しばらく見ていたマスクの話から、前回は口内の雑菌というつながりで歯ブラシに関する話(=病気になったら交換すべき)を見ていましたけど、簡単なQ&Aが1段落の簡単な記事だったにもかかわらず、意外と面白そうな関連ネタがいくつかリンク付きで貼られていました。
また順にそちらを見ていくとして、今回はまず、またまた歯ブラシが関係してきそうな(=アイキャッチ画像が歯ブラシ)ものから行ってみようと思います、記事タイトルにも挙げました、「唾液の健康リスク」について!
Salivaと書いて「サライヴァ」と読む、唾を意味する英単語ですが、こちらはより医学的な単語であり、日常語では「spit」なんかがより頻繁に使われる感じでしょうか(ちょうど、「つば」がspitに近くて、「唾液」がsalivaに近いという感じですかね、言葉の堅さ的に)。
まぁやっぱり他人のツバは、付いてしまったら「うわ、汚っ」と思ってしまうものではあるわけですけど、医学的にはどう対処すべきなのか、今回もhealth essentials記事を参考にさせていただこうと思います。
唾液に健康リスクはある?雑菌が広がる3つの道(Does Saliva Have Health Risks? 3 Ways Germs Can Spread)
どのようなウイルスや細菌が他人の問題になり得るかを知りましょう
口の中は、何百種類もの微生物の棲み家となっています。他人の唾液に触れると、一体何が起こるのでしょうか?唾液は、人間の体にとって重要な防御の役割を果たしてくれるのです、と耳鼻咽喉科医のマイケル・ベニンガーMD(医師)がおっしゃっています。「唾液には伝染病のリスクを減らしてくれる抗体や酵素が含まれているのです。」
それでも、新型コロナウイルスCOVID-19の流行のおかげで新たな注目を集めている問題と言える、唾液を介した特定の病気の感染経路が沢山存在しています。
唾液はコロナウイルスの蔓延を防ぐ上で大きな焦点となっています。「唾液の中にコロナウイルスが含まれていることは明らかです。ですから、食べ物を分けるようなことは危険性の高い接触行為であり、避けるべきことだと言えますね。」とベニンガー医師が話している通りです。
こちらが、唾液から鼻、喉、肺に入り込む可能性のある、その他いくつかの病気です:
- ライノウイルス(風邪)
- インフルエンザウイルス
- エプスタイン・バールウイルス(単核球症、単に「モノ(=単)」とも)
- 1型ヘルペス(単純疱疹)
- 溶連菌
- B型肝炎およびC型肝炎
- サイトメガロウイルス(胎児発育期のリスク)
その他、エボラウイルスや鳥インフルエンザなどの新型ウイルスも懸念されます、と語るのはベニンガー医師。しかし、一般に思われているのとは逆に、エイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス、HIV)は唾液を介して感染することはありません。
以下が、唾液を介して誤って感染してしまう可能性のある4つのことです。
キス
キスをすることで、唾液を介して感染力を持つ雑菌は容易に交換されてしまいます。雑菌類は、口から喉そして肺へと侵入していくのです。(モノが「キス病」と呼ばれることもあるのはそのためです。)
COVID-19が流行している間、物理的な安全策を心がけることが特に重要なのはその点にあると言えます。「医療従事者でコロナウイルスに暴露された可能性のある人は、配偶者とのキスも避けるべきです」とベニンガー医師が語っています。
風邪やインフルエンザのような他のウイルスもキスによって感染する可能性はありますが、風邪ウイルスは通常、汚染された表面に触れてから鼻を触ることによって感染するものです、とベニンガー医師が話しています。
唾液は通常、相手の唾液に含まれる細菌から自分を守ってくれます。(口腔衛生が悪いと、細菌が多く存在することになります。)しかし、感染する可能性のある細菌のひとつに、MRSAという深刻なブドウ球菌感染症が存在しています。
また、口唇ヘルペスがある場合、キスをすることでヘルペス1型ウイルスを感染させる可能性があります。「とはいえ、キスはたくさん行われていますが、感染症はほとんどありません」とベニンガー医師がおっしゃっています。
くしゃみ
くしゃみを考えた時に唾液を思い浮かべる人はほとんどいませんが、実は、特にソーシャル・ディスタンスが重要な昨今にあっては、唾液も重要な構成物と言えるのです。
くしゃみをすると、空気が突然かつ非常に強い勢いで吐き出され、粘液の飛沫が時速100マイル(約160キロ)の速さで飛び散ることもあり得ます。同様に、唾液の飛沫も数フィート(※1メートル以上)先まで飛ばされ得るのです。もし十分に離れていれば、ウイルスを含んだ飛沫は地面に落ちます、とベニンガー医師が付記している通りです。
しかし、くしゃみをしている人のすぐ近くにいれば、唾液の飛沫を浴びてこのウイルスや他の病気に罹ってしまう可能性はあります。コロナウイルス流行の最中、医療専門家が他人から少なくとも6フィート(約1.8メートル)離れることを推奨している理由のひとつがこれなのです。
またこれが、咳やくしゃみのエチケットとして、口を覆うことが非常に重要である理由のひとつでもあります、とベニンガー医師が付記しています。
歯ブラシ+マウスガードの共有
歯ブラシを忘れて、パートナーのものを借りたことはありませんか?アメリカ歯科医師会は、このような行為をしないよう勧告しています。
「歯ブラシは微小外傷を引き起こす可能性があるものです。他人の唾液が自分の粘膜の裂け目に触れ、感染症を媒介する可能性があるわけです」とベニンガー医師が説明しています。
免疫力が低下している場合は、歯ブラシの共有は特に危険です。
風邪や喉の痛み、またはその他のウイルスに感染していませんか?自分の歯ブラシが家族の歯磨き粉や他の人の歯ブラシに触れないようにしましょう。
また、マウスガードにもいくつかの種類があります―スポーツ中に歯、口、および顎を保護したり、夜間の歯ぎしりを防いだりするものです。
スポーツ用品店で既製品のマウスガードを、ドラッグストアで「噛んでボイル」タイプのマウスガードを、歯科医ではオーダーメイドのマウスガードを購入することができます。
どのタイプのマウスガードを使うにせよ、多孔質であるマウスガードは決して共有してはいけません。2007年に『General Dentistry(一般歯科)』誌で報告された研究によると、マウスガードには細菌、酵母、およびカビが繁殖していることが明らかとなっています。
「他人のマウスガードはフィット感が非常に悪く、微小外傷を引き起こす可能性があります」とベニンガー医師がおっしゃっています。これは粘膜を感染症にさらす可能性があることなのです。
マウスガードを装着する場合は、以下のことを守ってください:
- マウスガードを装着する前に歯を磨く。
- 歯を磨く際はいつでも、マウスガードも洗浄する。
- ケースに入れて保管する。
- マウスガードを噛まない。
結論
今は、唾液について、そして唾液を共有してしまう可能性のある相手について、これまで以上に賢くなることが重要です。ベニンガー医師によれば、「唾液には私たちを守ってくれる素晴らしいものが含まれている」ということを忘れてはいけませんが、唾液がこの新たな感染症を蔓延させる可能性もあるということも覚えておくようにしましょう。
「唾液は歯にとって重要であり、その他非常に多くのことにも重要です」とベニンガー医師が続けています、「しかし、同時に、潜在的に感染性を持つものでもあるわけですね。」
正直そこまで専門的な話でもなかったと言いますか(本文中では「4つの経路」となっていたのに3つしかなかったのも謎とうか片手落ちに思えましたが)、キスやくしゃみで(もちろん歯ブラシも)唾液が付く可能性があるのなんて幼稚園児でも分かってる話ではありましたけど、もちろん、ウイルスによっては感染の危険性があるというのも、コロナ禍以降誰しもが理解している点だと言えましょう。
ぶっちゃけ、「歯ブラシ貸して」なんて絶対あるわけないだろ(笑)、なければコンビニにでも買いに行くわ(笑)……とも思えたものの、そういう便利な店が近所にないことも多いアメリカでは、貸し借りが普通にあるのかもしれませんね。
まぁでも、「好きな人というかパートナーの歯ブラシなら別に使うのは抵抗ないかな、いやあえてわざわざ使うことはせんけど、それが原因で病気になっても別に構わない」と言いますか、「俺も一緒の病気に罹るよ」なんてカッコつけたくもなりますけど(1ミリもカッコよくありませんが(笑))、改めて、どんなに最愛の人でも歯ブラシの共有どころか歯ブラシが触れることすら避けた方がいい…というのが、現在の医学的な推奨という形のようです。
前回はありませんでしたが、更に加えて「歯磨き粉の家族共有も避けるべき」なんて話もありましたけど、これはやってる家庭は多そうですねぇ~。
かく言う僕も、子供の頃、家族と暮らしていた時は1本の歯磨き粉を使ってましたけど、できれば父親の直後ではなく姉か母親の使った後がいいなと心の中で思ってました(笑)。
いやまぁ正直それを通り越して「歯磨き粉も全員専用の方が良くない?歯ブラシは専用なんだし…」とうっすら思っていたものの、まぁ場所も取るし何か潔癖の極みっぽすぎると言うか他人行儀の極みと言うか、そんなことは言い出せなかったですけど、最新医学のお墨付きってことで、可能なら歯磨き粉も分けた方がいいというのも良い情報に思えました。
一方、「エイズウイルスは、唾液感染しない」というのも、エイズに関する啓蒙書なんかでよく目にする話ですね。
「唾液では絶対に感染しないから、差別するのはやめましょう」といった含みの内容であることが多いですが、まぁ周りにエイズ患者がいたことがないので実際対峙したらどう思うかは分からないものの、正直差別とかじゃなく、単純にエイズうんぬん抜きに他人とストロー共有するのとかあんまりいい気分はしないんやが……と思えてしまうのは間違いなくありますし、実際「絶対に感染しない」と言われてはいても、
「いや口内炎があるんだけど……相手にも口内炎があって、血液接触したらあり得なくはなくない?」
と思えて、ちょっと身構えてしまうことは、多少ある気はしちゃいます。
(まぁでも僕は気遣いの人ではあるので、理論的に問題がないのは理解しているし、相手を悲しませても良くないですから、仮にエイズ患者の方の唾が飛んできてもその場では気にしないフリをするとは思いますし、食器の共有とかも気にせずできるとは思いますけどね。
ただ、安全アピールのためにあえて「ツバかけて、ツバ!」とは絶対ならないかな、って気はします……まぁそんなのどんな人に対してもならない異常行為ですし、誰もならないよ、って話ではありますが(笑))
結論としては、過度に気にしすぎる必要はないけれど、ウイルスの種類によっては感染にもつながることを理解しておいて損はない、って話ですね。
(気にしすぎると、本当に潔癖症になってしまってその方が生活に支障を来してしまいますし、鈍感力も必要だという感じでしょうか)
