前回はhangryこと空腹イライラ感の仕組みについて、クリーブランド・クリニックによる簡単な説明記事を参考にさせてもらっていました。
元ネタといえます絶食記事にはまだ他にもいくつか興味深い記事があり、今回も、絶食に関して科学的なポイントをまとめてくれていた話(↓)を見て行こうと思います。
こちらは記事タイトルにもしました通り、絶食による心臓・血圧への影響について触れてくれている内容っぽいですけど、また本題とは全然関係ないですが英語表現として、今回の記事は「Pros and Cons」という形でまとめられていました。
この表現、英語自体は正直全く耳馴染みがないと思うんですけど、ズバリ、「メリット・デメリット」「良い点、悪い点」「長所と短所」という意味であり、もちろん英語にも「merit」や「good point」みたいな表現もあるっちゃあるわけですが、表現の簡潔さ・お決まりの文句的な感じで、その類の比較をする際に圧倒的に一番よく使われるのが、この「プロズ・アンド・コンズ」ですね。
そんなわけで絶食のプロコン含め心臓への影響はどんなものなのか、今回も早速参りましょう。
断食: 心臓と血圧への影響は?(Fasting: How Does It Affect Your Heart and Blood Pressure?)
心臓専門医による、断食の長所と短所の見通し
宗教的な理由やライフスタイルの選択として、時折断食をすることはございますか?もしそうであれば、断食が健康にどのような影響を与えるのか気になるかもしれません。断食は血圧を下げるのでしょうか?心臓に良いのでしょうか?状況によっては危険なのでしょうか?
心臓専門医であり内分泌学者であるデニス・ブルーマー医師/医学博士によれば、短期間の絶食には多くのメリットがあるとのことです。そして、過度の体重が心臓病と関連付いているメカニズムや、減量することの利点に関する現時点での共通理解を鑑みれば、今後はより多くの人々が断食を試みたいと思うようになるでしょう、とブルーマー博士は予想しています。
何を達成したいのかにもよりますが(そして誰にとっても安全というわけではありません)、一般的に、食事量を制限することは有益なことです。「あらゆる尺度で、食べる量は少ない方がより良いです」とブルーマー博士がおっしゃいます。
進化は私たちに、栄養不足が続く期間に備えて、エネルギーを蓄えるためのユニークな能力を与えてくれました。しかし、今日の世界では、食べ物―それもほとんどが不健康な食べ物―は、あらゆる場所で入手可能となっています。ミミズ、ハエ、げっ歯類、イヌ、サル、そしてヒトに至るあらゆる生物種において、寿命を延ばす効果が確認された介入はほとんどありません。しかし、これら全ての種において、絶食と少食は明らかにそのひとつとなっています。
以下、ブルーマー博士が断食に関する質問に答え、断食を探求するためのヒントをいくつか提供してくださいます。
少食は心臓を強くしてくれるの?
断食は血圧を下げ、コレステロールを減らし、糖尿病をコントロールし、体重を減らすのに役立ち得るということが研究で示されています。
「心臓病の4大リスクは、高血圧とコレステロール、糖尿病、そして体重ですから、これは二次的な影響があるわけです」とブルーマー博士が語ります。「それらを減らせば、心臓病のリスクも減らせるわけですね。」
しかし、注意点をひとつ: 断食は電解質のバランスを崩す可能性があります。これは心臓を不安定にし、不整脈を起こしやすくしてしまいかねません。
「ですから、超低カロリー食やタンパク質節約修正断食(PSMF)ダイエットといった特定の食事療法を処方する場合は、必ず医師の監督が必要なのです。血液検査を毎月行い、電解質の不均衡を防ぐためにカリウムの補給を処方することになります」とブルーマー博士が話しています。
断食が癌の予防や化学療法の効果を高めるという研究も複数存在します。
しかし、断食に関する研究の多くはまだ予備段階です。「断食について学ぶべきことはまだまだ沢山あるのです」とブルーマー博士が述べています。
断食はダイエットに良い方法なの?
健康上のメリット―心臓病の減少や体重の減少を含む―はありますが、断食が体重を減らす最良の方法とは決して言えないとブルーマー博士は談じています。断食はすぐに体重を落とすのに役立ちますが、体型を維持するのには役立ちません。
「長期的な減量には、素晴らしいものではありません」と語るのはブルーマー博士。「断食を本当にお勧めするのは、例えば手術のために急激な減量が必要な場合だけです。」
断食が良くないのはどんな場合?
断食は誰にとっても安全というわけではありません―よって、始める前に必ず医師に相談するようにしてください。
断食をすべきではない人には以下が含まれます:
断食は、他の医学的問題を抱えている方にも悪影響を及ぼす可能性があります。ブルーマー博士によれば、担当医がご自身に適しているかどうかを判断する手助けをしてくれるとのことです。
断食を始める前に知っておくべきことは何?3つのヒント
1. 断食にはいくつか異なる方法がある。
8時間、24時間、あるいはそれ以上断食する方々もいらっしゃいます。また他には、毎週または毎月決まった日数、カロリーを大幅に減らす方々もいらっしゃいます。
人気のある「5、2」プランでは、毎週2日間だけカロリーを減らします。減食の日には、2食(合計約500キロカロリー)を食べる形です。断食しない日は、健康的な食事に従いますが、カロリー制限はしません。
2. 食事計画は不可欠。
「断食の前後には、十分な栄養があることを確認したいものです」とブルーマー博士が言います。そして、全体的な摂取量を減らす際は、食事を実際するときに栄養がしっかり摂れていることを確認することが肝心です。
断食前に食べると良い健康的な食べ物には以下が含まれます:
- 果物と野菜(水分補給に役立ちます)
- 鶏肉や魚など、赤身のタンパク質を多く含む食品
- 低脂肪のヨーグルト
缶詰のスープやピザなど、ナトリウムを多く含む食品や膨満感を引き起こす可能性のある食品は避けましょう。
3. その後、断食中断はゆっくりと。
断食が終わったからといって、いきなり目に入るもの全てを食べ始めてはいけません。
「体内システムにショックを与えたくはないでしょう」とブルーマー博士がお話しています。
代わりに、例えばデーツやドライフルーツを少しつまむことから始めるのがベストです。それから一休みして、最初は果物やその他軽いものを食べるようにしましょう。
「ライフスタイルのためであっても、あるいは宗教的な理由で断食をするにしても、まずはかかりつけの医師に相談するのが賢明です」とブルーマー医師がおっしゃっています。
その他の情報はこちら
Center for CardioMetabolic Health(心臓代謝健康センター)
まぁ正直、直感的に「そりゃそうでしょうね」としか言えない内容でしたが、しかし現在の最先端医学的に「断食は、心臓の健康にも良い」というお墨付きが与えられているというのは、実際試してみたい方にとっては心強い情報ですね。
あんまり肩書きに左右される人間にはなりたくないですが、やっぱりPh.D.(博士号)を持っている人の説明は何だか力強くて説得力が大きい気がすると言いますか、普段のhealth essentials記事よりも何となくカッチリしてクリアなものになっていた気がしました(まぁ気のせいというか、テーマ的にたまたまだと思いますけどね(笑))。
次回は、ちょうど今回の記事内でも改めて「人気の断食法」として挙げられており、唯一個別紹介記事のあった「5:2断食法」の記事を見て行こうと思います。
(というか、最初に挙げていた「プロ・コン」が挙げられていたのは、今回の記事ではなくその「5:2ダイエット」の記事でした、完全に勘違いしてしまっていましたね(笑)。まぁ、今回はかなり短めの記事だったので、ヨシとさせていただきましょう(笑)。
→と思ったら、一応今回の記事にも、冒頭、タイトル下の1文に「pros and cons」というフレーズが使われていたのでセーフとしておきます(笑)…次回はもっとプロコンが沢山出てくる記事のようですね。)