前回のあまり目ぼしい話もなかった便秘記事に引き続き今回も便秘ネタですが、こちらは「家庭で出来る9つのコツ」ということで、ちょっと役に立つ話がありそうかなと期待できるかもしれません(まぁ、この手の「〇つのXX」記事の浅さは異常…と相場は決まっている気もしますが(笑))。
今更ですが「便秘」というのは「Secret poo」みたいな直訳では当然なく、Constipationという「便」や「糞」とは全く関係がない専用の単語があるわけですが、語源を紐解いてみると、これはラテン語のcom-とstipareが組み合わさったもののようで、それぞれ「to crowd together(密集する)」と「to pack tight(きつく詰まる)」という意味であり、まさにそのまんま便秘そのものと言える語ですね。
どうせ水だの繊維だのといった当たり前の話しかないような気もしますが(笑)、何かいいヒントがあることを期待して、早速参りましょう。
家庭で便秘を解消するための9つのポイント(9 Tips To Relieve Constipation at Home)
水を飲むこと、食物繊維の多い食品を摂ること、運動することは、「いつもの」自分に戻るための方法のほんの一部です
お腹が膨れて、詰まっています。トイレで力みますが…何も出ません。便秘ですね。
便秘はイライラするレベルでよくあることです。人によっては慢性的な症状となっています。また他にも、ストレス、食べ物の選択、日常生活の変化、手術、あるいは投薬などの要因で便秘が起こる方も稀にいます、と、消化器系の専門家ブリン・デサンティスCNP(認定臨床看護師)がおっしゃっています。
しかし、便秘の原因が何であれ、便秘を解消することは可能です―どうするかだけが重要なのです。デサンティス看護師が、規則正しい便通を取り戻すために自宅で試せる9つのコツを紹介してくださいます。
便秘を自然に解消する方法
慢性的な便秘は、医療機関を受診する必要がある症状です。しかし、たまにしか便秘にならないのであれば、以下の9つの方法を実践すれば、おそらくご自身で対処できることでしょう:
1. 水をたくさん飲む
脱水状態になると、うんちの粘度が変わり、硬くなったり、動きが悪くなったりします。なので、便が止まっていると感じたら、まず水の摂取量を増やすことが最初のステップになるのです。
そこを目指す傍ら、デサンティス看護師は、カフェイン入りの飲料を減らすことを推奨しています。カフェインは排尿を増加させ、体を脱水させるからです。また、アルコール飲料は脱水と胃腸(GI)管への刺激の両方があるため、これも控えるようにしましょう。
2. 食生活を見直す
便秘で悩んでいる方は、まず台所に答を求めてみましょう。軟らかくてカサのあるうんちを維持するためには、食物繊維の多い食品(プルーンのような)をたくさん摂取する必要があります。以下は、食事に加えるべき食物繊維の多い食品の例です:
- オートミール、グラノーラ、全粒粉パン、パスタなどの穀類
- レンズ豆、黒豆、ひよこ豆といった豆類
- ブロッコリー、ケール、ニンジンのような野菜類
- リンゴ、ラズベリー、洋ナシなどの果物
- アーモンド、亜麻仁、ピスタチオといったナッツ類
既に食物繊維の多い食事を摂っている方は、食物繊維サプリメントの摂取も検討してみるのもいいかもしれません。長期的な規則正しさを得るために食物繊維サプリメントを毎日摂取する必要があると思われる場合は、かかりつけの医師に相談するようにしてください。
また、加工度の高い食品(缶詰、箱詰、およびファストフード)や赤身肉のような高脂肪食品も避けるべきです。揚げ物もそれと同様で、食物繊維はほとんど含まれておらず、体全体の健康にもよくありません。
食生活を変えると便秘が改善することはよくありますが、少しずつ変えていくのが一番です。あまりにも積極的にやりすぎると、かえって気分が悪くなることもあり得ます。また、食物繊維のサプリメントもゆっくりと始めていくべきです。そして、食物繊維と一緒に水分の摂取量も増やすようにしましょう。そうしないと、便秘が悪化する可能性があります。
「食物繊維のサプリメントや食物繊維の多い食品を摂ると、ガスや膨満感が増して気分が悪くなってしまうことが時折あり得ます」とデサンティス看護師が説明している通りです。「便秘が酷いときに食物繊維を摂りすぎたり、十分な水分を摂らずに食物繊維のサプリメントを摂ったりしてしまうと、冬眠中の熊のようにお腹が詰まってしまいかねません。」ですから、徐々に始めて、水分を十分に増やすよう心がけ、食べた物やサプリメントで症状が悪化するようなら中止するようにしてください。
食物繊維と水分で便秘が改善されない場合は、かかりつけの医療機関を受診するようにしましょう。
3. 運動量を増やす
うんちが動いていないなら、それは自分自身が運動すべきサインだと言えます。
運動すると、いくつかの重要な身体機能がスピードアップします。血行がよくなり、血液中の酸素の量も増えます。また、老廃物を体外に押し出す役割の筋肉も鍛えられます。
デサンティス看護師は、運動による消化器系への恩恵を感じるために、フィットネスマニアになる必要まではないと強調しています。10分程度の散歩や椅子でのエクササイズで十分効果的だと言えるのです。
4. プロバイオティクスを考慮してみる
人間の体内には何兆もの細菌細胞が棲みついています。そのほとんどは腸内に存在しています。こういった細菌の中には、人間を病気にさせるものもいますが、それ以外には健康維持に重要な役割を果たしてくれるものもいます。善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、基本的な身体機能―消化をはじめとする諸機能―が低下する可能性があります。
プロバイオティクスが豊富な食事を摂ることで、規則正しさを維持する一助となり得る、という証拠もあります。ただし、脂肪分の多い乳製品は避けましょう。低脂肪や無脂肪のヨーグルトが、天然のプロバイオティクスの良い摂取源になります。ザワークラウト、紅茶キノコ、味噌、キムチなどの発酵食品は、乳製品以外のプロバイオティクスを豊富に含む選択肢です。
人によっては、プロバイオティクスのサプリメントが消化を整えるのに役立つこともあります。しかし、便秘に特化したサプリメントを裏付ける研究は限られています―そして、サプリメントはFDA(アメリカ食品医薬品局)によって厳密に規制されているものではありません。デサンティス看護師は、毎日の食事療法に別の錠剤を加える前に、かかりつけの医師に相談することを勧めています。
5. 時間に余裕を持たせる(ただし、長すぎは禁物!)
朝食を食べてから腸を動かす時間を確保するために、少し早起きをしてみましょう。温かい飲み物や食べ物は、便意を刺激してくれます。また、誰しも自宅のトイレが一番リラックスできるのではないでしょうか。
しかし、そこでリラックスしすぎてはいけません。トイレにいる時間が長ければ長いほどより力むことになり、痔の原因になり得ます。トイレに座っている時間は、最大でも10分までにしましょう。
「誘惑に駆られるかもしれませんが、スマホやノートパソコンをトイレに持ち込むのはやめるようにしてください」とデサンティス看護師がアドバイスしています。
6. スクワット(しゃがむ)
多くの方が、椅子に座るのと同じようにトイレに座ります。しかし、人間の体は全く別の姿勢を好んでいるのです。膝が腰より高い位置にあるのが、ブツを動かすのに最適なスクワット姿勢なのです。
最近では、しゃがむ姿勢を補助するための製品がたくさん販売されています。しかし、トイレに座りながら膝を抱えたり、小さな踏み台に足を乗せたりすることで、DIYすることも可能ですね。
7. 我慢しない
これは当たり前のことですが、とても重要なことなのです。外出先で便意を感じたら、公衆トイレを避けるのはやめましょう。
「体のために忙しくなりすぎてはいけません。現代社会では、これが便秘の引き金になることが多いのです」とデサンティス看護師が警告しています。
8. ストレスを管理する
頭の中で起こっていることと、腸内で起こっていること(あるいは起こっていないこと)との間には、決して否定できないつながりがあります。実際、便秘は不安や抑うつと同時に起こることが多いのです。
ストレスを感じると、人間の体は闘争・逃走モードに入ることで反応します。その過程で、コルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンが大量に分泌されます。これらのホルモンは、消化を遅らせたり、短期的に生き延びるのに必要のない体の機能を低下させたりするものなのです。詰まる所、サーベルタイガーに追われているときにトイレに寄り道するなんてことはできないわけですから!しかし、慢性的なストレスを抱えていると、腸の不調が問題となってきます。
だからこそ、消化器の健康にはストレス管理が重要なのです。
休憩をとる、深呼吸をする、瞑想をする、ヨガをする、日記を書くなど、マインドフルネスを実践することで、リラックスしてその場にいられる手助けとなることでしょう。デサンティス看護師はまた、ストレスに押し潰されそうなときは、メンタルヘルスの専門家に相談することも推奨しています。お腹が捻られるようなストレス要因が現れたときにどう対処すればよいのか、必要なスキルを教えてもらえますよ。
9. 市販薬を検討してみる
これまで紹介した方法を実践してもどうしても便秘が解消されないようでしたら、市販の便軟化剤や下剤を試してみるタイミングかもしれません。デサンティス看護師によれば、ほとんどのものは時々服用する程度であれば安全に使用できるとのことです。どの選択肢が自分に合っているかわからない場合は、かかりつけの医師にご相談ください。
慢性疾患―特に腎臓、心臓、肝臓に関わる疾患―を患っている場合は、かかりつけの医師に相談せずに市販薬を服用してはいけません。
医師の受診にかかるべき時
時には、単純な変化だけでは十分でないこともあります。家庭療法や食生活の改善で便秘が改善しない場合(しかも数週間以上続く場合)、デサンティス看護師は、より深刻な医学的原因を除外するために、病院で検査を受けることを勧めています。
もしも痛み、直腸出血、体重減少、下痢、吐き気、脱力感といった他の症状がある場合は、専門家に診てもらうことが特に重要です。
慢性的な便秘は、以下のような病状のサインである可能性があります:
便秘が緊急事態になるのはどんな時?
便秘そのものが緊急事態であることはほとんどありません。しかし、便秘がひどくなったり、他の症状を伴ったりすると、緊急事態になることはあり得ます。デサンティス看護師は、以下のような症状がある場合、直ちに助けを求めるよう呼びかけています:
- 激しい腹痛
- 直腸出血
- 嘔吐
- 原因不明の体重減少
9つもあったので結構長めでしたが、うーん、やっぱり、「えぇ?!そんな裏技が?知らなかったよ、ありがとうデサンティス看護師!」と思える話は、正直ありませんでしたね(笑)。
とはいえ、6番の排便ポーズ、これはちょうどこないだ書こうと思っててスペースの都合で断念していた話だったのですが、ちょうど最近、「快便にはこうするといいです」という一枚絵のポストが話題になっているのを目にし、それが、普通に「足を組んで座る」というものでした。
…分かりやすいイラストのその投稿は、保存しておかなかったのでちょっとすぐに見つからなかったですけど、検索したら割と昔から言われていることのようで、「排便 足を組む」で検索したら、こんな6年前のポストが目に付きました(↓)。
Twitterで得た最近の一番のライフハックは「うんこが出づらいときは足を組んで力めばすぐに出る」というもので、半信半疑でやってみたら本当にすぐに出たので最近うんこ出す時の僕は碇ゲンドウくらいかっこいいです
— おゆろ (@Uro__is) March 10, 2019
要は、普通に座るのではなく、片足を別の足に乗せる、まぁ文字で説明せずともまさに「足を組む」でしかないわけですけど、言われないと絶対にトイレではやらない気がするその姿勢、僕も試してみましたが、何気に効果ありに思えましたねぇ~。
まぁ便秘が解消するレベルの効果はないと思いますが、そういったライフハックは、ちょっと出が悪い時なんかに使えそうで便利かもしれません。
便通が悪い方は、試してみる価値があるのではないでしょうか。
