話が行ったり来たりしていますが、今回はこないだの「辛い物にはミルク」記事の中でリンクが張られていた、また別の牛乳関連記事(↓)を見ていこうかなと思います。
「ホールミルクとスキムミルク、どちらがいいのか?」という話で、こないだの記事でも本文中に補足説明を入れておきましたが、ホールミルクというのはあまりカタカナでそういう表記もされませんけど、「whole」が「全」という意味であり、あえて日本語にするなら「全乳」で、まぁ全乳は普通に使われるし理解もできる言葉ではあるものの、より分かりやすく言えば、
「脂肪分を減らすなどといった成分を調整していない、そのまま全てのものが含まれた牛乳」
という意味で、まぁ、いわゆる普通の「牛乳」ってことですね(笑)。
一方のスキムミルクは、こちらは日本語だと「脱脂粉乳」とされることが多いですけど、脱脂粉乳というと「粉」という語がある通り、「粉末なの?」と思える気もするものの、これは普通に液体として流通しているもので、「無脂肪乳」とするのが一番分かりやすいかなと思います。
今回の記事中の本文では、「ホールミルク」や「スキムミルク」表記だとあまり馴染みもなく何か分かりにくい気もしますし、基本的に「牛乳」や「無脂肪乳」と表記しようかなと思います(文脈次第で、少し変えた部分もありますが)。
個人的には、実際僕が買ってるのはスキムミルクですし無脂肪乳ファンなんですけど、果たしてどちらが医学的により優れているのか、今回も天下のクリーブランド・クリニックの記事を参考にさせていただきましょう。
ホールミルクかスキムミルクか?決着はまだついていない(Whole Milk or Skim? The Jury’s Still Out)
でも、迷ったらとりあえずこれを選んでおけば安心です
新しい研究で、全脂肪牛乳が糖尿病を予防する可能性が示されていることで、乳脂肪に関する常識が今まさに覆されている所です。この牛乳の問題をめぐる混乱は、部分的に、1970年代から続くこの考え方に由来しています: 「脂肪を摂れば太る。」それは完全な誤解なのですが、しかし、どの脂肪が栄養になるのかについて、ある程度の合意が得られたのは最近のことなんです、と内科専門医のロクサーヌ・B・スコルMD/MS(医師/外科修士)がおっしゃっています。
数十年前から、栄養学の分野は、食品の価値を評価する際、質を重視することから、カロリーという形で量を重視することに切り替えてきました。脂肪は比較的高カロリーであるため、スキムミルクのような低脂肪食がアメリカ人の食生活の定番となったのです。
同時に、糖尿病や肥満の割合が急激に増加し、人々はその答を探し始めました。
地中海食―オリーブやオリーブオイル、アボカド、サーモン(サケ)やオーシャントラウト(海洋マス)およびイワシのような脂肪分の多い魚、ならびにナッツやナッツバターなど―に含まれる脂肪の栄養価が高いというのは、一般的に認められている統一見解として存在しています。今、この記事で考えようとしているのは、他の脂肪源がもしあるとすれば、どれが健康と幸福に有益なのか、ということです。脂肪に関するこういった混乱は、患者さんの間だけの話ではありません。多くの医師もどう考えていいのか分からないのです。
無脂肪乳についてもう一度考える
無脂肪乳については、どなたもいくつかのことはご存知のことでしょう。意外に思われるかもしれませんが、農家では、豚に無脂肪乳を与えることが体重を急速に増加させる確実な方法であることが知られているのです。このやり方は、1930年代にオレゴン州立農業大学で行われた実験に遡り―もしかしたらそれ以前からかもしれませんが―現在でも農家はこのやり方に従っています。
また、現在の無脂肪乳は、1950年代や1960年代とは見た目が違うことにお気付きでしょうか?私が子供の頃は、無脂肪乳や乳脂肪分1%ミルクでさえ、水っぽく、緑がかった色をしていました。念のため言っておきますが、今はもうそんなことはありません。では、何か特殊な加工方法によって、無脂肪乳の色や粘度がより飲みやすいものになったのでしょうか?これは、肥満や糖尿病の増加と何か関係があるのでしょうか?(答えを知っている方は、ぜひ教えてください。)
現時点での私の考えでは、牛乳の脂肪分はどれくらいが理想的なのかという議論は一旦脇に置いて、その牛乳の出どころ(※牛の飼育環境)に注目すべきだと思います。オーガニックの牛乳は、牧草を食べて育った牛から採るため、従来の穀物飼料で育った牛から採れる牛乳よりも、遥かに優れた栄養価を示すのです。
牧草飼育の牛は、有益なオメガ3脂肪酸をかなり多く含む牛乳を作るだけでなく、従来型飼育の牛よりもストレスが少ないため、より多くの牛乳を生産し、より濃厚な牛乳を生産する傾向があるのです。
最新の研究で明らかになったこと
学術誌『Circulation(血液循環)』に掲載された研究によると、全脂肪牛乳に由来する3種類の特定の脂肪酸の血中濃度が高い人ほど、糖尿病の発症が少ないことが明らかになったそうです:
- 研究者が、1989-90年から1993-94年の間に採血された3300人の3つの脂肪酸を測定。次に、2010年までに糖尿病を発症した人の数を計測。
- 変数の調整をした結果、血液中の乳脂肪酸濃度が高い人ほど糖尿病の発症率が低く(新規発症が少ない)、低い人ほど発症率が高いことが判明。
別の研究では、牛乳を飲むと無脂肪乳に比べてHDL(善玉)コレステロール濃度が上昇することが報告されています。
オープンマインドを保つ
では、それで?私は全脂肪牛乳を勧めるでしょうか?いいえ、まだです。私たちは、栄養のある食事に含まれる脂肪が妥当かどうか―またそうだとすればどの脂肪が妥当か―を判断するための長い道のりを歩んで来ていますが、まだその途中なのです。
内科医の中には低脂肪食を勧める方もいますが、今では多くの内科医が地中海式ダイエットを勧めています。他のどの脂肪が「栄養満点」なのかについては、その有無も含めかなりの意見の相違があり、その答はまだ明確になっていません。
データが次々と出てくる中、オープンマインド(※開かれた心・柔軟な思考)でいることが大切です。人類がまだ特定できていない栄養価の高い脂肪が、世の中にはもっとあるのかもしれません。乳脂肪は、他の脂肪と一緒に研究すべき題材なのでしょうか?もちろんです!
いつの日か、理想的な食生活の処方箋は、遺伝的あるいは環境的な要因に左右されること、言い換えれば個人個人によって異なってくるということが判明するかもしれません。
個人的には、今後数十年の内に、もっと多くのことが解明されるのではないかと考えています。
個人的な実験
まだ全脂肪牛乳を推奨するわけではありませんが、オーガニック牛乳はお勧めしたいです。牧草で育てた牛のものですね。抗生物質も成長ホルモンも不使用のものです。特に子供たちにはお勧めします。
もし既にミルクを楽しんでいて、どうしたらいいか分からないのであれば、こんな実験をしてみてはいかがでしょうか: オーガニックの牛乳を1ヶ月間飲み、その後オーガニックの無脂肪乳に1ヶ月間切り替えます。そこで、体重とウエストを記録しておくのです。
牛乳を飲んだらウエストが細くなる、血糖値が安定する、集中力が増す、あるいは疲労が軽減するなどの効果が見られたら、その知見を医師に相談してみるのが良いでしょう。
なんと、まさかの「どっちがいいかは私にも分かりません」という、「記事依頼されといて、そんなんあり?!」と思える話ではありましたが、しかし何と言いますか、知らない豆知識もありましたし、分からないことを知ったかぶって断言されるより、一緒に考えてくれていそうに思える読者に寄り添った説明…これは個人的に真摯に感じて、とてもいい記事だった気がしますねぇ~。
そう、途中にありましたが、最初にも書こうと思ってたんですけど、特に「脱脂粉乳」という書き方だと、ジブリ作品の『おもひでぽろぽろ』とかでも触れられていましたが、特に昔の、戦後ぐらいの方たちのイメージって、
「ゲボクソ不味くて誰しもが忌み嫌っていた最低最悪の飲み物、二度と飲みたくない」
という印象を持たれているイメージがあり、日本に牛乳嫌いの子を大量発生させた元凶にも思えるんですけど、スコル医師が語っていた通り、それはあくまで昔の話であり、今のスキムミルクこと脱脂乳ってのは、普通に全然おいしいものなんですよね。
というか日本だけではなく、それは世界的にそうだったんですねぇ~。
まぁ知った風に書いてますけど、当然僕はもうその「不味い脱脂粉乳」は全く知らない世代なので、どんなものだったかは自分で経験はしていないんですが、「本当に粉っぽくて味も劣悪のものだった」と方々で見かけますから、実際に昔の脱脂粉乳は、まるでバリウムを飲むがごとしのレベルで酷かったのでしょう…。
(まぁ僕はバリウムも飲んだことないんですけど(笑))
いずれにせよ、とても良い記事だった気がしますが、とはいえスコル医師お勧めのオーガニック牛乳・低脂肪乳は、こっちに来て最初期に一回だけ間違って買っちゃったことがあるんですけど、少なくとも味の面では本当に普通のタイプと全く何の違いもなく、それでいて値段はマジで数倍する感じのクソ高なので、そこは値段分の価値があるとはどうしても思えなかったため、そっちに手を出すことは僕はしないかなぁ、と思えるかもしれません。
以前も何度か書いていた通り、たまに飲むとあまりの濃厚っぷりに感動も覚える全脂肪牛乳ですが、やっぱり何か重たい気もしますし、現代人の食生活に脂肪はそこまで摂らなくてもいい気がする…と言いますか、どれだけ避けてても勝手に入ってくるのが脂肪ですしね、個人的にはやはり、無脂肪乳がいいんじゃないかなぁ、って気がします。
いずれにせよ、味が好きなら楽しんで飲むのが一番だし、たまに牛乳害悪論なんてのも聞きますけど、やっぱり高タンパクで栄養価が優れているのは間違いありませんから、深く考えずに飲みたい時に飲みたいものを飲む、それがベストかもしれませんね。
