前回は時間に追われながらウニのお尻の無修正画像などを見てキャッキャしていましたが(笑)、他にもウニの解剖図ならぬ断面図のイラストも紹介することで、みんな大好きウニの中身にまで触れていました。
まぁウニはそんなもんかな…と思っていたのですが、そういえばもう一つ触れておきたかった名前ネタがあったので、ちょっくらそちらにも触れることでもうちょい記事の水増しを図らせていただきましょう。
ちょうど前回イラストをお借りしていた、ウニの生態を解説してくれているPDF記事に、「概要」として、ウニの種類などがまとめられていた表があったのですが、その表によると日本にいるウニは約160種、そしてウニなんて日本の寿司でしか食べられてなさそうだし日本特産品なのでは…?とか思ったら実は世界には約950種ものウニがいるとのことで、特に日本の名産ってわけでもなかったのですが、日本で食用とされているのは、その内なんと6種のみ!
ただ、世界では10種程度が食用として使われているということで、やっぱりあんなエイリアンみたいな見た目のウニを好んで食べているのは我々日本人がほとんどということになりますからある意味誇らしいですけど(まぁ僕は食べませんが(笑))、せっかくなのでクイズと洒落込んでみましょう……以下のおもしろネーミングあふれるウニファミリーの内、食用にされているものは一体どれでしょうか…?
食用ウニを、ぜひ当ててみてください…!
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マンジュウウニ
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ベンテンウニ
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アスナロウニ
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オトヒメウニ
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ウラシマウニ
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ツガルウニ
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クロウニ
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サンショウウニ
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ラッパウニ
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バフンウニ
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パイプウニ
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カシパン
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タマゴウニ
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オウサマウニ
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マツカサウニ
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ドングリウニ
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ダイオウウニ
…いやぁ~、何とも面白い名前が多いですねぇ~。
まぁ「カシパン」のような既にこないだ触れていたゴミもいますけど(笑)、食べられる・られないをご回答いただき、全問正解した人は凄い!
…「凄い」だけで何の商品もなくて恐縮ですが(笑)、答えはズバリ……
……上に挙げた面白い名前のウニズの内、食べられるのはなんと………
「馬糞」のみでしたぁ~!!
そう、「6種いるけれど、6種全部挙げるとは言っていない」ということで、食用は1つだけ上げてで他は全部非食用のをピックしたというカスみたいな意地悪クイズで申し訳ない限りだったのですが、なんと、一番あり得ない名前に思えるバフンウニが、代表的な食用ウニのひとつなんですねぇ~。
ちなみにこいつは生命科学実験でもよく使われるウニで、学生実験で僕が使ったのもバフンウニ由来の試料であり、確かそこで「バフンウニ」って名前を初めて見た気がしますが、「ひでぇ名前だな(笑)」と誰もが思うこのバフンさん、名前の由来は当然のごとく、「見た目がウマのフンっぽいから」という身も蓋もない話となっています(笑)。
…確かにバフンっぽすぎる(笑)。
とはいえ改めて、味は名前に反して美味であり、特に北の方に棲息しているバフンウニの仲間といえるエゾバフンウニは、ウニの中でも最高級だといわれているようですね。
そんなわけで、マンジュウとかタマゴとかドングリとか、その他美味しそう&面白い名前のやつらは全員食用というわけではない、正直人間にとっては何の価値もないクズのようなウニということで(いやヒトカスが食べないだけで、生態系においては「みんなみんな生きているんだ友達なんだ~」という話ではありますけどね(笑))、名は体を表さない好例、名前で人(ウニ)を判断するのはやめましょう…という教訓にもってこいの話だったといえましょう。
ちなみにバフン・エゾバフン以外の食用4種は、ムラサキ・キタムラサキ・アカ・シラヒゲの各ウニだそうで、クロウニはダメなのにアカ・ムラサキ・シロ(白髭)、そして茶(バフン(笑))はいけると、そう覚えておくのがいいかもしれませんね(覚える価値もない話ですが(笑))。
…と、前回断面図もイラストで見ていましたが、あらゆる解剖図然り、分かりやすい絵だとまぁ分かりやすいっちゃ分かりやすいんですけど、実際の生体の中って血が付着しているのはもちろん(まぁウニには血液はないですけどね)、意外とイラストのように整理整頓はされていないので、現物を見ないとよぉ分からないともいえるものです。
僕もずーっと前の記事でも触れていた通り(↓)、基本的に不器用で失敗から学ぶタイプの人間ゆえ、解剖の実験では(特に数の限られている学生実験だと、生体サンプルは「失敗した、やり直し!」が中々できませんしね)ザリガニもカエルも全然上手くいかず泣きながら解剖していたという記憶も新しいのですが……
…前回も書いていた通り、ウニはそういえば触ったことがないのでどんなものか全く想像もつきませんし、ここはYouTube先生の力をお借りさせていただきましょう。
ウニは英語でSea urchin(シー・アーチン)、urchinというのは原義は「ハリネズミ」で、転じて「いたずらっこ」みたいな感じで使われる英単語ですけど、まぁそれに「Sea=海」がついて、ウニに相応しい名前ですね、ズバリ、Sea Urchinをdissect(解剖)してくれている動画がありました!
いやぁ~、一昔前なら、こういうものは百科事典でも見ることができなかったのに、本当に素晴らしい時代になったものです。
非常~に分かりやすい動画で、英語が分からなくても普通に映像だけでも十分ですし、字幕を表示させれば英語の勉強にもなるという良き教材ですね。
個人的に印象深い点を、いくつかスクショで撮らせていただきましょう。
まず、「ウニはヒトデ(Starfish)の仲間なのです」という話から始まっていましたけど、動画ならではの面白さが早速以下の場面で伝わってきました…
…ウニは、水につけると触手(テンタクルス)をウネウネ伸ばすということで、何気に僕は何となくイガグリみたいな単なる硬い突起かと思っていたこのウニのトゲトゲ、こんな触手みたいな感じでピュイピュイ動くものだったんですねぇ~。
「目もないし、こんなのが動物なのか…?」と思っていましたがこれをみて考えが改まりました……これは動物だ!
(というか、前回見ていた「トゲ全体が目だった」という話、ナショジオは大々的にまとめてましたけど、これを見るとむしろ「どう見ても目やんけ」と思えるぐらいに、このトゲを使って周りを窺っていることが分かりますねぇ~)
そして口の方のアップも撮られていましたが…
…5本の歯だけは、何かめっちゃ人間の歯と同じ感じで、いきなり妙にリアルなキモさがあってワロタ(笑)。
そしてハサミでゴリゴリと殻を切り開く様子の後に…
ご開帳~
…やっぱり、臓器や、一部は排泄物とも思われるゴミがあり、ごちゃっとしていて何が何だかよく分かりませんが、邪魔者を取り除くと…
…このように、五放射相称の生物であることが丸分かりの、五角形状に美味しい生殖腺が存在して、古来より人間はこっそりこれをジュルリと美味しくいただいていた…とそんな話なんですね!
と、そんな感じで、消化管の類は何かごちゃっと存在しているだけで、あとはお宝といえる食用部が殻にこびりついているという、「中身うっす、空っぽやん(笑)。食べられるためだけの存在(笑)」と思えるウニさんでしたが、やっぱり動画で見るとより構造が分かったというか、理解が深まった気がしますねぇ~。
(まぁウニさんサイドからすれば、ハサミで開かれて「理解が深まった」とかとんでもないにも程がありますが(笑)、他にも、筋肉や、前回のイラストでも記載のあった「アリストテレスのランタン」などもちゃんと説明がされていましたし、学術的にも意味があるとても良い動画に思えます。)
ちなみに動画の最後では、飼い猫のセバスチャンにウニを与えてみよう、と猫ちゃんが登場していましたが、ウニみてぇに生臭ぇカスは猫様のお気には召さなかったようで、スルーされていました(笑)。
オチもついてこれは本当にいい動画でしたね…!
ってな感じで、動画も見てウニに親しめたところで、次回はまた「門」の方の続きに戻ろうかな、と予定しています。