今回は、こないだの痔を治す方法記事で取り上げられていた気になるアイテムに個別記事があることが目に付いたため、そちらをピックアップさせていただきましょう。
ズバリ、Sitz bathこと、座浴!
Sitzというのはドイツ語のようですけど、そのまんま「座る」という意味で、「座る浴槽」的な意味になるわけですが、こうしてHEALTH LIBRARY記事にもまとめられているとおり、れっきとした医療製品のようです。
痔以外にも、複数の用途で使われることもあるそうで、どんなものなのか、今回も早速丸っと翻訳引用させていただこうと思います。
座浴(Sitz Bath)
座浴とは、会陰部周囲の不快感を和らげるために座って浸かる温水浴のことです。温かいお湯に浸かることで、肛門括約筋が緩み、肛門組織の血流が促進されます。これにより、治癒が促進され、様々な疾患状態による痛み、痒み、炎症が軽減されます。
概要
座浴とは何?
座浴とは、会陰部の痛み、ほてり、または痒みを和らげるために座って浸かる、浅く温かい浴槽のことです。会陰とは、お尻(肛門)の入り口と外性器(陰嚢または外陰部)の間の領域です。会陰部をぬるま湯に浸すと、肛門括約筋(肛門の底部で開閉する輪状の筋肉)が緩むことで、筋肉の痙攣が軽減します。この筋肉をほぐすことで、肛門組織の血液循環が改善され、それにより治癒が促進され、痛みが軽減されていきます。
アメリカで初めて座浴が行われた記録があるのは1859年のことです。当初、座浴は金属製の半身浴槽でした。寝たままの姿勢で下半身を浸す形のものだったのです。1880年代後半には、座浴は温泉療法とみなされるようになりました。今日、医療従事者は、痔の緩和や、裂肛およびその他の健康状態の治療など、様々な理由で座浴を処方するのが一般的となっています。
座浴は何に使われるの?
座浴は、一般的な健康状態や医療処置による不快感を和らげるために使用可能です。温水が会陰部の血流を促進し、これにより治癒が促進されます。
痔のための座浴
痔は、直腸下部と肛門に位置する腫れた静脈のことです。便秘、妊娠、出産を含む様々な理由で起こります。座浴は、痔による痛みや腫れを軽減するのに役立ち得ます。また、痔核を切除したばかりの方は、術後の不快感を軽減するためにも、座浴が効果的になることでしょう。
産後の回復のための座浴
出産の後は、会陰部に痛みや腫れを感じることがあるかもしれません。これは経腟分娩でも帝王切開でも起こり得ることです。座浴は、痛みや腫れを和らげ、患部の治癒を促進するのにも役立ち得るものとなっています。
バルトリン腺嚢胞のための座浴
バルトリン腺嚢胞とは、膣の入り口近くの大陰唇にできる嚢胞の一種です。バルトリン腺嚢胞は、膣の潤滑を助ける体液を分泌するバルトリン腺の1つの開口部で閉塞が起こった際に発症する可能性があるものです。座浴は、バルトリン腺嚢胞が自力で破裂して排出されるのを補助してくれるかもしれません。
裂肛のための座浴
裂肛とは、肛門や肛門管の粘膜にできた裂け目のことです。うんち(排便)の前や直後に感じる痛みは、裂肛による筋肉の痙攣からきています。座浴は筋肉の緊張をほぐし、裂肛の治癒に役立つ可能性があります。
座浴は、以下のようなその他の健康状態にある方の症状を緩和したり、治癒を促進したりするのにも役立ち得ます:
- 会陰部膿瘍
- 痔瘻
- 肛門、膣、または外陰部で直近に受けた手術
- 肛門疾患
また、会陰部を清潔に保つためや、排便時の不快感を和らげるためにも、座浴を利用することが可能です。
処置の詳細
会陰部の痛み、ほてり、または痒みを和らげる座浴キットの使い方 (※2つしかない上、説明もほぼ不要だと思いますが、用語は以下の本文中にも出てきて英語も併記したおいたので、そちらをご参照ください。)
座浴はどう使うの?
浴槽で座浴を行うこともできますし、トイレの上に置ける小さなプラスチックの桶を使って座浴器を作ることも可能です。
トイレ用の座浴はキットになっていることもあります。このキットには、便器より少し大きめの浅い洗面器(shallow basin)が含まれています。キットの中には、更に、長いチューブのついたビニール袋も入っていることがあるかもしれません。この袋にお湯を入れ(bag filled with warm water)、チューブを通して浴槽に入れます。座浴キットは、オンラインでも多くの店舗でも購入可能です。
浴槽を使用する場合でも座浴キットを使用する場合でも、使用前に浴槽をしっかりと洗い、よくすすいでください。プラスチック製の座浴器を使用する場合は、便器の上に置き、便座を被せます。
浴槽またはプラスチック製の座浴器には、会陰部が被さる程度(3~4インチ)のぬるま湯を入れます。お湯はぬるめにしてください。平均温度は華氏104度(摂氏40度)あたりが良いです。お湯が熱すぎないように注意しましょう。お湯が熱すぎると火傷の恐れがあります。
プラスチック製の桶を使用する場合は、座る前に直接水を入れることが可能です。あるいは、ビニール袋とチューブを使って、座ってから桶にお湯を入れることもできます。最初のお湯が冷めてきたら、ビニール袋から新しいお湯を入れられる形です。
肛門周辺を15分から20分、浴槽に浸してください。座浴にエプソムソルト(※バスソルトの一種)は必要ありません。ぬるま湯だけで大丈夫です。塩分、油分、その他の物質は炎症を引き起こす可能性があります。症状によっては、かかりつけの医療従事者が薬と一緒に座浴を処方することもあるかもしれません。担当医の指示がある場合のみ、座浴に塩やその他の物質を加えるようにしてください。
座浴後は、清潔なタオルでお尻と会陰部の水分を吸い取りましょう。患部を刺激しないように、擦ったり強く拭いたりしてはいけません。お湯を捨て、浴槽またはプラスチック桶をきれいにします。
痛み、痒み、および不快感を和らげるために座浴が有効であれば、1日に3~4回座浴することを担当医から勧められることがあるかもしれません。
リスク/メリット
座浴の有効性は何?
座浴は、多くの一般的な疾患状態に伴う痛み、痒み、および不快感を和らげることができる、非侵襲的な治療法です。比較的簡単に使用でき、無料(自宅の浴槽を使用する場合)または低価格(キットを購入する場合)です。
座浴のリスクや合併症は何?
座浴の使用に伴うリスクはほとんどありません。これは、非侵襲的な治療法であるからです。稀に、会陰部に感染症が起こることはあり得るかもしれません。これは、座浴を使用する前に入念に洗浄しなかった場合に起こる可能性があるものです。プラスチック製の座浴器を他の人と共有しないでください。また、最近会陰部を手術した場合にも、感染が起こる可能性があります。
痛みが悪化したり、会陰部が赤く腫れたりした場合は、すぐに座浴の使用を中止してください。医療機関に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。
医師に連絡する時
いつ医療機関を受診すべき?
座浴を2~3回行っても会陰部痛が改善しない場合は、医療機関に連絡してください。感染症を発症しているか、別の理由で痛みを感じている可能性があります。
妊娠中または最近出産された方は、座浴を始める前にかかりつけの医療従事者にご相談ください。入浴のタイミングや方法について、具体的な指示をもらえることでしょう。
クリーブランド・クリニックからのメモ
座浴とは、温かく、浅い浴槽につかり、会陰部の不快感を和らげることです。温かいお湯に浸かると肛門括約筋が緩み、肛門組織の血流が促進されます。これにより、治癒が促進され、様々な疾患状態による痛み、痒み、および炎症が軽減されます。座浴には多くのメリットがあり、リスクはほとんどありません。症状を治療するために座浴を試すべきかどうか、かかりつけの医療従事者に尋ねてみましょう。
分かりやすく、良い記事でしたね。
痔もそうですが、どちらかといえば炎症や痒みを起こしがちな女性向けのものなのかな、という印象も受けました。
イラストはありましたが、実物はどんなものだろうと思って検索したら、Amazonでも購入可能ですね!
「座浴」で検索してトップで出てきたのは(漢字だけだと中国語サイトばかりがヒットしてくるので、実際は「座浴の」で検索しましたが(笑))、こんな感じのものでした(↓)。

お値段も控えめで、これは便利そうです。
必要になったら、ぜひ試してみたい限りです。
