ここ最近見ていた傷の応急処置系の記事のどこかで取り上げられていた話に、火傷に関するものも目に付いたため、これまた誰しもに不意に降り注ぐ可能性のある災難であり知っておいて損はない話ですから、せっかくなので今回はこちらを取り上げさせていただくといたしましょう(↓)。
ヤケドは英語だと、どこかで必ず聞いたことのあるバーンズですけど、程度によってファースト・セカンド・サードの度数があるというのもまぁ見覚えのある話ですね。
人間はタンパク質で出来ており、ゆであがった卵はもう決して生卵には戻らないのと同じく、熱変性してしまったタンパクは見た目も性質も酷いことになってしまう…の一言に尽きますから、気を付けたい限りです。
常識として、「とにかくすぐに冷やす」というのはありますけど、他にどんな注意点があるのか、今回も世界最高峰と名高いクリーブランド・クリニックによるhealth essentials記事を丸っと参考にさせていただこうと思います。
(表記はひらがな・カタカナ、それから火傷に熱傷と色々ありますが、以下の本文中では最も一般的で医学用語とも言える「熱傷」にしてみました。)
I度、II度、およびIII度の熱傷への応急処置(First Aid for First-, Second- and Third-Degree Burns)
I度熱傷には冷水、保湿剤、および非粘着性の包帯が効果的ですが、より重度の熱傷には医療的介入が必要です
沸騰している液体、熱したヘアアイロン、電気火災や焚き火―熱傷の原因には様々なものがあり、形や大きさも多様です。しかし、熱傷の処置方法は、その部位や損傷の深さおよび重症度によって異なります。救急診療医のアラン・ケイピンMD(医師)が、熱傷治療に必要な備え、医療的支援や救急サービスを求めるべきタイミング、そして熱傷直後に行うべき処置について説明してくださいます。
熱傷の応急処置
熱傷の種類にかかわらず、処置を行うのが早ければ早いほど、より感染症のリスクを低下させることにつながります。そのため、素早い対応と、いつ救急医療を求めるべきかを知ることとが非常に重要なのです。
「皮膚に何らかの損傷が生じると、そこには感染のリスクが必ず発生することになります」とケイピン医師が強調しています。「熱傷が深ければ深いほど皮膚の深層にまで損傷が及ぶため、感染リスクは高まります。どのような感染であれ、全身性の感染症に対する体の誇張された反応である敗血症のような深刻な問題につながる可能性があるのです。」
熱傷に備えて、以下の応急処置用品を用意しておくと良いでしょう:
- 冷水または生理食塩水: 熱傷部分を直ちに冷やすために使用します。
- 非粘着性の滅菌包帯: 傷口に貼りつかない安全なカバーとして使います。
- ハイドロゲル熱傷用ドレッシング(※ドレッシング=被覆材、主にキズパワーパッドのような製品群のこと): 冷却と痛みの軽減に効果があります。
- 熱傷用クリームまたは軟膏:アロエベラジェルや抗生物質入り軟膏はI度熱傷に有効です。ただし、II度以上の熱傷には、軟膏、クリーム、スプレーを使用してはいけません。重度の場合は、スルファジアジン銀(代表的な商品名: Silvadene®(シルバデン))のような、より強力な抗菌処方薬が必要になります。
- 鎮痛剤:イブプロフェン(Advil®(アドビル))やアセトアミノフェン(Tylenol®(タイレノール))といった市販薬が痛みの管理に役立つでしょう。
- 粘着性バンデージ:包帯を固定するのに使用します。
- ハサミ: ドレッシングや包帯を適切なサイズに切るために必要となります。
- ピンセット: きつく締めつけているアクセサリー類のような、傷口付近の異物を取り除くのに使います。ただし、ピンセットを用いて衣類や水ぶくれ、あるいは熱傷で壊死した皮膚を自分自身で取り除くことは絶対にしてはいけません。医療従事者に任せるようにしてください。
- 手袋:使い捨て手袋は、処置中の感染や汚れの混入を防ぐのに役立ち得ます。
- 粘着フィルムまたはサランラップ: 滅菌済みのドレッシングがない場合の代用として、傷をカバーするのに使えます。
I度熱傷の処置
I度熱傷は浅いもの、つまり、皮膚の最も外側の層である表皮のみに影響する軽度の損傷です。
「I度熱傷には、水ぶくれや皮膚の剥がれはありません」とケイピン医師が説明しています。「日焼けに近い状態で、大抵は熱いものに触れたり、熱湯のしぶきが跳ねてかかったりした時に起こるものです。」
I度熱傷の自宅での処置方法はこちら:
- 冷水(ただし、冷たすぎない)を使う: 水道水を熱傷部位に5~20分間優しく流し続ける、あるいは患部を水に浸すことや綺麗な濡れタオルを使うことで、冷たい水を当て続けてください。血流を減らし、治癒を遅らせてしまう可能性があるため、氷や氷水を使用してはいけません。
- 保湿する: 皮膚が冷えたら、アロエベラジェルやワセリン(Vaseline®)のような保湿剤を軽く塗布しましょう。これにより、治癒プロセスが促進され、皮膚の損傷層に潤いを取り戻す役に立ちます。
- 保護する: 清潔で乾いた布または非粘着性の包帯で、熱傷部位を更なる感染や摩擦などから保護します。
- 痛みの処置: 痛みが続く場合は、イブプロフェンやアセトアミノフェンを服用してください。
- 清潔と感染予防: 治癒中は、必要に応じてマイルドで無香料な抗菌性石鹸で洗浄し、感染を防ぐために抗生物質軟膏を使用するようにしましょう。
II度熱傷の処置
II度熱傷、またの名を部分層熱傷は、より広範囲に及び、より深く皮膚に損傷を与えがちであるため、より深刻です。皮膚に水ぶくれができた場合は、II度熱傷の可能性が高いです。また、II度熱傷では破傷風のリスクもあるため、過去10年以内にワクチン接種をしていない場合は接種が必要となる可能性もあります。
I度熱傷よりも深刻な熱傷は、いかなるものでも直ちに医療機関を受診するようにしてください。
「II度やIII度熱傷を放置すればするほど、感染のリスクや治療の失敗が起きやすくなるのです」とケイピン医師が警告しています。「何をすべきか定かではない場合や、II度熱傷かどうか分からないときは、推測で行動するのはやめましょう: 必ずすぐに最寄りの救急外来や緊急救命室(ER)を受診するようにしてください。」
ご自身(または他人)が熱傷を受けた後、病院に行く前に、ダメージを最小限に抑えるためにできること(またはしてはいけないこと)は以下の通りです:
- 冷たくて清潔な流水を使う: 湖、川、または渓流などの水は汚染の恐れがあるため使用してはいけません。水道水がなければ、ボトル入りの水を使うようにしてください。清潔な濡れタオルを使うこともOKです。
- 熱傷部位の衣類を剥がさない: 傷に何かが張り付いているような場合は、自分で剥がしてはいけません。救急外来の医療従事者に任せましょう。
- 軟膏やスプレーを使わない: バター、油、軟膏、および応急処置スプレーなどは熱を閉じ込めてしまい、傷を悪化させます。
- 水ぶくれをつぶさない: 水ぶくれの下にある部分の皮膚は感染しやすいため、医療従事者に排出または除去してもらいましょう。自然につぶれた場合は、医師に診てもらうまで粘着フィルムやラップなどで覆い、保護するようにします。
III度熱傷の処置
「III度熱傷は骨にまで達することもあり得るもので、皮膚が白くなったり黒く焦げたり、神経損傷や感覚の喪失を引き起こすことがあるものです」とケイピン医師が説明しています。「これは医療的緊急事態であり、もしご自身の身に起こってしまったら、直ちにERに向かわなくてはいけません。」
電気熱傷や化学火傷も、この完全層熱傷の範疇に含まれる傾向があるものです。
医療ケアを受けるべき時
改めてお忘れなく: 皮膚が剥がれているような表層以上の熱傷は、必ず即座に医療機関による診察を受けるようにしてください。医師は患部の洗浄および処置を行い、より強力な鎮痛剤も処方可能です。
I度熱傷でも、もし熱傷が以下のような場合は、医療処置が必要かもしれません:
- 3インチ(約7.6 cm)以上の幅がある
- 関節を覆っている
- 顔、首、手、または足にある
- 痛みがなかなか引かない
- 1~2週間経っても治らない
I度熱傷でも感染のリスクはあるため、悪化の兆候が見られた場合は、救急外来やERを受診しましょう。以下の症状が警告サインに含まれます:
- 発熱
- 膿の排出
- 痛みが酷くなる、または体の他の部位に広がっていく
「熱傷が重症であるほど、治癒に時間がかかります」とケイピン医師が述べています。「III度熱傷では治癒に数ヶ月以上かかる場合もあり、皮膚移植のような手術が必要になることもあり得ます。I度およびII度熱傷でも、損傷の程度によっては1週間かそれ以上かかることがあります。しかし、処置が早ければ早いほど、良好な結果が得られます。」
まぁどこかで聞くことがある話だからか、「張り付いてしまったものは絶対に自分で剥がさないようにする」とかはおなじみの話にも思えましたし、全体的に当たり前な内容だったかもしれません。
冷やせば冷やす程いいとはいえ、血流が滞り、凍傷のリスクもあるから、氷を使ってはいけない…というのも重要なポイントでしょうか。
しかし、「5~20分水道水を流して当て続ける」と、言葉で見ると簡単ですけど、5分って相当長いですよね。
正直、1分もしたら「いやもういい加減良くない?水道代がもったいない…」とかケチくせぇことを考えたくなる気もしますが(笑)、クリーブランド・クリニックが言うことなら間違いありません、永久とも思えるぐらいの時間、耐久レースかと思えるぐらいに延々と流し続けた方が良いということですから、イヤと言うほど水を当て続けるようにするのが良さそうです。
言うまでもなく、痛さもダメージもかなり強いのが火傷ですから、当たり前の極みですが、まずは火傷にならないよう気を付けるのが何よりだと言えましょう。
やはり料理が一番の原因でしょうから、料理をよくされる方はどうかお気を付けください。
