それでは引き続きコメントに触れていこうと思います。
今回はこちらの記事(↓)に対していただいていたメッセージですね。
例によってこちらもアンさんよりのコメントです。
重ね重ね、心よりお礼申し上げます…!
やっぱりDo you speak English?でNoは、印象としてもよろしくないですよね。確かに、Noって英語じゃん!って話ですしね笑
Just a littleが正解っていうことで、ちょっと安心しました。「ちょっととか言うて、ちょっとどころか全く喋れてへんやん!」って思われる心配も、まぁないって感じですね笑
(Just a littleと言えた時点で、もう「ちょっと」は喋れてるっていうことで!?笑)
⇒結局まさにそういうことで、冷静に考えたらこの「Do you speak English?」という質問、反応できた時点で絶対にNoにはならないという、本当にダメな場合でも「答えは沈黙…!」を地で行くしかない、罠のような、禅問答にも近い踏み絵のごとき嫌らしい問いかけともいえるんですよね(笑)。
とはいえまぁ、相手も別に罠に嵌めて嫌がらせしようという意図でしている質問ではなく、例えば仮に異国の地で困っている時にめちゃくちゃ日本人っぽい方を見かけたら、日本語で「あの…日本語いけますかね…?」ぐらいは聞いてしまいたくなるのはまぁ分からんではないしな……と思えるのと同じ感じで、あくまであいさつ代わり・礼儀としての確認ぐらいの話かもしれませんね。
(あぁでも、明らかに日本語を母語としていなさそうな人にそんな自分の母国語での質問なんて絶対しないので、やっぱり英語話者特有の、「世界共通語の英語、チミ、理解できる?」という傲慢さは多少、あるっちゃあるかもですね(笑))
「いや実践的な英会話の経験は皆無なものでして、『No』と言わなかった結果、下手に話が続いて本題の質問に入ったのに、結局何も理解できず何の役にも立てなかった時の方が、相手の時間も無駄にしてしまうし却って申し訳ないでしょう?」という意図での「No」もあるんとちゃいます?……とも正直思えるものの、いずれにせよ、少なくとも例えばアラビア語で話しかけられたとして、本当にNoとすら答えられないような状況とは違いますから、ここはやっぱり「Just a little.」が正解になっている場面だといえましょう。
その結果、本題の質問が何も分からず何の役にも立てなかったとしても、少なくともNoで門前払いされた場合より相手は間違いなく温かい気持ちになっているはずですから、良いことをしたと胸を張っていいように思います。
…まぁ自分自身にとっては、「ほら言わんこっちゃない、期待させたのに成果ゼロで落胆されるとか、一番みじめなパターンじゃん!こんなことなら最初にNoと言って断っておけばよかったよトホホ…」というマイナスの結果になることもあるわけですけど(笑)、何度も書いている通り実際英会話なんてノリで何とかなるパターンの方が多いですし(道端での質問なんて、どうせ場所か時間かの二択ぐらいなもんですしね)、繰り返しですが仮に上手く会話が成立せず、質問解決に至らなくて落胆させてしまったとしても、先方にとっては「Noの門前払い」より絶対にありがたく感謝の念が大きい状況だと思いますから、世のため人のために、全く自信がなくても「Just a little.」でとりあえず話を聞いてあげること、それだけで大変立派な、とても素晴らしいことだと思えてなりません。
それでは続いてコメントの後半です。
pleaseは、あれやって!みたいな時に、pleaseをつけてお願い!って感じにするか、「Could you〜」をつけるかどっちかにしていましたが…
あぁ、Could you please〜って言う時もあるかな…?とりあえず、お願い!っていうニュアンスで使って正解ですね。
Here you areは覚えましたねぇ。はいどうぞ、わりと使います。HereだけでもOKなんですね!
Go aheadで「お先にどうぞ」は知っていたので、言われたらそう思って聞いていたと思いますが、使ったことはないかもです。after youとか言ってるような…?(そもそも、あんまり言ってないような…?笑)
高校の時の英語の先生が「Repeat after me」って言って、英文や英単語をリピートさせてたので、なんとなくその名残りでしょうか。
Please follow me
I'll follow you
これらをわりとよく使うので(よくってこともないですけど笑)、なんとなく同じようなニュアンスで覚えてる感じかもしれません。
after youはあんまりスマートじゃない感じですかね?
⇒pleaseをその意味で正しく使われているのは、まさしく英会話経験者で、それだけで中級レベルはあるといっても差し支えはないぐらいだと思われます。
…ってまぁ僕自身偉そうにランク判定できるほどのレベルじゃないですけど(笑)、少なくとも、本当に英会話経験がなく、中学高校で嫌々英語に触れてきただけの方(学生時代の僕含め、大多数の日本人がそうですね)の場合、モノを渡したり譲ったりする際の「どうぞ」で「Please.」と言ってしまいがち(何か変な気もするけど、他に言い方知らんししゃあない、消去法でそう言うしかないねん…ってパターン含め)なのは間違いなくそうだと思いますから、「お願いします」の意味でpleaseを使えているだけでもう、本当に上位数パーセントに入る熟練者と呼んで差し支えないように思えますねぇ。
Could you please~も、めちゃくちゃ英語らしい表現な上、大変丁寧な模範的表現に思います。
ただ、個人的には、pleaseがつくと「お願いだから!」みたいな、何というか若干の押しつけがましさがわずかながら感じられるような気が…?……とも思えて、場合によっては付けない方がむしろ柔らかいようなイメージもあるものの、これは完全に僕個人の勝手な印象かもしれません。
念のため調べてみたら、pleaseの有無ではなく、pleaseの場所について議論されている話でしたけど、何度か紹介させてもらっているStackExchangeの方にめちゃくちゃ面白そうなトピックがあったので、今回はこちらのQ&A(↓)から、示唆に富む良回答をいくつかピックアップして、翻訳引用させていただきましょう。
dvdmn(質問者:フロリダ州オーランド在住):
何かを丁寧に依頼するとき、どちらの文章がより良い/適切なチョイスとなっている?
Could you please help me?
または
Could you help me please?
CoolHandLouis(フロリダ州ジャクソンビル在住、上位3%に位置する高評価回答者):回答スコア15点
私の丁寧度メーターでは、この2つの文章は非常に近いスコアだね:"Could you help me, please?" と "Could you please help me?"。前者の方がよりフォーマルな感じはするかな。どちらを使っても、普通の人の物言いよりは断然丁寧な表現になっているよ。
以下のデータは、「pleaseは終わりに」の方が一般的かもしれないという、ごくごく大まかな目安である:11 Google検索結果は、全く正確でない可能性がある。いずれ見直してみようと思う。別の回答では、別の結果が示唆されているしね。
文の構造が、強調する情報に影響を与える:文の長さによっては、しばしば「please」を先頭に移動させねばならない傾向があるね。次の例を考えてみよう:「Could you help me find my light-brown work shoes that I just bought, please?」 「Could you please help me find my light-brown work shoes that I just bought?」(買ったばかりの薄茶色の作業靴を探すのを手伝っていただけませんか?)後者は、先に丁寧さを導入することで、文章中で重要な情報に集中させることができているね。
このスレッドの他の回答では、フォーマルさと緊急性に関して素晴らしい分析がなされている。ただ、文の長さが、その反対勢力になることもあるね。「please」は文末に置くとよりフォーマルで丁寧な表現になる傾向があるけれど、長い文章では「please」を文頭に近づけるとより自然な表現になる場合がある気もするかな。詳しくは、Google検索:sentence information, clarity, and focus(文章情報、わかりやすさ、集中性)を参考にされたい。これらを学ぶにはどうすればよいか?
このスレッドにはたくさんの素晴らしい回答があるけれど(それらも読むことをお勧めするよ!)、ちょっと供給過多で面食らっちゃう気もするね!言葉の使い方というのは、文脈に大きく左右されるんだ。1000の使い方のルールを学ぼうとするよりも、観察と経験を通じて、自然に微妙な使い方のスキルを身につけることをお勧めしたい限りだよ。
BobRodes(テネシー州マンチェスター在住、上位2%に位置する高評価回答者):回答スコア12点
ここで言及された単語や語順の違いには、様々な機微が隠されている。pleaseの文中での位置を変えると、その強調度が変わってくる;大雑把に言うと、この語が文中で早く出てくるほど、助けを求める気持ちが強くなるといえる。RayBさんの指摘では、pleaseを文末に置くとより丁寧に聞こえるとあるね。これは、少し主張が弱くなるからだといえよう。
また、文脈も非常に重要だ;よりしつこい感じで助けを求めても、それがより急を要するものであれば、不作法とはならないであろう。例えば、子供が見知らぬ人に近づいてきて、「Could you please help me? I'm lost.(どうか助けてもらえませんか?迷子になっちゃいました)」と言ったとしよう。その子は恐らく、怖い状況でも冷静な判断ができる、とてもマナーの良い子だと思われるであろう。一方、買い物客が店員に「could you help me, please?」ではなく「could you please help me?」と言ったとしたら、一般的に、あまりに長く待たされたことに対する苛立ちが伝わってくると捉えるのが普通だろう。一般的にと言ったのは、声のトーンでこれを変えることができるからである。ここで、「would you help me, please」は、couldを使うよりも少ししつこくない感じがする。それは、「できるかどうか」ではなく「助ける気があるかどうか」を尋ねているからであろう。「Won't you help me」は通常、「please」とは相性が悪い。それは、仮に本当は助けるべきであっても、その人が助ける気がないかどうかをあえて尋ねているからである。(追記:他の回答で紹介されていたビートルズの歌の歌詞「"won't you pleeease, please help me」に気付いたが、これは例外である。この意味でwon't you pleaseを使う場合は、特にしつこさがある。この歌には、ほとんど物乞いに近いような趣があるといえよう。)
一つ面白い話が思い浮かんだ。昔、メイン州で何年も漁師をしていた人を知っていたんだが、その人がこんな話をしていた。ある晩、彼は友人たちとボートハウスにいて、ラジオが流れてきた。
ジム?
よぉフィル、どうしたんだ?
別に。今、何かやってるかい?
いんや、ジョーとジョージとここに座ってるだけ。
Well, could you stop out and pick me up, please?(では、どうかこちらに立ち寄って迎えに来ていただけないかな?)
もちろん、今どこだ?
3マイルほど先だ、水飲んで待っとるよ。
なぜ面白いかというと、助けの要求のレベルが、本来必要なレベルよりずっと低いからである。
その他にも、このBobさんの回答へのコメントに、トップ回答のCoolさんからコメントが付いていたり、他にも「文中の場所で強調度が変わるとか、全く同意できない。トーンで変わる」という旨のコメントに、Bobさん自身が「だからそう書いてんじゃん、ちゃんと読んだかい?」というコメントを返していたり(でも別に攻撃的というわけではなく、続いて「その意見には全く同意だよ。でも、やはり語順の影響はあるように思う」などと書かれていますね)、他にもスコアは上の2つより低いものの、例えばBobさんの回答中でも触れられていたRayBさんによる、
「終わりにpleaseを置く方が丁寧だと思う、でも自分なら、よりフレンドリーに聞こえる『Would you mind helping me, please?』を使うかな」
というコメントなどなど、まだまだ沢山面白い回答&やり取りはあったものの、既にこの記事も割といい長さになってしまったので、引用はその辺にしておきましょう。
回答の方をおさらいしておくと、まさにBobさんの主張されていたスーパーの例なんかが僕のイメージにピタリで、「Could you please~」はちょっと急かしている気もするかなぁ、と思えるものの、Bobさん他多くのコメントでも述べられている通り、その辺の丁寧さは文構造そのものよりも完全に「言い方」のほうに依存している話ともいえそうですね。
(とはいえ、文構造自体が、そういうニュアンスを出しやすい形になっている、というのは確かにある気もする……という点もBobさんに同意です。)
あと、このスレッドで語られていたポイントとは若干ズレますが、そもそも(記事タイトルにもしてみた通り)「丁寧すぎると逆に失礼」ってのは、英語に限らず割とどの言語でもあるように思えてなりません。
これは別に「丁寧語だとちょっと距離を感じて、他人行儀にもなるから…」という面に限らず(まぁそれも非常に大きいとはいえますけどね)、例えば夫婦や恋人間の会話で、何か相手の意にそぐわないことを言った場合、相手が「あぁ左様でございますか!ではお好きなように、ご勝手にして下さいませ」とでも言おうものなら、これはマジで極めて丁寧な表現だからこそ逆に強烈に皮肉が込められた、苛立っていることがありありと伝わってくる感じであり、丁寧さが逆に仇となっている(この場合は、わざとそれを悪用しているわけですが)恰好の例だといえましょう。
…まぁそれはかなり大げさというか極端な例であり、我々非英語ネイティブが丁寧な言い方をしたところでそういう皮肉表現にはまずならないと思いますけど、必ずしもバカ丁寧な表現を心がけることだけが親しさ・礼儀を表す方法とは限らない……というのは、英語のみならず日本語でもいえることかもしれませんね、ということも浮かんだお話でした。
(でも改めて、言うまでもなく、外国語を学んでいる立場としては、徹底的に丁寧な表現を心がけるのが一番確実で良い姿勢であることは間違いないと思います。)
そんな感じでまた結構な分量になっていたので、またまた完全にコメントの途中ですが、続きは次回改めて触れていくといたしましょう。
アイキャッチ画像は、「丁寧すぎても逆に失礼」を絵で表すのは難しすぎたので(笑)、普通に全然失礼でもなんでもない、ほっこりする丁寧なキッズのいらすとをお借りしました。
Bobさんの回答にも似たような話がありましたが、子供がとても丁寧だと、何とも温かい気持ちになるものです。
(とはいえこれも、場合によっては「大人に気に入られようと作っているのが透けて見えてしまうなぁ。その辺の演技が上手くないのは、まだまだ子供よのぅ(笑)」みたく思えることもあり、まぁそれはちょっと大人の穿った見方かもしれないものの、でもそれはそれでやっぱり微笑ましいともいえるかもですね(笑)。)