コメ返信や補足その1-15:Already Gone(もうお別れだよ)

前回はbeen/goneの話を垣間見ており、Q&Aフォーラムに何か面白そうな記事があればついでに触れてみようと思います、などと最後に書いていました。

正直あんまり「なるほど!」と思えるような「目から鱗」的なものはなかったんですけど、一つ、おなじみWordreference.comに、「ついでだし、補足としてせっかくなら触れさせてもらおうかな」と思えるトピックがあったので、ちょっくらそれだけ引用させてもらうといたしやしょう。

まさに、例によって例のごとく、記事の水増しってやつですね(笑)。


今回はこちらのトピ(↓)になります。

早速各レスを翻訳引用させていただきましょう。

forum.wordreference.com

 

germanictamoon(質問者:インド・西ウッタル・プラデーシュ在住、ヒンディー語(西ウッタル・プラデーシュ)話者):

みなさん、

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に、こんな一文があるんだ。

「She had been gone this long before.」この文の意味は何なんだろう?文脈は以下の通り:「ヘドウィグはもう二晩も留守にしていた。ハリーは彼女のことを心配してはいなかった。She had been gone this long before.」

これ、「she had gone this long before」と言うことはできるのかな?

この文を他の文脈でも使えるように、少し解説してくださいな。

 

suzi br(チェシャ―在住、イングランド英語話者):

この文の意味する所は、ヘドウィグがそのぐらいの期間留守にすることは珍しくないから、心配する必要はない、ということだね。全く珍しいフレーズではないよ。

She had been gone ... beforeは、この出来事が、現在展開している物語の部分よりもさらに過去にさかのぼって起きたことを示すフレーズだ。

「this long」は、一般的に彼女が留守にしている日数を指している。

他の文脈での使用かい?過去に誰かが不在だったことを説明するという観点では全く同じようにいけると思うけど、他のメンバーは他のアイディアを持っているかもしれないね!

 

JamesMカリフォルニア州ロサンゼルス在住、アメリカ英語話者):

別の言い換えをするならば:「She had been gone for as many as two days in the past.(彼女は過去に2日間も家を空けたことがあった。)」

 

Tazzler(メリーランド在住、アメリカ英語話者):

この文の意味は、ヘドウィグのそのぐらいの長期不在は珍しいことではなかった、ということだね。ヘドウィグがこのぐらいの長期間不在だったのは、今回が初めてではなかった、ってこと。

 

germanictamoon(質問者):

どうもありがとう。

ここでの「gone」は、動詞「go」の過去分詞なのか、それともgone=missing(欠落・行方不明)ということなのかな?

 

JamesMカリフォルニア州ロサンゼルス在住、アメリカ英語話者):

「Been gone」は「been away(離れていた)」という意味だよ。missing(行方不明)という意味ではないね。


例:

私の妻は親友と4日間の休暇に出かけた。She's been gone only two days and already I miss her terribly.(彼女はたった2日いなかっただけなのに、もうすでにひどく寂しい。)

 

Parla(ニューヨークシティ在住、アメリカ英語話者、最初の質問ポストへの返信):

ノー。ここでのgoneは、away(離れている)あるいはabsent(不在の)(動詞の分詞ではなく、形容詞)という意味だね。

引用文の意味:Hedwig had been away for an equal amount of time on earlier occasions (and she had always returned safely)(ヘドウィグは以前にも同じ時間だけ留守にしていた(そしていつも無事に帰ってきていた))。だから今回も、彼女の不在がハリーを心配させることはなかったわけだね。

 

germanictamoon(質問者):

心から、大変どうもありがとう。

 

⇒正直ぶっちゃけ、最初の質問で「goneの用法が見慣れないけど、これってどういう使い方なんだろう?」ということを聞いているのは明らかだと思えましたが、やはりネイティブの方たちにはそんな感覚はないようで、みんな、普通に文の意味を説明してくれているだけという、「何だか、ちょっと噛み合ってないなぁ…」と思える回答をくれていたわけですけど、その後改めて質問者のgermanictamoonさんがポイントを尋ね直してくれて、核心に迫った答が得られた感じでしたね。

(ちなみに、回答者にはJamesMさんがいて、まさにこないだ見ていたWho is himの記事でも回答してくれていましたから、「また君か助かるなぁ…」と、まさかの再会に笑えた……というのが、この記事をあえて紹介したくなった最大の理由だったかもしれません(笑))


今回の質問のハリポタの文では、前回見ていたgoneとはちょっと用法が違う(まさに最後の回答でも触れられていた通り、ここでは過去分詞ではなく、形容詞……なので、been goneとかいう結構見慣れない形になっていたわけですが、これは過去分詞二連発ではなく、had been+形容詞という、いわばI had been sick.と同じ、極めて単純な文であった、という話ですね)といえるわけですけど、いずれにせよgoneというのは、ちょうど同じく最後の回答にあった通り、「away=離れている」や「absent=不在の」的な意味が極めて強い語ですから、その感覚からしても、前回の「I have been to」と「I have gone to」の違いというのは、ニュアンスがつかみやすい(というか、単語本来の意味が肌で分かるネイティブには、ニュアンスが明らかである)といえるんですね。

つまり、have gone toだと、めちゃくちゃ「gone=去った=今はいない」というニュアンスがプンプン感じられてきますから、これは「行ったことがある」という意味にはなり得ず、「行ってしまった」(今もそこにいて、まだ戻ってきていない)という意味になる、という話になるわけです。


この「goneは、『離れ去ってしまった・行ってしまった』というイメージの言葉」という感覚、僕は中学生の完了形を習った頃は持っていませんでしたが、そのイメージがあると、完了形の例のややこしい文の使い分けもイメージがつきやすくなるかもしれませんね、というお話でした。

 

せっかくなので脱線して、goneといえば、音楽好きの人間としてはパッと浮かぶ曲がありまして、ちょうど僕がこちらに来た頃に人気も絶大で、全盛期の名曲率は史上No.1なのではないかとまで思えたKelly Clarksonさんのこちら、「Already Gone」!!

(ちょうど、話にだけ出しておいてずーっと保留中の、「『青い花』のキャラクター・勝手にテーマソング決め」の続きで、ケリクラさんの曲も1つ採用予定なので、ケリクラさんについてはまたその時に改めて語ってみるといたしましょう。いつになるか分かりませんが(笑))

www.youtube.com


これ、マジで老若男女問わず、いつ誰が聴いても間違いなく「うっわ、これはいい曲だね…!」と思えるのではないかと断言できる、初めて聴いてもどこか懐かしさを覚える珠玉のバラードだと思うんですけど、惜しむらくは、なぜかこのオフィシャルMVは、めちゃくちゃ中途半端に途中で唐突に切れて終わる形になっている、って点がありますが(幸いもうほとんど終わりまでは収録されていますが)、これに限らず全盛期のケリクラさんの曲は冗談抜きに絶品揃いなので、ぜひ原曲を手に取ってみられること推奨といえましょう。

(ちなみに何度も「全盛期の」とか但し書きを付けましたけど、ちょうど僕がケリーさんの曲に触れて感激し、その後、待望の新譜が出たぐらいのタイミングで、めちゃくちゃ言い方は悪いですけどいきなり見た目も声もただのおばちゃんっぽくなってしまい(まぁそこまで急激にではないものの、楽曲の良さもいきなり弱くなってしまったように思えました)、劣化というと失礼すぎますが、死ぬほど楽しみに聴いてみたけれど若干の肩透かしを感じてしまって、かなり残念だったのも記憶に新しいです(本当に全盛期は打率10割といえる、誇張抜きに全てが素晴らしい名曲だったという、あまりにもずば抜けたレベル過ぎて期待が振り切れてしまっていた……というのも大きかったとは思います。)


この曲も、裏声で「ホ~レーディゴーン」みたいに美しくも切なく儚げに歌い上げる部分なんかが特に大好きなんですけど、英語に戻るとこちらは言うまでもなく、「Already Gone(既にGone)」で別れを歌った曲になるわけですが、上で書いていた「gone」のイメージ、「去ってしまった・離れてしまった」と聞くと、何となく「相手が去ってしまった」と思い浮かべがちなものの、この曲の歌詞は「I'm already gone」であり、「自分から離れて終わりにした」という意味でも使えるフレーズであるというのは、英語ならではの言い回し、って感じがあるかもしれませんね。

(この曲の歌詞全体としては、恋人同士である二人の関係というものはいつか必ず終わるものであり、相手のためを思って、彼の幸せを本当に願うからこそ、私は離れるよ…という旨をケリーさんが歌い上げているものなわけですが、それだけ聞くと、燃え上がっていた気持ちが失われたから、あなたとはもう別れるわ…みたいなクソ女的な印象もあるわけですけど(笑)、こちらの歌詞の解釈サイトにあったコメントの1つに、

「私の解釈は他のコメントとは少し違う。この曲は、余命宣告を受けてもう先が長くないことを知った人が、それを受け入れたときのことを歌っているのだと思う。
 大切な人を愛していても、一緒に年を取ることはできないのだから、相手にはいずれ前に進んでほしい、自分が死んだら相手は大丈夫だと思いたい、そういう思いが込められているのではないだろうか。
 『But I want you to move on』(でも、私はあなたに前に進んで欲しいのよ)」

…みたいな感じで、他の部分の歌詞も引用して考察されていたものがありましたが、何百回と聴いた割に、その発想は全くなかったんですけど(※)、心に沁みるメロディ・雰囲気にもピタリですし、これは大変素晴らしい解釈だと思えましたねぇ…!

(※まぁ、そもそも歌詞なんて聞き取れないことが多いですし、意味を分かって聴いていたわけではないので、特に洋楽の場合、何千回聴いても自分なりの解釈なんて生まれないのは当たり前なんですけどね(笑))

 

という所で、今回は単なる前回の補足程度の話になってしまいましたが、好きな曲も貼れたのでヨシとさせていただきましょう(笑)。

次回は、完全に途中状態になっている、コメント続きの段落から見ていく予定です。


アイキャッチ画像は、最後に見ていた曲の解釈が大変良かったので、ドンピシャなイラストはなかったのですが、入院ベッドの上で気丈に振る舞っている(とも見える)女性のいらすとをお借りさせていただきました。

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