物議を醸した曲も聴いてみよう

ここしばらくダーティーワードから無理やり話を広げ、前回前々回と、explicitな(=露骨な・生々しい的なニュアンスから、「一部不適切な・過激な表現が含まれる」という意味)表現がミュートになっていたりピー処理されていたりする曲を見ていました。


まぁこの辺は個人的に得意分野というか、雄弁に語れるのが漫画と音楽ぐらいしかないともいえますけど(笑)、大変好きなジャンルなので書いていて楽しいものなのですが、前回まだもうちょい書こうと思っていたのに時間切れで触れずじまいになってしまっていたものがあったため、今回もうちょっとだけ関連音楽ネタにいってみようと思います。

 

…と、「自主規制」といえばふと思いついた別ネタがあったため軽くそちらに逸れる所から始めてみますと、こちらは漫画ネタなのでやはり結局それしかないのですが(笑)、謎の自主規制で面白かったものとして、「クサレ脳ミソ」と「ド低能」なんて表現があるのです。


こちら、ジョジョの奇妙な冒険第五部に出てくるキャラによる、アホな仲間に掛け算を教える場面で出てきた暴言なんですけど、これ、どちらかが連載時、最初に掲載された台詞で、もう一方がその後文庫化されたときに自主規制で修正されたものなのですが、事の顛末をご存知ない方は、果たしてどちらが修正前でどちらが修正後なのか推測がつきますでしょうか…?


マジで、「いやむしろ悪化してるじゃん(笑)」と思えて笑えるレベルになってる気がするんですけど、実際はこういう流れだった形です(↓)。

 

dic.nicovideo.jp

リンクカードにも表示されているように、「ド低能」が差別用語にあたるらしく言葉狩りの憂き目にあったため、作者は怒られないように「クサレ脳ミソ」に変更したとのことで、誰しもが「いやむしろより酷くなってない?(笑)」と笑えてしまうこの修正、僕も知ったときは大変面白おかしく感じましたけど、これはまさに、上記ニコ百科のコメント52番に「言葉狩りされたからもっとひどい言葉にして返すという荒木のウィット」とあるように、無駄な言葉狩りに対する、作者からのアンチテーゼだったのかもしれませんね。

人種とか性別とかそういうものの差別は確実に良くないものの、「バカアホマヌケ」レベルの罵倒語は、それは人間が社会生活を送る以上ない方が不自然に思える表現ですし、そういうのは自主規制するものではないんじゃないかなぁ……と思えるのが率直な感想ですけど、少なくとも実際何か面白い改変なのは間違いないですし、大量の独特なジョジョ語を生み出しただけあって、流石は荒木さんの光る言語センスの為すワザだといえましょう。


…と、漫画の台詞表現における自主規制の話を踏まえて、こないだの歌の中にミュート・自主規制が加えられた曲という話から更に発展して、今回は曲そのものが物議を醸し、censored(検閲を受ける)・banned(禁止される)された作品なんかを少し見ていこうかと思います。


もちろん物議を醸した/規制を受けた曲なんて世の中大量にあるわけですが、パッと考えて思いついた中でも個人的に結構好きな曲があったので、良曲紹介を兼ねて見ていきたい形ですね。

 

一番最初に浮かんだのは、それなりに最近の曲(といってももう14年も前ですが、ポリコレ意識は21世紀の方が確実に強まっているとはいえ、規制当局による介入みたいなのはまだ表現の自由が発達していなかった(でも映像技術や音楽発表の方法は大きく発展してきた)20世紀中旬=60年代70年代とかの方が圧倒的に多い気がするので、相対的に「最近の曲」ですね)で、ブリトニー・スピアーズさんの、「If U Seek Amy」!

 

…あれ、ブリトニーさんって、ついこないだ取り上げなかったっけ、何で見てたんだ?まさかもう紹介してたっけ…?と思って振り返ってみたら、スラングシリーズこの記事(↓)の、「Famme Fatale」という語でしたか!

con-cats.hatenablog.com


今回のこの曲はその1つ前のアルバム「Circus」収録なので、それとは関係なかったですし、バッチリ公式MVを貼らせていただきましょう。

 

www.youtube.com


果たしてこの曲の何が物議を醸したのでしょうか…?


もちろん妖艶な感じの割と刺激の強いMVではありますけど、そういった部分ではなく、タイトル、および実際に歌われている歌詞が原因だったんですね。

 

「If you seek Amy」は、意味としては「エイミーを探してるなら」になりますが、実はこれ、よく見たら「イフ・ユー・シーク・エイミー」で、何気に「ェフ・ユー・シー・クェイ・ミー」、すなわち「ファック・ミー」と言っている形になっているんですね!

 

いい感じの場面に思えた、該当の歌詞の部分をスクショさせていただきましたが… 

上記動画より

ここにも表示されている通り(まぁYoutubeの自動字幕機能ですし、一部のみの表示ですが)、歌詞は、

But all of the boys and all of the girlsAre begging to if U seek Amy

(でも、男の子も女の子も全員、私とファックしたいってお願いしてるよ)


…と、文法的に最後の部分は「if you seek Amy」ではなく「ファック・ミー」じゃないとおかしい感じになっているので、これは「そういう意図ではなかった」なんて言い逃れできませんねぇ~ブリさんよぉ~(笑)。


そんなわけで、この曲のWikipediaで紹介されていたように、

Undercover.com.au」は、5歳と7歳の子を持つ親の話として、「自分の子どもがF-U-C-K〜と歌いながら家の中を歩き回っているのを見た時、不意打ちを食らったかのように吃驚した。私が誰の歌なのかと子どもに訊ねたらブリトニーの曲だと答えました。私はゾッとしました。」というコメントを掲載した。

…などと、主に世の善良なる親御さんたちから物議が醸され、ラジオやケーブルTVからは放送禁止扱いを受けてしまった形ですね。


いやぁ~、この辺は正直、「子供が下品な歌を歌って、だから何だよ(笑)」としか個人的には正直思えないのですが(そもそも大抵の場合、こんなのは意味も分からず歌ってるだけだと思いますし、仮に意味が分かって歌ってるとしたら、それはもう子供の自由じゃん!……としか思えない気がします)、とはいえこれはやっぱり、もしかしたら子を持たない人間の戯言なのかもしれません。


(似たようなので、数年前、大晦日の「笑ってはいけない」とかでかなりフィーチャーされていた「♪大きなイチモツをください」のフレーズに関して、Twitterでどこかのママが「急募:小1の息子に、始業式までに『大きなイチモツをください』の歌をやめさせる方法」みたいなつぶやきをしていてクッソ笑えましたけど(笑)、確かに、そのフレーズを子供が大声で歌い続けていたしたら、正直かなり嫌すぎるかもしれないですね(笑)。

…つってもそれはまぁ下品というより、個人的には「それ、ぶっちゃけおもんないからやめようぜ」という感情の方が強いかもしれませんが(笑)。)



この曲は何気に曲としてもかなりいいので、それをbanするとか正気か?と思えるものの、それはやっぱり英語が分からない&子供を持たない輩の、無責任な意見なのかもしれません。

でも僕は正直、そんなの抑えつけるような話じゃない気がするけどなぁ~、って思えてしまいますねぇ。

 

ちなみにWikipediaには、

これらの動きを受けて、ラジオ放送を自粛する動きが出てきたことから、ブリトニーは曲名を "If U See Amy"「イフ・ユー・シー・エイミー」とする、新たなラジオ・エディットを録音した。このヴァージョンはラジオ局向けに Seek からkを取り、更にコーラスの速度をあげている。そのため、このヴァージョンはオリジナルに比べて時間が13秒短くなっている。 

などとありました。


…あぁ、そういえば、例のNOWシリーズに当然この曲も収録されていましたけど、そういえばタイトルが「If U See Amy」になっていたのを一度手持ち曲を整理する際に発見していたのですが、CD-db(ネットから自動で入力されるタイトルデータベース)系のタイトルってたまに間違ってますし、これも単なるスペルミスかな?…とか思っていたんですけれども、まさかの別バージョンだったとは!


つまり、これも「k」がミュートされている、別バージョンだったんですね!

実際、上記の動画は演奏時間3:46ですが、NOW 31に入っている「If U See Amy」は、3:33でした。


Amazon Musicでは、単一のアルバムページはなぜか収録曲がおかしく(ちゃんとアメリカ版を見ているにもかかわらず、謎です)、正しい収録曲のヤツは三枚組みのこちらのページ(↓)しか見当たりませんでしたが…

www.amazon.com

 この53番にいますね。)

 

…といっても、一見確かに13秒短くなっていますが、よく見たらYoutube動画は最初と最後に(BANを皮肉っているのか)報道みたいな無意味なシーンが入っていますし、アルバム「Circus」の方のエイミー・オリジナルバージョンを見てみたら、こちらは演奏時間3:37でした。


うーん、一応短くなってるとはいえ、わずか4秒の違いですし、本当にNOWに収録されているのは新バージョンなのでしょうか??

…まぁ「なのでしょうか?」って、持ってるなら聴けばいいじゃんって話なんですけど、実は聴いてみたのによく分かんなかったら言ってる形でして(笑)、件の「Seek」の部分、僕のバカ耳では、正直NOWバージョンの方も、「Seek」って微妙に聴こえるような……でも一応オリジナルと比べたら、そんなにハッキリ「k」音は聞こえない気も……って感じで、ぶっちゃけ区別がつきませんでした(笑)。

 

少なくとも、コーラスのピッチが速くなってるようには全く思えないんですけどねぇ…。

(とりあえず、こないだのP!nk姐さんのBlow Meとは違い、NOW版を聴いていても、「あ、ミュートされてる!」とか「曲のペースが速い!」とかは、今の今まで(というか言われて聴いてからもですが)全く気付かなかったです。)

 

Wikipediaの記述が正しいとするなら、オリジナル版より13秒も短くは絶対になっていないので、NOW版は、この曲に限っては(タイトルは変わっているものの)変更されてない可能性もありますね。


…って、今の時代、インターネッツの力を借りれば、ちゃんと違いがあるのかどうかについて、皆様の判断を仰ぐことができるってもんでしょう!


というわけで「If u see amy radio edit」で検索してみたら、出て来ましたね!

「k」にカッコが打たれて、ハッキリ「BBC Radio Edit - Clean」と銘打たれたバージョンが!!


…とはいえこれも演奏時間は3:30となっていますが、果たしてどうでしょうか……。

(例によって、問題のサビ後半は、50秒ぐらいからですね)

www.youtube.com


…って、ギャヒョーン!

 

サビ後半、49秒ぐらいから、全部(ミュートに)イかれとるぅ~!!


BBC、クソすぎワロタ(笑)。


まぁミュートというか、一応別の微妙な演奏とコーラスが入ってる気もするものの、改悪にも程がある!

これはいただけないというか、結局「k」なしですら認められなかったからこそこんな感じでゴソッと検閲を受けたバージョンが用意されたのかもしれませんけれども、これは正直、アーティスト&作品を冒涜しているようにも思えちゃいますねぇ。


そんな感じで、結局↑のBBCバージョンでは「k」のあるなしは分からなかったものの、僕の持ってるNOWと同じバージョンは、多分こちら(↓)ですね。

 

www.youtube.com


うーん、どうでしょうか、やっぱり微妙~に「シーク」って(というか(kサウンド)が)聴こえる気がするんですけど、しかしオリジナルバージョンが完全にハッキリ「シーーミー」と言ってるのに比べると、多少弱くなってますかね…??


謎は深まりますが、結論としてはこの「If U Seek Amy」、近年にしては珍しく、ラジオ局が完全に検閲をかけた名曲として、逆にインパクト・印象は大きい曲になったといえるかもしれませんね。

 

…って、もうちょい触れる予定の曲があったのですが、まさかの1曲だけでスペース&時間切れとなってしまいました…!

他の曲は(どんどん大したことなくなっていく気もするものの)、また次回持ち越しとさせていただこうかと思います。

 

あぁ一応最後に1つ、前回の記事をアップ後、「ピー音の入った曲、他になかったっけ…?」と思ってちょっと考えたのですが、パッと頭に浮かんできたものとして、これももう10年以上前の曲ですけど、むしろ今回の「物議を醸した曲」に入れてもおかしくないかもしれない、衝撃の超ド下品曲……我らがあやまんJAPANの、「ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー」が思いつきました!

 

…MVを貼らせていただこうと思ったら、よしもと公式の動画は1分42秒でいきなりおしまいというめちゃくちゃ中途半端なものしかアップされておらず、「おぉ~いよしもとさんよ、そういうとこだぞ…」と思えてしまったのですが、幸い有志の方が(ちゃんとクレジットを付与して)アップしてくださっていたため、そちらをお借りしましょう(↓)。

 

www.youtube.com


「この曲好き!」というのは結構勇気がいる行為にも思えますけど(笑)、これ、個人的には普通にクッソ名曲(「迷曲」込みで(笑))に思えます。


まぁ、取り上げた自主規制ポイントとしては、「大人の事情で言えない でも言いたい、言いたい…」みたいなやり取りの後に、あやまん監督が思い切って言っちゃうシーン(2:48あたり)で「ピー」音が入っていたような記憶があったのですが、普通に両隣にいるサムギョプサル和田さんとたまたまこさんが「ワーワーダメェー」と騒ぎ立ててかき消しているだけで、全くピー音でも何でもなかったんですけどね(笑)。


一応、タイトルに「ぴー」が入っていたのでヨシとしましょう(笑)。

(ちなみに、その自主規制部分は、ゴルフの振りをやっていることからも分かる通り、「宮里藍」さんの名前を出そうとしている場面ですね(テニスの振りもしているので「杉山愛」さん、「サー」と言っているから「福原愛」さんも、許諾が下りずに言えなかった感じのようですが(笑))。)


…と、全く触れる必要のない「ぽいぽい」に触れて終わりという意味不明な形になってしまいましたが(笑)、ついでに関係ないながらもう一言だけ語っておくと、元同僚のアサカさんの旦那さんであるイノッチさんとは今でもよくメールをしており、特に彼も結構な音楽好き&コレクターなので音楽のオススメあいとかもしているのですが、彼は「何度か聴いて、自分の好みに合う物だけを残していく」という厳選スタイルを取っており、(ずーっとやり取りしている割に)音楽の趣味はそこまで合わないのか、僕がオススメしたものが生き残って彼のコレクションに存在し続けることは非常に稀なんですけれども(プレイリストを共有してくれているので、いつでも全部聴ける形になっているため、僕は中国語曲もそれなりに持っている形です)、「ユニークな曲」枠として送ったこのあやまんJAPANの「ぽいぽいぴー」が、まさかの彼の厳正なるセレクションを経ても勝ち残り、今でも(一度リスト入りしても、何度か聴くたびに脱落するものも多いようです)少数精鋭プレイリストに残っている感じです。

色んなJ-Popの名曲はほとんど選外だったのに、こんなのが生き残っていて、彼のプレイリストを見て「ぽいぽい…」の名前を見るたびクッソ笑えるのですが(笑)、改めて、中国人も魅了する、歌詞無関係の名曲であることが証明された形ですね(笑)。


と、謎のあやまんアゲをした所で、続きは次回とさせていただきましょう(笑)。

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