それでは、長々と見ていたマスクシリーズも見終えていた所で、一連の記事で挙げられていた関連ネタの中から、面白そうなものにいくつか触れてみようかなと思います。
まずは、「マスクが嫌だ」系の記事で何度か挙がっていました、「あんたはオレのママじゃない!」という、まぁ原文は「俺のボス(上司)じゃない」ですけど、ユニコーンの曲の歌詞にあったそんな表現の方が個人的にはしっくりくるもののそれはともかく、「なぜ人は指図されるのを嫌がるのか?」という、そんなの答があるのか…?と正直思えますが、だからこそどんなことが書かれているのか、これは楽しみだと言えましょう(↓)。
それを知った所でマスクをつけさせるのはもちろん、他者をコントロールできるようになるとは到底思えないものの、世界最高峰の医療機関クリーブランド・クリニックは頑固マンにどう対処すればいいと述べているのか、参考にさせていただきたい限りです。
あなたは私のボスじゃない!なぜ人は指図されるのを嫌うのか(You’re Not the Boss of Me! Why We Don’t Like Being Told What to Do)
脳の内なる反逆者を手なずける方法を学びましょう
子供が最初に学び、理解することのひとつは「ノー 」という言葉です。幼児は家の中でボールを投げてはいけないと言われても、とにかくまた投げてしまいます。ティーンエイジャーはシートベルトをするように言われると目を丸くし、誰も見ていないときにベルトを外すものです。大人は、野菜を食べましょうとか運動しましょうと言われると激昂し、そのまま拒否します。
人間として、誰もが自立と自律を切望しています。誰しも自分が命令したり、ルールを決めたりしたいわけです。小さい頃から皆、何らかの形で同じ歌と踊りに参加させられてきています―誰かに何をすべきだとか指図されるのが嫌で、それをしなかったり、暴れたりするわけですね。
権威やルールに反抗するという考え方は新しいものではありませんが、コロナウイルスの流行はそれを現代的で緊急なものに捻じ曲げてしまいました。今現在、誰もがマスクを着用し、ソーシャル・ディスタンスを取り、家にいるように言われています。(おばあちゃんを抱きしめたり、休日に集まったりしないようにとさえ言われています!)
パンデミックは誰にとってもきついものですが、それ以上に、何をすべきか指示されることに我慢ならない、自分自身の中にいる内なる反逆者にとってはなおさらでしょう。では、特に自分の安全や周囲の人たちに関わることに関することに対し、どうすれば反抗心を抑えることができるのでしょうか?
行動療法士が、エゴが自分自身や他人に危害を加えないようにする方法を説明してくださいます。
自分の反応を確認する
「何をすべきか言われるのが本当に好きな人なんていませんよね」と、行動衛生療法士のジェーン・パーノット・エルマンMEd/RCHES/ACHT(教育学修士/退職済み認定健康教育専門家/認定臨床催眠療法士)がおっしゃいます。「抵抗は幼い頃から私たちの文化や脳に刻み込まれています。誰しもが、言われたことに疑問を持って、言われたことと反対のことをしたがる、内なる反逆者を胸に秘めているのです。」
専門家は、この反抗したいという気持ちや必要性を心理的リアクタンス(感応抵抗)と呼んでいます。これは、自由が脅かされていると感じたり、自分の選択肢が制限されていると考えたりするときの脳の反応なのです。この反応によって、ルールやガイドラインが設定されると、イライラしたり、パニックになったり、怒りを感じたりしてしまうことがあり得ます。これにより、安全が関わっている場合でさえも、言われたことや頼まれたことと正反対のことをしてしまうことがあるわけです。いくつかの例では、心理的リアクタンスが暴走すると、喧嘩、人間関係の亀裂およびその他の問題に発展するケースもあり得ます。
中には、脳の心理的リアクタンスに対して、より優れた耐性と理解を持つ方もいらっしゃいます。そういった方々は、自由が脅かされているという疑念が湧き立ち、否定的な反応が生まれたとき、一歩引いてしばらく立ち止まり、その状況について何が本当に重要なのか判断することを学んだのです。しかし、脳の心理的リアクタンスに伴うねじれを克服したことがない方もいらっしゃいます。その代わりに、エゴや強い感情に基づいた選択をし、それがしばしば自己破壊や危険な行動につながってしまうのです。
例えば、配偶者に洗った食器を片付けてと頼まれたとき、元々やろうとしていたにもかかわらず激昂し、喧嘩を売ってしまうことがあるかもしれません。または、上司から仕事のギアを入れ替えて別のプロジェクトに移るように言われ、腹が立ったので拒否するか、受動攻撃性を示してしまうこともあるかもしれないですね。あるいは、もしかしたらパンデミック時にマスクを着用するようにというガイドラインに反抗的な怒りを感じ、拒否するかもしれません。
心理的リアクタンスは大小さまざまな規模で起こり得ます。一日を通して、様々な形のルールや権威に対する自分の感情や反応を整理してみましょう。自由が脅かされそうになったり、選択肢が制限されたりしそうになったとき、どう反応しますか?エゴに支配されてしまうか、それとも感情を通して、なぜ自分がそれを求められているのかを理解することができるでしょうか?
「大人として、反抗的な自分が、自分の利益にならないような行動をとっているとき、あるいはそれが周囲の人に害を及ぼす可能性があるとき、それを認識することが重要ですね」とエルマン療法士が語っています。「強力な抵抗の波動を感じるとき、それは大抵、弱い存在だと見られたくないために、自分のエゴを守ろうとしてしまっているんです。」
内なる反逆者を手なずけることを学ぶ
脳を鍛え直し、感情をコントロールするには、規律と練習が必要です。内なる反逆者を、自分に逆らわず、自分のために働かせることが肝心です、とエルマン療法士が語っています。自分のエゴで生きるのではなく、たとえ都合が悪かったとしても、それが正しいことであれば、自分自身や周囲の人にとって何がベストなのか、バランスを取ることを学ぶのです。(マスクをきちんとつけるとか、大勢で集まらないとかいったことですね。)
ですから、配偶者から食器を片してくれと頼まれた際は、自分のエゴが原因で激昂していないか自問してみましょう。間違いなく、そんな小さなことで喧嘩をする価値はありません。特に、そういったことが様々な形で何度も何度も繰り返されるのであれば、行動に移してしまうと関係にヒビが入ってしまう可能性があり得ます。仕事で誰かに何かを頼まれたときも同じことが言えますね。エゴに支配されることは、仕事や上司や同僚との関係を台無しにしてしまう早道なのです。
また、家族や職場、地域社会の一員として、周囲の人を守るための決断を下すことも、自分自身の責任です。
「お酒を飲む権利はあるかもしれませんが、お酒を飲んで車を運転してはいけないという、周囲の人々の安全に対する責任もありますよね」とエルマン療法士がおっしゃっています。「そしてコロナウイルスのパンデミックに関して言えば、マスクを着用し、具合が悪い時はステイ・ホームして、ソーシャル・ディスタンスを取ることで、周囲の人々を守る責任があるわけですね。」
自立したいという欲求と、自分のエゴや他者への福祉を満足させたいという欲求―自分にとってどちらがより重要でしょうか?
誰かに何かを頼まれることを脅威だと感じ始めたら、まずは自分の感情を観察してみてください。単に何かを感じたり思ったりしたからといって、それが真実だとは限りません。内なる反逆者を手なずけることを学ぶというのは、抵抗する思考をリフレーミング(再構成)することなのです。本当は何を求められているのか、何が自分自身や大切な方たちにとってベストなのでしょうか?
パートナーや上司との衝突を避けるためにイライラを乗り越えるのは不快に感じるかもしれませんが、お互いの関係を壊してしまうよりは、そうした方が良いでしょう。日焼け止めを塗るのは煩わしいかもしれませんが、やけどのような日焼けをせずに済めば、塗ってよかったと思いますよね。そしてマスクをするのは不快で不便に感じるかもしれませんが、シートベルトをするのも、自転車のヘルメットをかぶるのも、運動を始めるのも―その恩恵に気付くまでは、どれも同じなんですね。
リフレーミングと心理的リアクタンスの再訓練には時間がかかりますが、練習と鍛錬と深呼吸をすれば、エゴを手放し、自分自身と周囲の世界をより良く理解し始めることができるようになりますよ。
「頑固マンにマスクをさせる方法」ではなく、「自分が頑固マンの自覚がある場合の対処方法」という記事だったんですね。
まぁ僕は、記事で「そういう人もいる」と挙がっていた、全くイライラもしないし内なる反逆心とやらとは完全に無縁な人間なんですけど、何と言いますか、こう賢しらに偉そうに、
「どちらがより良いと思いますか?」
「内なる反抗心を手懐けましょう」
とか言われると、それそのものが命令に感じると言いますか、何だかバカにされているように感じてイラっとしてしまう気もしますね(「内なる反逆心とやらとは無縁」じゃなかったのかよ(笑))。
まぁそれは冗談ですけど、やはり瞬間湯沸かし器のような方は世の中いらっしゃるもので、それが他ならぬその方自身に大きな損なのは間違いないですから、自問自答して対策ができるならしてみるに越したことはないのかもしれませんね。
単純に損得勘定で、「怒って得することなんてまぁなくないか…?」と思うのが、自称菩薩の僕が言えるかもしれない温厚穏やか思考のコツでしょうか(まぁ、そんなので怒りが鎮まるなら世の中平和だし警察は要らないわけで、全く何の役にも立たない浅いアドバイスでしかない気もしちゃいますけどね…正直、持って生まれた性質で仕方ない面がある気もしちゃいます)。
