口内炎とは似て非なるもの、口唇ヘルペスとは

それでは前回口内炎に続き、ごっちゃになりがちな、(和名は全く別物ですが)英名もかなり似ている、口唇ヘルペスについて見ていくといたしましょう(↓)。

 

my.clevelandclinic.org

 

一般的な「口内炎」の英名は「canker sore」でしたが、口唇ヘルペスについては、「cold sore」と、直訳すれば「冷たい痛み」という、何ぞ漠然としとるな…と思える呼び名の極みですけど、これは恐らく、これがウイルスによって起こる病気だと判明する遥か昔からそういう風に呼ばれていたのが使われ続けているのでしょう。

(と言っても、別名「熱疱疹」なのにcoldとはこれいかに…と思えますが、語源の説明が記事内にあることを期待したいですね、ないかもしれませんが…)

 

名前はともかく、僕は偉そうに「口内炎ヘルペスは似てますからねぇ~」とか書いてたんですけど実はヘルペスがどんなものなのか全く知らなかったんですが、画像を見てビックリ、唇や、口の周りといった、基本的に外側にできる出来物のことだったんですね!

 

「どう考えても「口炎」じゃねぇじゃん、こんなのごっちゃになるヤツホンマにおるの…?!」と思えたものの、まぁ英語だと「口内」という名称ではないですし、実際口周りにできるもので、出来物の見た目そのものはまぁ似てるっちゃ似てるとは言える感じでしょうか。

 

一体どんなものなのか、今回も早速HEALTH LIBRARY記事を参考にさせていただきましょう。

 

口唇ヘルペス(Cold Sores)

口唇ヘルペスは、口唇ヘルペスに感染したときに唇の上や周りにできる、痛みを伴う出来物です(※日本語だと当たり前すぎてバカらしい文章ですが(笑)、英語の一般病名はcold soreで、前者にはその言葉が使われていた一方、この文の後者では具体的な感染ウイルスとしてoral herpes(まさに「口唇ヘルペス」という意味ですね)という名が使われていた形です)。一度口唇ヘルペスに感染すると、ウイルスは一生体内に留まります。時々、ウイルスが再活性化し、口唇ヘルペスの突発的再発を引き起こすことがあるかもしれません。口唇ヘルペスは非常に感染力が強いです。完全に治るまでは、患部の皮膚で他人に触れないようにしましょう。

 

概要

口唇ヘルペス(英語でも、cold sore以外に、oral herpesとも)は、口や唇の周囲にできる液体を含んだ水疱です。

口唇ヘルペスとは何?

口唇ヘルペス(熱疱疹 (fever blister) とも呼ばれます)とは、単純ヘルペスウイルス (HSV) 感染に伴う皮膚の水ぶくれです。典型的には、唇の上や口の周りの皮膚に形成されます。しかし、鼻、頬、あごを含む、顔の他の部位にできることもあり得ます。

 

口唇ヘルペスの症状はどんなもの?

口唇ヘルペスの出来物そのものが、ウイルス感染による症状です。これは、単純ヘルペスウイルス(HSV)が人生のある時点で体内に侵入し、神経細胞に住み着いていたことを意味しています。HSVは感染者の頭部の神経で休眠(潜伏、または「眠り」)していますが、定期的に再活性化し、口唇ヘルペスを引き起こすのです。

HSVが初めて感染した時(一次感染)には、口唇ヘルペス以外の症状が現れることがあるかもしれません。これには以下が含まれます:

  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 喉の発赤や腫れ
  • 歯茎、舌、および口蓋など、口の中の痛みを伴うただれ

こういった症状により、飲食が困難になることがあり得ます。通常、後にウイルスが再活性化する際は、こういった症状は出なくなります。その代わり、ただ単に口唇ヘルペスが形成される形となっていきます。

 

小児に起こり得る合併症

口唇ヘルペスの一次感染は、小児期、特に1~5歳の子どもによく起こります。お子様が十分な水分を摂取するのに困難を伴っている場合は、脱水の徴候に注意してあげることが重要です。

また、お子様が親指をしゃぶったり、患部に触れたりすると、指に別のタイプのHSV感染症(疱疹性ひょう疽)を起こす可能性もあります。

 

口唇ヘルペスのステージとは?

口唇ヘルペスは1~2週間かけて発症し、治っていきます。典型的な口唇ヘルペスの発生は以下のようなものが予期され得ます:

  • 1日目。唇やその近くの皮膚に、ヒリヒリ感、かゆみ、痛み、またはしびれを感じます。この部位に口唇ヘルペスが形成されます。医療従事者はこれを前駆期(prodromal(「proh-DROH-mul(プロォ・ドロー・マル」と発音します))と呼んでいます。これは、HSVが患者さんの体内の神経細胞で再活性化し、ウイルス自身がコピーを作り始めた(複製し始めた)ことを意味します。前駆期は口唇ヘルペスが形成されようとしている警告サインです。
  • 1~2日目。前駆期が始まってから24時間以内に、唇の上やその周囲に出来物ができます(多くの場合、外縁部に沿って)。平均して3~5個の出来物ができますが、もっと多かったり少なかったりすることもあるかもしれません。数時間以内に、この出来物は液体で満たされ、水疱状になります。患部は赤く変色し、腫れて痛みを伴います。
  • 2~3日目。水疱が破れ、透明またはわずかに黄色の液体がにじみ出ます。これは時に、「滲出期 (weeping phase)」と呼ばれることもあります。
  • 3~4日目。水疱の滲出が止まり、痂皮(かひ)が形成されます。痂皮はしばしば黄金色のかさぶたのように見えるものです。痂皮は治るにつれて患部を覆っていきますが、時にはひび割れたり出血したりすることもあるかもしれません。
  • 14日目まで。かさぶたは通常、発生から6~14日以内に剥がれ落ちます。完全に治癒するまでの数日間は、その下の皮膚がいつもより少しピンク色や赤色になることがあり得ます。

 

口唇ヘルペスはどのくらい続くの?

口唇ヘルペスは通常1~2週間続きます。免疫力が低下している場合は、症状が重くなり、治癒に時間がかかることがあるかもしれません。

 

考えられる原因

何が口唇ヘルペスを引き起こすの?

単純ヘルペスウイルス (HSV) への感染が、口唇ヘルペスを引き起こします。HSVには2つの型があります(HSV-1とHSV-2)。HSV-1が、口唇ヘルペスにつながるほとんどの症例を引き起こします。しかし、HSV-2も口唇ヘルペスやそれに関連する炎症を引き起こすことがあり得ます。

様々なことが口唇ヘルペスのトリガー(引き金)になり得ます。病気、ストレス、日焼け、口の周りの外傷、ホルモンの変化(月経中や妊娠中など)は、そのほんの一例です。ご自身のトリガーを知ることで、発症を避ける一助となり得ます。しかし、突発性の発症は予測不可能に起こることもあり得るものです。

 

口唇ヘルペスは伝染する?

はい、非常に感染力が強いです。他人の口唇ヘルペスに触れると、HSV感染症を発症する可能性があります。感染部位は、体のどの部分が口唇ヘルペスに触れたかによって異なります。

例えば:

  • 口唇ヘルペスを発症している人にキスをすると、口の中にHSV感染症を発症する可能性があります(口唇ヘルペス)。
  • 口唇ヘルペスを発症している人があなたに対してオーラルセックスをした場合、あなたの性器にHSV感染症を発症する可能性があります(性器ヘルペス)。
  • 指で(自分自身または他人の)口唇ヘルペスを触ると、指にHSV感染症を発症する可能性があります(疱疹性ひょう疽)。

口唇ヘルペスに感染している人は、皮膚と皮膚の接触および唾液を介してもHSVを拡げる可能性があります。つまり、知り合いが口唇ヘルペスを発症している場合は、以下のことは避けるべきです:

  • キスをする
  • フォーク/スプーン、ストロー、コップ、リップクリームなど、口に触れるものを共有する
  • 相手の患部に触れる
  • 相手の患部と接触するような性行為をする

 

口唇ヘルペスはいつまで感染力があるの?

初めてヒリヒリする感覚やその他の皮膚症状に気付いたとき(前駆期)から、完全に治癒するまでは感染力があります。かさぶたが剥がれ落ち、その下の皮膚が元通りになれば治癒したと判断できます。

口唇ヘルペスは、最初にできてから24時間以内に最も感染性が高くなります。「感染性」とは、病気になるために必要な雑菌(この場合はHSV)の量を意味します。ウイルスやその他の細菌の感染力が強い場合、ほんの少しで病気になります。

そのため、口唇ヘルペス感染の初日は、HSVが、患部から他の人に超簡単に感染します―例えばキスやストローの共有を通じてです。しかし、HSVはその前も後も、発症している間は感染する可能性があります。つまり、出来物ができそうな兆候を感じたら、すぐに周囲に注意を払う必要があるわけです。

 

ケアと治療

口唇ヘルペス治療について知っておくべきことは何?

口唇ヘルペスを取り除くための治療法には、以下が含まれます:

  • 局所麻酔薬。局所麻酔薬は、患部に塗るジェルです。薬が皮膚を麻痺させ、一時的に不快感を和らげます。これにより、飲食が容易になり得ます。
  • 局所抗ウイルス薬。患部に塗るクリームです。ドコサノール(アブレバ®が一般的な商品名)のように処方箋なしで入手可能なものもあります。他には、ペンシクロビルのように処方箋が必要なものもあります。
  • 経口抗ウイルス薬。飲み込む薬です。処方箋が必要です。初めて口唇ヘルペスが発症した場合、または酷い口唇ヘルペスが発症した場合、担当医から経口抗ウイルス薬を処方されることがあるかもしれません。経口抗ウイルス薬は、幼児や免疫不全の方々がHSV合併症(眼性ヘルペスや疱疹性ひょう疽など)を発症するリスクを下げることも可能です。

局所麻酔薬は、治癒には影響を及ぼしません。抗ウイルス薬は治癒を早めます。抗ウイルス薬は、口唇ヘルペスができてから48時間以内に開始するのが最も効果的です。

口唇ヘルペスが頻繁に発生したり重症化したりする場合は、かかりつけの医療従事者から毎日の抗ウイルス薬投与(慢性抑制療法)を勧められることがあり得ます。このタイプの治療法を用いることで、口唇ヘルペスの発生および重症化することが少なくなるかもしれません。この治療がどのようなものか、またご自身に適しているかどうかについては、かかりつけの医療従事者が詳しい説明をしてくれることでしょう。

 

医師に連絡する時

いつ医療機関に連絡すべき?

以下のいずれかに当てはまる場合は、口唇ヘルペスについて医療機関に連絡してください:

  • 初めて発症した。
  • 治療法について相談したい。抗ウイルス薬は、出来物ができつつあると感じたらすぐに服用するのが最も効果的です。
  • 口唇ヘルペスが10日以上経っても治らない。
  • 患部が非常に大きい、または非常に痛い。
  • 口唇ヘルペスか他の病気か分からない。
  • 歯茎の腫れや口の中のただれなど、他の症状がある。
  • アトピー性皮膚炎やHIVに感染している(口唇ヘルペスが重症化したり、合併症を引き起こす可能性が高いです)。
  • 免疫力が低下している。

お子様が口唇ヘルペスを発症し、上記のいずれかに当てはまる場合は、小児科医に連絡してください。

 

新生児ヘルペス

HSVに暴露された新生児は、単に口唇ヘルペスを発症するだけではありませんー代わりに新生児ヘルペスと呼ばれる生命を脅かす疾患を発症する可能性があります。新生児がHSV接触したと思われる場合(例えば、口唇ヘルペスに感染した大人が新生児にキスをした場合)、または新生児に水疱のような症状がある場合は、直ちに小児科医に連絡してください。新生児ヘルペスの赤ちゃんは、早急な治療が必要です。

 

その他のよくある質問

口唇ヘルペス vs 口内炎―違いは何?

口唇ヘルペス口内炎も、どちらも口の辺りにできる小さくて丸いただれです。両者には、以下を含むいくつかの重要な違いがあります:

  • 何が引き起こすのかHSVが口唇ヘルペスの原因であるのに対し、口内炎にはウイルスに起因しない多くの原因があります。
  • 伝染性の有無。口唇ヘルペスは伝染します。口内炎は伝染しません。
  • 形成される正確な場所。口唇ヘルペスは通常、唇の上や口の周りにできます。口内炎は口の中にできます。

 

口唇ヘルペスが口の中にできることはあるの?

口唇ヘルペスが口の中にできることは、時々あります。これはHSVに初めて感染したときに起こる可能性があることです。その後、ウイルスが再活性化する際は、唇や顔にのみ口唇ヘルペスができることでしょう。しかし、免疫不全の場合は異なります。この場合、口唇ヘルペス突発の一部として、口の中にも出来物ができるかもしれません。

 

口唇ヘルペスは常にヘルペスが原因なの?

はい、口唇ヘルペスは常に単純ヘルペス感染の徴候です。しかし、唇の全ての出来物や炎症が口唇ヘルペスではないことにはご留意ください。例えば、本当は唇にニキビがあるのに、口唇ヘルペスだと思ってしまうことはあるかもしれません。

唇のただれや水疱について確信が持てない場合は、医療機関に相談してください。かかりつけの医療従事者が、口唇ヘルペスなのか、それとも他の病気なのかを判断する手助けをしてくれます。

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

口唇ヘルペスが人に与える影響は人それぞれです。もしかしたら、あなたの友人は、体調が悪い時にしか口唇ヘルペスを発症しないかもしれません。でも、もしかしたらあなた自身は、いつも痛みを伴うただれができていて、治るのに永久に時間がかかると感じているかもしれません。口唇ヘルペスで生活に支障をきたしているなら、医療機関に相談しましょう。早く治すための治療法があります。また、かかりつけの医療従事者から、毎日服用する薬を勧められることもあるかもしれません。口唇ヘルペスは多くの人に共通する問題ですが、日常生活に支障を来すようなものではないのです。

 

冒頭、「一度口唇ヘルペスに感染すると…」という文を見て、「免疫獲得により、二度は感染しません」と来るのかなと思いきや、「ウイルスは体の中に一生涯残り続けます」と来て、「うへぇ…!」と声が出てしまいました。

 

更に読むと、何気にほとんどの人が幼児期に罹るタイプのもので、罹ったら全員が一生再発に悩むようなものではないようではありますが、やっぱり怖いですね…!

 

最初に書いていた「cold sore」と呼ばれる所以ですが、この記事にもWikipedia記事にも「cold」の理由はなかったものの、信憑性は少し落ちますが、有識者による匿名Q&AサイトであるおなじみQuoraに、回答案が載っていたのでそれを紹介して終わりとしましょう。

 

www.quora.com

 

…諸説あるもののどうやら、「風邪をひいている時に発症しやすい出来物」という理由だそうで、風邪は英語でcoldですから、何てこたぁない、「風邪おでき」とでも呼ばれているような感じだったわけですね(「熱疱疹」の方も、「熱を出している時に…」というのが理由で、正反対かと思いきや結局同じことを言っているのでした)。

 

体調不良だと体内に潜んでいるヘルペスウイルスが暴れ出すということで、やはり体調には気を付けたい限りですね!

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