コメ返信や補足その1-49-2:「guys」という呼び方は、男女隔てなく使えるの?

前回の記事ではeveryについて中途半端に深追いしていた結果、コメント・ご質問の方にはほぼ全く触れられていなかったため、早速続きに参りましょう。

改めて、コメントの再掲からですね。

 

単数形と複数形でいつも迷うやつ…というか、最近知ったんですけど、、personとpeople。

これ、常に使ってるのに全く意識していなかったのですが、

1人ならone person

2人ならtwo people

って、不思議ですよね。

普通に「Two  persons?」とか言っちゃってましたけど、まぁ通じますしね笑

そして更に、

全員ならeveryone?

peopleは複数扱いなのに、everyoneは単数扱いなんですよね?

例えば、

全員の教科書なら、everyone's textbook

textbookは単数形ですか?

全員の教科書を持ってきてくださいなら、

Please bring everyone's textbooks.

こうなると、教科書は複数形になるんですか??

しょうみ、口語で複数形にしたことあるかな?っていう感じですけど笑

やっぱりいろいろ難しいですね。


⇒まず途中の「全員ならeveryone?」については、もちろんそれで全く問題ないしよく使われるものの、常により簡単な単語を好む発音苦手民の僕としては、「all」なんかも便利で同じようによく使われる表現に思えます。

研究室全員にメールを送るときなんかの書き出しは確実に「Hi all,」ですし…

(日本語でメールを送る場合、一行目は「○○先生」や「○○さん」という感じで、少なくとも僕は句読点を一切付けないんですが、これ、付ける人も結構いる気がするんですけど、日本語だと何か「点で改行」は違和感が大きくて個人的に好きになれないのです(「中澤先生、」で改行になる形ですね。ルールとしてはこれが正式なのは分かるものの……)。

 ただ、英語だと、コンマは小さいこともあってか、基本的にコンマなしを見ることもまずないため、こればっかりは僕も郷に従って、コンマで改行を入れる感じで使っています。

 稀にコロンを使う人もいますが(日本語でも英語でも)、それもまたちょっと仰々しい気がするので、僕は日本語では点も丸もなしの名前のみ、英語だと「Hi John,」みたいな感じでコンマ改行……っていう、日英異なる形の表記ですね。

 かなりどうでもいい話ですし、そもそもメールという文化自体も徐々に縮小しつつあるのかもしれませんが……)

…とまた余談が長くなりましたが、他にも結構使われるこいつ、文脈上明らかな場合は「all」だけで、「all people」とかいちいち言わなくても全く問題なく「みんな」という意味になる…というのが、便利さに拍車がかかってくれているポイントといえるかもしれませんね。

 

…あぁちょっと関連したネタが思い浮かんだので、せっかくなので少しばかりまた脱線させていただきましょう。

グループ全員に送られるメールの冒頭あいさつ文といえば、「Hello all,」とかが一番メジャーだと思いますけど、特に若い子は、カジュアルな場面だと「Hey guys,」なんてのもよく使っているイメージがあります。

これ、こないだ書いていた自分以外シェアメイトが全員女の子だった頃、ネイティブの子含め頻繁にこのあいさつ文のメッセージを見かけていたことが非常に印象的で、「へぇ~、男は自分だけなのに、guysって言うんだ。つまり、この語は、男女隔てなく使えるってこと…?」と思えて、常に簡単な単語を好む派の僕としては、それ以来、誰か特定の人を指して言う時は、老若男女問わず、「the person」よりも率先して「the guy」を使うようになっていました。


…と、過去形なのは理由があって、例の大変仲良くしていた元同僚の中国人・アサカさんと会話する際も、当然その癖が染み付いていたため、どんな場面だったか具体的には覚えていないものの例えば「清掃員の、体がかなりおっきい女の子いるじゃん?昨日の夜、男子トイレ入ってたらその子が誰もいないと思って入って来て、めっちゃ驚かれてしまったよ」みたいな話をした際(ちなみにこれは実際にあったことですが(笑))に、

「The cleaning guy came into the male bathroom and she was very surprised at me...」

みたいに言ったところ、

「女性を『guy』呼びはおかしいよ。『guy』は男性を指す言葉なんだから」

…と訂正を受けたことがあったのです。


とはいえこれは、上で書いていたように、女性を含む集団を指してguysと使われていた経験があったので、「いや、男が自分しかいない集団に対しても、guysは使われてたけど…?」と反論してみたところ、

「複数の人なら使えるけど、一人の女性を指してguyというのは絶対おかしいって。少なくとも私はそういう認識だけど」

と返されたので、その場にいたネイティブの学生に確かめてみた所、彼曰く、

「一人の女性には絶対使わないね。複数の人でも、全員が女性なら、普通は使わないと思う。ただ、一人でも男性がいたら、これは特に我々若者は、めっちゃ使いがちな言葉だけど(笑)」

…ということで、何とまさか、何度も受け取っていたメールで、男が自分しかいない状況でも「guys」という複数形だったことから「この単語は女性も指して使えるものに違いない」と思っていたのに、実はguysと呼ぶためには最低一人の男が必要だったということで、そりゃ自分がいる時点で男が一人いることは確定しているから、自分の所属する集団へのメッセージでは普通に聞く感じにすぎなかったわけか!…と、そこでハッと誤用に気付けた形ですね。

 

しかし、これもあくまで一人のネイティブの意見に過ぎない&あれからもう大分時間も経って、もしかしたらまたトレンドも変わっているのかもしれない(特に、ジェンダーの関わるセンシティブなネタですしね)…と思ったので、ちょっくら「guys female」で調べてみたら、なんと!

『Guys』はもう、性差のある言葉ではない。誰に使っても構わない」というタイトルのワシントンポスト紙の記事(↓)が、検索最上部で目に付いてきました!

www.washingtonpost.com

ななんと、「時代が進んで、guysは今や完全にジェンダーフリーな言葉になっている」と、言葉や文化の歴史に触れながら論じてくれている面白い記事だったものの、極めて長い記事だったので流石に翻訳引用は差し控えておきますが、(単数形のguyが女性単独を指せるかどうかまでは述べられていなかったものの)これは、楽だからついつい男女問わずguyを使ってしまいたい族の民としては、大変興味深い動きに思えます。

(まぁ「楽だからそうなると嬉しい」というのも自分勝手が過ぎるクズ意見かもしれませんが(笑)、しかし、記事執筆者も、「この言葉がそうなるように進化してきたのは、歓迎すべきことだ」と言ってますしね。)


…と、ところがどっこい!

上のワシントンポスト記事は2021年7月7日と、かなり新しい記事で「これが今時の意見ってことよ!」と思っていたら、すぐ1つ下の検索結果に、ほぼ時を同じくした2021年4月27日のFastco Worksというメディア系の記事で、こんなものも目につきました(↓)。

https://www.fastcompany.com/90629391/guys-is-not-gender-neutral-lets-stop-using-it-like-it-is

(こちらのサイトからはリンクカードが取得されなかったので文字列リンクのみですが……)URLからも分かる通り、こちらのタイトルは「『Guys』はジェンダー中性であはない―そのように使うのはやめよう」という、完っ全に上のワシポスとは真逆の主張!


一体どちらを信じればいいというのだ…?!


…って、これはやっぱり生きた人間の使う言葉の問題ですし、白黒はっきり結論がつくような話ではないというのが一番賢明な捉え方かもしれませんね。


一応、後者Fastcoの記事では、こちらも言葉の歴史などを紐解きながら、英語にはより性差を感じない代替案が一杯あるんだから……と他の呼び方の例も挙げてくれており、all、everyone/everybody、people、folksといった耳馴染みのあるものから、squadやpeepsといったあまり目にしない(でもどっかで聞いたことはあるかも)もの、さらにはbeautiful humansとかいう若干「いやふざけすぎでしょ(笑)」と思えるものに加え、最後は「単純に『hey』『hi』『hello』だけで、付加する言葉は無しでよい」というアドバイスまであり、まぁこれも一理あるわね、と思える話になっていました。


上記特集記事はどちらも読み応えがあるものでしたが、やはり僕は個人的に単独記者の書いた記事よりも、双方向性のある集合知の方が好きなので、同じく検索結果でヒットしてきた、おなじみStackExchangeのQ&A記事(↓)の方も見てみるといたしましょう。

english.stackexchange.com

例によって全文見ていこうかと思ったのですがしかし、この手のジェンダー論を含むものはやはり極めてホットなトピックなのか、これまでの単純な文法ネタより文字通り桁違いの数の反応が集まっており、全部見るのは永遠に終わらなさそうなため、質問&ベストアンサー投稿だけ抜粋する形にさせていただきました(実際、質問もベストアンサーも、面白い例を紹介してくれています)。

他にもかなりの量で、凄まじい熱量の議論がされているようなので、気になった方はじっくり元記事をご覧いただけると楽しめるのではないかと思います。

 

Mitch(質問者、同時に、上位0.14%に位置する超優良回答者):「guys」の女性版は何?(質問スコア222点)

 

私は普段、口語で男性のグループを指すのに「guys」という言葉を使うんだ。口語的ではあるけれど、失礼にあたったり、不快に感じたり、見下したり、恩着せがましく感じさせるものでもないからね(ただし、役員会で男性のグループに使うことは(もちろん仮にの話だけど)、知り合いでもない限りあり得ないけれど)。個人的に代用案としては考えられないものには、以下のようなものがあるね

  •  buddies:古風すぎる
  •  dudes:くだけすぎ
  •  boys:恩着せがましい
  •  men, gentlemen:形式的すぎる、または間違った敬意

で、自分は、男性と女性を含むグループ、さらには女性だけのグループにもこの言葉を使っていたことに気付いたんだ。個人的には問題なく機能しており、女性は気にしないかもしれないけれど、ジェンダー的な意味合いについて考えたこともなかったんだ。直接的にも間接的にも、これまで誰からも文句を言われることはなかったしね(人生のルール:人は時に、文句を言うべきところで言わないこともある)。

しかし、(多分何かを読んでいて気が付いたんだけど)意図的に聞いている人たちなら、それを全く気にかけなくはないかもしれない、と思い当たったんだ。


ということで、「guys」の女性ジェンダー版、あるいは非ジェンダー版といえるものは何かあり得そうかな?


私が考えた中の、しっくりこないものはこんな感じ(これらの中には妥当な答えもあるかもしれないけれど):

  •  dolls: 古風すぎる
  •  babes:カジュアルすぎる
  •  ladies:フォーマルすぎる、または女性から聞いたことがあるが、不気味すぎる
  •  women:単なる事実すぎる
  •  girls:恩着せがましい(「boys」と同じぐらい)
  • everyone, you all:当たり障りがなさすぎる
  • y'all:完全に非性差別的だが、地域性がありすぎる(通用するかもしれないけど、どこでも通用するわけではない)

全ての可能性を排除していなければいいんだけど――何か提案はある?

 

Caleb(上位4%に位置する優良回答者):回答スコア216点【ベストアンサー】

「guys」は英語では性別に関係なく(ジェンダー中性)、男女混合のグループを指す言葉として使われ得るよ。

女性が他の女性たちのことを「guys」と呼ぶのを耳にすることさえあるんじゃないかな。

女性的な意味合いを持つ最も近い言語的に同質なものは「gals」だろうね。「Guys and gals」は「ladies and gentlemen」のややカジュアルな変形版だね。(順番が逆であることに注意。)


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編集:質問コメントで@kitukwfyerさんが指摘していたように、「gals」単体で使うと蔑称になる可能性があるので、注意が必要だね。上記のような組合せで使う分には問題ないと思われるけれど。注意深く使えば安全だけど、単体で使うと嘲笑と受け取られる可能性はあるかもしれない。

次のように言えば、誰も気分を害することはないと思う:

    「The gals talked in the kitchen while the guys went out to see Fred’s new truck.」
(男たちがフレッドの新しいトラックを見に出かけている間、女たちはキッチンで話していた)


しかし、街角で女性二人組に近づいてこう言えば、奇妙な反応を示されるかもしれない:

    「Excuse me gals, where is the grocery store?」
(お嬢さん方、スーパーはどこですか?)


女の子2人組にこんなことを言うと、疑いの目を向けられるかもしれないね:

    「Hey gals come with me.」
(ちょっとお姉ちゃんたち、一緒に来てよ)


しかし、ゲームの説明をしているときに、次のように言うのは、まずもって大丈夫であろう:

    「Alright, guys on this side of the room, gals on the other.」
(よし、男どもは部屋のこっち側、女どもはあっち側だ)

 

「gals」とはまた意外すぎる提案でしたが、日本語の印象もあって、僕がこの言葉を使うことは未来永劫決してないことでしょう(笑)。

質問にもベストアンサーにも他に沢山のコメントがついており、さらにはベストアンサー以外にも高評価な回答はまだまだいっぱいありました。

まとめる時間がなかったばかりか、現状全く読めてすらいませんが、面白そうな話題なので目を通しておきたい限りです。

 

…と、かなり中途半端になってしまいましたが(結局、またほぼ質問に触れられていない形で恐縮です)、次回はまたコメントに戻っていくといたしましょう。

 

アイキャッチ画像も中々いいものがありませんでしたが、「ジェンダー」で検索したらヒットしてきたこちら中性的な人のいらすとをお借りしてみました。

全く内容とは関係ないイラストな上、結局勝手に脱線した割に結論は皆無で「何のこっちゃ」という話になってしまったものの、今の時代は「呼びやすさ」よりその辺のジェンダー的なあれこれを意識した方が良いのかもしれないな、という気付きを得られたので、個人的には大変意義ある脱線となった形です。

(もちろん、上記直接訂正されたエピソード以来、少なくとも女性単独にguyを使うことはなくなったので(元々複数の人にguysを使うことは一切ありませんでした。先述の通り、僕は「all」派です)、そんなに意識して何かを変える話でもないんですけどね。)

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