前回は「毎日何個も卵を食べても平気なの?」という、たとえ何が書かれていようと「僕は毎日3個食べてますけど、世界一元気です」という返しをするだけだった記事を無駄に見ていたわけですけど(笑)、卵に関してはもうひとつ気になるネタが、前回のみならず以前見ていたダイエット記事にもどこかで出ていたため、今回はそちらを参考にさせていただこうかと思います。
それがズバリ、記事タイトルにもしました、ベストな卵の選び方!(↓)
まぁこれはアメリカの話なので、日本だと少し話が違ってくる可能性はあるものの、内容というか中身自体は国によって違いがあるわけはないですし、何か参考になる部分はあるようにも思います。
今回も早速参りましょう。
買うに相応しい最高の卵: ラベルが最も重要になる時(Best Eggs to Buy: When Labels Matter Most)
放牧卵やオーガニック卵には、更なる栄養上のメリットがあります
卵のパックというのは、スーパーで最も詳細にラベルが貼られているもののひとつです。パッと見ただけで、「放し飼い(free-range)」、「放し飼い(free-roaming,)」、「放牧飼育(pasture-raised)」、「産地直送・とれたての(farm fresh)」のような、(一見)互換性のある多数の用語が目に入ることでしょう。では、ベストな製品を買うにはどうすれば良いのでしょうか?また、それぞれの用語は実際に何を意味しているのでしょうか?
表示プロセスを理解するためには、卵がスーパーに実際に並ぶ前に、どのように扱われているのかを理解することが肝心です。登録栄養士のスーザン・キャンベルRDが、アメリカの卵の表示システムを案内し、質問に答えてくださいます: どの卵が一番良いのでしょうか?
アメリカでは、卵はどう取り扱われているの?
アメリカでの卵の取り扱いは、世界の他の多くの国とは大きく異なります。
アメリカでは、卵は洗浄された後、農場を出てから購入されるまで冷蔵保存されます。この冷蔵プロセスは、他の多くの安全対策とともに、サルモネラ菌―最も一般的な食中毒のタイプのひとつです―の蔓延を食い止めるための行為となります。一度始めた冷蔵保存をやめてしまうと、卵は汗をかき始め、卵の内部でカビや細菌の繁殖が引き起こされてしまいます。しかし、ヨーロッパの大半を含む他の多くの国では、採卵鶏がサルモネラ菌の予防接種ワクチンを受けているため、卵を冷蔵保存する必要はありません。サルモネラ菌の蔓延を食い止めるためのこれらの方法は、どちらも上手く機能しています。
時代とともに卵の生産量が増加していくにつれ、アメリカ農務省(USDA)は、卵が市場に出回る前に健康的な方法で加工および処理され、正しくラベル表示されるよう、複雑な規制システムを構築してきました。
お住まいの地域や州法によって、ラベル要件は異なる可能性があります。全てのラベルには、以下の表示が義務付けられています:
- 安全な取り扱い方法
- 卵の大きさに関する情報
- USDA認定の等級マーク(等級情報については下記を参照してください)
- 栄養情報
その他の文言(「ケージフリー」や「ファームフレッシュ」など)は任意表示です。そして、その任意表示の内、特定の条件を満たしたものだけが、USDAの規制を受けます。
例えば、卵が地元産または地場産であると表示するには、卵の産地が加工施設から400マイル以内、または卵の産地と加工地がその州内でなければなりません。植物飼育(vegetarian fed)であると主張するためには、生産者、包装業者、販売業者が、採卵鶏の餌に動物性副産物を使用していないことを証明する書類を保持しなければなりません。しかし、卵が牧草飼育(grass-fed)だと主張しても、それが何を意味するのかに関する法的なUSDAの定義はないのです。
多くの場合、このような自主的なラベルは、Global Animal PartnershipやCertified Humaneのような第三者機関である動物福祉擁護団体によって認証されています。もしも、より責任ある形での農業を営んでいる製品をお探しなのであれば、こういった動物愛護ラベルに注目すると良いでしょう。
「卵には多くのカテゴリーがあり、その多くが動物愛護に関係しているものです」とキャンベル栄養士がおっしゃいます。「栄養学的に言えば、それぞれのカテゴリーには若干の違いがあります。」
以下、知っておくと良い最も一般的な表示を紹介していきましょう。
ケージ・フリー(平飼い)
USDAは、ケージ・フリーの卵を、新鮮な餌と水にアクセスしながら、室内空間で上下左右に歩き回ることができる鶏が産む卵と定義しています。アメリカでは、長年の標準であったバタリーケージ(※鶏をワイヤーでできた金網の小さなケージに収容して、積み上げて飼育する方式)ではなく、ケージ・フリー環境を使用する傾向がここ数年で急激に高まっています。2022年7月現在、1億500万羽のケージ・フリー鶏が、市場に出回っている卵の約35%を生産しています。USDAによれば、この数字は2012年の約10%から増加しているとのことです。この卵の生産方法はより人道的であると認められていますが、ケージ・フリーの農場によっては、屋外での放牧を制限している場合もあり得ます。
「ケージ・フリーの場合、鶏はより自由に動き回りますが、外に出ることはありません」とキャンベル栄養士が話します。「なので、最高の栄養を与えられていない可能性はあるかもしれません―室内で飼育されているため、新鮮な空気をあまり吸えないのです。」
フリー・レンジ(放し飼い)
フリー・レンジの卵は、もう少し自由なものとなっています。USDAが定めるフリー・レンジの定義は、ケージ・フリー卵と全て同じですが、更に、「産卵サイクルの間、継続的な屋外へのアクセスがある」という条件が追加されています。この要件は、鶏が屋外で過ごすことを許可される時間までは定義しておらず、その裁定は解釈に委ねられています。しかし、Certified Humaneのような動物愛護団体は、フリー・レンジを、1羽あたり最低2平方フィート(約43センチ四方)の屋外スペースがあり、毎日少なくとも6時間屋外に出られることと定義しています。
パスチュア・レイズド(放牧飼育)
この言葉はUSDAによる制限を受けていません。しかし、第三者機関による動物愛護認証シールが付いている場合は、フリー・レンジ卵よりも明確な条件がついています。Certified HumaneやAmerican Humane Certifiedでは、両団体とも、放牧卵を産む鶏には少なくとも108平方フィート(約3.17メートル四方)の生きた草木が生い茂る牧草地を与え、常に新鮮な草木が生い茂るように畑をローテーションさせることを義務付けています。1年中外に出られるということは、外敵から保護する必要があるときに出入りできる鶏小屋も必要だということです。
「放牧卵やオーガニック卵は、大抵の場合、黄身の色が濃くてより黄色く、コレステロールが少なくなっているんです」とキャンベル栄養士が説明しています。「これは、生きた植物に継続的にアクセスできるため、そしてオメガ3脂肪酸が多いためかもしれません。」
オーガニック(有機飼育)
USDAが定義するこの用語には、放牧卵に一般的に要求される条件に加えて、更に特別な条件があります。オーガニック卵を産む鶏には、農薬、除草剤、肥料を使用せず、100%オーガニックな飼料(有機飼料)を与えなければなりません。また、年間120日以上、屋外で放牧されなければならない、という条件も加わります。
ホルモン剤不使用
この用語は誤解を招きやすいです。USDAはホルモン剤の使用を禁止しているため、この表示がない卵であっても、全てホルモン剤不使用となっています。
白い卵と茶色い卵の違いは何?
卵の色は、卵を産む鶏の色素によって決まります。白い鶏は白い卵を産み、赤茶色の鶏は―ご想像通り―茶色の卵を産みます。どの色の卵を選んでも、相対的な栄養価は同じです。
卵はどのように格付けされているの?
USDA認定のグレードマークは3つあり、卵の外観、外殻、および卵黄の品質によって等級が決まります:
- グレードAA: 最も栄養価の高い最高グレードです。白身はしっかりと厚みがあり、黄身はほぼ完全な丸みを帯びています。殻の形も楕円形で丈夫です。
- グレードA: グレードAAと同等の卵ですが、白身の硬さがやや劣るかもしれません。
- グレードB: 最も低いグレードで、白身は水っぽく、黄身は広く平らです。殻にシミや異常がある場合もあるかもしれません。
「シェフの中には、目玉焼きを作るときは厚めのグレードを好み、オムレツや卵バッター(生地)を作るときは薄めのグレードを好む方もいらっしゃいます」とキャンベル栄養士が注釈を加えています。
買うのに相応しいベストな卵
卵のベストチョイスは個人の好み次第です。動物愛護の認証を受けている卵を購入したいのであれば、放牧飼育かつ/またはオーガニックで育てられた採卵鶏からの卵が、より高いグレードとなりましょう。殻が厚く、黄身が濃厚なこういった類の卵は、値段が高くなる傾向にはあってしまいます。卵が比較的安価なタンパク源であることを考慮すれば、他の卵パックに手が伸びてしまうのも無理はないかもしれませんね。
…記事タイトルから当初想像していた、「こんな形・手触りの卵を買うのがベストです」みたいな内容ではなかったものの、これは中々知らなかったことが多くて面白い記事でした。
日本ではスーパーで平場に山積みにされている卵、そういえばアメリカでは絶対に冷蔵されてるなぁ、と思っていたのですが、アメリカはサルモネラ菌の予防が徹底されていないので、冷やし続けないと危ないんですねぇ…!
…って、自転車民の僕は、買って帰る道すがら、普通に卵が確実に汗をかいてるんですけど……と思えて僕自身が冷や汗をかきましたが、まぁ帰ったらすぐに冷蔵庫に入れますし、幸い今まで中身がカビてる卵には当たったことがないのでセーフとしたい所です。
等級の話は、何となく気になっていましたけど、正直、畜産技術の発達なのか、「今時Grade Bなんて見たことねぇよ(笑)」と思えるレベルで、むしろAA以外を見つけることすら困難に思えますけど…
(とはいえ、地元スーパーの商品一覧を見てみたら、手に取ったことがないだけで、Grade Aのものも売られていました。ただ、やはり売れ線じゃないからかファミリーサイズはなく、むしろGrade AAのよりも1個あたりの値段が高いんですが…という、存在意義が不明なものしかありませんでした(笑))
…その他の各種ラベルは、実はずーっと前、コストコと地元スーパーの値段比較なんかで見たことがあったものでした(↓)。
この時は、参考にしたコストコ商品サイトを信じて「コストコの卵はやはり高級で、ケージ・フリーかつフリー・レンジなんですね」とか書いていたんですけど、今実際のモノを調べてみたら……
www.costcobusinessdelivery.com
…なんだ、「ケージ・フリー」までで、「フリー・レンジ」やそれ以上の認証までは謳われていないじゃないか!…と気付きました。
最近は世界全土で卵の価格が乱高下しており、ずーっと圧倒的に格安だった地元スーパーの卵も値上がりしていまして、以前はダブルスコア以上で安かった地元スーパーの36個ファミリーパックがついに上記12ダース=60個のコストコ卵よりも高くなってしまったので、ちょうど最近コストコの卵を食べている感じだったのですが……
ちょうど↑の頃書いていた一連のコストコシリーズ記事で、「コストコ初体験をしてきました、またいつか実際の商品レビューをしたいと思います」とか書いてて、そのまま脱線に脱線を続けて3年以上音沙汰なしになってるんですけど(笑)…
卵に関しては、実際のラベルを見ずに記事で見ていた「高級なやつ」というイメージがあったものの、↑でリンクを貼った記事でも書いていた通り、僕はそこそこ卵の違いは分かるので、「これはどうだろう」と楽しみに食べてみたのですが……
…後出しジャンケンではなく、「いや、地元スーパーの、ただのケージ・フリーの卵と変わらなくない?」と思っていました。
「フリー・レンジでも変わらないなら、わざわざ高い値段のを買う意味ないなぁ…」と思ってたんですけど、コストコの卵もフリー・レンジではなかったんですねぇ、流石は利き卵に自信マン、僕の舌は間違っていなかった…!
まぁいつか機会があったら、キャンベル栄養士いわく、見た目も栄養も大分変って来るというフリー・レンジの卵を選んでみたいですけど、まぁやっぱり1日3個の民としては、「無駄に高いのは別にえぇわ」と思えるので、いつか「普段買いのものが全部売り切れで、仕方なく選ばざるを得ない…」みたいな場面が来ることに期待しようと思います。
個人的には、卵はやっぱり多少グレードが低くても優秀ですから、底値のを買うのがベストなんじゃないかな、って気がします、貧乏くさくて恐縮ですが(笑)。