パスポート番号の秘密

前回は、アメリカ大使館・領事館で行うビザ面接についての注意点を挙げていました。

 

長々と書いてきた永住権申請・移民ビザに関する話も概ね見終えた感じですが、前回・前々回と、「日本領事館でパスポートの更新をしたことがありましてぇ…」と書いていた時にふと思いついた小ネタがあったので、今回はそちらに脱線してみようと思います。

 

僕が初めてパスポートを取得したのは大学院生の頃、海外の学会に参加するためだったので、それから10年後の更新は、先述の通り、今いるアメリカで行うことになったのです。

 

日本で更新を行う場合は、今ではオンライン申請も可能なようですが、アメリカの場合は、どの州にもあるわけではない日本領事館に必ず出向く必要があります。

(とはいえ日本の場合も、受け取りは必ず本人確認のためにパスポートセンターに行く必要があるようなので、全てがオンラインで完結するわけではないようですが、パスポートセンターは各都道府県に必ずありますしね。領事館は、存在しない州もある(むしろその方が多い)レベルです。)

 

ちなみに、「何とか郵送だけでいけないかな…」と思い、当局の情報を見たら、

「申請時に書類を領事館に提出する必要がある、ただし代理人でも可」

とあったので、このブログで何度か話に出している元同僚のめちゃくちゃ仲良くしているアサカさん夫婦がちょうど領事館のすぐ近くに住んでいるため、自分の住んでいる管轄の日本領事館にメールで、

「パスポート申請は代理人でも可とのことですが、この代理人は、親族ではない友人でも可能ですか?知り合いが別の地域の領事館すぐそばにいるので、もし可能なら受け取りをお願いしたいです」

と質問した所、回答返信をいただけました。


参考までに、コピペして貼り付けさせていただきましょう。

1 旅券申請時の代理人は、親族の方以外でも友人、知人の方でも可です。(因みに法律的には申請前5年以内に旅券の発給を受けるにあったて不正な行為をした者は代理人として適当ではないと規定されております)

 

2 旅券申請の管轄については申請者本人の方のお住まいの地域を管轄する在外公館になりますので、申請者本人の方の住所の管轄が当館で、代理人に先行されようとしておられる方の住所が別の公館にあたる場合の旅券申請の管轄は当館になります。

例外として申請者の居宅がそちらの区域にも存在し、行き来されておられる場合は、そちらの住所を根拠に別の公館でも申請いただけますが旅券の受取はご申請者ご本人が申請された公館に来館の上行っていただきくことになります。

ということで、申請は誰でもできるけど、受け取りは結局本人が最寄り(管轄)の領事館に行かなければいけないという形なため、わざわざ飛行機に乗らなければいけない距離の領事館に出向いたという形でした。

 

(また、今メールを見直してみたら、僕はパスポートが失効してからの申請だったようです(笑)。

 ただそもそもパスポートに「更新」というものは存在せず、常に新しい番号の新規パスポートが発行されるだけなので何も問題はないですし、実際アメリカ国外に行く急な用事もなかったので特に不都合はありませんでした。)

 

そんなわけで、現在のパスポート(僕の場合は失効済みでしたが)や各種書類を領事館に郵送し、わざわざ領事館くんだりまで旅をしてGETした新パスポートだったのですが…

(ちなみに、日本で更新する場合、オンラインではなく窓口で申請したら即発行にはならないので、申請時と受取時で2回窓口に行く必要があるわけですけど、この「領事館発行」のケースは、申請自体は郵送で行い、領事館には受け取りに行く形なので、流石に2回出向く必要はありませんでした。

 ただし、日本なら申請から発行まで1週間程度だと思いますが、領事館経由の場合はそれよりも遥かに長く時間がかかったはずです……と思いきや、今見直してみた所、↑の質問メールを送ってから、書類を用意し速達で郵送して、なんとわずか10日程でパスポート受け取りまで完了できていたので、案外時間はかからないのかもしれません。)

 

(あとついでに、実は「出張領事館サービス」という、自転車でも行けるレベルの近所に領事館の特別出張所が来てくれることもあり、それを上手く使えばそこでパスポートの受け取りも可能なはずなんですけど、それは年1-2回程度のもので、僕はタイミングが合わなかったので使わなかった感じでした。

 わざわざ自分が遠出するよりも断然楽なので、次があれば上手いタイミングで使ってみたい限りです。)

 

とまぁそんな手続きの話は特に本題と関係ないのですが、領事館で公布されたパスポートを見て、「おっ」と思うことがあったのです。


それがズバリ、パスポート番号


まぁパスポート番号なんて気にする人もいないかもしれないですけど、僕はこういった番号の意味を調べるのも結構好きなので、毎回チェックするのですが……

 

まずそもそも、日本のパスポート番号は、アルファベット2桁+数字7桁となっています。

 

例を見るために、外務省公式ページから画像をお借りするとしましょう。

…と、検索したら、なんと今年からパスポートの写真ページが少し新しくなったんですねぇ!

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pagew_000001_01222.htmlより

(ちなみに先ほど書いていた「パスポートのオンライン申請」もこれと同じタイミングで始まったものだそうで、多分まだ誰も経験されたことがないかなり最近のものだったようです。)

 

とはいえ番号自体は恐らく変更がないと思うんですけど(でも、画像の例では変わっている気もしますが…)、とりあえず「少なくとも2025年頭までは」になりるかもしれませんけれども、まず先頭のアルファベット、これは「T」か「M」かで、パスポート番号というのは10年用(赤いパスポート)なら「T」、5年用(紺のパスポート)なら「M」で始まる形になっています。

 

ちなみにそれはウィッキー先生の記事(↓)でも明記されている話ですけど…

 

ja.wikipedia.org

 

なぜ「T」と「M」なのかは書かれていないものの、これは僕が昔調べた限り、そもそもパスポートというものは最初「1回のみ有効」という形で発行され始めたものだったらしいのですが、戦後、旅券法が制定される際に「有効期限内であれば何回でも使える」ものが生まれ、その際に先頭の文字を「複数回」を意味する「multiple」のMにしたというものが始まりだったように記憶しています。

 

そして、その後「5年では短い、更新が手間すぎる、もっと長いのプリーズ」という要望が増えたため、10年用のパスポートも生まれたわけですが、その際につけられたものは「T」で、これは確か公式の記述は存在せず推測だと思いますが、まぁ普通に10を意味する「テン」の「T」だろうと言われているものですね(笑)。

 

(ちなみに、10年パスポートが誕生したのは、以下の外務省パスポート150年記念PDF記事にもある通り1995年のことで…

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000167113.pdfより

…僕が生まれたよりも後のことで、案外まだその歴史は新しいんですよね。

 また、「どう考えても紺色の方がよくない?何でより高級なはずの10年用の方が弱そうな赤なんだ?」とずっと思っていたのですが、歴史的に5年用の方が先に誕生していたため、よりシックでカッコイイ色は先に使われてしまっていた…と、そう考えたら納得もいくかもしれません(別に赤のほうが好きな方もいるかもしれませんが(笑))。)

 

あとついでに、一般民間人が取得できるものではないけれど、ウィ記事にもその旨の記述がありましたが、パスポートには他に「公用(Official)」「外交(Diplomatic)」「緊急(Emergency)」用のものがあり(それぞれ名前で用途は察しがつきますが、詳しくは上記ウィ記事参照)、これらの先頭はTでもMでもなく「O」「D」「E」となっているという情報を見た記憶もあります(僕は現物を見たことがないので、あくまで又聞きですが)。

 

と、ここまではいいとして、問題は2文字目のアルファベット

ウィッキー先生も「二文字目は発行順でAからZまで変化する」などと書いていますけどこれはウィキペディアにしては珍しく正確性に欠けている表現でして、より正しくは、

「二文字目は発行順でAからYまで変化する。ただし、海外で発行された場合は、年代に関わらず必ずZになる」

というもので、そう、僕が受け取った日本領事館発行のパスポートは、「TZ」で始まるものになっているのでした。


(ちなみに、「発行官庁 / Authority」は、日本なら画像の例にある通り外務省の英語「MINISTRY OF FOREIGN AFFAIRS」ですが、領事館の場合は、「CONSULATE-GENERAL OF JAPAN 〇〇」(〇〇の部分には領事館の所在地が入る)と記載されている形です。)

 

…って、こんな大げさに書き連ねる情報でも何でもなさすぎるのですが(笑)、元々THだったパスポート番号(つまり、2008年頃に発行したパスポートは「H」だった感じですね)がいきなりTZになり、驚いて調べた時に知った面白情報でした。

(今調べたら、同じくパスポートのアルファベットについて考察をされている記事があり(↓)…

maeharakazuhiro.com

…こちらによると、2006年発行のパスポートでもH、そして2016年がR、2019年がSだったそうで、何気にHの時代はかなり長かったのかもしれませんね。)

 

ちなみに数字7桁の部分は何の意味も明らかになっておらず、恐らく単なる通し番号的なものではないかと思われます。

7桁=100万の位まであれば数年単位で十分な量がありますし、これとアルファベットで管理されているのがパスポート番号だということでした。

(参考までに、先ほどの外務省PDFにあった統計によると、大体毎年数百万人のパスポート発行があるということで…

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000167113.pdfより

…そう考えると、7桁は意外と心許ないといいますか、場合によっては2文字目のアルファベットがすぐ変わるのももっともなのかもしれませんね。)

 

…と、これだけでは正直大して秘密でも何でもありませんし、せっかくなのでもう少しだけ深入りしてみようと思います。

……と思ったのですが、結構長くなりそう&既に結構長くなっている(どうでも良すぎる申請の話のせいで…まぁそもそも本題の数字ネタもどうでもいいにも程がある話なんですけどね(笑))ため、続きは次回とさせていただきましょう。

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