前回は正直、自分でも「何言ってんだコイツ」的な内容をグダグダ書いてしまい、結局ほとんど何も解決していないような内容で大変恐縮でした。
まさしく中途半端・的外れな説明が目立っていたため、質問者のアンさんからも追って補足説明をいただけていました(毎回本当にどうもありがとうございます!)。
今回は早速そちらから触れさせていただきましょう。
(割と長いコメントをいただけた形ですが、内容は全体的に関連のある一貫したものなため、一気に貼って後でまとめて返信スタイルでいこうと思います。)
私が前回書いた例文
Two are dark reds, three are light reds.
は、
マックで5つセットを頼んだ時のドリンクを言うケースの
Two are coffees, three are teas.
と同じ意味だったので、
「2つは濃い赤で、3つは薄い赤」
この2つの「濃い赤」は同じ色である設定であり、coffeeが複数形になるのと同じ理由で複数形にしたまでです。
色なのに複数形?っていうのは、金ピカボールや金メダルの例から、その人次第でイメージできればOKという風に解釈したので…同じ感覚で、
Two are dark reds (dark red diamonds), three are light reds (light red diamonds).
とした感じです。
敢えてdiamondsにしてみましたが、余計ややこしいですかね?笑
(ballsでも大丈夫です。)
これは、
Two are reds, three are blues.
でも良かったんですが、前回の記事でa dark redは可算名詞とあったので、濃い赤なら金ピカボールや金メダルのようにイメージしやすいのか??と思って(勘違いして)そうしたのですが、そういう意味ではなかったということはわかりました。
濃い赤はあくまで濃い赤や薄い赤が同時にあるような状況で使う、いわゆる「様々な赤」の中の一つである場合のみ可算名詞になり得るということなんですね。
これは、前回も書いたように、「色を複数形にできるのは、様々な色調の赤が使われている場合」ということなのは、だいたいイメージできます。
ただ、私がずっとイメージして色の複数形と言っているのは、そういうことではなくって、gold medalsがgoldsになる、ただそれだけのことなんですよね。例えば、
goldsと聞いて、「様々な金」となりますか?いろんな金色で絵を描いて…みたいなイメージになりますか?
(メダルが濃い金色と薄い金色の部分があるとも思えるんですか?)
なるとしても、それではなく、ただ「金色のもの」2個を、goldsと言うケース、これは金メダルがそれでしたが、その人次第で言えるということなら、 redsも言えるはずでしょ?
金ピカボールがまさにその例でしょ?
なのに、赤だと様々な赤(1つのものに濃い赤と薄い赤がある)みたいになるのはなぜ?
っていうモヤモヤは、私の頭が硬過ぎて、もう晴れることはないんじゃないかと思ってます笑
『主語が2つのものだから述語を複数にしなければいけない法はない』というのは、もちろん、必ずしもそうではないというのはわかりますが、
(I have two pens.←こういうことですよね?)
記事中の例文でTwo are red.なのはred birdsのbirdsが省略されているということでしたよね?(述語も複数形ということを言いたい)
Two are dark reds, three are light reds.この文章でもそうであったら、
Two are coffees, three are teas.
このコーヒーは単数形か複数形か…という話は最早どうでもよかったっていうことになりませんか?
(この辺りが、追記されている部分に関係してますかね?)
goldsなら金色のものが数個なのに、 redsなら「微妙に違う赤色達」となる理由が、どうしてもわかりません。なので、モノを複数形で言うネイティブの感覚は、恐らく私には皆無なんだと思いますね。
あぁ…でも、青たんの件で、、……………
「three blues」という言い方をした場合、普通は「三色の青」と言っている感じになる(=どれも「青」と呼ばれる色だけど、微妙に違う青が三色あるね、空色・紺碧・鮮藍みたいな…というイメージ)と思うので(もちろん、「blueといえば俺ン中では青タンなんだよ!」という論で強行突破して、「blueを代名詞的に使っているんだ!」といえなくはないものの、blueがbruiseを代表していると納得してくれる人は、恐らくそう多くはないでしょう(笑))、ここはやっぱり、青は形容詞的に使って、「three blue spots」とかいう風に言った方が自然といえる形ではないかと思われます。
……………
ここに全てが書かれていたのか?と、最後にちょっと納得できる説明がいただけたかもしれない気がしますねぇ。
やっぱり赤はアカンかったってことでいいですか?笑(え、そーなの?笑)
それでもやっぱり、私は、11人の戦士たちを赤いダイヤモンドに例えてeleven red diamonds、略してReds (redが diamondsを代表してる) と言いたいですけどね笑(三菱とか知らんし笑)
っていうのは、ただ言ってみたかっただけで、実際に私が色を言う場合には、形容詞として普通に使う(そうしか使えない)であろうことは、安易にご想像いただけると思いますが笑
⇒一番最初の、「複数形でredsなどとしたのは、coffeesもそうだったわけだしそれを踏襲したまでで…」というのはまさにその通りだった感じでして、前回「恐らく多少勘違いしてらっしゃるように思えますが、主語が複数形でも、述語が複数形である決まりはなくて…」とか書いていた説明、これは完全に的外れであったばかりか、be動詞に限っていえば「複数形の主語なら複数形の述語が来るのは基本的に確実」というのは普通にそれで問題ない話であったので、全くもって、勘違いを指摘していた自分が色々と勘違いしていだだけだった…というしょうもない状況になってしまっていました。
早とちって的外れなことを偉そうにグダグダと、全然合ってない説明をしたのみならず、不快な思いを感じられてしまっていても然るべきな非礼、改めて心よりお詫び申し上げます。
続いての段落の、
「『Two are dark reds (dark red diamonds), three are light reds (light red diamonds).』という文が丸括弧内の意味(=redsが、数えられる名詞a diamondを指して、いわば代名詞的に用いられている)でいえるのかどうか」
という点についてですが、こちらも改めて、やっぱりこれは普通は言わないんじゃないかなぁという気がする、ってのが結論になりそうです。
…と、それを踏まえた上でというかそこから導き出される、アンさんが最も強く感じられているであろう疑問点の本質は、
「goldは金メダルを指してsix goldsって言えるって話だったじゃん。じゃあredも使ってよくね?」
って話になると思うわけですけど、これについては、まずその金メダルの例文は、以前の記事(一連の、数に関するシリーズ、1-48の最初↓)で、ネイティブの方が「通常は数えられない名詞でも、こういう場合は数えられるよ」として挙げてくれていたものでした。
例文だけ再引用させていただくと、こんな感じでしたね。
In the Olympic medal count, Ruritania is leading with six golds, four silvers, and three bronzes.
(オリンピックのメダル数では、ルリタニアが金6個、銀4個、銅3個でリードしています。)
で、これを受けて、追ってこの点に関していただいたご質問に答えていたその後の記事では、僕がこんな感じのことを書いていました。
したがって、金色のボールであっても、例えば子供の大規模遊戯場みたいな所で、大量のボールが転がってる中から特別なボールを拾ってこよう!…みたいなアトラクションがあったとして、「この文脈では、『gold』といったら大当たりのあの金ピカボールのことを指すに決まってるんだ」という了解が明らかに取れているような状況ならば、
「Look! John has picked up two golds!!(見て!ジョン(←自分の子供のこと)が金ピカを2つも拾ってるよ!!」
ということもあるでしょう、って話ですね。
当然金に限らず、大当たりのレアボールが赤なら、「John! You can see a lot of reds over there!!(ジョン、あっちに赤いのが沢山あったよ!!)」みたいに言うのも全然ありだと思える感じですね。(もっとも、普通はやっぱり「lots of red balls(沢山の赤いボール)」って言う方が多いんじゃないかな、とは思えますが…。)
この話は、まさに僕が金メダルの例文を元に勝手に「そういうことなんじゃないかなと思う」と考えて書いていた説明だったわけですけど、諸悪の根源はこの説明だったのかもしれません。
というのも、改めてこれは僕が「ネイティブの書いていた金メダルの例を踏まえると、明らかに文脈上それと分かる使い方なら、色単独で、指しているそのものを代名詞的に表す感じで使うことができるに違いない」と判断して書いていたものだったのですが、念のため、原点に立ち返るべく、辞書の定義を確認してみたら、なんと!
…なんと、「gold=可算名詞(不可算としての用法もあり)として、金メダルのことを指す」と、伝統と信頼の我らがオックスフォード辞書に、ハッキリと明記されているじゃあありませんか!
(今回は、例文や可算不可算表記も完璧で、言葉の定義も品詞ごとに分かりやすく掲載されていたオックスフォード辞書から拝借させていただきましたが、他の辞書でも、goldの意味に「金メダル」は普通に掲載されていました。
ちなみに、3番の用法にある例文は、まさに複数形になるgoldsの典型的な使い方(=様々な金色)ですね。)
つまり、またもや早とちり的な感じで、僕は「goldという単語で金メダルを表せるんなら、文脈上明らかであれば、他の色でも何かの物質を代名詞的に表せるに違いない」と考えていたんですけど、どうやらそれはやや拡大解釈だったようで、単純に「goldという単語の『金メダル』という意味は、辞書で定義付けされるぐらい普遍的なものである」という、まさに「金(ゴールド)は特別」みたいな話だった形といえましょう。
したがって、改めて、少なくとも普通の会話であれば、辞書に定義されていない用法で使うのは(例えば、「2 blues」を「2つの青あざ」という意味で使うなど)、やや無理があるんじゃないかなと思える、って話だといえそうな感じですね。
これまた、長々と書いていた話は何だったんだ……という形で、大変恐縮のしきりです。
しかしそうなると、「ゴールド以外の他の色に、特別な意味で定義されている使われ方はないのかな?」って思えるわけですが、幸いにしてオックスフォード辞書のリンクをクリックしたら「色や形の単語まとめ」がありまして、ここにはご丁寧に各色の名詞用法のリンクが掲載されていました(↓)。
www.oxfordlearnersdictionaries.com
早速、各単語に、可算名詞として使える「とある物質・物体」を表す代名詞的な定義づけはないのか、チェックしてみましょう!
(まぁ別にこんなリストに頼らずとも、各色の名前を検索すればいいだけなんですけどね。)
以下、リストにあったアルファベット順で、各語の「色」以外の、代名詞的な定義のみの抜粋です。
Black(黒)
2 ★【可算、通常複数形】(侮辱的)濃い肌を持つ人々のグループの一員、特にアフリカ出身、またはその祖先を持つ人々
人を指す際に名詞blackを使うことは通常差別的とみなされるので、形容詞を使う方がよい:black people - a Black man/woman
Blue(青)
2 ★【可算】(イギリス英語)オックスフォード大学またはケンブリッジ大学で特定のスポーツをしている人;彼らに与えられる称号
3 ★【可算】(オーストラリア・ニュージーランド英語、インフォーマル)失敗
4 ★【可算】(オーストラリア・ニュージーランド英語、インフォーマル)赤毛の人を呼ぶ名前
5 ★【可算】(オーストラリア・ニュージーランド英語、インフォーマル)喧嘩
Brown(茶)
色を表す以外の使われ方はないようです。
Green(緑)
2 ★【複数形】キャベツやホウレンソウなど、濃い緑色の葉を持つ野菜
3 ★【可算】(イギリス英語)特に町や村の真ん中にある芝生のエリア
4 ★【可算】(ゴルフで)ゴルフコースの穴の周りの短く切られた草のエリア
Grey(灰)
2 ★【可算】灰毛の馬、または白馬
Orange(橙)
1 ★【可算・不可算】赤と黄の中間色で皮が厚く、甘い果汁に富む丸い柑橘類
(※注:こちらは定義の1番=「色」よりもこっちが先に登場してくるあたり、流石はオレンジですね!)
2 ★【可算・不可算】オレンジジュース、またはオレンジから作られるもしくはオレンジの風味がある飲料
Pink(桃)
2 ★【可算】ピンクや赤、白の花を咲かせ、甘い香りを漂わせる園芸植物
Purple(紫)
色を表す以外の使われ方はないようです。
Red(赤)
2 ★【可算・不可算】赤ワイン
Silver(銀)
(※注:上記リストに銀はありませんでしたが、メダルはあるかな?と思えたので、銀も見ておきましょう。不可算ですが、代名詞的な用法が他にありましたね!)
3 ★【不可算】銀製の食器、美しいオブジェなど
4 ★【不可算】銀または銀に似た金属でできた硬貨
5 ★【可算・不可算】レースや競技で準優勝した人やチームに贈られるメダル
White(白)
2 ★【可算、通常複数形】色白の肌の持ち主で、特にヨーロッパ出身の人やその祖先を持つ人のこと
多くの人は、人を指すのにwhiteやblackといった名詞を使いたがらないので、形容詞を使う方がよい:white people - a white man/woman
3 ★【不可算・可算】白ワイン
4 ★【可算・不可算】卵の黄身(=黄色い部分)を囲む部分
5 ★【可算、通常複数形】目の白い部分
6 ★【複数形】色物と分けて洗濯する場合の、白い服やシーツなど
7 ★【複数形】ある種のスポーツをする際に着用される白い服
Yellow(黄)
色を表す以外の使われ方はないようです。
…ということで、「black」が黒人の方を指すのに使われる(当然、強く非推奨)から始まり、「green」が野菜を指すとか、「orange」がミカン系を指すのは日本語でもまさにですけど、結構面白い感じでした。
そして問題のredについては、まさかの、赤ワインといわゆる政治的なアカのみ!
したがって、少なくとも辞書の用法に従うなら、やはりredを一般的な赤いものの代名詞的に使うことは、通常されないように思われる、という形ですね(もちろん赤ワインや同じくOKの白ワインを指して、「We have two reds and three whites.」というのは完全に許容されているということになりますが)。
とはいえしかし、当たり前ですけど言葉の用法というのは辞書が全てではありませんし、実際、例えば例の子供のアトラクションの例とかですと、
「子供があそこで遊ぶのを毎週楽しみにしていて、家での話題は『次、ジョンはいくつ金ピカボールを見つけてこれるだろうね?!』で持ちきりなんです。だから、我が家ではもう、goldといったらあの金ピカのことを指すんですよ。うちの辞書には、goldの項目に『拾えたら嬉しい、当たりの金ピカボール』という項目が書き加わっているのです」
…みたいなことは、決してなくはないんじゃないかな、とも思えます。
(自分の書いていたことを全否定したくないだけの、負け惜しみかもしれませんが(笑))
ですがやはりしかし、それはあくまで身内だけで通用するようなかなり限定的な使い方であり、一般的には、辞書にない形で「色名を、その色を持った名詞の代表・代名詞的に使う」というのは、やや独りよがりな表現と受け取られてしまうのではないかな、って気はしてしまうかもしれませんね。
…と、大分長くなってしまい、今回はちょっともう時間切れになってしまったので、また次回、この辺りの総括から改めて触れさせていただこうと思います。
(アイキャッチ画像は、地味な辞書のスクショではなく、金メダルのいらすとをお借りさせていただきました。)