コメ返信や補足その1-14:beenとgone

脱線補足ネタが続きましたが、またいただいていたご質問に触れて行くコーナーに戻っていきましょう。


最近の各記事でもご質問を含むコメントをいただいており、以前のマギ単シリーズ含めて保留中のコメも結構溜まっているため、順番が本当にしっちゃかめっちゃかになってしまっていますが、とりあえず直近の、I'm doneの記事に対してもらっていた質問メッセージから順番に見て行こうかと思います。

また今回含め新しい記事に新しいご質問をいただける可能性もありますが、まぁおいおい、適当な順番で順次触れて行く形にさせていただきたい限りに存じます。


コメントは、毎度おなじみのアンさんより承ったものですね。

毎度同じお礼しか書いてませんが、いつも非常に面白い着眼点のとても温かいメッセージ、大変ありがとうございます!

今回も、段落ごとに触れて行く形にしてみましょう。

 

「I'm done.」、、聞いたことありますねぇ。

過去分詞ね、知ってます、、一応笑

do did done、go went gone、、ですよね。read read readもですね。発音が違うやつ。

その変化はなんとなく覚えた記憶があるだけで、過去分詞は多分使えないですねぇ…

あ、「Have you ever been to Japan?」「I have been to America.」くらいは言えます、多分。でもこれも、「行ったことある、来たことある」なのに、なんでbeenなんだよ!ってずっと思ってます笑

 

⇒実際、過去分詞とか完了形とか、あまりにも日本語にない概念過ぎて、恐らく英語が嫌になる・脱落する生徒が断トツで多い、英語の授業でそびえ立つ壁となっている項目筆頭なのではないかという気さえする話ですけど、実際僕も中学高校の頃(どころか、大学以降でも、マーク・ピーターセンさんやミントンさんの本で独自に学習するまで)は分かったような分からんようなあやふやな話でしたし、まぁそれでも学校の試験を乗り切るぐらいは可能なわけですけど、少なくとも不規則変化の動詞には法則も全く存在しないし単純に根性で覚えるしかないですから、学習者泣かせの話には間違いありません。

…まぁでもこれも、漢字とか、モノを数える単位とか、敬語とか、そういう無限とも思える謎ルールを難なく使いこなさなくちゃならん日本語と比べればまだ全然可愛いもんだろ!…という日本語学習者の叫びが聞こえてきそうな話ではあるかもしれませんね(笑)。


とはいえ、readはまぁ発音はかろうじて「リード・レッド・レッド」と違うものの、cutとかletとかは発音すら完全一致ということで、

「ぶっちゃけ、それで普通に成り立つ単語が存在してるんなら、全部同じでも問題なく運用可能ってことなんだから、全ての動詞で活用なんて廃止せーや!」

とも思えるわけですけど(笑)、多分実際は、活用がなかったらなかったで、ちょうど日本語でいえば「『つらい』と『からい』が全く同じ漢字(辛い)って、不便過ぎるだろ!欠陥だ!!」と思えるように、不便な場面の方が圧倒的に多くなるって感じなんでしょうねぇ。

(あぁでも、「活用してもいいけど、不規則とかいう例外をやめーや、って言っとんねん」って話かもですね。
 ただこれも結局、「goの過去形がgoedだったら、言い辛い(あるいは他の語との区別がつき辛い)んよ。だから結局、覚える手間はあっても、単語によっては不規則に変わった方が便利なのだ」って話なのかもしれませんね(実際goの場合が言い辛いかはともかく、一例として)。
 まぁそれにしたって、goとwentは関連がなさすぎだろ、一文字も同じ文字がねーじゃねぇか!!…と思えますけどね(笑)。)

 

一方コメント後半の、「〇〇に行ったことはありますか?」という質問でおなじみのbeen to、まさにアンさんの思われている疑問通り、「なんでここでbe動詞なんだよ、行くはgoじゃねえのかっつーのよ―――ッ!ナメやがってこの言葉ァ超イラつくぜェ~~~ッ!!どういう事だよッ!クソッ!クソッ!」と、ガンガンガンと壁を殴り続ける中学生が多発しているネタなわけですけど(笑)、これはマジで納得いかねえぜぇ~~!!と思える話ですね。


もちろん、gone toは別の意味になるので、この場合はbeen toと言うしかないのは分かるんですけど、その理由を考えてみる前にとりあえず、これらの違いと、更に似たようなbeen inについての違いをまとめておきましょう。

そちらを簡潔にまとめてくれていた文法記事から一つ、Google検索トップに来ていたこのページ(↓)が、補足で挟まれる「注」にもいい点がまとまっていたため、中3レベルの極めて単純な文法ネタに過ぎませんが、こちらを翻訳紹介させていただこうと思います。

www.grammarbank.com

Gone To vs Been To vs Been In

He's gone to England 対
He's been in England 対
He's been to England?

以下の説明を見て、問題文を解いてみてください。

練習問題

完了形の問題 (パート2をどうぞ)

 

Been To

どこかに行き、その後帰って来てもうそこにはいない、ということを言う際は、been toを使います。


I have been to Paris before, and I can tell you that it’s an amazing city. (I am back now)

(私は以前パリに行ったことがありますが、素晴らしい街だと断言できます。(今は帰ってきているということ))


My brother has been to Venice. I am sure he can give us some advice about where to eat or where to stay.

(私の兄はベネチアに行ったことがあります。きっと、食事や宿泊場所についてアドバイスしてくれるでしょう。)

 

注:いつもtoを使うわけではありません。

I have never been abroad. (not… been to… )

(私は海外に行ったことがありません。(been toではない)

 

Gone To

どこかに行って、まだそこにいる、ということを表現する際はgone toを使います。

A: Where is your sister Sam?

B: She has gone to the market, she will be home soon.

(A: お姉さんのサムはどこにいるの?

 B: マーケットに行ったよ、もうすぐ帰ってくるよ。)


注:ご理解いただけると思いますが、「gone to」では自分に言及する代名詞(IやWe)を使うことができません。なぜなら、誰かに「その人はどこか別の場所にいるのか、目の前にいるのか」と尋ねても意味がないからです。

I have been to London. (私はロンドンに行ったことがあります。)
I have gone to London. ("I am in London."?)
(私はロンドンに行ってしまった。(「私はロンドンにいます」っていうこと?))

 

Been In

どこかにどれくらい滞在しているかという情報を述べる際は、been inを使います。

A: How long have you been in California?

B: I have been in San Francisco for six years and never thought of going back to my homeland.

(A: カリフォルニアにどれくらいいるんですか?

 B: サンフランシスコに6年間いますが、故郷に帰ろうとは思ったことはありません。)


…ということで改めてまとめると、

  • 旅行などで訪れて、既にもう今暮らしている所に帰って来ている、つまり「行ったことがある」という場合にはbeen toを使う。
  • どこかに旅立って、今現在もそこにいる(目の前にはいない)、つまり「行ってしまった」という場合はにはgone toを使う。
  • 経験というより「今いる場所にかれこれ〇年(もちろん〇か月でも、〇分でも)いる」という滞在期間を述べるような場合にはbeen inを使う

という感じで、使う場面の違いとしてはかなり分かりやすいタイプの話ではないかと思います。

(一応、注にあった、「I have gone to XX.はおかしいです」というのは、気をつけるべきというか意識していなかったポイントに思えました。

 まぁ、意味を考えたら当たり前なんですけど、まさに日本語でも「私はイギリスへ行ってしまった」なんて文は違和感ありますし、それと同じ理屈だということでしょう。

 ただ、この記事のコメント欄の方に、

「でも、例えば電話口なんかで、自分のことを探している人に、自分がその場所にいない理由として『I have gone to the city.(街の方に行っていまして)』って言うことはできないのかな?」

…というコメントがついていましたが、残念ながらこのコメに対する返信などのレスポンスはなかったものの、確かにそういうシチュエーションなら言えそうだな、って気がしますね。

 とはいえやはり、そういうかなり特殊な状況じゃないと言わない文であることには間違いなさそうです。)

 

…とわざわざまとめましたがまぁ、ぶっちゃけこの使い分けについては「知ってた」って話で、「んなこたぁ先刻ご承知なんだけど、知りたいのは、なぜbe動詞風情が、いきなり『行く・来る』みたいな意味を持つか、ってことなんだよぉ~ッ!」と思えてしまう気がするわけですけど、これに関しては、軽く調べてみても特にバッチリ理由というか背景知識みたいなのを説明してくれている記事は見当たりませんでした。

(まぁ、調べが足りないだけで、多分どこかの誰かが言及してくれている記事は恐らくあると思いますが…。)


これは、恐らくネイティブスピーカーにとっては「そうなるものはそうなるんだよ!」としか言えない話で、当たり前すぎて疑問にも思わない点なのかもしれませんね。

(ちょうど、例えば日本語でも、「『根掘り葉掘り』っておかしくない?葉なんて掘れないし、言うなら『根掘り土掘り』の方がしっくり来る気がするけど」と仮に日本語学習者に聞かれたとしても、「うるせー、昔からそう言うし、なぜかそれで意味は通じるからそれでいいんだよ!」としか返せないのと似たような感じでしょうか。
 (…って、「根掘り葉掘り」を出したかっただけで、全然いい例えじゃないですけど(笑))
…まぁもうちょいいい例なら、「『首を突っ込む』は、首なんて突っ込めないし、『頭を突っ込む』の方が適切ではありませんか?私にはそっちの方がしっくり来ますが」と日本語学習者に問われても、「うーんごめん、俺らもなぜそう言うのかの理由は知らんのだけど、日本語ではそう言うんだ」としか言えないのに近い、って話でしょうかね。)

 

ということで自分なりに考えてみますと、これまた完了形の話は改めて別の機会にもっとちゃんとまとめてみたい所ですけど、ごく簡単にいうと完了形というのは、

時間の数直線を頭に思い浮かべて、矢印(→)が描かれている感じなのが完了形

…というイメージが、マーク・ピーターセンさんに限らずネイティブスピーカーの方が頻繁に語ってくれる話でして、僕もそのイメージを脳内に持つようにしているんですけど、それを踏まえて、beenとgoneを考えてみると…

beという「いる・存在する」という意味の動詞に「幅のある矢印」が加わることで、「自分の歴史という数直線の中で、ある期間、どこそこに存在していた」=「行ったことがある」というイメージになる(ただそれは「~へ」という意味のtoと組み合わさったときの話で、「~の中に」という意の前置詞・inと組み合わさったら、「まさに今現在も自分はその矢印の中に入り続けている」みたいなイメージで「〇年間滞在している」という意味になる)……

…みたいなのがbeenの方で、一方のgoは、この「行く」という意味の動詞に矢印がついて(=過去分詞・gone)時間的な広がりが生まれると、「行ったことがある」ではなく、「行ってしまった(goの矢印が伸びている=まだgoの状態が続いており、戻ってきていない)」という意味になるので、この語では「行ったことがある」というニュアンスにはならず、「行ってしまった」という意味になる……

…みたいなイメージかな、と僕は勝手に考えて納得していますが、まぁこれも例によってややこじつけであり、「『幅のある矢印で、自分の歴史の中である期間そこに存在していた=行ったことがある』って、正直無理がない?そんなんゆーたら、live(暮らす)の過去形とかでも同じ意味になりそうなもんじゃん」とかも思えちゃうわけですけど、究極的には言語なんてこじつけで、ちょっと無理くりだけど、まぁそういう風に考えられなくもないから、そう納得して大人しくそのルールに従おう、使ってればその内慣れるさ、って話に尽きるともいえるかもしれませんね。

 

正直自分でも言っててあんまり心から「なるほど!」と思える話ではない気がするものの、そんな感じのイメージを持っておくのがいいかもしれませんね、というお話でした。

(とはいえ実際使う際はそんなやや漠然とした謎イメージを思い出すのもアレですし、僕個人的には、

「一番よく使う気がする『行ったことがある』は、一見goっぽい気がするのにbeの完了形を使うやつで、beenはさらにinとtoがあるけど、inだと『中にいる』で今でもそこにいそう、一方toは『~の方へ』って感じだから、『行ったことがある』は been toで間違いないな(そしてbeen inはその理屈で『今いる場所での滞在期間』になるし、gone toは『行ってしまった』という表現がピタリな、まだ戻って来てない例だったな…という感じで思い出せる)」

…という連想ゲームみたいな感じで、万一ド忘れして迷ったときには思い出してる感じですね(ってこんな独りよがりな連想、数直線のよぉ分からんイメージを浮かべるのとほとんど大差ないかもしれませんが(笑))。)


ということで、意外とbeenとgoneの基本的な話で長くなってしまいました。

ちなみに本題とは関係ないですけどもう一点、コメント例文であった「America」は、まぁ多分そう言っても通じなくはないと思いますけど、一応この「America」って語はアメリカ大陸(ブラジルの方、ラテンアメリカ含め)を意味する言葉であり、「I've been to America.」だと、厳密には「アメリカ大陸に行ったことがある」であり、改めて普通は「アメリカ合衆国とに」思われることがほとんどとはいえ、意味的には例えばアルゼンチンにしか行ったことがない人が言っても完全に正しい表現ですし、そもそもアメリカ人は国としてのアメリカを指してAmericaとはほぼ100%近く言わないという点は要注意ポイントかもしれませんね。

アメリカ人は、自国のことを「the US」とか「the States」とかで表す感じなので、この疑問文は「I have been to the US.」と言った方がより自然だといえそうです。

(個人的には、「ステイツ」は普通の「州」と紛らわしいですし、発音もより簡単なのでほぼ確で「ザ・ユーエス」と言いますねぇ。もちろんUSAでもいいのですが、とにかく英語なんて一文字でも無駄に発音したくないですから(笑)、常に短い方を好むってことで、やっぱり僕はUS呼びが多い気がします。)

 

という所で、最初の段落のみで案外長くなったので、続きは次回とさせていただきましょう。

(ちなみにこのbeen/goneネタに関しても、当然巷のQ&Aフォーラムには大量の質問トピックが存在しましたが、もし面白そうなのがあればまたそちらに触れる所から始めるかもしれません。大した話もなかったら、次の段落へ進もうと思います。)


アイキャッチ画像、これまた特に何もなかったので、途中、根掘り葉掘りうんぬんの話、ご存知ない方は「何のこっちゃ?」という話だったと思われるわけですけど、これは『ジョジョの奇妙な冒険』第五部に登場する、キレ芸が得意な愛され敵キャラ・ギアッチョのネタだったので、今回はギアッチョを……と思ったもののこれは版権キャラですし、ファンイラストもその絵師の方の作品ですから無断で自分のブログに引っ張ってくるのもアレなので、ギアッチョは参考リンクに留め(要らないと思いますが(笑))、イラストは関連して、壁殴りのいらすとをお借りしましょう。

dic.nicovideo.jp

 

流石はいらすとや、「壁ドン」という、なぜか元々使われていた意味ではない謎の用法で広まった流行語の、オリジナル・正しい意味はこっちなんだと、きちんと説明書きで補足してくれています(笑)。

まさに、うるさい隣人にイラついて、壁をドンとして意思表示をするというのがこの語の本来の意味であり、決して男女間で行われる憧れのあのシチュエーションなどではないんですね、ネットに精通している我々のような者にとっては…(笑)。

(ちなみに自分が女性だったら、壁ドンにときめくとか、んなわけねーだろ、としか思えないぐらい、シチュエーションとしても謎すぎますけど(笑))


最後本題と全く1ミリも関係ないネタ、どうも失礼しました~。

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