今では「アルコール使用障害」と呼ばれるようになった、アルコール依存症について知っておこう

それでは前回書いていた通り、こないだ見ていたDSM-5の記事で取り上げられていた具体的な精神疾患記事の内、身近に感じられるもので、かつあまりにも長すぎるわけではないものの中から、今回はアルコール使用障害の記事(↓)を見ていこうと思います。

 

my.clevelandclinic.org

 

まぁ何だか名前に違和感がありますが、これは「痴呆」が「認知症」になったように、旧来の呼び名(日本語なら「アル中」とか、英語ならAlcoholismとかでしょうか)は不適切になって言い換えられたものなのか、基本的には単にアルコール依存症のことを指すもののようです。

ちょうどアメリカでは大統領も変わり、政策も変化してあまりポリコレ的な細かい部分のあれこれは今後少なくなっていきそうですが……と思いきや、記事内では別に「たまにAlcoholismとも呼ばれます」とありましたし、特に差別的・言葉狩り的な理由で変わったというわけではなく、これに関してはより医学的に適切と思われる呼び名に変わっただけなのかもしれませんね。

 

名前はともかく、アルコール依存について、まぁこれはこの記事でなくとも色々と語られ尽くしているものですし、漫画好きの僕としてはやっぱり、数年前に亡くなられてしまった吾妻ひでおさんによる『失踪日記』からの『アル中病棟』なんかが本当に読み応えがあってかつ現場の雰囲気も学べる傑作だったように思えますけど、ここはやはり医学的なまとめを見ておくのも意味があるものと言えますから、今回も上記クリーブランド・クリニックによるHEALTH LIBRARY記事を早速参考にさせていただきましょう。

 

アルコール使用障害(Alcohol Use Disorder)

アルコール使用障害(時にアルコール依存症と呼ばれることもあります)は、一般的な疾患症状です。この症状では、飲酒が健康に影響を及ぼし、生命の安全が脅かされ、人間関係が損なわれようとも、飲酒を止めることができません。治療には薬物療法と行動療法があります。複数の研究で、ほとんどの方が飲酒量を減らす、あるいは飲酒を完全にやめることが可能だと示されています。

 

概要

アルコール使用障害とは何?

アルコール使用障害(時々、アルコール依存症と呼ばれることもあります)は、一般的な疾患症状です。この症状をお抱えの方は、たとえアルコールの使用によって自分の人生や周囲の人々の人生が狂ってしまったとしても、飲酒を止めることができません。アルコール使用障害には軽度、中等度、重度があり得ます。治療には薬物療法や行動療法が含まれ得ます。この症状をお抱えの方は、再び飲酒を始めることがあるかもしれませんが、治療を受けることで、ほとんどの方が飲酒量を減らす、あるいは飲酒を完全に止めることができるようになるということが複数の研究で示されています。

 

(※今回もここに簡単な動画が挟まれていましたが、この記事にはアイキャッチ画像用に使えるイラストもあったため、動画は省略します。)

 

症状と原因

アルコール使用障害は、あなたの人生を支配してしまうかもしれません。人間関係に害を及ぼすにもかかわらず飲んでしまったり、次の飲酒を中心に生活計画を立ててしまったりすること(plan your life around your next drink)さえあり得ます。また、アルコールが欲しくなったり、離脱症状が出たりといった身体的な問題も引き起こします。

(※各症状は、すぐ下の節や↑の図の説明文で触れられているため、日本語はそちらをご参照ください。)

 

アルコール使用障害の症状は何?

病気の症状というと、痛みや発熱、あるいはなかなか治らない咳などの身体的な問題に目が行くかもしれません。アルコール使用障害の症状は、以下を含む、気分や行動の変化が中心のものとなっています:

  • アルコールを含む飲料への渇望(Claving)。
  • 飲酒が家族、友人、同僚との関係に影響を及ぼす(affects relationships)にもかかわらず、アルコール飲料を使用し続ける。
  • 自分が意図した以上の量、あるいは意図した以上に長い時間飲酒してしまう。
  • アルコール飲料の入手や飲むこと、または飲酒による二日酔いの回復に多くの時間を費やしてしまう。
  • 飲酒量を減らそうと繰り返し何度も試みる(Tyring and failing)。
  • 飲酒のせいで、仕事や家庭の義務を繰り返し何度も怠ってしまう。
  • 飲酒のために、重要な社会的活動、仕事、娯楽活動を諦める。
  • 身体的に危険な状況でアルコールを使用する。
  • 飲酒すると悪化する病気や精神障害があるのに、飲酒を続けてしまう。
  • アルコールを含む飲料に対する耐性が高くなる(Having a high tolerance)。
  • アルコールの禁断症状がある(Having alcohol withdrawal symptoms)、または禁断症状を避けるために飲酒する。

 

どの程度が飲みすぎなの?

アメリカ医師会は、出生時に男性に割り当てられた方(AMAB)に対して、1日2杯までの飲酒制限を推奨しています。このグループにおける大量飲酒とは、1日に5杯以上、または1週間に15杯以上の飲酒です。出生時に女性に割り当てられた方(AFAB)は、飲酒を1日1杯に制限すべきです。このグループの大量飲酒は、1日に4杯以上、または1週間に8杯です。

 

何がアルコール使用障害を引き起こすの?

研究者でも発症の理由を全て把握しているわけではありませんが、以下のような要因があることは明らかになっています:

  • 遺伝: 家族にアルコール使用障害の病歴がある方は、発症リスクが高いということが複数の研究で示されています。
  • メンタルヘルスの状態: 鬱病心的外傷後ストレス障害PTSD)、または注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの疾患があると、アルコール使用障害のリスクが高まる可能性があります。

 

この症状の合併症は何?

二日酔いと禁断症状の2つが、アルコール使用障害の方に影響を及ぼす問題となります。しかし、アルコールは化学発ガン物質です。アルコールを含む飲料を大量に長期にわたって摂取し続けると、食道ガンを発症するリスクが高くなります。その他の潜在的な合併症は以下の通りです:

  • アルコール誘発性心筋症
  • アルコール誘発性肝炎
  • アルコール中毒
  • 小脳変性症
  • 肝硬変
  • 振戦せん妄(※アルコールによる震えを伴う意識の混乱)

 

診断と検査

アルコール使用障害はどう診断されるの?

医療従事者が、アルコール使用障害が引き起こす可能性のある症状の有無を調べるために、身体検査を行うことで診断します。

医療従事者は、上述の症状に基づいて、精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)に記載されている基準を用います。担当医が、ご自身がアルコール使用障害であるかどうか、そしてその症状が軽度、中等度、重度のいずれであるかを判断していきます:

  • 軽度: 症状が2~3項目の基準に当てはまる。
  • 中等度: 症状が4~5項目の基準に当てはまる。
  • 重度: 症状が6項目以上の基準に当てはまる。

 

管理と治療

アルコール使用障害の治療法は何?

治療法は状況に応じて異なります。症状が重い場合は、担当の医療従事者が入院治療や入所型のリハビリテーションを勧めることがあります。その他の治療法は以下の通りです:

  • 行動療法: この治療法は、飲酒行動を変えるカウンセリングに重点を置いています。依存症カウンセラーや心理士と協力することもあり得ます。
  • 薬物療法アメリカ食品医薬品局FDA)は、アルコール使用障害の治療薬としてナルトレキソンとアカンプロサートを承認しています。トピラマートやガバペンチンも、人によっては欲求を低下させられることがあります。
  • 支援グループ: 支援グループは、ご自身の状況を理解してくれる方たちとつながる方法です。

 

予防

アルコール使用障害を予防するにはどうすればよい?

アルコール使用障害を予防するためには、リスクの高い飲酒を避けましょう:

  • 出生時に女性と割り当てられた方: 1日に4杯、かつ1週間に8杯以上の飲酒をしない。
  • 出生時に男性に割り当てられた方: 1日に5杯、かつ1週間に15杯以上の飲酒をしない。

それ以上お酒を飲んでいる場合は、お酒を減らすかやめることを検討しましょう。実績のある方法については、かかりつけの医療従事者にご相談ください。

 

見通し/予後

アルコール使用障害の根治法はあるの?

複数の研究で、この症状のほとんどの方は回復すること、つまり飲酒量を減らしたり、飲酒を完全にやめたりできていることが報告されています。再発はするものです。職を失ったり、離婚を経験したり、家族や親しい友人の死に直面したりといったストレスフルな出来事に対処するために飲酒を始めてしまうこともあるかもしれません。ストレスにさらされ、再発の危険性があると思われる場合は、かかりつけの医療従事者に相談しましょう。

 

受け入れる

自分自身のケアはどうすればよい?

アルコール使用障害の治療を受けている方は、既に自分自身を大切にするための重要な一歩を踏み出しています。回復とは、一歩ずつ、一日一日を歩んでいく旅なのです。以下は、その過程で役に立つかもしれないいくつかの提案です:

  • 運動する: 日々の困難であれ、お酒を飲めないことにストレスを感じることであれ、ストレスに対処するには運動が非常に効果的です。
  • トリガー(引き金)を知る: アルコール使用障害では、特定の状況が飲酒の衝動を引き起こしてしまうことがあり得ます。
  • 支援を求める: 12ステッププログラムであれ、セラピストとの時間であれ、ご自身の状況を理解してくれる方と話すことは助けになるかもしれません。

 

医療機関を受診すべきタイミングはいつ?

それは状況次第です。例えば、肝硬変のようなアルコール使用に関連した疾患の治療を受けている場合、新たな症状かもしれない体の変化に気が付いたら医療機関を受診すべきです。カウンセリングを受けている場合、メンタルヘルスへの追加支援が必要だと感じる際は、ストレスの多い状況への対処法についてかかりつけの医療従事者にお尋ねください。

 

救急外来(ER)に行くべきタイミングはいつ?

重度または中等度のアルコール使用障害のある方が突然飲酒をやめると、振戦せん妄(DT; delirium tremens)を発症する可能性があります。これは重篤な形のアルコール離脱症状です。生命を脅かすこともあり、早急な治療が必要になる発作や幻覚といった深刻な医学的問題を引き起こしかねません。

 

担当医にはどんな質問をすべき?

治療と回復の過程で多くの疑問が出てくることでしょう。以下はその一案です:

  • 私はアルコール使用障害だと思いますか?
  • もしそうなら、それは深刻ですか?
  • どのような治療がお勧めですか?
  • 治療を受ければお酒を止められますか?

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

アルコール使用障害かもしれないと思われた場合、それは、あなただけではありません。この症状は何百万人もの人に影響を及ぼしています。自分に問題があると気が付くことは回復への第一歩ですから、どうか躊躇わずに医療機関医ご相談ください。アルコール使用障害から回復するための治療法やリソースをお勧めしてくれることでしょう。

 

まぁ僕はお酒を一滴も飲まないので正直「我関せず」ではあるのですが、これは本当に大変ですよね。

 

「だって酒飲むこと以上に楽しいこと・気持ちよくなれることが人生にないんだもん、飲むのやめたら何のために生きてるんだ、ってことにならない?」

 

という意見に対し、医学がかけてあげられる答は存在しないような気もします。

 

「身体に悪いとか、んなこたぁ百も承知だわ、ここで我慢して我慢して生きてくのと、今酒を飲めること、人生トータルの幸福度でいえば、俺にとっては後者の方が圧倒的に上なンだわ」

 

という意見に対し、「お酒をやめる方が絶対に上です、飲んではいけません」というのは、少し傲慢な意見とちゃいますかね…という気は、やっぱりしてしまいますねぇ…。

 

(もちろん、実際そのまま飲みすぎると激痛で長く苦しむことになり、本当にトータルで「飲まない方がよかった」になることもあるっちゃありますし、他人に迷惑をかけるという側面も少なからずありますから、そういう開き直りの考えは「甘え」と断じて、何としてでもやめさせるというのは社会福祉上、立派な行為にも間違いないとは思えますが…)

 

お酒に限らず多分あらゆる中毒性のあるものが正直そうだと思うんですけど、人間は弱いですし、本人が「摂取するメリットの方が上」と感じてしまったら、やっぱりやめるのは難しいよなぁ、と思えるのが難しさの本質な気がします。

 

…まぁ、「だからどうした、そりゃそうだろ」って話でしかないんですけど(笑)、僕はたまたまお酒の味も効果も好きじゃなかったから飲んでないだけで、ある意味ラッキーなだけと言いますか、好きなものが身体に悪くて、ある程度の所でやめなきゃいけないのは本当に大変だろうなぁ、と思えてやみません。

 

素人が言及して何か力になれるわけでもありませんが、「やめたいのにやめられない」というのもまた苦しいことですし、記事で挙げられていた通り今は色々な対処法ができているようなので、悩んでいる方は、ご自分に合う対処法が見つけられることをお祈りしたい限りです。

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