軌道についておさらいしておこう

以前の記事にいただいていたご質問も少しずつ進んできて、今回は周期表を出して原子の構造について見始めていた記事(↓)に対してアンさんよりいただいていたコメントからのスタートです。

con-cats.hatenablog.com

こちら、実はご質問は含まれないので特に触れる必要もなかったのですが、その次にいただいていたコメントに微妙につながっていたので、順番に紹介させていただこうと思います。

 

陽子ときて、電子??

そしてやっぱり中性子も…

はいはい、原子ですね…

と、ちょっと面白い感じで読めましたが、サラッと読んだだけで理解できるはずもなく、、

というか、今回は、意味わからん…という感じでもなく、なるほどー!と思いながら読みつつ、後から考えてみたら、なんもわからん…みたいな感じでしたね笑


とりあえず、次回に続いているようなので、そちらも読ませていただいてからということにしたいと思います。

 

…で、その次以降の記事で長々と説明をし続けていたわけですが、核融合やら放射性同位体やら電子殻軌道やらの複雑な話に続々と触れていたため、その後まとめて多々ご不明点・ご質問をいただけた形でした。


少しずつ触れさせていただきましょう。

 

完全に置いていかれました笑

途中までは、読んだらわかる(その時だけ笑)という感じで、これは面白い!まとめよかな?なんて思いながら読み進めていましたが(記事の最初に、前回までのポイントがまとめて書かれていたのがとてもわかりやすかったです。過去記事を読み返すのも、時間に余裕があれば復習にもなるし楽しい作業ではあるんですけど、確かどこかに書いてあったような…っていうレベルの、名称すら曖昧な私のようなド素人には検索すらも出来ず…そういったまとめはめっちゃありがたいと思いました。)、わからなくなった(諦めた)ポイントが、今思いつくだけで2ヶ所ありましたね。

一つ目はもう思い出せませんが(思いついてないじゃん笑)、軽くスルーして戻ってこれた感じでした笑


二つ目(最近の方)は、電子を収容する殻…?Kから始まるやつ、、あいつの法則が覆された時。いやいや、順番に入ってよって感じじゃないですか?笑


ただそれでも図を見ればなんとなくイメージできる、というようなことも書かれていましたが(軌道とかのあたり)、私はまるでイメージできませんでした笑


『近くの建物の3階へ引っ越すより、遠い建物の1階へ入居するほうが簡単』はわかるんですけどね、、例えられていることすらピンときません笑


⇒電子殻についてはやっぱり、高校化学ですら細かい点(法則が崩れた点以降)はほぼスルーする話になっていますから、これはもう無理に納得する必要すらなく、「難しいということが分かった」という、秘奥義「積極的な消極的ポジティブ理解」を発動させて終わりにしてOKな話な気がします(笑)。


改めて説明しようにも、1記事かけて書いていたものより分かりやすくするのも中々至難の業なわけですが、せっかくなので軽くまとめ直してみますと……


まず、原子というのは「陽子+中性子」がひとかたまりとなった「原子核」というものが、そいつ自身が何であるかを決めるものといいますかまずそれありきで考えて、そこに電子が1つずつ加わって、陽子と同じ数の電子まで入ってきた時点で電気的に中性な「原子」となる…と考えれば分かりやすいかと思います。

(実際は原子核のみがあって電子がゼロの状態なんて不安定すぎてあり得ませんから、「1つ1つ順番に電子が加わってくる」ってのもおかしいんですけど、考え方のイメージとして、ですね。)


そしてこれが大事なポイントで、実は「原子」は安定とは限らないといいますか、むしろ貴ガスを除くほとんどの元素は、「原子」のみの単体では全く安定していません


どうすれば安定かというと、原子というのは「一番外側の電子殻に電子が8個入ってる状態」が安定という話でしたから、まさにそうなっているのが貴ガスグループのやつらですけど、その他の元素は多くの場合、電子を授受したり(=イオン結合)、共有したり(=共有結合)して、「自分の周りに電子が8個ある状態」を目指していく…という感じなわけですね。

(水素など、周期表で一番最初の方にいるやつらは、8個ではなく2個ですが…)


例えば金属元素なら電子が1つとか2つ余ってる状態が多いので、電子を誰か別のやつらに与えて(=自分は電子を失うことで)陽イオンとなって別の陰イオンと結合する(あるいは自分の仲間に電子を押し付ける感じで手をつなぎ続けて、ひとつながりの大きなカタマリとなる、金属結合というパターンもあり)……

…一方、非金属元素、例えば酸素原子とか塩素原子みたいなやつらは、安定状態まであと一歩、電子が足りてない状態であるため、金属みたいな電子余りのやつらから電子をもらって安定する(=イオン結合)、あるいは不足組同士で電子を共有するみたいな技(=共有結合)を使って、安定した分子を形成する……って話でした。


まぁそれは原子の結合に関する復習で、電子軌道とはあまり関係のない話ですが、とりあえず考え方として、「ある原子の反応性が変わる」というのは「電子の数が変わる」のとほぼ同義だといえ、極めて小さくて軽い粒子である電子は、原子から飛び出したり逆に飛び込んで入って来たりと、機動性に富んだ遊撃隊みたいなもんだというイメージをしっかり持つのがいいように思います。

(コアである原子核は、通常の化学反応では一切変化しない。動くのは、電子のみ)


で、その機動性に富んだ電子というのは、適当に原子が保有しているという訳ではなく、ちゃんと格納庫に順番に入っていくという話でした。

それがK殻・L殻…という例の電子殻なわけですが、この殻を分かりやすく「倉庫」とすると、K倉庫は1階建て、L倉庫は2階建て、M倉庫は3階建て、N倉庫は4階建て……という感じになっています。

(こればっかりは、「偉い人が頑張って調べたら、そうであることが判明した」という、特に理由などない、この世の中はそう出来ているんだ……ってだけの話ですね)


で、各倉庫は絶妙な距離で配置されているようで、どうやら電子は、

  • K倉庫の1階→L倉庫の1階→L倉庫の2階→M倉庫の1階→M倉庫の2階

…まではまぁ完全に納得のいく順番で格納されるものの、これまた改めて偉い人が調べた結果、M倉庫の2階が満杯になったら、次は空いているM倉庫の3階ではなく、なぜかもう少し離れた第4の倉庫、N倉庫の1階にまず格納される形になっている……という、そういう話だったわけです。

(そして、N倉庫の1階を使い終えたら、その次に楽に納入できるのはM倉庫の3階なのでそこに戻り、続いてN倉庫の2階、そしてその次はN倉庫の3階ではなく、五番目に位置する5階建てO倉庫の1階を使う…という形になっています。)

  • (先ほどの続き:M倉庫の2階)→N倉庫の1階→M倉庫の3階→N倉庫の2階→O倉庫の1階→N倉庫の3階→……)

 

…うーん、既に引用していたウィキペの「建物の例え話」をちょっと変えただけで、全く新しい説明を出来た気がしないぜぇ~(笑)。

(↓の記事で見ていた通り、その「倉庫の階数」は、専門用語で「spd軌道」と呼ばれるものでした)

con-cats.hatenablog.com

…などと分かったような顔で説明していますが、これまた改めて、そうなる理由は「その方が楽だから。楽な理由は、単純にN倉庫の1階の方がM倉庫の3階より楽な位置にあるから、というそれだけ」でしかないので、結局「そうなる理屈」を考えてもどうしようもない話だというのは間違いない感じですね。


…と、それだけではあまりにも何も新しい情報が追加されていなかったように思えたので、正直これ以上追加する意味もない発展的過ぎる内容なんですけど、その「s軌道、p軌道、d軌道、さらにはf軌道」について、先ほど「倉庫内の格納庫」とは書きましたが実際の電子はこの軌道上をビュンビュン飛び回っているわけですけれども、その軌道の「形」も、偉い人たちが調べ上げて明らかになっているため、最後にそれだけご紹介させていただきましょう(強引に、アイキャッチ画像ネタを持ってきた感じですね(笑))。

 

検索したら、↓の解説記事に各電子軌道の形が網羅的に紹介されている図があったのでお借りさせていただきましたが……

http://quantumnumbers.weebly.com/the-shape-of-orbitals.htmlより

まず、各倉庫の1階にあたる、電子が2個だけ格納できる「s軌道」は、球形の軌道上を電子が飛び回っていることが知られています(図の一番上)。


次の、2階にあたる「p軌道」は、まぁこの図だとダルマっぽいですけど、これはしばしば「ダンベル型」と呼ばれており、どこから見ても同じ形になる球状s軌道とは違い、これは方向性を持っている形になっています。

3次元的に、x軸上に広がったダンベルと、同y軸、z軸の3パターンがあるわけですが、重要なポイントとして、1つの軌道には電子が2個までしか入れないという決まりがあります。

(まぁ「決まり」というか、この図は2個の電子が描く軌道を表したもの、ってことですね。)

なので、p軌道には電子が6個まで入るという話を以前の記事で紹介していましたが、それは電子が2個まで入るダンベル軌道が3パターンあるからだったんですね。

 

d軌道からはもうかなり複雑で、ダンベルが2つ重なったものが4パターンに、ダンベルの間にドーナツが入った全く別の形のものも1パターンある、合計5パターンの形が存在し、この、倉庫の例でいう3階にあたるd軌道には10個の電子まで入る、という話につながるのでした。


f軌道はさらに複雑で、最早言葉では表せないですけど(まぁ表せますけど、めんどいだけ(笑))、7パターンの形があり、合計14個の電子を格納可能だと、そういう感じです。

 

「だから何?」の極致過ぎて、実際僕もそれ以上込み入ったことは存じ上げないため、「だから何なんやろね(笑)」と笑ってごまかすしかないのですが(笑)、ミクロなレベルで電子の挙動をそこまで解明できているほど、人類の偉い人は頑張ったと、そういう雑なまとめで終わらせていただきましょう(笑)。


では、まだまだ続く関連ご質問は、また次回見ていこうと思います。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村