舌から歯から色々な口腔関連ネタを見てきましたが(一つ前のテーマというか元ネタは、睡眠ネタ→歯ぎしりという流れで口に脱線してたんですね、振り返ってみたら)、個人的に気になるネタは大体見終えて、後は「歯磨きはどのくらいの頻度ですべき?」みたいな既に他記事で完全に触れられていたものや、細かすぎる疾患など、あまり食指が動かされるものもなかったのですが、前回のフッ素記事でもちょうど触れられていた、クラウンやブリッジや、後は初耳だったボンディングやベニアなんかも、個別記事があったためせっかくなら見てみようとも思ったものの、もうちょい短ければ喜んで採用したんですけど、あんまり興味が湧かない割にそこそこ長い……。
でもまぁ、似たような矯正器具についての記事は既に見ていましたけどそれと同じぐらいの長さなので、あくまで「最近たまにあった、めちゃ短めな記事よりは長い」だけでそこまで長すぎないものの…
…とかいうこの世で最もどうでもいいことのひとつと言える無意味な前置きはともかく、似たような歯に装着するものの中で、将来自分もお世話になるかもしれない入れ歯、よく考えたら僕は入れ歯について何も知らなかったので、せっかくですし予習をしておこうと思い、今回は入れ歯についてのHEALTH LIBRARY記事を見ていこうかなと思います。
入れ歯は英語でDentureなわけですけど、中学生レベルの発想だと「へぇ、入れ…だからイン?あぁインサート?にトゥーッスがついて、インサート・トゥースとかじゃないんだ」と思えてしまいますが、前半のdent-はデンタルでお馴染み「歯」で、後半の-tureは、「furniture(家具)」や「culture(カルチャー・文化)」なんかにも出てくる(まぁ統一感なさすぎて、全然ピンとは来ませんが(笑))、「set」ということを意味する接尾辞であるため、「歯のセット」と考えたら、確かに入れ歯っぽいね、って気がするかもしれません。
(とはいえ、入れ歯というよりも「義歯」というニュアンスの方が強い印象もありますけどね、まぁどっちも本質的な違いはありませんが…)
どんなものなのか、今回も丸っと翻訳引用させていただこうと思います。
入れ歯(Dentures)
入れ歯は、失った歯に置き換えられる、取り外し可能な口腔器具です。入れ歯には、総入れ歯、部分入れ歯、インプラント入れ歯を含む、多くの種類があります。適切なケアとメンテナンスを行えば、入れ歯の平均寿命は7~10年になります。
概要
入れ歯とは何?
入れ歯は取り外し可能で、上顎、下顎、またはその両方の歯の欠損を補う口腔器具です。歯科技工士が、アクリル、レジン(樹脂)、ナイロン、金属、およびポーセリン(磁器)などの材料から入れ歯を成形します。
入れ歯の種類
入れ歯には多くの異なる種類があります。自分自身に合った入れ歯が何かは、その方ご自身の口腔内の健康状態次第となります。
総入れ歯
完全入れ歯とも呼ばれるこの装具は、失った歯のアーチ全体を置き換えるものです。総入れ歯は歯茎のてっぺんに配置し、口蓋(口の中の天井)または下顎骨の隆起を支えにします。しっかりと固定するために、入れ歯用接着剤(特殊なのり)を使用する必要があるかもしれません。
従来の入れ歯を頭に思い浮かべたら、恐らく総入れ歯が出てくることでしょう。総入れ歯は人工歯と歯肉色の土台で構成されています。
入れ歯を装着している方は通常、夜間に入れ歯を外して洗浄し、歯茎を休ませます。
部分入れ歯
片顎または両顎の数本またはほとんどの歯を失っている場合、部分入れ歯が選択肢となるかもしれません。部分入れ歯は総入れ歯と似ており、歯茎とその下の骨に支えられています。しかし、部分入れ歯には、残っている天然歯の周りに引っ掛けるための特別な留め具もあり、さらなる安定性を提供しています。
即時入れ歯(即時義歯)
入れ歯を装着する前に抜歯が必要な方も時折いらっしゃいます。即時義歯は、抜歯直後に装着する器具です。
場合によっては、即時義歯は一時的な器具であることもあります。完治した後に、担当の歯科医師が最終的な義歯に交換することになります。また他には、手術後すぐに最終的な義歯を装着できる場合もあるかもしれません。ご自身の状況に合わせて、担当の歯科医が説明してくれることでしょう。
インプラント支持型義歯
インプラント支持型義歯は、顎の骨の隆起と歯茎の土台に頼る代わりに、歯科インプラント(支台歯)に取り付けます。歯科インプラントとは、外科医が失った歯根を補うために顎の骨に埋め込む小さなネジ状の支柱です。
従来の入れ歯のように、インプラント支持型義歯は取り外し可能です。夜、洗浄したり、浸け置きしたりするために、入れ歯を取り外します。
インプラント支持型義歯は通常、顎に埋め込んだインプラントに「スナップ・イン(カチッとはめる)」ができるので、従来の入れ歯よりも安定性があります。入れ歯を口の中に固定するための接着剤は必要ありません。そのため、「スナップ・イン義歯」と呼ばれることもあります。
インプラント固定型義歯
他の入れ歯と違い、インプラント固定型義歯(永久義歯やハイブリッド義歯とも呼ばれます)は取り外しができません。これはスナップ・インやアウトするものではなく、入れ歯を取り外すのは、担当の歯科医のみが可能となっています。
歯科医師は、取り外し可能な口腔器具を望まない方に対し、インプラント固定型義歯を勧めています。取り外しができない入れ歯の欠点は、入れ歯の下のフロスなど、より徹底した毎日のクリーニングが必要になることです。
処置の詳細
入れ歯に関する相談では何が行われるの?
歯科医が顎、歯茎、および残っている歯を含む、患者さんの口の中を検査します。また、顎の骨の厚さを確認するために歯科用X線写真も撮ることになるでしょう。
担当の歯科医に入れ歯が適切だと判断された場合、入れ歯の選択肢についての話し合いをしていくことになります。ご自身に合った入れ歯は、以下を含むいくつかの要因によって異なります:
- 失った歯の数
- 歯を失ってからの期間
- 取り外し式がいいか、取り外し不可の器具がいいか
- 顎骨の密度と量
- 上顎と下顎の関係
- 個人的な好み
入れ歯はどう作られるの?
入れ歯を製作するにはいくつかのステップが必要です:
- 歯型を取る。まず、担当の歯科医が、患者さんの上下の顎の印象(歯型)を取ります。これには歯茎や残っている歯も含まれます。多くの場合、2種類の歯型―仮印象と最終印象―が必要になります。
- 歯の模型を作る。担当の歯科医が、患者さんの歯型を歯科技工所に送ります。歯科技工士がその歯型を使い、患者さんの口の石造模型(レプリカ)を作ります。歯科技工士はこの模型を使ってカスタム入れ歯を作成していきます。
- 入れ歯のカスタマイズ。入れ歯の製作はワックス留置ブロックから始まります。このブロックは、歯科技工士がどこに人工歯を配置すべきか決めるのに役立ちます。次に、技工士は様々な材料(アクリル、ナイロン、レジンなど)を使って新しい入れ歯の土台を作っていきます。最後に人工歯を追加していき、上下の歯が正しくフィットすることを確かめます。
- 入れ歯を磨く。技工士が患者さんの新しい入れ歯を作製したら、自然な輝きになるよう磨き上げ、装着(フィッティング)のために歯科医に送り返します。
入れ歯の装着(フィッティング)では何が行われるの?
担当の歯科医が新しい入れ歯を患者さんの口の中に装着し、フィット感をチェックします。歯茎に余分な力がかかっていないか注意深く観察し、入れ歯に必要な最終調整を行っていきます。
望ましいフィット感を得るには、通常、数回の診察が必要であることを知っておくことが重要です。これは、口の中の柔らかい組織が入れ歯に馴染むのには、時間が必要だからです。
リスク/メリット
入れ歯の利点は何?
入れ歯には以下を含む多くの利点があります:
- 咀嚼機能の向上
- 見た目の美しさ
- 言語機能の向上
- (咀嚼機能の向上による)栄養状態の改善
入れ歯の欠点は何?
入れ歯には、共通の難点もあります―従来の取り外し式入れ歯には特にです。例えば、従来の入れ歯をお使いの方の多くは、会話や咀嚼の際に入れ歯がずれたり、ぐらついたり、滑り落ちたりすることに不満をお持ちです。さらに、歯を失うと顎の骨は徐々に縮小し、顔面崩壊(頬のこけなど)につながっていきます。
回復と見通し
入れ歯に慣れるまでどのくらいの時間がかかる?
この質問に対する回答は人それぞれです。新しい入れ歯に慣れるまでには、時間―数週間から、時には数ヶ月―がかかることもあります。また、希望するフィット感を得るためには、最初の2週間程は何度か調整が必要になることにご留意ください。
入れ歯の寿命はどのくらい?
入れ歯の平均寿命は7~10年です。ほとんどの方は、この時点で入れ歯の交換が必要になります。
また、1~2年に1度―または入れ歯のフィット感に変化があるたびに、入れ歯の再調整を受ける必要もあります。このプロセスでは、担当の歯科医が入れ歯に素材を追加し、より快適なフィット感を確保してくれます。
入れ歯はどう手入れすればよいの?
適切なケアとメンテナンスが、入れ歯を良い状態に保つのに役立ちます。以下、お使いの装具をできるだけ長持ちさせるための一般的なガイドラインをいくつかご紹介します:
- 1日の終わりには入れ歯を外す。
- 入れ歯ブラシと歯磨き粉を使って入れ歯を洗浄する。
- 入れ歯を入れ歯用洗浄液に一晩浸す。
- 歯茎、舌、頬の内側、口の中、残っている歯を1日2回ブラッシングし、歯垢や食べかすを取り除く。
医師に連絡する時
いつ歯科医に連絡すべき?
入れ歯が以下のような場合は、歯科医院に診察予約を入れてください:
- 緩く感じる。
- 歯茎が痛い、または挟まる。
- 話すときにカチカチ音がする。
- 破損や変色がある。
- 10年以上前のものである。
上記のような兆候がある場合は、入れ歯の交換時期かもしれません。
その他の詳細
入れ歯の代替品にはどんなものがある?
入れ歯に代わる主な方法は2つあります: 歯科インプラントと歯科ブリッジです。
歯科インプラント
歯科インプラントは入れ歯に代わる最も一般的な方法です。歯科インプラントは顎の神経を刺激し、骨の損失を止めます(ちょうど天然歯根がそうであるように)。神経は脳に信号を送り、その反応として脳は顎に栄養を送り、顎を強く健康に保ってくれるのです。
歯科インプラントは一般的に入れ歯より高価ですが、適切なケアで一生使えるものとなっています。
歯科ブリッジ
歯科ブリッジは、健康な歯が数本残っている場合に有効な選択肢です。ブリッジは、1~3本の歯が連続して欠損している方に最適です。
ブリッジは、クラウン(支台)とその間にあるポンティック(架工歯)で構成されています。歯科医がクラウンを隙間の両側の天然歯に結合し、人工歯が患者さんの微笑みを完全なものにするために空いたスペースを満たしてくれます。
入れ歯をつけたまま寝ても大丈夫?
入れ歯をつけずに寝るほうが快適で、口の中の組織を休めることができるので、ほとんどの方は入れ歯を外して寝ています。入れ歯を入れて寝る場合でも入れずに寝る場合でも、毎日少なくとも8時間は入れ歯を外すことが重要です。
少なくとも1日8時間は入れ歯を外した状態にすることで、以下の効果があります:
- 歯茎を休ませる。
- 有害な口腔内細菌を減らす。
- 顎の骨をできるだけ丈夫に保つ。
クリーブランドクリニックからのメモ
歯の喪失は、食事や会話などの日常生活に悪影響を及ぼします。失った歯を補うことは、長期的な口腔の健康にとって鍵となるものです。入れ歯は、口腔の健康と機能を回復する、取り外し可能な装具です。入れ歯の種類や、この治療法がご自身に適しているかどうかについては、かかりつけの歯科医にご相談ください。
今回も大変分かりやすかったですが、読んでいたら誰しもが思うであろう、「いやインプラントの方がえぇやん!」というインパクトが強い内容だった気もします。
せっかくなので、次回はインプラントがどういうものなのか見ていこうかなと思います(僕も、名前は知っているけれど具体的には全然知りませんでした)。