あの白い粉は…?

早速ご質問の続きに参りましょう。

 

こちらももちろんおなじみ、アンさんよりいただいていたコメントからの抜粋になります。

 

毎度大変面白い着眼点のナイコメ(ナイスコメント)、誠に感謝の限りです…!

 

あ、あと、アルカリ性は灰の意味からきてるということでしたが、

運動場に白いラインを引くラインパウダーっていうんですかね…?あれが石灰というのは昔どこかで仕入れていた情報なんですけど、そうすると、あれはアルカリ性ということになりそうですよね?


そして、あれが水酸化カルシウムや炭酸カルシウムというのも何気に記憶にあって(うろ覚えですが)…

ということは、「酸」とついても酸性ってことはない…?っていう疑問は、、

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

↑中学生以下レベルでした笑


まぁそんな感じで…

細かい疑問はまだまだ出てきそうですが、しょうもな過ぎますね笑

 

⇒これまためちゃんこおもろいポイントの詰まった、脱線しがいのある話をいただけました(笑)。


まさに「石灰」は、小学校の理科どころか何気に白線など学校生活でも登場するやつですし結構おなじみの言葉・物質かもしれませんが、こいつは基本的に「カルシウム」関連のものを指す用語になります。

ja.wikipedia.org
しかしこれは特定の物質を指す言葉ではなく、複数の物質を含むいわば総称的な名前にといえる感じですね。


高校化学ではバッチリ覚えさせられますが、ウィキペ記事にも掲載されていましたけど、せっかくなので石灰ファミリーをおさらいしておきましょう。


あと石灰岩とかもありますが、これは石灰石を多く含む鉱物全般のことで、純物質というより、混入割合によって色も変わってくる大理石みたいなもんなので、あまり化学の授業では出てこない気がします。(むしろ地学の分野…?)

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

とりあえず高校化学頻出のそのファミリー4つだけでも、言うまでもなくクソややこしいわけですが、僕の高校の化学の授業は本当に分かりやすく、バッチリ覚え方も教わりました(まぁ、別にそんな特別なものではなく、大抵そう覚えるやろ、って話かもしれませんが(笑))。


まず生石灰は、これは「生きるためには酸素が必要」ってことで、カルシウムに酸素が付いた酸化カルシウムCaOのこと、そして消石灰は、「火を消すには水」ってことで、水っぽい水酸化物イオンとくっついた水酸化カルシウム・Ca(OH)2で、しかも石灰水も同じく水関連ってことで、石灰水はこいつを溶かした水溶液というのも何となく分かりやすい感じ、そして石灰石は、まぁ「あと残ってたのは炭酸塩だったな」みたいなイメージがあれば消去法でこれになるといいますか、「石灰石のことは別名『炭カル(たんかる)』とも呼ぶからな、それで覚えられるだろ」と、化学の先生に埋め込まれてきちんと今の今までちゃんと記憶に定着している感じになっています。

(まぁ、石灰ファミリーの区別が付いた所で、生きる上でいいことは特に全く何もありませんが(笑))

 

見た目はどれも白い粉末で、消石灰は↑の「石灰」記事のリンクカードにもありましたが、アイキャッチ用にスクショ画像をお借りさせていただきましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/石灰より

 

一方、石灰石は、「石」っていうだけあってこいつはカタマリとして存在する物質ですけど、何となく炭酸がくっついて出来たっぽいイメージがする……しない…??

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/石灰石より


まぁ「炭酸」なんて日常生活ではジュースのシュワシュワしかイメージもないですし、全くそんなイメージもないかもしれないですけど、何とな~く、シュワシュワが固まったような印象があると言えなくもないのではないでしょうか。

 

(なお、何気に実は「石灰石」自体も石灰岩に近い用語といいますか、これは炭酸カルシウムが鉱物化したものを指す言葉であり、実は純粋な炭酸カルシウム自体は、これも、そんなにサラサラはしていないけれど、決してストーン状ではなく、白い粉になっています↓)

https://ja.wikipedia.org/wiki/炭酸カルシウムより


ウィ記事にもある通り、これはチョークの粉なんかでも主成分として使われているもので馴染み深いともいえましょう。


いずれにせよ、基本的にこいつら「石灰」がつくやつらは、みなカルシウムファミリーだ、ってことなんですね。


…と何となく、カルシウムって、もしかしたら日本語というか漢字で「石灰」と書くのか…?と思ったらこれはそんなことはなく、「カルシウム」という漢字はまさかのこんな感じ(↓)でした。

ja.wiktionary.org
知らねぇ~、何か物足りない感じがしてキメェ~(笑)。

 

そもそも一文字漢字があったことすら意外でしたが、まぁ石灰はあくまでも「カルシウムの化合物」を指すことが多いという形ですね。

(最初のWikipediaによると、一応、「石灰」でカルシウム単体そのものを指すこともあるみたいですが…)

 

なお、カルシウムというのは「水兵リーベ…」でおなじみ、周期表でいうと第2族に属するもので、これは「アルカリ土類金属」と呼ばれるグループであることからも明らかな通り、こいつは基本的に水に溶けて強いアルカリ性を示します。


したがって、アンさんの書かれていた「アルカリ性ということ?」というのはまさにその通りでして、生石灰消石灰も水に溶かしたら強いアルカリ性を示し、また、炭カルは、水にはあまり溶けないものの(先ほど貼ったWikipedia記事によると、1リットルの水に、わずか0.015グラムしか溶けません)、これは実は中学の理科で習わされるのでおなじみかもしれない、「石灰石にうすい塩酸をかけると、二酸化炭素が発生する」ということからも分かる通り、「酸と反応する物質」であるため、こいつも間違いなく塩基性物質だといえる感じですね(そもそも、酸と反応するものを塩基と呼ぶため)。

 

そして、コメントにありました運動場の白線、これもまさしく石灰ですね!


僕は、中学の先生が「消石灰引きたい人~」とかよく言ってた記憶があるので(もちろんそのときは「消石灰」というより、「しょうせっかい(小石灰?)」という謎の語に思えていた気もしますが(笑))、あの白線は消石灰だと思っていたのですが、まさしく「ラインパウダー」というタイトルのウィ記事(↓)によると…

ja.wikipedia.org

かつては消石灰水酸化カルシウム)が用いられていた。消石灰は強いアルカリ性を示し腐食性があるなど安全上問題があり、消石灰を詰め替える際に目に入る、選手が転倒した際に皮膚に触れケガをするなどの事故が相次いだ。皮膚に触れるとかぶれることがある。1990年代頃からは炭酸カルシウムや石膏など、より安全性の高い別の素材に転換されつつある。


なんと、いつの間にかあの白線は消石灰ではなく、炭カル=石灰石なんかに取って変わられていたんですね!

まぁ炭カルも一応同じく塩基性物質っちゃあ塩基性物質ではあるんですけど、消石灰よりは反応性や腐食性が低いので、多少はより安全だってことですね。

「90年代頃から転換されていった」ということで、僕が中学生の頃はもう変わってたのかもしれませんけど、消石灰呼びしていたその先生もおじいちゃん先生でしたし、アップデートできてなかっただけなのかもしれません(笑)。


続いて一方、石灰水の方は、これも理科実験でおなじみの、「石灰水に息を吹き込んでいくと、白く濁る」ってやつで、今は何でも動画ですぐ実際の様子を確認できるから便利ですね、まさにこんな感じです↓

www.youtube.com

これは、呼気に含まれる二酸化炭素(=いわば炭酸ガスで、酸性の物質です)とアルカリ性溶液である石灰水とが反応を起こすためで(できる塩は「炭酸カルシウム」であり、こいつは上述の通り水に溶けにくいため、こうして白濁するわけです。決して実験者の息が汚いってわけではない感じですね(笑))、これは立派な中和反応といえますね!


なお、この動画にはありませんでしたが、実は息を吹きかけ続けることで溶液が酸性に傾き、塩基性物質である炭酸カルシウムは酸性条件だと実は水にそれなりによく溶ける性質があるため、「白濁した溶液は、また透明化する」というのも確か理科の授業でも教わった気がしますけど、それは高校レベルの話だったかもしれません。


…と、ここまでで3つの石灰ファミリーが登場しましたが、あと生石灰、こいつは何か社会の役に立っとんのかといいますと、実は一番立っているまであるかもしれないものになります!

 

そう、生石灰は、崎陽軒の加熱式「ジェットボックス」シウマイ弁当などでおなじみ、火を使わずに簡易に加熱可能なシステムとして、温かいお弁当を新幹線で食べたい民にとって大変ありがたい装置として、大いに使われているのです!

(言うほど社会の役には立ってねーだろ(笑))

 

(あれ、ジェットボックス、触れたことなかったっけ…?と思ったら、まさにミネラルシリーズの記事(↓)でもう触れてましたね(笑))

con-cats.hatenablog.com

まぁ既に触れていたので今さらでしたが(笑)(もちろん、新幹線で使うと、周りにクッソ迷惑に思われて気まずい、という孤独のグルメの話をもってくるつもりでした(笑))、僕はジェットボックスを使ったことがなかったんですけど、確かこの記事(↑)を書いた後、例の元同僚のアサカさんから気まぐれに色々な中華製品の食べ物箱詰めなんかが送られてきまして、その中に、結構本格的な大きいボックスのヌードルがあり、何じゃこれはと思ったらまさに生石灰を使っていたのであろうと思われる、加熱式の商品だったのです。


初めて使ってみましたが「温めるっていっても、申し訳程度にヌクくなるぐらいちゃいますのん?」とか思っていたんですけど、生石灰の発熱を舐めてはアカンですね。


マジで、ポットから注いだお湯よりも遥かに高熱の、「これ中で沸騰しとんちゃうか?すげぇアチアチだぞおい、爆発すんじゃねぇか…」と思えるぐらい、鍋を使って調理したぐらいの、めっちゃ本格的なヌードルができるという結構な代物だったのです。


まぁなぜか激辛のものばかりが送られてきまして、味は美味しいというより「辛ぇよ!!…を通り越して、痛ぇよ!ふざけてんのか(笑)」と思えるものでしたが(笑)(まぁ嫌がらせという訳ではなく、アサカさんが割と辛いものが好きという理由に思いますが)、せっかくアチアチになったものを、「これじゃ熱いと辛いのダブルパンチだよ…」と食べることすらできず、完全に冷ましてから食べたように記憶してますけどね(笑)。


とはいえ、「へぇ~、少量の水(それは、紐を引っ張るタイプではなく、水を外から加えるタイプでした。なので、かなりの熱を発生させられた感じです)でここまでの熱が生まれるって、やっぱり化合物の発熱反応は凄いなぁ」と思える印象的な出来事ではあった感じでした。



ご質問に戻って最後、「酸がつくものは酸性ちゃうん?」というのは、知恵袋に「中学生じゃねぇんだからよ…」という厳しい意見もありましたがまぁ嫌なことを言う人は無視して(笑)、その下の「名前の最後に酸が付いてたらまぁまず酸性です。名前の途中に酸とか  最初に酸化とかが付いてる場合はそうじゃないけどね」というのはナイスなアドバイスですね。

(さらに、ベストアンサーの方が「途中に酸がつくもの、それぞれあります」と具体例を挙げられていたのも分かりやすかったですが。)


実際ややこしいですし、名前に騙されないようにしましょう、という好例といえる感じでしょうか。


では、石灰ファミリーで結構いいボリュームになったため、続きはまた次回とさせていただこうと思います。

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