが自動車という、個人が買える中で最も高度といえる工業製品なわけですけど、基本的には足でペダルを踏んだごくわずかな力が、機械的により大きな力である車のブレーキとして働く形になっている感じですね。


(実際、あんなちょっとの力で、あれだけの重さと速さで動いてる鉄の塊を止めることができるってのは、冷静に考えたらとんでもないことだといえましょう。

 なお、僕はあんまり悪夢を見ないタイプですけど、一番よく見る嫌な夢に、「車のブレーキが利かない」ってのがあるんですが、僕の場合、

「全体重をかけて、全力でブレーキをかけても完全停止してくれず、赤信号の交差点なんかに差し掛かったら『もう無理だ…自分は本当に一生懸命頑張った、悪いのは全部このポンコツの車のせいなんだ……だがイチかバチかだ、空いているレーンを縫って、対向車や横から車が来ないことを祈って強行突破するしかねぇ!』と、お祈りモードを発動しながら運転を続けて、なぜか都合よく間を縫って抜けられることが多いのですが(笑)、そのせいでその先もずーっと足や全身が攣りそうなぐらいにブレーキを本気でかけ続けなきゃいけないドライブが続行し、肉体的にも精神的にも苦痛極まりない状況が続く……」

…という、「とっとと事故って目を覚まさせてよ(笑)」と思えるクソみたいなパターンが多いですね。

 まぁ、そんな夢の説明聞かされるのが一番疲れるわ!って話だったかもしれませんが(笑)、夢占い的には完全に「凶夢」とされているこの夢、かなりメジャーなものだと思いますけど、ゆーてそんな凶判定には何の根拠もないですし、稀によくこの夢を見る僕自身は普通にラッキーマンなことを自称していますから、同じような「クソブレーキ車を運転する悪夢」を見がちな同志の方、気にせず生きて行きましょう(笑)。)

 

清々しいほどのしょうもなさすぎる記事水増し用の脱線ネタでしたが話を戻すと、先ほどの「教習所で習うネタ」は、ズバリこちら……

車のフットブレーキでは油を使っているからこそ、長い坂道なんかでずっとペダルを踏み続けてしまうと、ブレーキパッドの部分で摩擦熱が延々かかり続けて高温になり、油が沸騰し、気泡が発生してしまって力が伝わらなくなることで、ブレーキが利かなくなって大変危険……という、いわゆるベーパーロック現象ってやつですね(参考:チューリッヒの解説記事など(↓)。紙のペーパーではなく、気泡のvaporであることに注意でしょうか)。

 

www.zurich.co.jp

まぁ僕はペーパードライバーなので経験したことがない…を通り越して、むしろ「本当にそんなこと起こるのぉ~?にわかには信じられないぜぇ~」と(今でも)思っていますし…

(その舐めた考えが、「ブレーキが利かない…!」という悪夢につながってるのかもしれませんが(笑))

…実際、運転好きの友人の車でドライブした際も、車に詳しいだけあって高速の長い坂道なんかでは「フットブレーキ踏みすぎないでね、エンジンブレーキを使ってくれ」と言われたものの、「いやそんなのなるわけないじゃん」と意に介さずブレーキをポンポン踏んでいたら怒られて険悪なムードになった……かは覚えてませんが、実際そんな現象、本当に起こるのでしょうか?

 

調べてみたら、全く同じ質問を投げている方が知恵袋で見つかりましたが(↓)…

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

「あるよ。珍しくない」という回答なのに、「まぁ乗用車では確かに少ないかもね」という部分だけを見て「やっぱりフットブレーキの多用をうるさくいう人は古臭い人なんですね、気にせず行こうと思います」みたいに結論付けるあたり、まるで自分のような頑固さのある質問者に思えましたがそれはともかく(笑)、まぁでも、以前まとめサイトで見た、「トラックが次々と緊急避難帯に突っ込む動画」は印象的だったので、やはり大型トラックとかの場合は気をつけなければいけないのかもしれませんね。

 

検索したら、オリジナル動画が容易に見つかりました(↓)。

 

みんなブレーキ故障しすぎぃ!(笑)

 

www.youtube.com

(…って、もっと笑えるぐらい、突っ込んだ先に次から次へとトラックたちが突っ込み続ける映像だった気がしますが、それはまた別の動画だったのかもしれません)

 

まぁそれはともかくとして、油圧ブレーキのイメージイラストは何かないか検索してみた所、これまた物理の解説サイト、「EMANの物理学」という、広江克彦さんが2000年より運営していらっしゃる素晴らしいページが見つかったのですが…

eman-physics.net

……またしても、クッソ分かりやすい解説記事すぎてワロタ(笑)。

 

油圧ブレーキについて触れてくれている↑の記事も、さらに水圧について触れてくれている↓の記事も、非常~に痒い所に手が届く、微に入り細に入りの説明が秀逸で、めちゃんこいいですね!

 

eman-physics.net

 

ちなみに、「油圧ブレーキは、何で液体として油を使うんだ?」という疑問も感じたのですが、その理由も上の記事でズバリ網羅的に考察されていらっしゃいました。

 

個人的に、物理の得意な人は典型的な理系タイプで、コミュニケーションが苦手な人もままいる印象ですが、やっぱり理をもって考えるのが得意な方々ですので、説明が基本的に上手で話も面白いんですよね。

 

↑の記事にあるような、自問自答とか陥りがちな疑問点を逐一丁寧に、本題とは逸れる部分も多少ありながらも、語りかけるように記述してくれる感じの説明が僕は個人的に大変好きで、「わかりやすい高校物理の部屋」でも全く同じことを感じましたが、まさに膝を打つ感じの解説が非常に読み応えがあって感動できるレベルです。

 

僕はまぁ物理が専門ではないですけど、自分の記事もこういう感じで書けていたら…というか読んでいただけた方に同じような感想をもってもらえたらいいなぁ…と思わずにはおれません。

 

と、色々細かい、より物理的な話は上記の2記事が大変ためになると思うので興味ある方はぜひご覧いただくことをオススメです、という例の丸投げパターンですが、せっかくなので自転車やバイクの油圧ブレーキのイメージイラストをお借りさせていただきましょう。

 

https://eman-physics.net/fluid/pascal.htmlより

 

特に自転車の場合、ブレーキパッドは記事にもある通りホンの1ミリもないぐらいの距離を動かせばいいだけなので、まぁあんまり油圧ポンプの特徴である「力の増幅」が活きているわけではないとも言えるものの…

…って、そもそも自転車のブレーキ、そういえば、「何か細い金属のワイヤーしかない印象だったけど、あれ中に油が入っとったん?」と思えたわけですが……

 

検索してみた所、これはどうやら以下の解説記事などにある通り…

 

www.cyclespot.net

…実は自転車には機械式(細いワイヤーですね)と油圧式の2つがあるそうで、どうやら油圧式の方がやはり力の増幅が働き、より楽な力でより強い制動力を発揮できるということで、高級品ではこちらが使われることが多い、って話みたいですね!


僕はロードバイクとか高いものに乗ったことがなかったので、ワイヤー式しか知らない貧乏人だった、って感じでした(笑)。

 

と、そんな感じで、特に油圧ポンプの仕組みって話でもなく、普通に車系のブレーキの豆知識を軽く見ただけになりましたが、そういえば「油なんてヌルヌルしそうなのに、なぜブレーキに油なんだ?」という疑問もその昔感じていた気がするものの、これは結局、油というか流体はあくまでパスカルの原理に基づいて「力の増幅」に使われているだけで、ブレーキ自体はモノとモノとが擦れあう摩擦力で生まれるものなのです(=そのブレーキパッドを動かすのに、パスカル的油圧ポンプの仕組みを使っているだけ)…という、「んなこと誰でも知ってるわい(笑)」という話で〆とさせていただきましょう。

(当たり前ですが、自転車のメンテナンスで、チェーンには油を注(さ)していい(注すべき)であるものの、ブレーキパッドやそれが接するタイヤのホイールに油をつけるのはご法度ですね。

 ただし、各部ワイヤー連結部には、油を注した方がいいというのも、素人には中々大変というか面倒なポイントかもしれません…(参考:↓)

www.roadbk.com

…ものぐさな僕にはやはり、ほぼメンテフリーな、安いママチャリが一番合っている気がします(笑))

 

そんなこんなで、この辺で概ね書こうと思っていた圧力の話は終えたように思えますが、次回からはまた順に、アンさんからいただいていた一連のご質問の方に戻っていこうかなと思っています。

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