こないだの歯ぎしりネタ辺りから唐突に見ている歯シリーズですが、前回のマウスガード記事でも当然、歯にまつわる色々な話のリンクが張られていました。
基本的に(ブログ形式のhealth essentials記事ではなく、ちょっとお堅いまとめのHEALTH LIBRARY記事であることからも)長めのものが多く、「こんなに長いのは、正直見るのがめんどいなぁ…」と思えるものもあるため全部見ていくのは憚られるのですが、まぁ多少長くてもそこまでべらぼうに長すぎるわけでもありませんし、個人的に興味深いと思えるものをチラホラ見ていくつもりです。
今回は、記事タイトルにもしました、歯列矯正!
矯正具および矯正することそのものも、英語では「brace」と呼ばれるわけですけど(動詞・名詞同形)、これは「支柱・締め金・かすがい」といった意味の一般単語ですが、「ブレスレット」という言葉にもこの語は含まれるため(bracelet)、僕はこの語を知ってからは、「ブレスレットって、腕を『締める』的な語が由来なのかな?」などと思ったものですが、どうやらブレスレットは、Wikipediaによると、「古フランス語で『腕』を意味するbras由来」とのことで、braceとは特に関係がないようでした。
まぁそんな関係ない名前の話はともかく、アメリカというのはご存知の通り極めて多くの子供が歯列矯正を行うスーパー矯正大国として名高いわけですが、需要の高さに比例して、最近は矯正技術も物凄く発達していると聞きますね。
どんなものがあるのか、今回も早速HEALTH LIBRARY記事を参考にさせていただきましょう。
歯列矯正(Teeth Braces)
歯列矯正は、ずれている歯、隙間のある歯、回転した歯、あるいは密集した歯など、様々な歯の問題を矯正することができるものです。歯列矯正には、伝統的な金属矯正具、セラミック矯正具、インビザライン®のようなクリア(透明な)アライナーなど、いくつかの種類があります。歯列矯正は、笑顔の健康、機能、および見た目を改善してくれます。
概要
歯列矯正ってどんなもの?
歯科矯正は、歯を真っ直ぐに並べ、以下のような幅広い歯列矯正問題を解決するものです:
- 歯並びが悪い
- 叢生(※そうせい;歯が密集しすぎていること)
- すきっ歯
- 不正咬合(歯の噛み合わせの問題)
多くの子供やティーンエイジャーが歯列矯正具を装着していますが、大人の歯列矯正も一般的です。実際、アメリカでは矯正歯科患者の約20%が18歳以上です。
ほとんどの場合、矯正歯科医が歯列矯正を行います。しかし、一部の一般歯科医も歯列矯正を行っています。
(※各種強制具の日本語は、以下本文で登場するのでそちらをご参照ください。)
歯列矯正はどう作用するの?
歯列矯正は、穏やかな一定の圧力で、時間をかけて歯を正しい位置に移動させていきす。より正確な方法は、選択する歯列矯正の種類によって異なります。
歯列矯正具にはどんな種類がある?
歯列矯正具にはいくつかの種類があります。最適な歯列矯正の種類は、患者さんの抱えている問題の種類、症状の重さ、個人的な好みなど、いくつかの要因によって決まります。
金属製歯列矯正具(Metal braces)
歯列矯正といえば、伝統的な金属製の歯列矯正を想像するかもしれません。金属歯列矯正具は、ステンレス鋼製のバンド、ブラケット(当て具)、およびワイヤーを使って、時間をかけて歯を優しく移動させます。
歯科医または矯正医が、それぞれの歯にブラケットを固定(接着)し、ブラケットに細くて柔軟なアーチワイヤーをかけていきます。結紮(けっさつ)と呼ばれる小さなゴムバンドがワイヤーをしっかりと固定します。
金属製の歯列矯正は、笑った時に目に付きます。歯列矯正を目立たなくするために、透明または歯の色の結紮を選ぶことが可能です。または、お祭りのような気分の方でしたら、明るい色の結紮を選ぶこともできますよ。
セラミック歯列矯正具(Ceramic braces)
セラミック歯列矯正具―時に、クリア(透明)矯正具と呼ばれることもあります―は、金属歯列矯正具と同じように機能します。違いは、ブラケット、ワイヤー、結紮が歯の色をしていることで、これにより、笑顔になじむものとなっている点が挙げられます。セラミック矯正はそれでもまだ目立ちますが、目立ちにくいです。セラミック矯正の欠点は、金属矯正よりも脆いため、より壊れやすいことが挙げられます。
舌側矯正具(Lingual braces)
舌側矯正具は、従来の矯正具と似ています。しかし、歯の表側ではなく裏側に装着するものとなっています。舌側矯正を選択するほとんどの方は、他の人に矯正していることを知られたくないため、こちらを選ばれます。
セルフライゲーション矯正具(Self-ligating braces)
セルフライゲーション(自己結合型)歯列矯正は、従来の金属歯列矯正の見た目に似ています。主な違いは、結紮(小さなゴムバンド)の代わりに、セルフライゲーション矯正装置がアーチワイヤーを所定の位置に固定する、内蔵システムを使用していることです。
クリア・アライナー(Clear aligners)
「見えない矯正具 (invisible braces)」と呼ばれることもあるクリア・アライナーは、歯列矯正に代わる方法です。ブラケットやワイヤーの代わりに、クリア・アライナーではカスタムメイドのトレーを使い、時間をかけて歯を矯正していきます。人気のあるブランドには、インビザライン®やクリアコレクト®が含まれます。
このシステムでは、アライナー・トレーの各セットを約2週間装着します。その後、一連のシリーズとして、次のトレーと交換していきます。金属矯正具とは異なり、クリア・アライナーは取り外しが可能です。しかし、毎日少なくとも22時間は装着しなければなりません。アライナーを外すのは、飲食と歯磨きの時だけにする必要があります。
歯列矯正に最適な年齢は何歳?
歯列矯正をするのに、年を取り過ぎたということは決してありません。とはいえ、歯列矯正に最適なのは一般的に9歳から14歳の間です。この時期の顎や顔の骨は、まだ発育途中なので、より可鍛性(柔軟性)があります。大人の歯列矯正も同様に効果的ですが、望ましい結果を得るには多少長い時間がかかってしまうかもしれません。
手順の詳細
歯列矯正はどれくらいの期間がかかるの?
この質問に対する答は、人それぞれです。平均して、歯列矯正の治療期間は約2年となっています。しかし、歯並びの悪さの程度にも依るわけです。12ヶ月以内で治療を終える方も中にはいらっしゃいます。一方で、3年もかかる方もいらっしゃるかもしれません。
リスク/メリット
歯列矯正のメリットは何?
歯列矯正の最も明白な効能は、より真っ直ぐな、美しい笑顔です。しかし、歯列矯正には以下のようなメリットもあります:
- 歯が磨きやすくなる
- 虫歯や歯周病の予防
- 顎関節(TMJ)障害を矯正する
- 咀嚼や会話などの適切な機能を回復する
要するに、歯列矯正は笑顔をもたらす健康、機能、および見た目を改善することができると言えるわけです。
歯列矯正の通常の副作用は何?
歯列矯正には、以下を含む軽度の副作用が予期されます:
- 一時的な不快感(通常、初日と、歯科医が歯列を締めるときに起こります)
- 舌、唇、または頬の内側の炎症
- 顎の痛み
- 食べにくくなる(特に締め付けた後)
これらの副作用のほとんどは、市販の(OTC)鎮痛剤で対処可能です。また、お近くの薬局で歯列矯正用のデンタルワックスを購入すれば、口の中の炎症を抑えることができます。違和感を覚えるブラケットやワイヤーの上にワックスを塗るだけです。
回復と見通し
歯列矯正は痛いの?
歯列矯正を受けた後、恐らく数日間は不快感があることでしょう。また、定期的な締め付けをした後に、圧痛を感じる方もいらっしゃいます。しかし、一般的に歯列矯正は痛くありません。
歯列矯正の診察後の不快感を和らげるために、アセトアミノフェン(商品名タイレノール®)を服用することができます。イブプロフェン(商品名アドビル®)やその他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は避けた方が良いでしょう。研究により、NSAIDはプロスタグランジン―治癒を助けるホルモンに似た物質―をブロックすることが示されています。その結果、NSAIDは歯の移動プロセスを阻害する可能性があるのです。
歯列矯正具はどうやってケアするの?
歯列矯正具を装着している場合、適切な口腔衛生の維持は普段以上に重要になります。歯垢や歯石がブラケットやワイヤーの周りに蓄積し、虫歯や歯肉炎の原因とつながりかねません。
歯科医または矯正医が、矯正具のケアに関する詳細な指示リストをお渡しします。しかし、一般的なガイドラインのいくつかは以下の通りです:
- 柔らかい毛先の歯ブラシとフッ素入り歯磨き粉を使い、少なくとも1日2回歯を磨きましょう。
- 1日1回、歯と歯の間および歯列の周りをフロスで磨きましょう。(歯列矯正用の特別なフロスについては、歯科医または矯正医にお尋ねください。)
- クリア・アライナーを使用している場合は、毎日洗浄し、装着していない時は適切に保管しましょう。
- アルコールフリーの抗菌マウスウォッシュを1日2回使用しましょう。
- 硬いもの、歯ごたえのあるもの、あるいは粘着性のある食べ物は避けましょう。
- 定期的に矯正歯科を訪れ、歯列の引き締めおよびメンテナンスを受けましょう。
- 定期的に歯科医院を訪れ、クリーニングと定期歯科治療を受けましょう。
歯列矯正中に食べられるものは何?
歯列矯正具を装着し始めた後、数日間は柔らかい食べ物に限るべきです。良い選択肢には以下が含まれます:
不快感がなくなったら、他の食べ物を食事に加えることが可能です。
歯列矯正をしている間は、硬くて粘着性のある食べ物は一切避けるべきです。これには、ナッツ類、キャラメル、歯ごたえのある果物や野菜が含まれます。
歯列矯正の結果を維持するにはどうすれば良い?
歯列矯正をする方はどなたも、治療が終わったらリテーナー(維持具)を装着する必要があります。リテーナーは、歯が元の位置に戻るのを防ぐものです。
リテーナーには多くの種類があります。担当の歯科医または矯正医が、最適なものを選ぶお手伝いをしてくれることでしょう。
医師に連絡する時
いつ歯科医または矯正医に連絡すべき?
以下がある場合は、かかりつけの医療機関に連絡してください:
- 薬を飲んでも治まらない痛み
- ワイヤーやブラケットの破損
- 口や顔にできた外傷
- 歯ぐきの出血や感染
その他のよくある質問
インビザライン vs 歯列矯正: どちらが自分に合ってる?
これは、担当の歯科医または矯正医のみがお答えできることです。しかし、一般的に、インビザラインは軽度から中等度の歯列問題を矯正することが可能なものです。重度の場合は、従来の歯列矯正の方が適しているかもしれません。
歯列矯正専用のフロスは買えるの?
はい、歯列矯正中のフロスをより簡単にする製品がいくつか市販されています:
- フロス糸通し器
- デンタルピック(爪楊枝)
- 矯正フロッサー
- 歯間ブラシ(歯と歯の間にフィットする小さなブラシ)
- ウォーター・フロッサー
お勧めの製品については、担当の歯科医または矯正医にお尋ねください。
歯列矯正中にガムは噛める?
はい、シュガーレスガムを噛むことが可能です。ただし、ADA(※アメリカ歯科医師会)の認定マークが付いている商品をお選びください。
クリーブランド・クリニックからのメモ
歯列矯正は、笑顔を引き立てるだけでなく、口腔の健康と機能を改善します。今日、歯列矯正具には多くの選択肢があります。歯科医または矯正医が、ご自身に最適なものを決めるお手伝いをしてくれることでしょう。歯列矯正は、将来にわたって健康で美しい笑顔を手に入れるための投資なのです。
今回も、非常に分かりやすくまとまっている記事でした。
途中何度も挙がっていた、アライン・テクノロジー社による「クリア・アライナー」、これは革命的なもので、大人気商品になってるってよく聞きますねぇ~。
日本でもまさしく「インビザライン」の名で売られているようなので、子供の歯を矯正してあげたいと思った場合、ぜひより詳しく調べてみたい限りです。
僕自身は、歯の矯正はしたことがないんですけど、幸いコンプレックスになるほどではないものの、特に下の歯は前歯がちょっとズレている感じで、高校の頃の訪問歯科検診で、問診票に「歯並びが気になる」と書いて、「矯正してみようかなぁ、ってちらっと興味があるレベルなんすが」と聞いてみたぐらい、完璧とは程遠い感じなんですけど、そこで歯科医の方が、
「うーん、これぐらいなら要らないと思うよ?矯正はやっぱり、結構ストレスにもなるしね。受験とか考えても、やらなくていいんじゃない?」
といった感じの説明をしてくれたため、「ま、ならいっか」と思って手を付けずじまいのまま今に至る感じです。
舌で触ったら、特に前歯が一本「ズレてるな」と思えるんですけど、確かに鏡で見たら「あれ、意外と自分が思う程はズレてないんだな」と思えますし(まぁ下の歯だから特に目立たない感じなだけですけどね)、今さら矯正もしないので、僕は矯正未経験のまま死んでいく形ですが……
…まぁやってない自分を正当化するわけじゃないですけど、やっぱり歯の位置を変えるぐらいの力って相当ですし、矯正中はかなりの生活ストレスにはなりそうだよな…と思えるかもしれません。
もっとも、リスク・リターンの比で考えたら、リターンの方が圧倒的に大きいことが多いのも間違いないですけど、いずれにせよ本人の希望が一番のものだと言えましょう。
技術の発展は本当に素晴らしいようですし、今後もますます痛みや見た目の不都合が小さいものが生まれてくれることを願いたい限りです。