それでは前回も書いていた通り、こないだの睡眠衛生記事で色々挙げられていた睡眠にまつわる四方山話を順に見ていこうかなと思います。
結構な数がありましたが、面倒そうなものから消化していこうということで、スクロールバーが一番短い(=ページとしては長い)ものを単純にピックしてみました、今回は、「夜寝るときにグルグル考え事してしまうのをやめるには…?」というものですね(↓)。
まぁイラスト的にも、というか正直イラストがなくても何となく、「呼吸法です、瞑想しましょう…」といういつものパターンが見られそうな気がしますけど、もしかしたら何か画期的な方法が紹介されているかもしれません、いいテクに期待して、早速参りましょう。
思考の暴走を止め、眠りにつく方法(How To Stop Your Mind From Racing and Get To Sleep)
呼吸法、スクリーンの時間制限、および自分の身体とつながることで、頭の中を駆け巡る思考の渦を手懐けましょう
完全に静寂です。明かりは消え、スマホはスリープモードになっています。自分自身もスリープモードに入りたい所ではないかと思われますが、脳は、容赦なく明日やらなければならないことのリストを駆け巡らせてくるものです。
ベッドに横たわると、一般的に気が散るようなものは周りに少なく、誰しも自分の思考とのみ向き合う形になるため、このようなことは多くの方に起こります。
もしも脳のスイッチをオフに切り替えることができれば、こんなに簡単なことはありません。しかし、脳が時々、延々とひたすら動き続けてしまうのには理由があります…しかもしばしば間違ったタイミングで、ですね。寝る前に頭の中を駆け巡るイメージや思考の無限回廊を、どうやって断ち切ればよいのでしょうか?
行動睡眠医学の専門家であるミシェル・ドレラップPsyD/DBSM(心理学博士/行動睡眠医学専門家)が、思考が夜中に暴走しがちな理由と、睡眠を軌道に乗せるための緩和方法をご説明くださいます。
なぜ夜になると思考が暴走するの?
寝る前に空想にふけることは落ち着くものですし、普通のことである一方、思考の暴走は全く別の次元にあるものです。
「人間は、強い心と体のつながりを備えた主体として存在するという幸運に恵まれています。しかし、ベッドに横になっているのに目が覚めてしまう方のほとんどにとって、その思考は取り立ててポジティブな性質のものではありません」とドレラップ博士が説明しています。「したがって、思考がストレスになると、身体も同じように反応し、体内の闘争か逃走かの反応経路が活性化してしまうのです。」
時間が経つにつれて、ベッドで反芻してしまうこの傾向は、悪循環のループのように強化されていきます。そして、脳が、夜横になると心配事を始めるように条件付けされてしまうのです。
「ベッドそのものが心配や不安と結びついてしまうんですね」とドレラップ博士が語っています。
特にストレスの多い週が続くと、寝る前に脳のクラスターが少し増えるかもしれません。しかし、特にストレスを感じているわけでもないのに、こういったことが何晩も連続で続くようであれば、それは対処すべき問題である可能性も出てきます。思考の暴走は人によって異なって見られるものですが、以下のようなものが含まれ得ます:
- 様々な異なる考えが、絶え間なく急に浮かんでは消える。
- 頭の中が、異なる話題、考え、シナリオに素早く切り替わるように感じる。
- 「明日鍵を忘れたらどうしよう」「ストーブをつけっぱなしにしちゃったらどうしよう」など、様々な「もしも」のシナリオが頭の中を駆け巡る。
- 翌日や翌週の具体的なシナリオを何度も何度も頭の中でループしてしまう。
- 心配事が、心臓の鼓動が速くなったり、呼吸が荒くなったり、汗をかいたり、胸が締め付けられたりといった身体的症状を伴って現れる。
夜間の思考暴走への対処の仕方
幸いなことに、夜中にしてしまう心配事にブレーキをかける方法が存在します。以下、心を休めるために活用できる方法をいくつかご紹介しましょう。
寝る前に瞑想を試してみる
マインドフルネスは、一日中私たちを助けてくれますが、より良い夜の睡眠をセットアップすることも可能なのです。脳を落ち着かせるのは簡単な芸当ではありませんが、瞑想の実践は寝る前の気持ちを落ち着かせるのに役立つことが示されています。
瞑想は、ゆっくりとした呼吸法やその他のリラクゼーション・テクニックによって実現可能です。また、マインドフルネスに基づいたテクニックに取り組むことも、ネガティブな思考を鵜呑みにするのではなく、好奇心の赴くままに自分自身の思考を眺める訓練になるため、効果的と言えます。
「これにより、闘争か逃走か反応による覚醒を抑えることができるんです」とドレラップ博士がおっしゃっています。
しかし、忘れないでください: 瞑想の実践には飲み込むのに何度も練習が必要なので、もしすぐに効果が感じられなくてもがっかりする必要はありません。
その代わり、少しずつ前進していきましょう。寝る前に5分間、ガイド付きの瞑想(アプリ、オンライン動画、または単に音楽を聴くことを通して)をする時間を作ってみてください。そして、5分ならできそうだと感じたら、10分、15分と増やしていきましょう。
ストレスを発散し、感謝を受け入れるために、日誌をつける
日誌は、良い感情も悪い感情も意図的に捨てる場所として有益たり得ます。つまり、寝る前にネガティブな考えに支配されていると感じたら、マインドフルネスの練習として紙に書き出してみることです。
「夜の早い時間に15分を使って心配な考えを記録するという、心配事日誌をつけることが役に立つと思われる方も中にはいらっしゃるかもしれません」とドレラップ博士が提案しています。この日誌は、心配事や、頭の中でグルグル回っている疑問に対して、一時的に距離を置く場所にもなり得ます。
「自分の考えに挑戦したり、自分自身の『もしも』に答えたりすることを学ぶことは、不安な思考を減らすのに役立ち得るんです」とドレラップ博士が付け加えています。これは、心配事をベッドに持ち込まないように、それを封じ込めてしまう具体的な方法なのです。
反対に、感謝の気持ちに焦点を当てた、よりポジティブな日記を別に書くことも出来ましょう。「就寝直前に感謝の気持ちを持つことで、体が落ち着き、寝る前の思考がもっとポジティブなものになりますよ」とドレラップ博士が付記しています。
自分の身体と改めてつながりをもつ
積極的にリラックスしようとするまで、身体が緊張していることに気付かないことさえあるかもしれません。また、高鳴り続ける不安な思考は、筋肉の緊張や更には胸の張りなど、いくつか異なる身体症状を引き起こす可能性があります。
漸進的筋弛緩法は、ストレスが体に及ぼす影響をリラックスさせるのに有効な良い方法であることが分かっています。ボディスキャン同様、漸進的筋弛緩法は、目を閉じ、異なる部位―つま先から肩まで、全身を駆け上がる形で―を緊張させたり弛緩させたりしながら、体の特定の部位に集中していく方法です。
また、いつでもどこでもできる実践法なので、自分の体と向き合い、心の混乱を収束させるのに最適な就寝前の習慣として使えるものとなっています。
寝る前に軽いストレッチやあるいはヨガなんかもして、緊張をほぐし、自分の身体ともっとつながるようにするのも良いですね。
就寝前のスクリーンタイム(※電子機器の画面を見る時間)を減らす
当然のことながら、就寝前に世界中の情報を一度に見ることができる明るいスクリーンを見ることは、間違いなく思考の暴走を引き起こしたり、悪化させたりし得ることとなっています。
しかし、多くの人が知っているように、寝る前にスマホを脇に置くのは、言うは易く行うは難しです。まずは、寝る前の緩衝地帯を作ることから始めてみましょう。特にマジックナンバーがあるわけではありませんが、寝る前の30分から1時間の枠で画面を見ない時間を作ると、気持ちが落ち着く助けとなり得ます。その時間帯は、心を落ち着かせるために、いかなるタイプのスクリーンも使わないようにしましょう。
ドレラップ博士が指摘されているように、スクリーンタイムは脳に過剰な刺激を与えがちで、スクリーンが発する光は睡眠覚醒サイクルを調整するホルモンであるメラトニンの分泌を遅らせてしまいます。
スマホを断つことで、脳に、もう寝る時間だよ、という信号を送る手助けにもなりますね。「30~60分にわたって緊張緩和の時間を設けることで、脳にもうすぐ寝るという合図を送ることになり、入眠がより容易になるんですよ」とドレラップ博士がおっしゃっています。
医師に相談する時
中には、寝る前に繰り返し起こる不安や心配が、不安障害や不眠症の兆候である場合もあり得ます。特に、毎晩何時間も眠れなくなったり、日中に倦怠感や疲れを感じたりする場合は、思考の暴走が日常生活に影響を及ぼし始めているサインかもしれません。
生活習慣の改善やリラクゼーション法を試みても思考の暴走から解放されない場合、もし不安が主に睡眠を妨げているだけであれば、行動睡眠医学心理士に診てもらうのが次のステップになり得ます。日中も思考が暴走して不安を感じている場合は、不安障害を専門とする心理学者やメンタルヘルス対応の医療機関を受診するのが次の最善策かもしれません。
場合によっては、寝る前の不安を管理するために、医療従事者から治療と組み合わせて特定の薬を勧められることもあり得ます。一般的に勧められる得る薬には、以下が含まれます:
- 抗うつ薬: 特定の抗うつ薬は、不安や思考の暴走に効果的な可能性があります。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が一般的に使用されます。
- 抗ヒスタミン薬: ジフェンヒドラミン(ベナドリル®)といった市販の抗ヒスタミン薬には鎮静作用があり、睡眠のサポートに使用されることがあり得ます。しかし、こういった抗ヒスタミン薬は不安を治療するために特別にデザインされたものではないので、誰にでも効くとは限りません。
人間は1日におよそ5万個の思考を行っています。そのため、時折心配なことを考えたり、状況不安を経験したりするのは普通のことです。しかし、人によっては、それをコントロールするのが難しく感じ始めることもあるかもしれません。寝る前に思考が暴走しているのであれば、特定のストレスが生活に影響を及ぼしているという兆候の可能性があり得ます。しかし、もしそれが永続するようであれば、医療従事者に相談し、侵入的思考を寝かしつけるための選択肢について詳しく教えてもらうとよいでしょう。
うーん、正直、ここに書かれていることで(薬はともかく、自分でできるアクションなんかだと)解決なんてするのかなぁ、と半信半疑に思えてしまいますが、まぁそれは僕自身が深刻な不眠や頭グルグルに悩むことがないので、あんまり真剣に捉えてないだけかもしれません。
僕自身は、もう1年以上も前の記事になりますけど、交感神経・副交感神経の話を見ていた時に、自分なりの方法を書いたことがあったのですが(↓)…
(というか、今回の記事のタイトルを当初「眠れない夜は…」にしていたのですが、100%完全に同じだったので、今変えました(笑))
…まぁ、これは僕に特化した内容なので、人それぞれ合う方法は絶対に違いますし、「クリーブランド・クリニックが提唱する方法より絶対こっちの方がいい」なんてことはあり得ませんから、やはり基本は今回も出てきていた、前回のPMRやその他体系的に確立されたヨガの手法に従うのが一番かもしれませんね。
最終的には、自己流にアレンジした自分に合った方法が絶対にベストだと思うので、入眠に悩む方はあれこれやってみるのもいいように思えます。
どなた様も快適な睡眠が貪れることを願ってやみません。