(ラスト)英語スラングシリーズ:た~んとアゲアゲ!

長々と続いていたイマドキ英語スラングシリーズも、ようやく第35回目の今回にて挙がっていた55語を全部見終えることができそうです。


残りは3語ですが、正直かなりつまんない語であるため、全然最後を飾るに相応しくもない感じですけど(笑)、別に飾るほどのシリーズでも何でもないのでよしとしましょう(笑)。

(その意味では前回の「スマーッシュ!」で終わる方が、やはり締まりがよかったかもしれません。)


1ヶ月超もお世話になったVerywell family(↓)の記事(執筆者:Amy Molinさん)に、改めて心からのお礼を申し上げたい限りにございます。

www.verywellfamily.com

早速ラスト3語を見ていきましょう。


最後は普通のスラングと、ここへ来ていきなり略語(頭字語)が2つほど出てくるようです。

  • Turnt - ハイになる、または酔っぱらうこと(以前は「turnt up」の形であった)

  • WTTP - Want to trade photos?(写真交換しない?)の略語

  • LMIRL - Let's meet in real life(現実世界で会おう)の略語

 

最初のTurntは、これは普通にカタカナ語でもおなじみの単語「turn」の過去分詞形……と思いきや、turnは過去形も過去分詞形も「turned」でしたか…!

当たり前のように顔を出してきたため、こいつはturnの過去分詞で、普通に「回転する・曲がる・向きを変える」の形容詞パターン(過去分詞を形容詞として使うのは枚挙に暇がない…というか英語の大原則みたいなものですね)かと思えてしまったものの、その活用タイプだったのは「learn-learned-learnt」で、そもそもこのlearntも基本的にイギリス英語で使われるものであり、アメリカ英語では過去分詞もlearnedですから(過去分詞だけ-tで終わるやつは、ちょっと考えても他に見当たらないですね、そういえば)、過去分詞に思えてしまったのは単に頭がボケてただけといえるかもしれません(笑)。

(まぁ一応、「send-sent-sent」などの例もありますし、「(dではなく)tで終わる」のは何となく過去形/過去分詞っぽい気も、するっちゃするといえるように思えますけどね…!)


というか実際これは、正式な活用ではないにせよ、間違いなくネイティブにとっても「turnの過去分詞(turnを形容詞にしたもの)っぽいべ」ってんで使われ始めた語ではないかと思います。

説明にもあった通り、元々は「turnt up」と使われていたものが今では「up」なしで使われるようになったものだそうですけど、「turn up」は「Turn up the music!」でおなじみ「音楽のボリュームを上げる」という意味ですし、それを形容詞っぽく、かつちょっと崩した感じにして、「turnt up」で「ガンガン上げた」「テンションアゲアゲからの~?」みたいな雰囲気で使われるようになったのではないかな、って気がしますね。


…って、僕が勝手に「気がする」って言ってるだけで真相は分かりませんが、こちらはSlang.net先生のエントリーはあったものの、詳しい由来の解説は残念ながらされていない感じでした。

https://slang.net/meaning/turntより


一応2文目に「『turnt up』というフレーズに由来」とありますが、そんなことは既に分かっていることですし、念のためturnt upの方をチェックしてみても、この説明文後半とほぼ完全に同じ説明が載っているだけで、そこから更に遡った由来については語られていませんでした。

 

そんなわけで由来については勝手に自分で推測していたわけですが、まぁ由来はともかく、意味の方に触れていなかったのでまずそちらに戻ると、これはVerywellの元記事の説明は「To be high(ハイになる)」、Slang.netの方は「Excited(エキサイトする)」で、要はどちらもテンションアゲアゲってことですね。

また、どちらの記事でも「なお、酔っぱらうという意味でも使われる」とありますが、若者にとってノリノリアゲアゲなのはお酒をガブリシャスするのと同義ですから、全く違和感のない自然な転用といえましょう。


…と、由来の方に話を戻すと、やっぱり勝手に自分で推測するだけでは(しばしば間違ってたことがありましたし)心許ないので、ネイティブ記事をチェックしておこうかと思います。

今回も、こないだお世話になったDictionary.comのスラングコーナーに、結構詳しく説明がされていましたよ。

(アバディク (Urban dictionary) 同様、この辞書は結構スラングにも強い感じですね。)

 

www.dictionary.com

該当部文を抜粋翻訳紹介させていただきましょう。

スラング辞書編纂者のジョナソン・グリーンによれば、Turntの由来は、熱を上げる/音量を上げるという表現に見られるturn upに遡ることができ、これは「to act wildly at a party(パーティーで乱暴に振る舞う)」という意味の表現である。言語学者のニール・ホイットマンは、この言い回し(さらに、後にはスペルも)はアフリカ系アメリカ人の英語における体系的なルールを反映していると説明している。Turntは2005年にUrban Dictionaryで初めて「Horny(欲情した)」と「Drunk(酔っぱらった)」の2つの定義で登場し、2008年にはTwitterデビューを果たしていた。


なるほど、これは、独自の活用や言語ルールをもつ黒人文化が由来だったようで、まぁそのルールについては書かれていないものの、turn upとact widlyの動詞部分が合体した感じもあるのかな……と一読した時は思えたものの、よく読んだら別にそうは書かれていませんでしたが、まぁ様々なカッコいいBroken Englishを生み出しているいわゆる南部英語(be動詞+not(am notやare not)が、どれでも「ain't」とかですね)からのものということで、Hip-Hopを中心に広がった言葉だそうですから、若者に人気な言葉であることも頷けますね。


まぁ記事タイトルにした「アゲアゲ~↑↑」とかも、正直最早死語とまでは言わないまでも「古ぃよ(笑)。いつの時代のギャルだよ(笑)」というレベルかもしれませんが、そんな感じの表現に非常に近い感じですね。


チャット型例文は、全く触れるまでもないものでしたが、せっかくなので見ておくといたしましょう。

I'm so turnt for the game 2nite!

(コンヤの試合、めっちゃワクテカだぜぇ~!)

 

ワクテカ」も死語ですね(笑)。

dic.nicovideo.jp

…と、無駄に長くなってしまったので、とっとと続きの語に参りましょう。

最初に書いた通り、続いてのWTTPは頭字語ですね(たまたま無駄にwktkに似ていましたが(笑))。

https://slang.net/meaning/wttpより

これはフルセンテンスを見ればそのまんま、「Want to trade pictures?」で(Verywell記事では「photos」でしたが、Slang.netの「pictures」もどっちも同じ意味かつ「p」で始まっているため、どっちでもいい感じですね)、「写真交換しよーよ」という意味ですね。

 

一応、Want toで始まる疑問文は、これは直訳的には「○○したい?」とも思えるわけですけど(ちょうど前回の記事でも「Wanna play Smash tonight?(今夜スマブラしない?)」「Wanna Smash?(53Xしよーぜ)」で出てきていましたが)、まぁスマブラならともかく、明らかに自分側に利のあることに対して、「あなたは写真交換したいですか?」なんて聞くのもぶっちゃけ意味不明に思えますし、こないだの「Requestion」というわけではないですが、これは「あなたは○○したいですか?」と聞いているのではなく、「○○しよう!」「○○しない?」というお誘いの文句になっている形ですね。


まぁ、略さずにいえば「Do you want to ...?」なわけで、その文で何でその意味になるのかと聞かれても、「どう考えてもそういう文脈&意図で使われているから」…としか言いようがないんですけれども、以前(↓)見ていた「may want to(~した方が良い)」なんかに近い感じかもしれませんね。

con-cats.hatenablog.com

まぁこの表現に関してはそのぐらいでしょうか。


では、シリーズ最後の語に参りましょう。

https://slang.net/meaning/lmirlより

こちらLMIRLも頭字語で、フルセンテンスとしては「Let's meet in real life(リアルで会おうぜ)」のことであり、これまた元のフレーズさえ見れば説明不要の意味ですね。


ネット上でしかやり取りしたことがない相手に、「現実世界で実際に会いましょう」と誘うスラングだといえましょう。

 

…と、よく見たら最後、これだけアルファベット順じゃなく(Wの後にL)、順番を無視して突如挿入されたような形になっていたわけですが、これはもしかしたら、(そもそもこの記事は「親世代のための~」だったので)親御さんが子供たちのスマホにこの文字列を見たら、絶対に注意しましょう!!という注意喚起のために、急遽付け加えられたものだったのかもしれませんね。


最後略語のチャット例文だけ見ておしまいとしようかと思います。

 

まずはWTTPから…

I like u a lot, WTTP?

(君のことめっちゃ好きだな、写真送って?)

…こっちの方が、今の時代写真なんて気軽に送れてしまいますし、LMなんとかの方よりもっとヤベェ気がするかもしれませんね(笑)。


一方LMなんとかの方は…

We've been chatting for months now. LMIRL.
(もう何ヶ月も前からチャットだけでやり取りしてるよね。実際に会ってみよーよ。)

Uh, shoot, I gotta go ...
(あぁ、えぇーっと、ごめん用事があるから…)

…こちらはきちんと断っている感じですね。


なお、返事で出てきた「shoot」は、これはめちゃくちゃよく使われる間投詞で、まさに「シューッ」って感じで、「おっと」「あぁーっと」「うわマジか」「参ったなぁ…」みたいなニュアンスで、ちょっと失敗したとき、あるいはネガティブな気持ちになったときに思わず口をついて出る表現ですね。


一方の「I gotta go」は、以前見たことがあった気もしますが「gotta」は「have to」と同義で、「行かなくちゃ」という意味であり、転じて、電話を切るときとか会話を中断してやり取りを終える際によく使われるものですね。


これは、危ないおじさんに誘われたときの、模範的な返しといえましょう(別に言うほど模範的でもないかもしれませんが(笑))。


(そういえば「写真送って」でいきなりふと思い出したんですけど、僕が3歳か4歳の頃、全く知らないおじさんから電話がかかってきて、「今何色のパンツ履いてるの?ちょっと脱いでみて」みたいなことを言われまして、素直に「えっと、青と白の真ん中みたいなやつです。今脱いでます」みたいに答えて実際に脱いでいたら、姉がすっ飛んできて、「ちょっと紺助、何変なのに答えてるの!」と、怒られたのか笑われたのかは覚えていないものの(笑われた記憶の方が強いですが(笑))、受話器を奪われてガチャ切りされまして、「え?でも、言われたことやっただけなのに…」と、怒られたor笑われた理由が物心ついたばかりの紺助少年には謎だったのですが、今思えばそんなテンプレみたいな変態の相手をしてしまっていたのも笑えますし、マジで電話越しでそんなの聞いて何が面白いんだよ(笑)とそっちの意味でも笑えますけど、今は情報技術の発達で他者への接近がより容易になったともいえますから、危ないおじさんには気をつけなければいけないということですね。

…って、いつの間にか年を食ってしまい、逆に僕が危ないおじさんになる可能性もあるので、むしろそっちの気をつけなければいけないかもしれませんが(笑)。)

 

という所で、無事に55語が見終わりました。

散々「とっとと終わらせましょう」とか言ってた割に、実は終わってからの次のネタが全く浮かんでいないので、実はもっと粘りたかったんですけど(笑)、とりあえずここ最近のネタで、恒例のアンさんからいただいていたコメントにいくつかまたご質問が含まれていたので、次回はご質問ポイントをピックアップしながら、いただいた疑問点を振り返っていこうかと思います。

(その後も、前のシリーズのご質問がまだまだ触れずじまいのままで大量に残っている&そういえばこの記事以外のスラングもちょっと気になるので…なんて話もしていたので、気の向くまま適当にまとめていこうかと思っています。)


それでは、シリーズは幕を閉じるものの、結局似たような話がもうちっとだけ続く形ですね(笑)。

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