それでは予告通り、前回の「歯科(デンタル)・精神科(メンタル)のつながり」記事、そして前々回の歯科クリーニング記事でも取り上げられていた、「歯医者は怖いですよね?でも対策があるんです」という、その対策記事を見ていこうと思います。
両記事で取り上げられていたものはそれぞれ別のネタだったのですが、今回は先に出て来ていた、より厳密と言いますかお堅い内容の、HEALTH LIBRARY記事でまとめられていた「鎮静歯科」というものを見てみようかなと思います。
sedationは「鎮静」という意味の英単語で、Sedation dentistryでそのまんま「鎮静歯科」になるわけですけど、専門的にこのように表記されることももちろんあれど、より分かりやすい言葉を使えば「無痛歯科治療」ということで、そのように表現されることも多いようですね。
まぁ子供が怖がるのって、そういえばなぜか歯医者が本当に筆頭になってますけど、実際、事故で骨折とかそういう大きな怪我をしていないのに、いきなり連れていかれていきなり痛い思いをするのはやっぱり歯医者さんが多いのかもしれません。
僕は、子供の頃はちょっとしたことで泣いてましたし痛みに強いわけでは一切なかったものの、注射とか歯医者を怖がって「い゛や゛だあ゛ぁぁーー」と泣き叫んで親や周りを困らせた…ってことは一切なかったですねぇ。
もちろん「チクッとするの怖ぇなぁ」とか「痛いっつうかシみるんだよなマジで、受診拒絶まではしないけど、億劫ではあるし多少気が滅入るぜ…」とは思ってましたけど、何て言うんですかね、医療として確立された技法であり、多少痛くても絶対に死んだり後遺症が残ったりすることはないと言いますか、受けることで確実に得られるメリットの方が大きいというのは明らかなわけで、費用対効果を考えて(いやさっきから、当時は別にそんな大人びた小賢しい話し方とか思考とかをしてたわけではありませんけどね(笑))、拒否する選択肢の方があり得ないと、その辺物分かりのいい少年だった感じでした。
とはいえ、子供に限らず大人でも歯科医院というのは恐怖の場所で絶対避けたいと思う人は世の中案外多いようですから、そういった恐怖症の方々のために、技術も進歩しているということですね。
どんなものなのか、今回も早速参りましょう。
鎮静歯科(Sedation Dentistry)
鎮静歯科(※以下、より分かりやすい「無痛歯科治療」とします)は、歯科施術中の快適さを保つものです。歯科不安症状をお抱えの方や、長時間の治療を受ける方に効果的です。選択肢には、亜酸化窒素、経口意識下鎮静法、および静脈内鎮静法が含まれます。無痛歯科治療を行う歯科医には、特別な資格が必要となります。
概要
無痛歯科治療とは何?
無痛歯科治療とは、歯科施術中、患者さんに落ち着いて、リラックスし、安心していただく助けとなるものです。中程度の鎮静レベルなので、肉体的にはまだ起きている状態ですが、とても気楽な気分を感じられます。意識を失うことなく、痛みに対して鈍感になる短期的な健忘(物忘れ)状態を作り出すので、この治療法は時に意識的鎮静治療法や「朦朧睡眠」と呼ばれることもあります。
無痛歯科治療が必要なのはどんな人?
無痛歯科治療は、子供を含め、あらゆる年齢の方に有効です。歯科医師は、しばしば以下のようなものをお持ちの方にこの方法を推奨しています:
- 歯科治療不安
- 歯医者に行くことに対する恐怖
- 咽頭反射が過敏
- 注射針への恐怖(先端恐怖症)
- 強烈な歯の知覚過敏
- 歯科用椅子に座った際の閉所恐怖症
- 局所麻酔に対する感受性の低下
- 動作のコントロールが困難
- 特別なニーズ(身体的、認知的、行動的なものを含む)
歯科治療では、どんな鎮静法が使われるの?
無痛歯科治療には、患者さん独自のニーズに応じて様々なレベルのものがあります。判断材料としては、不安のレベル、施術の長さ、健康歴、および個人的な好みが含まれます。最も一般的な鎮静法には、亜酸化窒素、経口意識下鎮静法、そして静脈内鎮静法が含まれます。
亜酸化窒素
亜酸化窒素は、一般に「笑気ガス」として知られているものです。マスクや鼻あてを通して亜酸化窒素を吸入すると、3~5分以内に鎮静効果が現れます。担当の歯科医が、患者さんの受ける鎮静剤の量をコントロールし、処置の間、都度投与量を調整していきます。治療が終わると、担当の歯科医が亜酸化窒素を体内から洗い流すために、純粋な酸素を送り込みます。笑気ガスは体内から一瞬で抜けるので、処置の後、自分で運転して家に帰ることが可能です。
経口意識下鎮静法
経口意識下鎮静法では、施術が始まる約1時間前に、担当の歯科医が鎮静剤(通常は錠剤の形)を投与します。ほとんどの歯科医が、ジアゼパム(バリウム®)の一種であるトリアゾラム(ハルシオン®)を使用します。しかし、歯科医によっては、ザレプロンやロラゼパムなど、他の薬も使うことがあるかもしれません。小児歯科では、ミダゾラム経口シロップのような液体鎮静剤がよく使用されます。
経口鎮静剤を使用すると、かなりグッタリし、眠ってしまうことさえあるかもしれません。しかし、必要であれば歯科医とコミュニケーションを取ることはできますし、優しく叩かれることで目は覚める形です。経口鎮静法は一時的に記憶力や運動能力に影響を与えるので、処置の後は友人や家族の運転で家まで送ってもらう必要があります。
静脈内(IV)鎮静法
IV鎮静法は、歯科医院で可能な最も深い意識下鎮静法です。担当の医療従事者が、静脈ラインを通して患者さんの血流に直接鎮静剤を投与します。治療中、担当の歯科医は患者さんの心拍数、血圧、および酸素濃度を監視します。投与量は常に調整可能で、必要であれば、回復薬を使用することも可能です。IV鎮静法を受けると、ほとんどの方は眠ってしまい、目が覚めた時には治療の記憶がほとんどあるいは全く残っていません。この方法は、歯科治療に対する不安が極めて強い方や、長時間の治療を受ける方に最適です。
歯科治療で全身麻酔が使われることはあるの?
はい、場合によってはあります。病院や外来手術センターでの全身麻酔は、小さな子供や特別な治療が必要な成人、または重度の歯科不安症をお持ちの方の治療に必要な場合があります。全身麻酔は一種の無意識鎮静法です。つまり言い換えると、処置中は完全に意識がなくなります。全身麻酔を行うには、担当の歯科医師は高度な専門的訓練を受けていなければなりません。ほとんどの場合、麻酔科医がこのタイプの麻酔を行います。
処置の詳細
無痛歯科治療の前には何が行われる?
最初のカウンセリングで、担当の歯科医と鎮静法の選択肢について話し合います。ご自身の健康状態が調べられ、服用している薬やサプリメントについて尋ねられることでしょう。必要な情報が全て集まったら、ご自身の特定のニーズに基づいて適切な鎮静法が提案されます。
ほとんどの場合、歯科受診予約の少なくとも6時間前から何も食べたり飲んだりしてはいけません。担当の歯科医から特別な指示がない限り、普段飲んでいる薬は全て中断することなく服用する必要があります。
ただし、ワーファリンのような血液をサラサラにする薬を服用している場合は、必ず歯科医に伝えるようにしてください。処置までの数日間、この手の薬は飲まないように言われるかもしれません。
無痛歯科治療の間には何が行われる?
治療を始める前に、担当の歯科医が鎮静剤を投与します。歯と歯茎の感覚を麻痺させるために局所麻酔薬もさらに投与されますが、担当の歯科医師は通常、患者さんが鎮静剤で既に心地よさを感じてからこれを行います。
無痛歯科治療の後には何が行われる?
鎮静法として亜酸化窒素を選択したのではない限り、受診の後は、信頼できる友人や家族に家まで送ってもらう必要があります。鎮静剤が切れるのを待つまでの間、まっすぐ家に帰って休むようにしてください。
注意: 無痛歯科治療後は、決してタクシーやライドシェアで帰宅してはいけません。信頼できる身近な人の手助けが必要です。施術を受けた方を一人にする前に、運転手はその方がベッドやソファで快適に休んでいることを確認する必要があります。
リスク/メリット
無痛歯科治療のメリットは何?
無痛歯科治療は不安や恐怖症を和らげ、歯科治療中に落ち着いて快適に過ごす手助けとなるものです。鎮静剤を使用することで、歯科医師はより早く治療を行うことができるため、予約回数を減らすことも可能となります。最後に、多くの方は歯医者に行くことを完全に避けてしまうほど、歯医者に大いなる不安を感じています。無痛歯科治療は、患者さんがより快適に感じる手助けとなりますので、患者さんが必要とし、やる価値のある治療を受けることを可能にしてくれるのです。
無痛歯科治療のリスクや合併症には何があるの?
無痛歯科治療は、免許を持った医療従事者が行えば通常安全です。しかし、合併症のリスクは多少あります。短期的なリスクとしては以下のようなものが考えられます:
- 長引く眠気
- 経口鎮静薬の効果を予測することは困難な可能性がある
- ドライマウス(口腔乾燥)
- 吐き気と嘔吐
- 頭痛
- 静脈部のあざ
経口鎮静薬の効果を予測することも困難な場合があります(※既に2つ目に全く同じことが挙げられていたので、珍しいミスですね)。稀に、アレルギー反応を起こす方がいらっしゃる可能性もあります。こういった問題に対処するためには、利用可能な薬が存在しています。
小児無痛歯科治療の副作用
無痛歯科治療は子供にとって安全です。しかし、親としては、お子様が慣れない薬を服用するのはやはり怖いものです。小児無痛歯科治療の副作用は通常短期間ですが、以下が含まれ得ます:
- イライラする
- いびき
- 発熱
- 吐き気や嘔吐
時折、鎮静剤投与の後、お子様の目覚めが遅くなることがあり得ます。このような場合は、担当の歯科医が、帰宅準備が整うまでお子さんを監視します。この副作用は正常なもので、1日か2日で自然に治まるはずです。具体的な質問や懸念がある場合は、かかりつけの歯科医にご連絡ください。
妊娠していても無痛歯科治療を受けられるの?
鎮静剤の中には胎児の発育に影響を与え得るものがあるため、一般的に、妊娠中の方には無痛歯科治療はお勧めできません。亜酸化窒素は、妊娠中期に投与される場合もあります。しかし全体的には、ほとんどの歯科医は、無痛歯科治療を行うのは妊娠後まで待つことを選びます。
回復と見通し
回復時間はどのくらい?
回復時間は様々です。どのような鎮静法を選択するか、また体が薬にどのように反応するかによって異なります。一般的に、亜酸化窒素を使用した場合は15~30分で回復し、受診後には患者さん自身が運転して帰宅することが可能です。経口意識下鎮静法やIV鎮静法を選択された方は、一般的に完全回復まで約24時間を要します。
いつ仕事や学校に戻れる?
亜酸化窒素を使用した場合は、歯科医院を出たら通常の活動に戻ることが可能です。しかし、経口または静脈内鎮静法を受けた場合は、仕事や学校に戻る前に少なくとも丸一日待つ必要があるでしょう。人によってはそれ以上かかることもあり得ます。担当の歯科医が、ご自身の状況に応じて、どのようなことが予想されるかを教えてくれることでしょう。
いつから運転できる?
経口鎮静法またはIV鎮静法を受けた場合は、運転再開まで丸24時間待つ必要があります。亜酸化窒素だけの場合は、歯科医院から出たら運転可能です。
食事はいつからできる?
受診の直後から食べたり飲んだりすることができます; がしかし、ほとんどの方は局所麻酔のしびれが切れるまで待つことを好まれます。まずは透明な飲み物のような軽いものから始め、そこからスムージーやミルクセーキに移行するのがベストです。気分が良ければ、2時間後にはもっとしっかりしたものを食べることが可能でしょう。
担当の歯科医が、術後のガイドラインのリストをお渡しします。このガイドラインには、どのような食べ物は避けるべきで、どのような食べ物なら食べても安全なのかが書かれています。ほとんどの歯科治療では、1週間以内に通常の食事ができるようになるでしょう。口の両側を治療した場合は、もっと時間がかかるかもしれません。
医師に連絡する時
いつ歯科医を受診すべき?
最近無痛歯科治療を受けた方は、鎮静効果が切れるまで少なくとも24時間かかり得ます。吐き気や嘔吐、華氏101度(摂氏38.33度)以上の発熱、あるいは薬を飲んでも改善しない痛みといった心配な症状が現れたら、かかりつけの歯科医に連絡して指示を仰いでください。
クリーブランドクリニックからのメモ
不安があるからといって、受ける価値のある質の高い歯科治療を受けられないということはありません。歯医者に行くことを考えるだけで恐怖や不安を覚えるのであれば、無痛歯科治療を利用することで、お口の健康を長持ちさせるために必要な治療を受けることが可能になることでしょう。かかりつけの歯科医に相談し、ご自身に合った鎮静法を見つけてみてください。
参考文献
(※珍しく最後に文献のセクションがありましたが(普段は、記事内にそのまま論文のリンクが張られていることが多いです)、英語論文を貼っても意味がない気がしますし、気になる方はオリジナルの記事をご覧いただければ…ということで文献リストは省略します。)
単なる麻酔だった感じではありますが、上手く歯科治療に最適化されたものでしょうから、これはどうしても恐怖を感じる方にはありがたいものですね。
この記事には画像がなかったので、実際にどんな感じなのか、「無痛で笑顔になれる」というのに相応しいのがありそうな、笑気ガス鎮静法で画像検索してみたら、ズバリ、パークウェイ小児歯科に素晴らしい画像があったので、こちらをお借りしておしまいにさせていただきましょう。

では次回は、無痛治療以外の、別の歯医者恐怖症への対処の仕方をまとめてくれていたhealth essentials記事を見ていこうかなと思います。