多くの国で禁止されているトランス脂肪酸とは…?

ここ最近はコレステロールの記事を見ており、前回の善玉コレステロールに関するHEALTH LIBRARY記事は分かりやすくまとまっていたものでしたが、脂肪関連記事は他にもいくつか目に付いたため、より読みやすいものが多い(気がする)、健康読み物系記事であるhealth essentials記事の方に戻って色々見ていこうと思います。

 

まずは、とにかく心臓血管に良くない、健康の大敵とされるトランス脂肪酸について!(↓)

 

health.clevelandclinic.org

 

そう、記事タイトルに「Ban」とあるように、アメリカではトランス脂肪酸は法律で禁止されるまでに至ったほどにご禁制食品扱いされているわけですけど、日本では違法扱いまではされていない感じですかね…?

 

そもそもトランス脂肪酸ってたまに聞くけど何者だよ、って話は、これまた前回のコレステロール同様、ずっと前に書いていた楽しい有機化学シリーズで触れたことのあったもので(↓)……

 

con-cats.hatenablog.com

 

…具体的には、脂肪と呼ばれる分子である炭素の鎖が二重結合を持ち、しかもその構造配置がトランス型になっているものをそう呼ぶわけですけれども、まぁ例によって分子構造なんて知った所で実生活には役に立たないので、どうでもいいものでしょう。

 

今回も、医学的・健康的にはどうなのか、早速クリーブランド・クリニックによるまとめ記事を見て行きましょう。

 

トランス脂肪酸は使用禁止になったけれど、だからといって完全になくなったわけではない(Trans Fat Has Been Banned, but That Doesn’t Mean You’re Free From It)

微量のトランス脂肪酸はまだ食品に潜んでいる可能性があり、それが積み重なっていくことはなおもあるのです

 


人工的なトランス脂肪酸は、もう長いこと、大きな健康ハザード(危機)を産み出すものと理解されてきています。

そして2015年、アメリカ食品医薬品局FDA)は、加工食品の栄養成分の改善に向けて大きな一歩を踏み出しました。

同局は、部分水素添加油―加工食品に含まれるトランス脂肪酸の主な原因―を、もはや 「一般に安全と認められた(GRAS)」食品とはみなさないと判断したのです。

2020年1月までに、アメリカの食品メーカーは部分水素添加油を含む食品を販売することができなくなりました。これにより、アメリカで製造・販売される食品へのトランス脂肪酸の添加が事実上禁止されたことになっているわけです。研究者はこれを、公衆衛生上の大きな達成と呼んでいます。

しかし、それが話の全てではないのです。

というのも、禁止された後でも、トランス脂肪酸は一部の加工食品に少量含まれていることがある、というのがその理由です。そして、それによる健康への被害はあっという間に膨れ上がります。

「1食あたりトランス脂肪酸が1/2グラム以下の食品であれば、合法的に販売することができるんです」とアンソニー・ディマリーノRD/LD(登録栄養士/管理栄養士)が説明しています。「そして、その0.5グラムは栄養表示に記載されないので、トランス脂肪酸が含まれていることに気付くことさえないかもしれません。」

しかし、なぜトランス脂肪酸がこれほど問題なのでしょうか?そして、わずか1グラム未満のトランス脂肪酸が、本当に健康に影響するのでしょうか?ディマリーノ栄養士がご説明くださいます。

 

トランス脂肪酸って何?

トランス脂肪酸は、食事に含まれる脂肪の中で、最悪中の最悪のものです。不飽和脂肪酸はバランスの取れた食生活の重要な一部であり、飽和脂肪酸も少量なら問題ありませんが、人工トランス脂肪酸に健康的な量というものは存在しません。

「人間の体はトランス脂肪酸を全く必要としていません」とディマリーノ栄養士が説明しています。「トランス脂肪酸には健康上の利点は一切なく、有害であることが証明されています。それがアメリカで禁止された理由です。」

人工的なトランス脂肪酸は、食品製造の過程で作られます。

「室温で液体である油を考えてみましょう、これに水素を加えると、固体になるのです。」とディマリーノ栄養士が続けます。

しかし、なぜでしょうか?

世界保健機関(WHO)によれば、部分水素添加油は1900年代初頭、バターやラードの代用として初めて食品に使用されたとのことです。

アメリカ心臓協会によると、部分水素添加油は安価で長持ちすると説明されています。例えば、レストランのフライヤーで部分水素添加油を使うということは、同じ油を何度も使えるということなのです。そのため、コストが抑えられ、厨房の回転も速くなるわけですね。

 

トランス脂肪酸の種類

全てのトランス脂肪酸が食品の製造過程で作られるわけではないことに注意することが肝心です。トランス脂肪酸の中には、ごく少量ですが、自然に発生するものもあります。

自然に発生するトランス脂肪酸(反芻動物性トランス脂肪酸とも呼ばれます)は、牛乳や肉などの一部の動物性食品に含まれます。このトランス脂肪酸は動物の体内で作られます。例えば、コップ1杯の乳脂肪2%牛乳には0.2グラムのトランス脂肪酸が含まれています。また、ポークチョップには約0.1グラムのトランス脂肪酸が含まれています。

自然界に存在するトランス脂肪酸の影響に関する研究は現在進行中です。しかし、ディマリーノ栄養士によれば、人工的なトランス脂肪酸こそが、多くの人がもっと心配すべきものだということです。

 

なぜトランス脂肪酸は体に悪いの?

人工的なトランス脂肪酸の摂取は、様々な懸念につながることが示されています。最も顕著なものとしては、心臓の健康に複数の悪影響を及ぼす可能性が挙げられます。

「大量に摂取すると、トランス脂肪酸は血液中に蓄積されます」とディマリーノ栄養士が更なる説明を加えています。「心臓病を引き起こすコレステロールであるLDLコレステロールを増加させるのです。また、心臓を保護するコレステロールであるHDLを低下もさせてしまいます。」

加えて、血液中のトランス脂肪酸は、動脈の閉塞、冠動脈疾患、および炎症を引き起こす可能性があります。

研究者は更に、トランス脂肪酸の摂取と前立腺ガンや大腸ガンのリスク上昇との関連も指摘しています。また、妊娠中のトランス脂肪酸摂取は、出生時体重の低下につながる可能性があるとされています。

 

トランス脂肪酸を避けるには

FDAが人工的なトランス脂肪酸を禁止した後も、食品メーカーにはまだ多少の余裕があります。「トランス脂肪酸なし」とは、本当は「ほんの少しトランス脂肪酸が含まれている」というような意味なのです。そして、その「ほんの少し」が、実は大きな問題たり得るのかもしれません。

「四捨五入の問題なわけです」とディマリーノ栄養士がおっしゃっています。「一食あたり0.5グラム未満であれば、トランス脂肪酸ゼロでない(※珍しく誤植というか表記ミスで、言うまでもなく正しくは「トランス脂肪酸ゼロである」または「トランス脂肪酸が存在しない」ですね)と表示して販売することができるのです。」

そして、この 「1食あたり」の部分が本当に重要となります。

というのも―ポテトチップスの「パーティーサイズ」の袋を開けたことのある人なら誰でも知っているように―栄養表示ラベルに記載されている一人前のサイズと、実際に食べる量は必ずしも一致しないからです。

「例えばケーキ1切れの分量が1辺3インチ(※7.62 cm)のサイコロだとしましょう。このサイコロには、0.4グラムのトランス脂肪酸が含まれているわけです」とディマリーノ栄養士が説明しています。「しかし、6インチ四方や9インチ四方を食べることもあるでしょう。この時、トランス脂肪酸の摂取量は、『許容量』の2倍にも3倍にもなってしまうわけです。しかも、自分がトランス脂肪酸を摂取していることに全く気付いてさえいないのです。」

では、栄養表示ラベルに記載されていない場合、その食品に微量のトランス脂肪酸が含まれているかどうかは、どうすれば分かるのでしょうか?

成分表を見てみてください。もしその食品に「部分水素添加油」という文字が含まれていれば、トランス脂肪酸が隠れている確かなサインです。


ディマリーノ栄養士によれば、トランス脂肪酸は、パイやパイ生地、ペストリー、クッキー生地のような、パッケージ入りの焼き菓子に最もよく隠れているそうです。また、マーガリン、加工済みフロスティング(砂糖衣がけ)、あるいはピーナッツバターのようなショートニングやスプレッドにも含まれている可能性があります。そして、フライドポテトやテイタートッツ(※一口サイズの揚げたハッシュドポテト)のような揚げ物も、恐らく容疑者でしょう。

そして、FDAが禁止しているのはアメリカ国内で製造または販売された食品のみであるということを覚えておきましょう。ですから、海外旅行や外国産の食品を購入する場合は、特に用心するようにしてください。

WHOによれば、以下を含む他のいくつかの国も、トランス脂肪酸を禁止しているとのことです:

アメリカのトランス脂肪酸の禁止は、国内の健康改善にとって大きな勝利です。しかし、それは絶対確実なものではありません。自分が何を食べているのか、きちんと確認する必要が、なおあるわけです。

食事からトランス脂肪酸を確実に排除する最善の方法とは?なるべく加工されていないホールフーズ(※全体をまるごと食べる天然食品のこと)や植物性食品に、可能な限りこだわることです。

「植物性の自然食品は、常に最も健康的な選択です」とディマリーノ栄養士が推奨しています。「果物、野菜、ナッツ類および種子類は健康的な食事プランの基礎です。トランス脂肪酸を避け、体に必要なビタミンや栄養素を摂るには、これが一番ですね。」

 

今回も非常に分かりやすくまとまっていた良記事でした。

 

やはり、日本は法令で禁止まではされていないようですが、基本的に食の安全でいえば日本ほど高いレベルにある国はないので、そんなに心配しなくていいような気はするものの、ジャンキーなフードは気を付けた方がいいのかもしれませんね。

 

では、似たような話になりそうですが、他の脂肪酸ネタも順に見ていこうと思います。

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