「LIVEシリーズはこの辺で一区切りといたしましょう」と前回嘯いていたくせしてアレですが(笑)、またちょうど追ってご質問をいただいていたため、今一度LIVEネタ(ライブとは全く関係ない、live)に触れさせていただこうと思います。
実は毎度コメントをいただけるアンさんがちょうど先週末祝日を挟んだ日程で出張に入られていたようでコメントお休み期間だったのですが、ちょうど昨日LIVEシリーズが終わったタイミングで戻られてきたようで、前回の記事アップ後、まとめてコメントをいただいていたのが予定変更の理由という感じでした。
そもそも予定としてもアンさんにいただいていたご質問コメントを見ていくつもりだったので、言うほど予定変更って感じでもないんですけど、LIVE最終章が最終でも何でもなくなったのはそういう理由です……というどうでも良すぎる補足でした(笑)。
では早速いただいたご質問に参りましょう。
liveについてですが…3回にも渡って回答いただきまして、ありがとうございました。
とりあえず、ザッと読んでみて、、3回目(今回)の記事の『Jignesh77(英国リーズ在住、ヒンディー語話者)さん』の、
『ごめん、いくつか回答をもらってるけど、まだ混乱しているんだ。
サンキュー!』
が、1番共感できましたね笑
まず、live以外の単語については、いろいろ出てくると余計にややこしくなるので置いていくことにして…
『英語の「live」という単語の2つの異なる意味、(1) to reside(居住する)と (2) to be alive(生きる)』ということでしたが、恐らくそれは知っていたと思いますけど、、
結局「(1)居住する(住む・暮らす)」の意味で、現在形でも現在進行形でも使える、現在進行形だと一時的に住んでいる感が出る、というのが、私が知りたかった答えなのかな?っていう気がします。(もちろんここでも,使えるかどうかは置いといて笑)
だいたい、…………
b) Lucy has lived in Montreal since June. (She still lives there.)
ルーシーは6月からモントリオールに住んでいる。(彼女はまだそこに住んでいる。)c) Lucy has been living in Montreal since June. (She still lives there.)
ルーシーは6月からモントリオールに住んでいる。(彼女はまだそこに住んでいる。)…………
このb)とc)の英文は違うのに、日本語訳は一字一句違わないっていう、そんな日本語を、英語でちゃんと言えるわけもなく、そこから先の解説も一応読んでみましたが、むき出しの事実って何やねん!くらいからもう諦めモードでした笑
⇒「むき出しの事実」、これ、実は僕も書いてて「何やねんそれ(笑)」と思ってましたが(なら直せよ(笑))、まぁこれは原文だと「the bare fact」という形で、「単なる、何の意図もない、客観的なあるがままの事実」みたいなニュアンスだったわけですけど、bareという単語は「裸の・あらわな・むき出しの」という意味ですが、どう訳すか迷って、まぁ「裸の事実」ってのも何かいやらしいし(いや別にそんなことないだろ(笑))、「むき出しの事実」で何となくは伝わるべ…と思って意訳せずそのまんま押し通していたんですが、やっぱ「何やねん」と思える話でしたね(笑)。
(回答者のentangledbankさんによると)進行形(is living)にすると以前住んでいた場所との対比をしているような含みが感じられる一方、単純な現在形だと、そういう含みの存在しない、むき出しの事実(まだ言うか(笑))でしかない、ってことだという感じです(改めて、↑で書いた通り、特に何らの意図も含まれないそのまんまの事実について語っているだけ、ってニュアンスですね。
改めて考えてみたら、「ありのままの事実」とかがベスト訳だったかもしれません)。
まぁこの「むき出しの事実」が取り上げられていたためあえて触れてみましたが、これに限らず基本的に、付けられていた回答の中には、ちょっとややこしさの目立つ説明も目につく感じだったかもしれません。
もちろん訳し方が下手なだけという面も多いにあると思いますけど、こういう掲示板で回答してくれる方々は概ねインテリっぽい、回りくどい言い回しを好む傾向がありますから、若干掴みにくい説明が目立つのも仕方ない部分なのかもしれない……とともに、そもそも言語の説明は、やっぱりどうしてもハッキリきっぱり明白に断定やカテゴライズができるものではないともいえますから、題材として、ややっこしい感じになるのはしょうがない点なのかもしれませんね。
例えば日本語の説明を日本語学習者の方にする場合でも、単純なことですら(むしろ単純な話ほど?)、案外簡潔に分かりやすく説明するのは難しいように思います。
(また具体的に日本語に関して聞かれそうな疑問&説明を書き下してみようと思いましたが、本題ではないのでやめておきましょう。
でも例によって、「『は』と『が』の違い」とか、(これはこないだどこかで話題になってるのを見て印象に残ってる話ですが)「『なんで』を、手段を聞く際に用いることはできるのか?(例:「今日はこの会場まで、なんで来られましたか?」(来た理由ではなく、来た手段を問う)という表現は正しいか?)」とか、日本語初学者の方に分かりやすく、それでいてちゃんと一般化できるように説明するのは、存外難しいものではないかと思います。)
まぁ、ある程度自分の裁量で、ややこしい部分は分かりやすくする工夫とかも、してみてもいいのかもしれませんね。
では続いてコメントの他の部分に戻ってみると、ルーシーの例文については、現在完了形と現在完了進行形の違いになりますが、これ、以前見ていたピーターセンさんの説明に則り、単純完了形は「○○してきた」、現在完了進行形は「○○してきている」という違いをなるべく採用しようとしていたつもりでしたが、この部分は全く同じ日本語のままにしてしまっていましたね。
…あぁ、「住む」という動詞と「してきている」という語尾との相性が良くなかったので、ピーターセンさんの日本語訳も何気に全く同じこともありましたし(現在完了も現在完了進行形も「イチローはヒットを量産している」といなっている例文もありました)、そのまんまでまぁいいかと思ったのがその理由だった感じですけど、やっぱり多少は違いがあった方が分かりやすいので、LIVEシリーズ1回目の記事の該当部、進行形の方は、しれっと「住み続けてきている」に変更しておきました。
(まぁ、でもこれはやっぱりちょっと冗長な和訳にも思えますけど、一応、臨場感がより大きいというピーターセンさんの説明からも、多少そういう訳の方がニュアンスは実際に近いのかな、とも思えます。)
とはいえいずれにせよ、日本語では全く違いが表せない(というか、違いを表さなくても正しい訳と判断される、の方が正確でしょうか)のは間違いなく、クソほどややこしいことには違いありませんね。
ぶっちゃけちょっとした違いでしかないので、もうこの辺は本当に、まさにおっしゃられている通り、諦めるのが最善(というと言い方が悪いですが、「前向きに無視する」って感じでしょうか(笑))かと思います。
ではコメント続きに参りましょう。
2回目(前回)の前半の完了形のあたりは、正直、読んでいる時はなんとなく理解しながら読めてるように思えて、多分何もわかっていません笑
ネイティブの人の話は、やっぱりちょっと(かなり)難しいですね。
とりあえず、『完了形の場合でも、進行形だとすぐに移動する予定もありそうなニュアンスが含意される』ということで、「進行形は使えるけど、引っ越す予定があるとか一時的に住んでいるようなニュアンスがある」っていうのは、ここでも書かれている感じですね。
まぁそれも、自分が使う時に、一時的かどうかを気にして使い分けるようなことができるとは思えないですけどね笑
そして、3回目(今回)は…もう暴れようかと思いました笑
…………I would go to bed at 8.
しかし、こうなら言えるとのこと:I used to go to bed at 8.
(私は8時に床に就いていたものだった。)
goは動作動詞だよね?では、なぜここでwouldが使えないんだろう?…………
こんなにわかりやすく質問してくれてたら、私でもわかるんちゃう?って思って、期待して回答を読んでみたら…
『wouldは曖昧』って…なに???
その答えが曖昧じゃん!って突っ込みたかったです笑
「現在完了形の3つの用法」なんかで、「この英文はその3用法でいうどれなんだろう?」って、まさに何もわからなくてもそうゆうのだけは考えたいタイプなので、そして最終わからなければもう適当でいいかって投げるどうしようもなくアカンやつなので笑…これはもう無理ですね。難し過ぎます。
⇒「wouldは曖昧…」という話は、まぁ「あばれる君」化するのも完全に理解できる気もするものの(笑)、ここはやっぱり、「だって曖昧なんだからしょうがないじゃん」としか言えない話なんじゃないかな、とも思えますね。
(例によって、特に具体例はパッと挙げられないものの、日本語でも「あぁ、俺たちゃあ何となくで使えてるけど、改めて聞かれたら、何となくの音の響きだけで曖昧に使い分けてるわ。日本語非ネイティブの方には使い分けが難しいだろうけど……実際俺らも何となくで使ってるからしゃあない、まぁ……頑張れ(笑)」としか言えない話、絶対あるような気がします。)
何事にもどうしても白黒つけたくなる・ハッキリした区分けにこだわってしまう……という部分、これに関しては、実際細部にこだわらない人は往々にして色々粗いともいえますし、こだわりを持つことが大事な場面も確実にあると思えるものの、言語みたいに「理論より実践」的な面が大きいシステムにおいては、そこはやっぱり勇気を持って捨て去って、自分の感覚に頼っていくようにするのも案外大事なのではないかな、なんて思えてしまいますね。
とはいえ、何もかも「ムードよムード、その場のノリで適当が一番っしょ」でいくと、めちゃくちゃ自己中な発言意味不明マンにもなりかねませんから(笑)、結局は何事もバランスというのが真理かもしれないですけどね…!
この話自体にも正解はない、漠然とした感じで恐縮ですが……。
では最後、コメント続き・ラストの部分です。
でもまぁ、
いろいろ投げ捨てて置いてきた結果、
あなたは(今)どこに住んでいますか?①Where do you live?
②Where are you living (now)?
彼は(今)日本に住んでいます。①He lives in Japan now.
②He is living in Japan (now).
これはどちらでもOKで、②の方が一時的に住んでいる(引っ越す可能性がある)ような意味になるということはなんとなく分かりましたので、
もしも日本で外国の人に尋ねる場合は、
② Where are you living (now)?
の方が良いかも?っていうことになりそうですね。(え?そうですよね??)
⇒まさにその通りだと思います。
とはいえ、WordReference.comの方は、案外同じ人が答えてらっしゃる感じも目立ったため、より信頼性を増すべく、もう一つの超お役立ちフォーラムであるStackExchange.comの方にもまさにピッタリな質問スレッドがありましたので、ついでにこちらも最後拝見させていただくといたしましょう。
wolpert(質問者):「Where are you living?」と「Where do you live?」の違い(質問スコア3点)
以下のような文章は、一般的な語法においてどのような使い分けがされているんだろう?
a) Where are you living? と Where do you live?
b) Are you traveling a lot? と Do you travel a lot?
Shoe(ドイツ在住・上位0.51%に位置する、超優良回答者):回答スコア8点
その違いは、話し手の心の中にあるといえるよ。もし話し手がその質問を、一時的な状態(特定の場所に住んでいる)または限られた期間に繰り返される行為(旅行)を指して概念化しているなら、進行形の方がより使われる可能性が高いだろうね。
なので、私の友人が2年契約でサンフランシスコに引っ越すような場合、私は数週間後に、彼女にこう尋ねる可能性が高くなるかな:Where are you living?(どこに住んでるの?)(Where do you live?と聞くよりも、だね)
同じように、新しい知人が出張や休暇で頻繁に旅行するのかどうかを知りたければ、こう尋ねるね:Do you travel a lot?(よく旅行されるのですか?)。でも、サンフランシスコの友人が短期契約を始めて数ヶ月後なら、Are you travelling a lot?(旅行いってる?)と尋ねる方が、よりあり得そうかな。
この質問で例示された2つの形式の内、ネイティブスピーカーがどちらを選択するかの理由についてよりよく理解するためには、『The English Verb』(85-87ページ)でLewisさんが書かれていたことを詳しく引用してみるのが良さそうだね:この形(現在進行形)は厳密にはtense(時制)ではなく、aspect(相)であることを覚えておく必要がある。相とは、話し手の、その出来事に関する時間的な解釈を示すものである。相は、現実の時間ではなく、心理的な時間―つまり話し手がその出来事の、時間的な質についてどう認識しているかについて言及するものといえる。
...
対比してみよう:I live in Oxford と I'm living in Oxford.
...
話し手が動詞の形を選択することで、事実と、その事実に対する話し手の態度や解釈の両方が伝わることを覚えておく必要がある。問題は、オックスフォードに住んでいることがどの程度の期間なのかではなく、ある特定の状況で話す瞬間に、それが限られた期間に起こることだと強調したいのかどうか、ということである。
I'm living in Oxfordでは、話し手は一時的な状態を概念化している;心理的時間において、期間は限定されているといえる。この限定は、I live in Oxfordでは示唆されていない。
(この回答についていたコメント)
あなたのこの、ネイティブスピーカーの英語の使い方のニュアンスを理解し、それを説明する能力は、模範的ですね。(: Andrewより
(コメントへのコメント)
@Andrewさん、ポジティブなフィードバックをどうもありがとう! Shoeより
Anton(スコットランド在住・今年の上位0.04%に位置している、超優良回答者):回答スコア0点
私はほとんど違いを感じないな。「Where are you living?」は、住んでいる地域、地方、国を尋ねているように感じる。「Where do you live?」は同じことを聞かれているけど、もっと具体的に、住所まで言うようにという仄めかしや誘い文句が加わっているように思う。
2つ目の例では、さらに違いが少なく感じるかな。他の人はそう思わないかもしれないけどね。
これは大変に分かりやすかったですね!
特に一人目のShoeさんの回答はコメントがついていたぐらいにあまりにも完璧でしたが、しかし、今現在も優良回答者として活躍されているAntonさんの、「ほぼ違いはない。単純現在形の方が、根掘り葉掘り聞かれている印象はあるかも」という意見も大変興味深いですね。
結局、このことからも、受け手によってどう感じるかが変わってくる程度の話ということが明らかだといえそうです。
これまた日本語でも、「こういう聞かれ方、好きじゃないな」と特定の表現に関して思う人もいれば、全く逆のことを思う人もいるわけで(例えば馴れ馴れしい言葉遣いとかは、評価が割れそうです)、マジでそのぐらいの微妙なニュアンスの差でしかない、ってのが結論な気がしますね。
(とはいえ、回答スコア的にも、多くの人は進行形に「一時的な雰囲気」を感じている、という点については、概ね正そうだといえそうです。)
改めてやや漠然としたまんまの感じではありましたけど、全ては話し手の心の中次第と(そして同時に受け手の心の中次第とも)いえるように思います。
アイキャッチ画像用に、「心の中」というイラストでいいのがないか探したもののあんまりなかったので、仕方ないので心を持ったロボットくんのいらすとをお借りしました。
会話というのは本当に、心のやり取りだといえましょう。(雑なまとめ)