CDとか、リモコンとかの話

前回はレーザー光について、さわり程度の浅い話を繰り広げていましたが、最後、これまた今まで見てきたものとは微妙に違う仕組み、具体的には電気を使わないで光るものを見て有終の美を飾るとしましょう。

…とその前に、前回の記事を自分で読み直してて思ったことですが、「『CDの読み取り部からはかなり強いレーザー光が出るので超危険』ってマジか?!CDプレーヤーの隙間(あるいはCDラジカセとかの半透明のカバーとか)から漏れてくる光を見たことがある気がするんだが、俺の目はつぶれたのか?!」という疑問をもたれる方がもしかしたらいらっしゃるかもしれないんですけど(まぁいないかもしれませんが)、それは全く問題になりません。

というのも、結局レーザー光を「直接」目に入れるのが危険なだけで、CDドライブとかに仮に隙間があって横から覗くことができたとしても、それは大気中の塵芥にレーザー光が散乱して目に届いているもので、レーザーのごく一部が目に届いているに過ぎないからですね。

CDドライブはCDが入って回っているときにしかレーザーを照射しませんから、わざわざCDをセット&回転せずともレーザーが出るように改造して、しかも真正面からレーザー部を覗き込むとかしない限り、目にダメージを与えようもありません。

なので、そういう特殊なことをしたのでもない限り、CDプレーヤーに危険性は一切ないということですね(そもそもCDとレーザー照射部の狭い隙間の話でしかないので、CDが回っている上から見ることは不可能ですし、「再生中のCDドライブから漏れてる光を見た気が…」というのも、実際は「再生中」を意味する単なるシグナルのランプか何かを見ただけであって、反射光・散乱光だろうと、レーザーを見たことがある方は実際いないのではないかと思います)。


あとあんまり関係ないですが、同じく電磁波関連で「大丈夫なの?」と知識がない頃は思っていたものとして、TVのリモコンとかもありますね。

あれは、以前もちらっと書きましたが、赤い光より更に波長が長く、エネルギーの小さい赤外線(目に見えない)が用いられています。

エネルギーの小さい赤外線の、更にごく微弱な信号が一瞬送られるだけで、こんなものを浴びても1ミリも健康への影響はないわけですが(昼に太陽の光を一瞬浴びる1億分の1の影響もない)、子供の頃はそんな仕組みなど知らないですし、何となくの印象で、リモコンの信号を直接食らっちゃうと何か体に悪そう…とか思っていたものです。
(というか、姉がそういうの気にする感じだったので、人にリモコンを向けたり、リモコン操作中にTVとリモコンの間に人がいたりすると、ブチ切れていた気がしますね(笑))

「いやいや、太陽の光が入り込んでもTVのチャンネルは変わらないけど、リモコンだと変わるじゃん!これは、何か凄い信号が発射されてて、食らったら何か目に見えない電波でガンになったり、思考が盗まれてしまうに違いない…。ヤッバ、リモコン使うときは、全身にアルミホイル巻かなきゃ…」と思われる方もいるかもしれないんですけど、リモコンのシグナルはきちんとデジタル制御されているからTVに伝わるのであって(例えば、赤外線のOFF/ONで0と1の信号があり、それを1/20秒とかの間隔で並べて、恐らくまずそのTV特有の、機器認識のための全体制御的な特別な信号(100101111みたいな)を送って誤作動を防ぎ、その次に続けて例えば「1チャンネルに変える」なら0001みたいな信号を送る、みたいな形。これでも、合計0.6秒ぐらいの信号なので、実用上問題ありません)、ランダムに赤外線が届く太陽光では仮にTVの受信部内部まで入り込んでしまっても、意味のあるシグナルになっていないのでチャンネルが変わりようがない、ってことなんですね。

でも、調べたら、意外と「部屋の照明をつけたらTVが誤作動」ということを経験されてる方もいらっしゃるようです。

expnote.com
まぁ、これはたまたま蛍光灯をつけたときに発せられる赤外線が、TVをつける信号と完全一致したという珍しいパターンだと思いますが、確かに、蛍光灯をつけるときは一定間隔の電磁波が飛び交うのはそうだと思うので、なくはないのかな、って話かもしれませんね。

しかしまぁ、子供の頃の刷り込みは恐ろしいもので、例えば自分の背中にぴったりとリモコンを付けた状態でTVを操作するのは何となく気持ち悪いですし(いやまぁ赤外線ストーブを背中に浴びるのと何ら変わらないどころかそれより全く影響が皆無なのは頭では分かっているんだけど、何か、何でしょうね、そんなことをする意味がない気持ち悪さというか、上手くまとまりませんが、進んでそうすることは絶対しない、ってことですね。まぁ、そんなやりにくいやり方、どう考えても誰も進んでせんだろ、って話かもですけど(笑)。そもそも赤外線は吸収されやすいので、背中から送ったら多分届きませんしね)、他にも人がちょうどTVの前を横切るときはTVの操作はしないようにする気遣いなんかは、今でもしちゃう気もしますね(これは、その人がどの程度の科学知識があるかは不明なので、要らぬトラブルを避けるために、必要な心遣いな気がします)。

(まぁTVどころか、よく考えたら今の生活でリモコンを使うことが皆無なので、特に自分が食らう気持ち悪さについては、幼少期の記憶のまんまのイメージガ残ってるだけで、今浴びてもやっぱり何も感じないかな、って気もしますけどね。)


何か全然関係ない話で長くなってしまい、また次の話にいけそうにないですが、せっかくなので最初話に出したCD・DVDといった光学メディアの読み出しの仕組みについて簡単に見ておくとしましょうか。

まぁ例によって技術的な細部については僕も専門家ではないので把握してないんですけど、概略については、CDデータ部分(裏側)の表面には超微小サイズの穴が開いており、レーザー光を当てたときの穴の有無による反射率の違いでデータを読み込ませている(あらゆるデジタルファイルは0と1の羅列なのはご存知かと思いますが、穴が0、穴なしが1みたいな感じで、音楽なり動画なり文書なりといったデータを穴の有無でディスクに保存しているわけです)…という仕組みだったと理解しています。

我らがキヤノンの解説記事に、めっちゃ分かりやすいGIFアニメがありました。

例によって、パクリという名の引用をさせていただきましょう。

まず、CD裏面の拡大図がこんな感じで、穴(専門用語でピット)の有無でレーザーの反射が変わるイメージがこんな具合(↓)…
(実際のピットは、もちろんこの図にあるような等間隔・同じサイズではなく、データに応じて大小さまざまなものが、保存したい0と1の信号通りに並んでいる感じですね)

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https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/003/06.htmlより

そして、それを実際どう読んでいるかは、反射してきた光を、偏光プリズムを用いてディテクターに届かせるという仕組みですね(何かCDの穴と光の発射タイミングが合ってない気もしますが…)。

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https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/003/06.htmlより

凄すぎて、正直もう時代の終わった感のあるCDですが、「うーん、これはやっぱり未来のテクノロジーだなぁ~」と思えてなりません。


ちなみに自分でデータを書き込めるCD-Rは、自分のPCを使って「ドリルで穴を開ける」なんてことは無理なので流石に小さな穴ぼこは開いておらず、これは代わりに、レーザー光でCD-R裏側表面に塗られた特殊な色素を変質させ、反射率を変えていたんですね(まさに、CD-Rを「焼く」というのは、実際色素を焼いているので現実を反映している用語である、というのもキヤノン記事にある通りです。全部パクるのもあれなので、GIFアニメは省略)。

CD-Rは、僕も当時よく使ってましたけど、市販のCD-ROMに比べて結構寿命が短いのは、物理的な穴ではなく、化学的に色素を変化させているに過ぎないからだったんですね。
(真夏の車の中とかに放置しちゃうと、色素が全部焼けてしまい、一発でダメになります。)


ついでに、キヤノンの記事一番下にもありましたが、CDやDVDでは赤いレーザーが用いられていたんですけど、これを、青色ダイオードのおかげで安定的に生み出せるようになった青いレーザーを使うことでどうなったかというと、「赤より青の方が波長が短い→短い間隔でピットを配置可能になった!」ということで、ディスクに配置できるピットの密度がぐっと増えたのです。

これが何を隠そう、青いレーザーを用いたもの=ブルーレイディスクで、より分かりやすい比較を並べてくれていた我らがソニーの参考ページ(↓)にもある通り、片面に2層の記録面を並べることで、1枚のディスクに、最大DVD 10枚分ものデータ保存が可能になった感じですね。

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https://www.sony.jp/bd/about/technology/index.htmlより

ということで、レーザーの話から、CDとリモコンについて見てみた余談回(余談の余談)でした。

次回で光ネタはおしまいの予定です(何回同じこといってんだよ(笑))。

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